• 再会

    再会 夜の満員電車のなかで、かれのボタンに毛糸 の紐が引っかかった。彼女の手袋の紐だった。 彼女はその駅で降りようとしていたので、仕 方なく、かれも降りることになった。かれは 彼女を見て、驚いた。彼女も同様だった。三 十年も昔に別れた恋人だった。 顔を見合わせ、お互いに黙りこんだ。かれが 何 から話そうかと、思案しているときに、や はり 彼女から言葉が出た。わたし、老けたで しょ。 彼女の言葉とと