• 日常

    キーンコーンカーンコーン 今日も終業を告げるベルが鳴った。 「まだ帰らんの?さっさと部活行こうや」 と、片山宏が彼に話し掛けてきた。 彼こと松川歩は、四国の香川県、高松市の中学校に通うどこにでもいそうな中学校3年生だ。 高松市と言っても、吸収合併のような形で、高松市になった小さな町に住んでいる。 町の基盤産業は、石材業で、町のシンボルは五剣山で、町のキャラクターは、かの那須与一をモデルにした、よい

  • 序章Ⅲ

    サマルトリアの皇子 幼い彼にとってはHEROであり、自分自身を映す鏡のような存在であった。 てつのやりがサマルトリアの皇子にとって最強の武器であり、 みずのはごろもが最高の防具であるが、 ムーンブルクの皇女に渡してしまう。 最高の攻撃呪文はベギラマであるが、ムーンブルクの皇女のイオナズンの破壊力には遠く及ばない。 しかしながら、サマルトリアの皇子にしかできない特性があった。 死者を甦らせる呪文、ザ

  • 序章Ⅱ

    ドラゴンクエストⅡ ロトシリーズ第二作目であるが、副題である悪霊の神々というタイトルを海馬に刻んである人は余程のゲーマーであろう。 ロトシリーズの中でも、難解と言われるこのソフトに、彼と彼の兄は夢中になった。 夢中というよりものめり込んだ。 伝説の勇者ロトの末裔であるローレシア皇子、サマルトリア皇子、ムーンブルク皇女。 物語はこの3人の出逢いから始まる。 最初にプレイヤーが操るのは力は人一倍あるが

  • 序章Ⅰ

    幼少の頃から、人見知りで、 恥ずかしがりやだった彼は 人前に出ることを極端に怖がり、 他の同級生が外で逞しく遊んでいる様子を、 羨ましそうに眺めていた どちらかと言うと内向きな性格を持っていた 彼にとってファミリーコンピュータの登場は、まさしく渡りに船だった。 中流階級で生まれ、育った彼だったが、 周囲の同級生に比べると早い段階で、 ファミリーコンピュータを手にすることができた。 彼の両親は自営業