• 花かるた 色は匂へ 「な」の4 夏茱萸(なつぐみ)夏

       夏ぐみの甘酸つぱさに記憶あり   佐藤千須               季節の花300より  小学生の頃、家の2軒南隣の2歳年下の後輩の家の庭にグミの木があった。食べごろになるとおばちゃんから声が掛かりみんなして茱萸をもいで塩水で洗い食べた。              季節の花300より  茱萸のようなほっぺをした可愛い女の子が仲間に入ってにこにこしながら茱萸を食べては種をプッと飛ばしていた

  • 花かるた 色は匂へ 「な」の3 夏草(夏)

         夏草や兵共がゆめの跡    芭  蕉                 藤原氏三代の栄華も一場の夢と化している。義経の居館、奥州高館の跡を見て過去の戦果も栄華も、勝ち負けもすべては一炊の夢、人間の営みは空しく消えていく。  藤原氏は滅ぶべくして滅んだ。藤原泰衡が義経を殺し、その首をさしだす。それが頼朝出陣の口実になり、藤原氏の滅亡を早めた。                      「国破

  • 花かるた 色は匂へ 「な」の2 茄子の花(夏)

       葉の紺に染りて薄し茄子の花   高濱虚子                                            季節の花300より 夏に採れる野菜なので「夏実(なつみ)」、それがしだいに変化して「なすび」、それが省略されて「なす」になった。また、「梨実(なしみ)」が変化したもの、ともいわれる。

  • 花かるた 色は匂へ 「ね」の2  葱坊主(ねぎぼうず)春

       花葱に誰か住まへる舊居かな   三輪一壺    おのづからある大小や葱坊主   増田手古奈    葱坊主ごしに傳はる噂かな    波多野爽波             季節の花300より  ねぎぼうずに出会うと何故か楽しくなる。そして元気が出る。愉快な不思議な花だ。  しかし、葱坊主を見かけなくなってもうかれこれ50年は過ぎたろう。昭和30年代は少し町はずれに行くと蓮華畑や里芋畑、そして葱畑が

  • 花かるた 色は匂へ 「つ」の5 露 草(秋)

     露草のをがめる如き蕾かな     松本たかし       季節の花300より    露草に亡き子よしばし來て遊べ   竹中すゝき女    露草の藍にひしめく露の玉     河野静雲               季節の花300より    ツユクサ全般の花言葉「なつかしい関係」 花言葉の「なつかしい関係」は、この植物の学名のもとになった伯父と甥のコメリンが二人ともアムステルダム薬草園の園長だったこと

  • 花かるた 色は匂へ 「つ」の4 釣鐘草(夏)

       かはるがはる蜂吐き出して釣鐘草   島村はじめ      かわるがわる=縦書きの平仮名繰り返し記号で表記(〲)です。            季節の花300より    下山する釣鐘草の早や萎れ   片山那智兒            季節の花300より   花言葉は「親交」「友情」   眺めていて楽しくなる花です。まさに友人だ。

  • 花かるた 色は匂へ 「つ」の3 躑 躅(春)

        垣なくて妹が住居や白つゝじ   雁 宕               季節の花300より  妹=女のきょうだいと男が女を親しんで言う場合がある。主として,妻や恋人をいう。               季節の花300より  この句ではどっちの意味かな。恋人として鑑賞してみよう。恋人は白つつじに囲まれた家で生活しているんだ。

  • 花かるた 色は匂へ 「つ」の2 黄楊の花(つげのはな)(春)

       大虻に蹴られてちりぬ黄楊の花   小野蕪子    閑さにひとりこぼれぬ黄楊の花   阿波野菁畝               季節の花300より  材は緻密で堅く、印材、定規、櫛、将棋の駒などに用いられる。  小学校5・6年頃(昭和23・4年)であったろう。家の近くに黄楊細工の工場があって、工場の窓際の仕事の様子を何時間も飽きずに眺めていたことを思い出した。現在はどうなっているのかと調べてみる

  • 花かるた 色は匂へ 「そ」の2 蘇鐵の花(夏)

       白鳥は芝生に眠り蘇鐵咲く   佐藤念腹          季節の花300より    塀の無き鳥の獄舎や花蘇鐵   目黒白水             季節の花300より   昭和30年代の地方の学校では、校内に蘇鉄の木がよく植えられていた。最初の赴任地の学校では校舎入り口の玄関横に二宮金次郎の銅像と蘇鉄の木が植わっていた。  その前で子どもたちと記念の写真を撮ったのを久しぶりに眺めている。 で

  • 花かるた 色は匂へ 「た」の5 煙草の花(秋)

        見えて來し開拓村や花たばこ   室生礪川                  季節の花300より  子どもと一緒に家庭訪問で開拓村に出かけた。「お前、ここから通ってきているのか。」驚きと感動の言葉をかけた。  校内のマラソン大会では彼は必ず1位になる。そのわけをしっかりと理解できた。山の上から遠く街並みが小さく見え、街並みに覆いかぶさるように海が静かに光っていた。              

