• ドングリ拾いと肩車

    この季節…… いつもいー君が小さい時、街の山の公園に行ってドングリを拾いに行ったんだ。 夢中でコンビニ袋に、ドングリを拾っては嬉々として入れるいー君の姿。 楽しかった。 幸せだった。 こんな時間が永遠に過ぎるものだと思っていた。 公園からの帰りは、疲れた君を肩車。 君は小さくて、とても軽くて。 とってもとっても幸せだったんだ。 これが子供かと思った。 これが家族なんだと思った。 でも時の流れは残酷

  • 護ってやれよ、彦星様

    昨日は七夕だった。 息子は去年の今頃……どんな願いを天の川にかけていたんだろう。 幸せそうだった……大好きな彼女を心から想い輝いていた。 最後は悲しい結末になったけど、彼女も十分苦しんだ。 僕はいまはもう、彼女には感謝の想いしかない。 息子に充実した日々をくれてありがとう。 幸せを沢山くれてありがとう。 ツイッターで微妙な距離感の中彼女を見守っているけど…… やっぱり立ち直れていない。 そりゃ当然

  • 発泡スチロールだらけの波打ち際で

    ちょうどこの季節……むかし何度も行った越前海岸の呼鳥門のことを思い出す。 海岸線にせり出した大きな侵食された岩のアーチ……そんなにすごいもんでもない。 前のレストハウスにある日本庭園風のトイレ……凄いといえば凄いけど。 なんで何回も行ったかっていうと、気軽にオールシーズン海の岩場でヤドカリをとったりして遊べることと、日帰りドライブにちょうどいい距離だったことからだろう。 いー君とタイドプールのハゼ

  • 参考書と窓の景色と『夢』の色紙と

    今日は嫁が、4月から中学生になる娘の必要なものを買いに行って半日不在。 リビングにいる2匹のワンコ達は、僕に降りて来いと狂想曲。 息子の部屋から持って降りるノートパソコンを借りるため、ドアを開ける。 あの日のまま止まった時間。 警察の人たちが鑑識のために撒いた薬品で、黒く汚れた絨毯。 部屋の隅にわだかまる布団と毛布。 テーブルの上には参考書と、愛用していた香水。 そして窓の外は新緑の庭木と蒼い空。

  • 副会長さんだったんだよ

    思い出した。 いー君って、小学校の時は生徒会の副会長さんだったんだよ。 勉強も頑張って、生徒会も頑張って。 もっともっと褒めてあげればよかったね。 いつも一生懸命だね、って褒めてあげればよかったね。 いつしか、いー君が頑張って当たり前だって……パパ勘違いするようになってた。 逃げたっていいんだよ。 負けたっていいんだよ。 そう教えてあげるべきだったのに…… 負けちゃいけないって……いー君は頑張りす

  • 横殴りの、雪に吹かれて~敦賀の町の想い出~

    ちょうどこの時期に……3年ほど前だったかな。 いー君と関西圏と敦賀の電車に乗り放題の『冬の関西1DAYパスポート』を遣って、雪を見るため電車で2人で旅をしたことがある。 ちょうど今日みたいに、爆弾低気圧が来て雪が吹雪いているときだった。 雪を確実に見たかったし、ちょうど土曜日だったから2人で出かけることにしたんだ。 朝一番に高野山に行って……急こう配のケーブルカーに乗って山頂へ。 初めて乗る乗り物

  • どこへ行くにもカレーライス

    いー君は、カレーライスが好きだった。 どこへ外食に行くにも、選択肢に困ったらカレーライス食べてたなぁ。 いー君がカレー好きだったおかげで、ウチでも夕食は今でもカレーライスが多いんだ。 でも……最期の一年は、ダイエットしてるとかであんまりカレーライスも食べなくなっていったんだよね。 無理して我慢して痩せなくても…… 最期くらいは好きなものいっぱい食べてほしかったんだよ。 彼女のためにダイエットしてた

