• 懺悔文(さんげもん)

     懺悔文(さんげもん)とは、華厳経四十巻本の普賢行願品から採った偈文(げもん)であり、懺悔偈(さんげげ)とも呼ばれている韻文で、仏教各宗派の在家信徒が日常の読経に用いているものです。  この偈文は一見、漢詩の七言絶句のような体裁をとっていますが、平仄・押韻などは近体詩の形式にはなっていません。  ただし、各句内の語句の切れ目は、漢詩と同じく2字2字3字となっているので、読み下すのはさほど難しくはあ

  • 風船葛(フウセンカズラ)

     伊賀山人フラワーパークにも日々秋が深まってきました。  夏に涼をもたらした風船葛園も穏やかな秋の残照に照らされています。  【風船葛園】  風船葛の果実は、サクランボのように、その多くが二個寄り添って実ります。  【二個寄り添う風船葛】  風船葛の種は、直径5mmほどの黒くて小さな球状のものですが、その表面に白いハートの模様があるのが特徴です。  【風船葛の種子】 花言葉は、「一緒に飛びたい」

  • 「明日に架ける橋」の漢詩的考察

     【怒涛逆巻く激流に架かる橋】  漢詩の多くは、「起・承・転・結」で構成されています。  古来、この構成が最も多くの人の心に響くと言われており、他の詩歌や文章などでも起承転結になっているものが少なくありません。  今回は、洋楽の「明日に架ける橋」を一例として考察します。  「明日に架ける橋」は、サイモン&ガーファンクルが1970年に発表した楽曲で献身的友情を詠ったものです。  原題は、”Bridg

  • 朝日に映える秋櫻

     今朝の、「伊賀山人秋櫻大花園」の景観です。  秋櫻は、春の桜とは異なり一挙に満開にはならないようです。  20日前に咲いた花は既に散ってしまいましたが、今でも多くの花の中に蕾もあり、この状態が一箇月以上続くようです。   擬山中問答                     問余何意棲碧山,  笑而不答心自閑。  秋櫻流水杳然去,  別有天地非人間。  近からば手折りて採らむ旅人の心に残る秋櫻花

  • 山行(杜牧)

     【杜牧 山行詩一首 王志慧(上海)書】  朝夕、めっきり涼しくなり、ハイキングシーズンの到来となりました。  本日は、「山歩き」をテーマとした漢詩を一首ご紹介します。  詩題は「山行」、つまり「山歩き」という意味です。  作者は、晩唐の詩人杜牧です。  晩唐期の詩風は、唐王朝の衰退した世相を反映して、美辞麗句に偏った自己満足的かつ感傷的なものが多くなっています。  しかしながら、この杜牧は例外的

  • 秋分の日の秋桜

     【秋桜(コスモス)と紋白蝶(モンシロチョウ)】  伊賀山居のコスモスガーデンは、先日の台風襲来により、花の大半が倒れてしまいました。  しかし、台風一過の秋空の下、一度は倒れたコスモスも次々に立ち上がりつつあります。  今日は、陽春を思わせる気候にも恵まれ、既に立ち上がった秋桜(波斯菊)の花に誘われて紋白蝶(菜粉蝶)が遊びに来ました。  雨にも負けず風にも負けず、健気に咲き誇るコスモスの花言葉は

  • 中秋の名月

    【月と仙女と兔】  陰暦8月15夜の満月を「中秋の名月」と称して観賞する「お月見」の風習は、元々は、唐代に始まった習俗と言われています。  日本では、平安時代にその習俗が伝わり、先ず貴族社会の中から始まって、江戸時代になって徐々に民間へも広まり、現在では、全国津々浦々に、ススキの穂のほか月見団子やサトイモなど満月を連想させる丸いものを供えて、月を見る習慣が定着しています。  なお、日本では「中秋」

  • コスモスの花

     伊賀山人の花園に、今年初めてのコスモスが一輪咲きました。   大波斯菊詞   (コスモスの詞)  萬緑叢中紅一点 (一面の緑の中にただ一つ紅い花が咲いている)  動人秋色不須多 (人を感動させるためには秋の景色に多くのものは必要ない)  人生似旅過叢中 (人生は草叢の中を行く旅のようなものだ)  幸福必在苦難傍 (苦難のすぐ傍に幸福は必ずある)

  • 茉莉七仙女

     【茉莉七仙女の開花前の姿】  「茉莉七仙女(モーリーチーシェンニー)」とは、大陸福建省福安で作られていた工芸茶の一種で、ジャスミン緑茶の商品名です。  販売時には、上記画像のように茶葉を丸めた団子のような形をしています。  これを、耐熱グラスに入れて、熱湯を注ぐと、茉莉(ジャスミン)の花が七つ繋がって、ふんわりと立ちあがります。  グラスの中で、七つのジャスミンがふんわり咲いて、ふわふわ綺麗にゆ

  • 人生不可解

      【巌 頭 之 感】  明治36年(1903年)5月、一人の16歳の旧制一高生の死が、若者達をはじめ社会の人々に大きな衝撃を与えました。  彼の名は、藤村操。  日光華厳の滝に身を投げる直前に、巌頭の大きな水楢(ドングリ)の樹肌を削って墨書した文章が、上掲の写真の「巌頭之感」で、次のように書き残されていました。                   巌頭之感 悠々たる哉天壤、遼々たる哉古今、 五尺

