• 未来旅行 別れのロータリー 回想

    タカシ(小林さん)に心から御礼の言葉を述べて車が角を曲がる時に陽菜とわたしは深々とお辞儀をしながら見送った。 娘にしたら前日のこのロータリーに到着した時とは自分の中で真反対の気持ちになっている。 たった1日で・・この駅前の風景も全く違って見えていたに違いない。 わたしにとっても・・・このロータリーは数々のドラマがありました。 タカシがこの地に赴任中の四年半あまり、何十回も送り迎えしてくれた場所・・

  • 別れの桜 最後の10日間 最終章

    とうとう二人の新婚生活 最後の夜を迎えた。 年度末の金曜日 仕事は山積みのはずだがタカシは早く退社してきた。 もう部屋はダンボールが重なり殺風景になっていた。 棄てるお鍋一つと僅かな食器で夕飯作りをした。 二人での最後の晩餐である。 言葉少なく食事を終えていた。 タカシはこの四ヶ月あまりの日々を振り返り 「たくさんの負担をかけてしまったね、申し訳ないといつも心が苦しかったよ。でもやっぱり美緒子が来

  • 最後の10日間 その3

    週末になった。 いつもなら遊びに出かけていたがもう来週にはご家族が引越してくる。 タカシの荷物の整理もだが 新しい家に用意しなくてはならないものもある。 洗濯を終えてホームセンターやリサイクルショップなどあちこち一緒に行った。 家族と一緒に住むことをわたしも喜んでいたのに・・気持ちではわかっているのにタカシが新しい家の品を一生懸命選ぶ姿は夫・父親の顔になっていた。 当然な事・・でもそんな現実が心に

  • 最後の10日間 その2

    タカシはいつもわたしの心の動きを見抜く。 わたしがどんな想いを抱いて今回来たのかをよくわかってくれていた。 悲しい涙で泣いてはいけない・・これから10日間も連続一緒に過ごせることに感謝しなければいけない。 公私共に多忙なタカシを少しでも支え疲れを癒したい・・ いつもは週末に来ていたが翌日も平日で会社があるから夕飯はいつものように''割烹ミオコ'' はできない。 それでもヘルシーメニューとビールでゆ

  • 最後の10日間 その1

    3月に入り年度末でタカシは仕事はかなり忙しくなっていた。 併せて家族と住む新居への引越の準備など諸々をすべて一人で行っていた。 彼も仕事の関係上、人脈も拡がり地域の情報や不動産事情も長けてきたが、いろいろな付き合いも考慮しなくてはならず苦しんでいた。 たった4ヶ月でワンルームのアパートをを解約する事も違約金が発生してしまい、かなり交渉に困っていたようである。 仕事も激忙なのだからわたしも手伝いたい