  • 花かるた 色は匂へ 「た」の4 蓼の花(たでの花)夏

     草の戸を知れや穂蓼に唐辛子   芭 蕉 「笈日記」  醤油くむ小屋の境や蓼の花    其 角 「末若葉」  三径の十歩に尽て蓼の花     蕪 村 「蕪村句集」  蓼の花嵐の後を盛りかな     蓼 太       季節の花300より(犬蓼)  大島 蓼太(おおしま りょうた、享保3年(1718年) - 天明7年9月7日(1787年10月17日))は、江戸時代の俳人。与謝蕪村、加舎白雄などと共に

  • 花かるた 色は匂へ 「た」の3 ダリア(夏)

       故郷や戦後を生きる紅ダリア   掌           季節の花300より  ダリアの花言葉は、「華麗」「優雅」「気品」「移り気」「不安定」  母の郷の庭に戦後大流行したポンポンダリアが咲いていた。つい先だって近くの山里をドライブしていたら、戦後よく見かけたダリアが農家の庭に咲いていた。車を止めてしばらく眺めて立ち去った。頑張ってるなあ。 花名のダリアは、スウェーデンの植物学者アンデシュ・ダ

  • 花かるた 色は匂へ 「た」の2 大根の花(春)

       女生徒の大根の花抱え登校す   掌            季節の花300より  あれから30年近く過ぎて、女生徒も40代後半になった。たくましいお母さんになってしっかり子育てをやっている。通りすがりにたまに出会うと「子育てがんばってまあーす。」と、自転車で通り過ぎていく。花大根君がんばっとるな。嬉しくなり、元気が出る。                 季節の花300より 「すずしろ」は大根の

  • 花かるた 色は匂へ 「か」の4 ガーベラ(夏)

       陶房に挿すガーベラを下繪にし   沖津をさむ              季節の花300より 花言葉は「辛抱強い、希望、常に前進」 ピンクのガーベラ「崇高美」 白いガーベラ「希望」「律儀」 赤いガーベラ「神秘」    黄色いガーベラ「究極美」「親しみやすい」 オレンジのガーベラ「我慢強さ」 花名の由来 19世紀末に南アフリカで発見されたガーベラ(Gerbera)。その花名はドイツ人の医師および

  • 花かるた 色は匂へ 「か」の3 杜若(かきつばた)夏

       かきつばた似たりや似たり水の影   芭 蕉            季節の花300より    今朝見れば白きも咲けり杜若    蕪 村            季節の花300より        花言葉は「幸運、雄弁」  あっさりとすっきりと一瞬をとらえる感性なんだなあ。    いずれ文目(あやめ)か杜若(かきつばた)”= 区別できないことの たとえ、文目は乾いた土地、杜若は水の中から生えるので、

  • 花かるた 色は匂へ 「か」の2 からたちの花(春)

       からたちのつぼみひそかにほぐれそむ   手島清風郎              季節の花300より 「カラタチの花」といえば、文部省唱歌と島倉さんの歌を連想する。どちらもしみじみと心に残る歌である。小学生の頃と学生時代を思い出させる。 「からたちの花」北原白秋作詞、山田耕筰作曲の文部省唱歌。 からたちの花が咲いたよ。 白い白い花が咲いたよ。 からたちのとげはいたいよ。 靑い靑い針のとげだよ。

  • 花かるた 色は匂へ 「わ」の3 吾亦紅(われもこう)秋

       山の雨さと過ぎつんと吾亦紅   森田遊水            季節の花300より    吾亦紅だらけといふもひそかなり   依田秋葭              季節の花300より 花言葉(全般): 「変化」「もの思い」「愛慕」  小学生のころから吾亦紅には親しんでいたが、杉本真人さんの歌で心にぐさりと打ちこまれてしまった。重たいけれども懐かしい思い出がよみがえる。母を偲ぶ歌だ。 作詞:ちあ

  • 花かるた 色は匂へ 「わ」の2 勿忘草(わすれなぐさ)春

        勿忘草夫に贈りし日は遠く   堀内民子              季節の花300より   ワスレナグサの花言葉は、「真実の愛」「私を忘れないで」   花名の忘れな草(英名:forget-me-not)は、中世ドイツの悲恋伝説(後述)に登場する主人公の言葉にちなみます。属名のミオソティス(myosotis)は、ギリシア語の「mys(ハツカネズミ)」と「ous(耳)」を語源とし、葉の形がハツカ

  • 5・7・5アラカルト  俳句19

     人殺す我かも知らず飛ぶ蛍   前田普羅  5月15日に初蛍の第一報がテレビ画像で届いた。  真っ暗な画面にポッツ ポッ と灯を点滅させて動く様子が映し出された。蛍の明かりを闇の中でみる時、いつも前田普羅の上記の一句を思い出す。  心の闇を見る思いがする。  他人を非難することはたやすい。  しかし、自身の心の奥を見つめると、何をしでかすかわからない自分がいることも確かである。人は欲望のとりこにな

  • 花かるた 色は匂へ 「お」の4 白粉の花(おしろいのはな)秋

       白粉の花の匂ひとたしかめぬ   今井つる女                季節の花300より オシロイバナの花言葉は「臆病」「内気」「恋を疑う」「不思議な、慎重」 別名「夕化粧」(ゆうげしょう)。名のとおり、夕方から咲く。               季節の花300より  子どものころから常に身近にあったオシロイバナは「おお、咲いとるな。」程度で眺めていた。調べてみて新たな関心が出てきた。今

1 2 3 4 5 ... 6