• うかりける人

    「うかりける人を初瀬の山おろしよ 激しかれとは祈らぬものを」 源俊頼朝臣 『千載集』 (私の恋の気持ちに対して)つれなかった人を(その人の心がこちらになびくようにと)初瀬の観音に祈りはしたが、初瀬の山おろしよ、あなたのように(辛さがますます)烈しくなれとは祈りはいないのに(いよいよ烈しくなってしまった)。 テンポが良くて子供の頃から好きな歌です。通釈がなくてもだいたいの意味がとれてしまうような分か

  • 秋の歌5首

    河風の涼しくもあるか打ち寄する浪とともにや秋は立つらむ<古今秋上・紀貫之> (川の風が涼しいことだ。風が吹いて打ち寄せる波とともに秋は立つのだろうか!)  しばらく前には夏の暑さにうんざりしていた。それが少し涼しくなって、同時に立秋が来た。 木の間より漏りくる月の影見れば心づくしの秋は来にけり<古今秋上・よみ人しらず> (木の間から漏れてくる月の光を見ると、また心を悩ませ物思いにふけさせる秋がきた