• あとがきのようなもの(大幅改変版)チャンミンくんの恋人

    こんばんは、皆さま。「チャンミンくんの恋人」疲れがまだ取れぬ者です。 こちらは、「チャンミンくんの恋人」と言うお話の、大変長い「あとがきのようなもの」に見せかけた戯言のようなものになりますので、「その話は読んではいないけれど、時間はあるから見てやっても良い」と思われました方、宜しければご覧になって頂けたらな、と思っております。 それから恐らく、この記事には、当管理人のとても自分語りな文章が入って来

  • 「チャンミンくんの恋人 最終回」ユノ×チャンミン

    俺は白いテントの中にいた。 落ちついて、自分の体を眺める。 さっきのは何だ。 体内の衝動は治まっている。 俺に被さっている白い布は、これは。 もがくと、簡単に抜け出た。 抜け出たそこは、 ……木の世界だった。 フローリングの木目が向こうまではっきり見える。 布、もとい、俺のタンクトップの絨毯が敷かれている。 でもその視界を遮るように、目の前に大きな二つの青い塊が見えた。 毛羽立ったそれから、巨木の

  • 「チャンミンくんの恋人57」ユノ×チャンミン

    テレビの音が聞こえる。 眩しさに目を細める。テーブルにもたれかかってグラスの水を飲んでいる、Tシャツ姿のユノがいた。 テレビから、俺に顔を向ける。 グラスから口を離して、奇妙そうに微笑んだ。 「チャンミン……?」 ひそめられた眉を見ながら、涙を拭う。 「ユノ」 俺の呼びかけに、はじかれたようにテーブルから体を離した。 赤茶色の毛先が濡れている。 こめかみにかいた汗が頬に伝ったのに、ユノは拭わない。

  • 「チャンミンくんの恋人56」ユノ×チャンミン

    ベッドから立ち上がった。 断られても良い。言おう。 あんな特別な、いや、特異な人間は、俺の周りにはもういない。 けれど受け入れられたとすれば、俺はまだ全然ユノに追いついていない。 でも欲しい。 恋人の契約が欲しい。 あの相方とそれを交わしたい。 この話が現代のファンタジーなら、そしてまだ終わっていないのなら、俺とユノのこの先 が知りたい。この話の 続きが知りたい。 水音が聞こえていない風呂場に向か

  • 「チャンミンくんの恋人55」ユノ×チャンミン

    デスクの照明に照らされていた。 風呂上がりの身体から、ふき出した汗もクーラーですっかり引いた。 それどころかタンクトップとハーフパンツだと悪寒さえしそうだ。 この寒々しい部屋。 何が……違ったんだろう。 目を開けた俺を覗いたのが今のユノだと、何で嬉しさは「そこまで」だったのか。 あの頃と今との違いは何だ。 考える必要なんてない、明日帰国なんだから、と思うと、途端に襲ってくる悲しさに顔をしかめる。

  • 「チャンミンくんの恋人54」ユノ×チャンミン

    朝、薄暗い天上を見上げながら、 俺は怪訝な顔をしていた。 それから、違うな、と思った。 可笑しいだろ、 感じている寒々しさは増す一方で。 俺は寝ながらにも辛さに痛んだのか、胸を抑えていた。 何か原因が違うのかもしれない、とも思った。 正確に言うと、何か違う原因もあったのかもしれない。 ――デスクの上から、小さな誰かが覗いていたら良い。 はっきりしない意識で、俺は期待してしまいながら目を開けたのに、

  • 「チャンミンくんの恋人53」ユノ×チャンミン

    「ヒョン」 もう風呂は出ているだろう、ユノの部屋をノックした。 ドアが開いて、髪も乾ききった下着一枚のユノが出て来る。 俺より先に慣れた、平然とした顔が用件を言われるのを待っている。 さっき泣いた自分の目がなぜかここで潤もうとしたのを感じて、唾を飲み込む。 「……部屋、出来たんで、持って行って下さい」 「遅かったから、くれないのかと思った」 ユノが笑った。 そんなことを考えていることも、知らなかっ

