• 歳をとるべきは僕じゃないのに

    今日……47回目の誕生日を迎えた。 時を刻むべき大切な子供が、時間の歩みを止めて…… 世の中に不要な僕が、無駄に時を刻み続けている。 もう一年半になるのか、僕の寝室の隣の息子の部屋に明かりが灯らなくなってから。 息子が歩みを止め…… 僕はどんどん先へと歩いていく。 このままこんなことを続けたら…… 息子とどんどん離れて行ってしまうような気がする。 でも立ち止まったって、もう息子には会えない。 息子

  • 雨が降る朝、君がいない朝

    朝5時……変な時間に目が覚めた。 最近『日にち薬』で、徐々に悲しい事を忘れつつあるのは事実だ。 でも雨音を聞くと……なぜなんだろう。 虚無感と寂寥感に心が包まれる。 息子がいない現実。 息子を救えなかった現実。 息子を大人にしてやれなかった現実。 息子に夢を見せることができなかった現実。 息子に未来に突き進む力を上げられなかった現実。 人間は負けたと思うまで……負けたと認めるまで負けないのかもしれ

  • 外れたままの線路を走る

    相変わらず脱輪したまま、時間という汽車は走り続ける。 もう幸せなんて終着駅が無いと分かっているのに、時間という汽車は走り続ける。 僕の障害、嫁の苦悩……そして娘の不登校。 なにも変わることはない。 脱輪が治ったところで、幸せという駅にはたどり着けない。 たぶん新学期が唯一の復帰のチャンスだったんだろう、娘の不登校が治るのは。 でも治らなかった。 4月もまた脱輪したまま、5月という駅のホームへと向か

  • 転んだ痛みと君の痛み

    ダメだ!……と思う時にはもう遅かった。 駅を降りて歩いて帰る途中、ふと意識が遠くなったと思った瞬間倒れ込んだ。 もう歳なのか、手をつこうにも手が出ない。 棒立ちの状態のまま、そのままばたんと倒れた感じ。 倒れた瞬間から倒れるまでがスローモーションでものすごく長く感じた。 こんな感じなんだろうか、死ぬ瞬間というのは…… 手は肉が削げ大出血。膝もズボンをはいているのにズルっと擦り剥けた。 時間が経つに

  • 輝いたあの日が確かにあって

    最近保険会社や車のコマーシャル…… なんか幸せそうなちいさな子供のいる家庭を描いた情景がテレビから流れる。 光り輝く家族の笑顔。楽しそうな時間…… 素敵な家族の思い出をいつまでも……って感じ。 ウチにもそういう時間は確かに存在したんだ。 はちきれんばかりの息子の笑顔。 楽しい家族の時間…… 光り輝く沢山の素敵な思い出達…… こんな結末になるなんて思いもしなかったけど、確かのその時間は存在した。 そ

  • 灰色の世界をひたすら漂う

    ここ1カ月……ただの生ける屍と化していた。 なにも考えられない……考えたくない。 げんこつ山のたぬきさんを聞きながら、ブロックで遊ぶ小さい頃のいー君。 分かってる、あの日は帰ってこない。 小さな君を肩車をしながら、赤く染まる秋の野山を駆け回った楽しい思い出。 分かってるあの日は帰ってこない。 小学校の入学式……誇らしくカメラのフレームに収まる1年生の君。 分かってる、あの日は帰ってこない。 思春期

  • 100年たっても消えない想い

    悲しみは時が解決してくれる。 人間は忘れる生き物だ。哀しいことを忘れられるから生きていける。 えらいお坊さんや、哲学者さんはそういうんだ。 確かに…… 味噌汁をこぼしただの、電車に乗り遅れただの……そんなことは忘れられるかもしれない。 でも…… どうしても、子供を自死で失った悲しみだけは、時間でも解決できないと思うんだ。 悲しみを思い出す頻度は減るかもしれない。 思いだして悲しむ時間の長さは減るの

  • 弱くなれる場所

    メンタルは若干回復してきた。 玄関に大きく飾ってある、息子の笑顔のピース写真…… 見るたびに心が安らぐのと同時に、心が締め付けられる。 心の沈みに反して、創作活動の方は順調だ。 中華方面で自分の作品群がさらされたのか、中国語圏を中心にフォロワーさんが爆発的に増え、ブログの来訪者数も1.5倍になった。 普通なら自分の作品を見てくれる人が増え、モチベーションが上がるところだけど…… だからこそ『表の顔

  • 幸せになれないプログラム

    幸せは必ず踏みにじられる。 幸せだと思ったら、絶対地獄にたたき落とされる。そんな人生を生きてきた。 昔なら、産婆さんに産まれた瞬間に〆られなければなかった存在。 出来そこないのポンコツが、自然の摂理に逆らって生きてきた。 だから罰を受ける。 生きているだけで罰を受ける。 幸せになろうとすると、空の上のクソ野郎が、嗤いながらそれを踏みにじってくる。 幸せになれない魂。 水面に浮かんだ瞬間、氷の棒で沈

  • ムノウノ ラクイン

    『だから、この人は普通の人みたいに、障害で一人では何もできないんですよ!』 主治医の言葉を僕は黙って聞いていた。 復職面談のために集まった会社の人、障害者支援の人、そして呼ばれた嫁。 医者がいうんだから、それは事実なんだろう。 実際に重度の障害の僕は、何にも出来ない人間だから。 そうだよ。 そう。子育ても出来なかったんだ……子供を大人にすることが出来なかった。 無能……無能の烙印は、僕にはとっても