  • 人生一路

    【人生一路】 美空雲雀 (前奏)   ・   ・   ・ 〔第壹節〕 一旦決定了就不再更改 (Ichido kimetara nidotowa kaenu) 這是我的生存之道 (korega jibunno ikiru michi) 不要哭泣不要迷惘 痛苦的堅持之後 (nakuna mayouna kurushiminuite) 人的願望總會實現 (hitowa nozomiwo hatasuno

  • 愛粲粲

    Ai Sansan Misora Hibari 愛燦燦 美空 不死鳥 【愛粲粲亮亮】 美空雲雀 (第壹節) 雨 嘩啦啦地落在身上 怨恨僅有的時運不好 人真是悲哀 真是悲哀啊 縱然如此 往事一一 輕輕地休息於睫毛上 不要去想它們 人生 真是不可思議啊 (第貳節)(省略於YouTube) 風 呼呼地強烈摧殘在身上 不能如願以償的夢想 是失落了 人真是脆弱 真是脆弱啊 即使如此對未來的一切 仍面帶笑容等

  • 川の流れのように

    【川流不息】 美空雲雀 (第壹節)  不知不覺 走到了這裡  細細長長的這條路  如果 回過頭的話  看得到遙遠的故鄉  崎嶇不平的道路 彎彎曲曲的道路  沒有地圖的指引 這就是人生  啊 像河川一樣的流著  緩緩流著  經歷無數個時代  啊 像河川一樣的流著  毫不停止地  只剩下晚霞遍染的天空 (第貳節)  生命就如同旅行  在這個沒有終點的道路上  與相愛的人 攜手為伴  共同尋找夢想  就

  • 七夕祭りの時期に関する一考察

      【雲中七仙女圖】  七夕伝説は、今から2千年ほど前の漢の時代の幾つかの神話や民話が複合されて出来上がっています。  日本で流布されている伝説のあらすじは、昔、天界で機織りを仕事としていた織女が、牽牛とのデイトに夢中になって機織りをさぼっていたため、これに激怒した天界の偉い神様により、天の川の向こう岸に追いやられてしまった。神の御慈悲で年1回7月7日だけは川を渡って牽牛と会うことができるが、雨が

  • その後の蕨

    【山居の玄関前を流れる易水】  昨日採取した蕨の調理法についてご紹介します。  なお、昨日の調理状況は残念ながら撮影していませんので、文章のみになります。  その前に、蕨の採取地について付言します。  上掲の画像は、山居の西側を流れる易水です。(昨日まで「藍水」でしたが、漢字が難しいので変更しました。)  易水の右側の擁壁は、終南山付近まで続く萬里の長城です。  左側の擁壁の山居より向こうは、土塁

  • 決死行

     男兒立志出鄕關  功若無成死不還  埋骨豈惟墳墓地  人間到處有靑山 【大志を胸に山居の門を出る (門を敲かないで下さい! 壊れます。)】  男兒 志を立てて、鄕關を出づ、  男子が、大志を抱いて故郷の関所を出て行くのだから、 【絲綢の路上から振り返って遥かに望む伊賀山人の山居】  功 若し成る無くんば、死すとも還らず。  功成り志を遂げなければ、死んでも帰ってくることはない。 【近所の東山墓苑

  • 梅雨の候、藪蚊に苦しむ

       伊賀之梅雨   梅雨時節雨紛紛   路上行人欲除蚊   借問蚊香何處有   頑童傍指他人墳    伊賀の梅雨  梅雨(ばいう)の時節、雨 紛紛(ふんぷん)、  路上の行(こうじん)、蚊を除(のぞ)かんと欲す。  借問(しゃもん)す、蚊香(ぶんこう) 何れの處(ところ)にか有ると、  頑童(がんどう)、傍(かたわ)らを指(ゆび)さす 他人の墳(はか)    伊賀の梅雨  梅雨の季節、雨がしとし

  • 推敲について

     推敲(すいこう)とは、詩や文章を何度も練り直すことです。  この熟語は、宋代に編纂された『唐詩紀事』という書に記載されている次のような故事が典故となっています。  唐の時代、科挙(官吏登用試験)を受けるために都の長安にやって来た賈島(かとう)が、ロバに乗ったままで詩を作っていました。  その途中で、「僧は敲(たた)く月下の門(僧が月に照らされた門を叩く)」という1句を思いつきましたが、「敲く(た

  • 端午節愁故人病情題門壁

     人生之門 毎逢佳節倍思齢 眼睛風景亦變化 天真幼童已過去 我只認識過六十 光陰如矢我知道 心說想記小事都 我說有趣是二十 汝說很棒是三十 他說可愛是四十 更思很好是五十 盛開櫻花紅葉山 將來幾次能看到 一一打開人生門 思想活在為愛人 我說很好是六十 汝說是好是七十 他說仍好是八十 希望汝開九十門 粗斜紋布褪色好 長旅結束閃耀有 我說老化很憂愁 汝說病弱亦很難 他說人生沒意義 千年梧桐笑臉說 但是

  • 涼州詞を考える

                    快樂讀唐詩-唐詩五 涼州詞 - YouTube  涼州詞は、楽譜題と言われるもので、元々、涼州詞と言う楽曲があり、その曲に合わせて、詩詞を作ったものです。  現在、その楽曲は全て失われており、どのようなものであったかは分かっていませんが、凡そ、上掲のYou Tubeのようなものであったと考えられます。  多くの詩人が、涼州詞を作っていますが、ここでは、日本で最もよく

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