  • 「チャンミンくんの恋人52」ユノ×チャンミン

    ドアの前で立ったまま、呆然とデスクの上を眺める。 近づくと、崩れたブロックの破片が、ぽんぽんと積み上げられて足を止める。 積み上げられてブロックは、赤や青や黄色や緑の、大きな城になった。 頭上を巨大な竜が羽ばたいて、 足元には花から生まれた姫がいて、 海に出れば海賊が宝の地図を持っている。 俺のお供は、線をえがいて飛び回る妖精じゃなくて、 結構良く食べる水色の上着の小さな……髭の生えた王子。 心地

  • 「チャンミンくんの恋人51」ユノ×チャンミン

    仕事の合間に話しかけて来る相方は、兄弟のような仕事仲間兼友人を再現していて、それでやっぱり、あの一か月のユノは、俺達は、特殊だったんだと思った。 同じ気持ちではなかったかもしれないけど、 同じ条件下で、 とても近くて。 ずっと続けば良いと思ってた、でもそんなわけにはいかない。 自分達を繋いでいた奇跡は消えてなくなった。 周りは人で溢れていて、あんなことがあったのが嘘の様で…… 浴槽の湯を掬う。 何

  • 「チャンミンくんの恋人50」ユノ×チャンミン

    人が一人、小さくなって、大きくなった。 外見は、体格は、そして視覚は、とても重要なものなんだ。 色んなものを決定づけて、変化させて、 隔てたりする。 大きな男二人でどうしようもない。 俺に頼らなくてもユノは生活できる。 もう不用意な言葉はかけられない。 次にかける不用意な言葉は、非常事態という言い訳が通用しない。 確認行動が、恋人の確認行動にすり替わっていたんだ、 ユノには。 だから俺はここで、こ

  • 「チャンミンくんの恋人49」ユノ×チャンミン

    拡大した奥二重の目は丸い瞳がはっきり見えて、その黒は足を滑らせて落ちそうなほど大きく見えた。 心臓が口から飛び出そうだった。 まさかここに来て、ずっと目を瞑っていた問題を突き付けられるなんて。 小さかった相方なら考えなくても良かったそれを。 口約束だろう? でもしたのは俺だ。 それでもいいと思ったから。 だけどこうなったら話が違う。 話が違うのに、ユノはそれでも変わらなかったのか。 そうだ。 ユノ

  • 「チャンミンくんの恋人48」ユノ×チャンミン

    いつからか前に立っていたマネージャーが、姿勢を戻しながらしゃっくりを上げた俺を見て、呆れたように笑った。 「馬鹿だな、泣くことあるか」 でも、その言い方は、きっとこの世でただ一人俺と共感している人間の優しい言い方だった。 まだ涙は出てくるけれど、俺も笑った。 「しっかり顔洗って、冷やすんだぞ」 凍らせたアイマスクを出してもらって、すっかり泣き止んで、今更恥ずかしくなりながら受け取る。 キッチンで顔

  • 「チャンミンくんの恋人47」ユノ×チャンミン

    宿舎に着いたのは深夜だった。 現場で食べていたから、後は風呂に入って寝るだけだ。 ユノと顔を見合わせた。久しぶりにその顔をまともに見たような気がするけど、これも以前通りだった。 「俺……シャワーだけでいいんで先に入っていいですか?ヒョン長いから。10分で浴びます」 俺の顔を見つめてから、ユノが少し間を置いて「うん」と言った。 服を脱ぎ捨てるように裸になって、シャワーを浴びる。俺は入らないけれど、ユ