  • 僕が選びとりたい、たった1本の道

    今日ツイッターに……彼女なりの考えなんだろうけど、息子が彼女に向けた最後のメールを公開していた。 辛かった。 涙が出た。 頑張ろう。 運命を切り開こう……そう考えたこともある。 でも、もういろいろ疲れている。 頑張ったって、息子は帰ってこない。 一生懸命生きたって、息子は帰ってこない。 物語を始めようと思ったのが、そもそもの間違いだったんだよね。 年金もらうような重度の障害者が……人並みの幸せを求

  • 一周忌を前にして

    いよいよ来週が一周忌だ。 あの悪夢からもう一年になる。 人間残酷なもんで、あれだけの慟哭と苦悶の出来ごとが、1年たてばある程度は冷静に受け止められるようになっている。 家族もまた、日常を取り戻している。 明らかに一人欠けているのに……みんなまるで何事もなかったかのように。 あの時あれだけ泣き叫んだんじゃないのか。 あの時すべてを失った喪失感で、茫然としていたんじゃないのか。 なんでいま、冷静に居ら

  • もうすぐ1年

    もうすぐで息子が逝って1年になる。 もう一生胸を引き裂かれる悲しみに苛まれるのかと思ってた。 いや、確かにものすごく苦しくて悲しい。 でも、人間上手く出来ているもんで、冷静に息子の死を受け入れることも出来ている。 もうどんなに泣いたって、子供は帰ってこないから。 どんなにダダをこねたって、息子が死んだという事実は変わらないから。 我が家も、徐々にだけど、落ち着きを取り戻している。 でも、なんだろう

  • 上目づかいはもう嫌だから

    いー君は、その場の空気を読んでくれるいい子だった。 賢くて優しくて…… でも、ときどき僕の顔を上目づかいで見てたよね。 僕もそう。 重度の発達障害で、人の気持ちが分からないから。 思っている流れと、すぐに違う方向へ行っちゃうから。 迎合しちゃうんだよね。 どうやったら嫌われないか、どうやったら怒られないか。 他人に対して上目遣いで生きてきた。 でもね、もうそれはやめようと思うんだ。 ここはもう君が

  • 君の幼き面影に

    ふと昔の暮らしを思い出し、胸が苦しくなった。 むかしは僕の実家で暮らしていた。 ウチの母親が、いー君をとても可愛がってくれ、お風呂の後はいつも面倒を見てくれていた。 お風呂上がりに童謡を聞きながら遊ぶ、幼きいー君。 可愛かった……本当に可愛かった。 そして何より、いー君は永遠に存在してくれると思い込んでいた。 歳をとって、天寿を迎える僕。 君に全てを託し……よしんば孫に囲まれて幸せに眠りたい。 何

  • 幻のパスポート

    そういえば…… 息子の修学旅行って、生きていたらそろそろだったのかな。 シンガポールだったそうだ。 写真を撮って、手続きして……息子のもとに届いたパスポート。 もうそれは、使われることもなく、我が家に寂しくたたずんでいる。 君が手にしたのは……天国へのパスポートだったよね。 そんなモノ、急いで取得しなくてもよかったのに。 君がもし生きていて…… 海外のものを見聞出来たのなら。 また人生観が少しでも

  • 今年も行かなきゃ

    自死と向き合う僧侶の会の事務局から、今年も年末の法要の申し込みのお手紙が来た。 去年の息子の死から1年……早いな。 前回は、息子が死んでから、たった2週間ぐらいでの出席だったっけ。 まだ実感がわかなくて、ふわふわしてたような気がする。 今年は泣かずにしっかりと、お参りしようと思うんだ。 宗派を乗り越えて法要を営んでくださる有志の僧侶の皆様方の御心には、本当に頭が下がる。 本当にありがたいんだ、こう

  • 退院、時々食中毒

    病院を退院してきて数日。 本来すぐに退院報告を描きたかったんですが、そこから数日食中毒で39度の連日の高熱地獄の日々。 やっぱりうまくはいかないもんです。 原因は10月17日のいー君の誕生日に、退院祝いも兼ねて焼き肉に行ったため。 その生肉に当たったんですよね。 入院が約一カ月。気がつけば周囲はあっという間に秋の気配。 完全に閉鎖病棟で、室温が一定に保たれていた場所で過ごした1カ月。 息子のところ

  • 入院中です

    外出許可をもらって自宅に戻ってきました。 息子のところへ行けると思ったんですが…… 力が足りないのか、運が無いのか、行くことができませんでした。 息子に会うことを許してもらえないのか…… それともまだこの世でなすべきことがあるのか。 やっぱり寿命を待つしか方法はなさそうです。 にほんブログ村

  • 行きかう若者を見つめて

    今日日曜日は、コミックトレジャーというイベントに参加。 まあ、有名な東京のコミケの関西版と言ったところ。 友達のブースに寄生して立たせてもらうんだけど…… 明日もきっと、楽しそうな人々が目の前を行き交うんだろうな。 いー君も出来れば、その中の一人であって欲しかった。 彼女なんかいなくてもいい、オタクと言う人種でもいい。 人生を楽しみ、謳歌して欲しかった。 オタクに傾きつつあるいー君を矯正して、彼女

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