• 「Moon stories 3」キュヒョン×イトゥク

    *続き物なので一話からどうぞ。 「薬草だよ。薬草だよ」 頭上に大きなハサミを突き上げて、器用に箱を持って来る蟹をキュヒョンは無視した。言わなくても分かっているのに、おどけて言っているのだ。でも無視をするのもキュヒョンなりの冗談だった。それを蟹も分かっている。 「ひと箱下さい」 優しい相棒が乗ってやった。 「今日は早いね」 蟹が今まで挽いた薬草を回収しながら言った。確かにもうそのひと箱で今日の仕事は

  • 「Moon stories 2」レイ×シウミン

    *続き物なので一話からどうぞ。 「空違いますね」 振り向かず、シウミンは「そうだな」と応えた。それがどちらの国の空と違うのかは分からなかった。でもどちらの国とも違うのだから、言及はしなかった。 月がとても大きく見えていた。 金色に見えた。 「月餅食べないとな」 冗談は苦手なのだけれど、後ろから小さな笑い声が聞こえて少し安心した。 「さっきの焼き菓子美味しかった」 返事は独り言のようで、年上の自分に

  • 「Moon stories 1」チャンミン×ユノ

    「疲れたなあ」 クレーターの淵に、白い毛で覆われた柔らかい尻をぺったりとつけて、ユノが溜息をついた。 「今日はもういいんじゃないですか?」 その隣に立って、チャンミンはこちらも白い毛で覆われた自分の肩をとんとんと自分で叩いた。 「いや、それはだめだよ」 「冗談ですよ」 本気に見せかけた冗談を言うとすぐ言った通りに捉えてしまうユノの癖にチャンミンは溜息を吐いた。こういう融通の利かないところはもうずっ

  • 「鈍感BOY(ラブコメ編)」チャンミン×ユノの短編

    「はあ、面白かったですねえ、ヒョン」 久し振りに一緒の宿舎の日本で、俺はソファーに座ってユノヒョンと一緒にテレビを見ていた。 「うん、すごく面白かったんだけど、ちょっといいかな?」 ヒョンは少し深刻そうな顔で俺をちらりと見た。 「何ですか?」 あんな面白いバラエティー番組を見た後とは思えない顔だった。 「あのね、チャンミン」 「はい」 少し間が空いた。 「……俺、今チャンミンに後ろから抱き締められ

  • 「一年記念」チャンミン×ユノの短編

    今日はチャンミンと付き合って一年の日。 再始動から色々あって、今がこんなに幸せで嘘みたいだなって思える。 別居生活の話も出てるけど、そんなのしないよね?チャンミン。 俺たちはずっと一緒に住むんだ。 それでね!今日は、一年記念だから、俺が腕によりをかけて作ろうと思って。 手料理を! チャンミンの作ってるの見てきたし、大丈夫だと思うんだ。 明太子クリームパスタをね、今日は作ります! 材料はこんな感じ。