  • 「チャンミンくんの恋人46」ユノ×チャンミン

    「じゃあ、二時間ぐらいで迎えが来るから。寝てても良いぞ」 それからすぐに帰って来たマネージャーが、玄関で俺に言う。 マネージャーとユノは病院の後スタジオに直行。俺は別で宿舎からスタジオに向かうことになった。 ハーフパンツをジーンズに着替えたユノがスニーカーを履きながら、俺に振り返った。 見覚えのある目の様な気がした。 けれど、俺には焦点がぼやけて、良く分からなかった。 そのまま、ドアの向こうにいな

  • 「チャンミンくんの恋人45」ユノ×チャンミン

    良く分からなかった。 あの……ユノが小さくなった日よりも、今の方が、ずっと現実感がないんだ。 拡大した相方を眺めて、何も言えない。 でも、何か言わないと。 ユノが俺を見つめる。 心の中まで覗いて来ようとする、あの小さなユノの目と同じだ。 「マネージャーには?」 それから逃げるように声を出した。 こちらを見たまま、 「会ったよ。事務所に報告に行ってる」 と、空気を変えるように微笑まれた。 「そう……

  • 「チャンミンくんの恋人44」ユノ×チャンミン

    寝ていた俺の様子を見ていたけれど、小さかった時と同じなのはそれだけだ。 ほんのわずかに口の端を上げた落ち着いた顔と見つめ合った。 「……戻ったんですか?」 「うん」 と言って、小さく苦笑のような笑みを一つこぼして、俺の足元の辺りで腰掛けたまま見つめられる。 見れば分かることを聞く俺は、自分で思うよりずっと動揺している。 上半身を起こす。 まだ寝ているみたいに呆けている。 その茶髪は、ずっと同じだと

  • 「チャンミンくんの恋人43」ユノ×チャンミン

    ユノがドアから俺に向いた。 「先に寝る?」 聞くと、ユノが首を横に振る。 「掴むよ」 無言のまま頷いた小さな身体をデスクに置いた。 「ユノの服洗わされたりして」 立ち上がりながら見下ろすと、ユノが歯を見せた。 「どうしたんですか?」 ドアを閉めて、廊下を歩きながら隣のマネージャーを見る。 「うん、ちょっとな」 お互い酔いが残っていて、鼻の頭や頬が色づいている。 テーブルにはツリーや開けなかったワイ

  • 「チャンミンくんの恋人42」ユノ×チャンミン

    CDのジャケットも合成とは思えない出来に仕上がって、プロモーションビデオ撮影も終えた。 移動車の中で、誰彼ともなく歌い出した「ジングル・ベル」が熱唱に変わっていた。 明日の仕事は昼過ぎからで、明後日もそんな感じだ。 「今日は飲むか」 歌い終わったマネージャーが言った。 「日本のビールも、もう一通り飲みましたよね」 俺はにやにやしながら声をかける。 「俺ワインにする!」 そう叫んだユノのケージに、今

  • 「チャンミンくんの恋人41」ユノ×チャンミン

    毎日はあるけれど、断った仕事のせいで、殺人的なスケジュールではない。だから自分達にとってはまるで休暇が続いているような日々で、すぐに慣れた。でも仕事は確実にあったからユノが浮腫むこともなかった。 「待て待て、切るから」 「学ラン汚れますよ」 苺を抱え込もうとした高校生姿のユノがテーブルの上で俺を見上げた。 「黒だから大丈夫かと思って」 俺が首を横に振ると、こちらを見ながらつまらなそうに戻した。 録

  • 「チャンミンくんの恋人40」ユノ×チャンミン

    「なあ、チャンミン」 腹の上から見上げられた顔が真っ白だけど、これはメイクじゃなくて、塗るタイプのパックだ。 「なに?」 同じパックをしている俺が返事をする。 Tシャツとハンカチ姿の俺達だ。 風呂上がりに俺の携帯電話で、ユノが活動を再開し出したと、ベッドの上でご家族に電話をした後だった。 話したのはあの最初の日以来で、泣いて喜んでいた声がスピーカー設定で聞こえた余韻がまだ残っていた。 感極まったよ

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