  • 思い出をつなぎ直そうね、いー君。

    昨日は春日大社に、お札を返しに行った。 とりあえず神棚は空にして、仏壇のみを家に置くようにすることにしたんだ。 うちに来てくださるお坊さんは、こだわらなくていいよ、とおっしゃってくれたけど、こういうことは、しっかりしとかないと。 そして帰りに、奈良の国立博物館によることにした。 障害者の僕は無料だし、何より昔いー君と併設の国立の仏像館に仏像を見に来たことを思い出したんだ。 そしたら、博物館に入って

  • いー君の『大大吉』~生まれてきてくれてありがとう~

    いー君は7歳ぐらいの時だったかな…… どこの神社か忘れたけど、初詣のおみくじで『大大吉』をひいたことがあるんだ。 みんなびっくりしたね。 大吉に上があるなんて想像もしていなかった。 この前そんな思い出をふと思い出したんだ。 いー君は前にも書いたけど、生まれた時……急性胎盤剥離で肺の中が血で埋まって、本来死産になって生まれてきたはずの子だった。 そんな彼が17年も特別に生かしてもらえたんだ。 やっぱ

  • 今庄365スキー場~雪を見に行こう~

    僕たちは、この季節になると、いつも福井へと車を走らせていた。 子供たちに雪を見せてやりたくて、スキーもしないのにソリをもって今庄365スキー場へいつも雪を見に来ていたんだ。 いー君は小さいころから雪遊びが大好きだったんだ。 いろんなことをやったなぁ。 併設の温泉入ったり……敦賀で買い物したり。道の駅河野で雪合戦したり。 いつもいー君はは事件ばかりの笑顔で、僕のわがままに付き合って満身の笑みを浮かべ

  • ミッフィーちゃんのふわふわ靴

    僕は墓参りとおばあちゃんの見舞いを終え、石川から京都に向かっていた。 途中車の中で、亡き息子が座っているであろう空のシートに話しかけていた。 何度も何度も悲しみがこみ上げてくる。 こればっかりはやっぱり制御できない。 そして途中でイオン松任に寄った。 ここにもまだ幼い息子とよく来たなぁ…… 靴屋さんを探してみる。昔ここで買った思い出の品があるんだ。 オレンジ色のミッフィーのスノーブーツ。 もうさす

  • いー君との思い出~電車乗り放題……高野山と敦賀の雪~

    ときどき、僕の備忘録的にも息子との日々で思い出したことを書き留めていきたいと思う。 中学校卒業くらいだったかな……時系列はばらばらに、思い出した順に書く。 「冬の関西1DAYパス」を使って、いー君と2人でJRのエリア内電車乗り放題の旅をしたことがある。 その時息子に……「お前がパパになったら、子供をこうやって電車に乗せてやれ」……そういった記憶がある。 今はもはやかなわぬ夢だ…… 見たかったな、い

  • 多くの人に囲まれて~息子は幸せだったんだきっと~

    亡くなった息子のツイッターのアカウントから、息子が最期まで愛した女の子のアカウントを見つけた。 いろいろ複雑な思いが去来する。 残念な結果になってしまったんだけど、少なくともとんでもないレベルの幸せをくれた女の子だったんだろうと思う。 ネットで彼女と出会うことがなく、モテナイ君のままでいてくれれば…… でも、それは結果論なんだろう。事故で死んでたかもしれないし、病死だったかもしれない。 17年とい

  • いー君は嵐の夜に

    ここで、逝った息子、いー君の生まれた日のことを書いておく。 いー君は、1999年10月17日……台風が直撃して交通機関がマヒした日のことだ。 よりによって、最悪の出産となった。 急性胎盤剥離……大量出血で妻が病院に運ばれ緊急手術となった。 ……が交通機関は麻痺、遅い時間。手術をうまくできる人はいなかった。 なんと、当時の院長先生が、兵庫から京都最南端まで、タクシーを飛ばしてきてくれた。 長時間に及