• 一厘のドラゴン(いちりんのどらごん) 2

    オゼが次に目を覚ましたとき、太陽はほとんど真上まで昇っていた。うっすら開いた視界の端から、握りこぶし大の蟹が横断する。それは島の周辺に生息するイワガニで、小さな虫や海藻を求めては、あちこちの岩場をせわしなく巡っていた。 目の前を通過しようとしたところで、オゼは素早くその蟹をわしづかみにした。 口のなかへと放りこんで、ばりばりと音をたてて噛みくだく。固い甲羅と淡白な身、濃厚な内臓が口のなかでまじり合