• 魔界へ行ったよ⑰

    しかしあなたは器用ですね うん? 服も靴も自分で手作りですね できることは・・・ ところで目的地は? 行けば分かります 安住の地ですか? 分かりません でも行ってください ・・・・分かりました ふと気づくと家には朝日が差し込んでいた 今日も天気はいいように見える そして振り向くとさっきまでいた人は いなくなっていた その人が座っていたところには 一握りの麦が落ちていた セクションⅠ終わり 昨日はパ

  • 魔界へ行ったよ⑯

    そうその集落から4倍のところに行ってもらいたいのです なぜ・・・? う~ん 足腰には自信はありますが それだけ遠いと旅支度ができません こんな見すぼらしい格好で旅を続ける訳にも活きませんし 身を守る事もできないでしょう ダマスハルまでも普通に40日ほどかかりますし その4倍ともなると・・・ でもここにこのまま朽ち果てるよりは・・・いいかな 新しいことをやる時には不安は付き物ですね それでいいのです

  • 魔界へ行ったよ⑮

    さて落ち着いたところで話を初めて良いでしょうか? はい・・・ 先程も言いましたがあなたに害を成す気はありませんよ 今までのあなたの事もだいたい分かっているつもりです そこで一つ提案があるのです はぃ・・提案・・? 難しい事ではありませんが 大変なことでもあります はぃ・・・ ここのずーっと東に何があるかご存知ですか? ひがし・・? そうですね。。太陽が収穫祭の時に登る方向です はい トルダの向きで

  • 魔界へ行ったよ⑭

    びっくりして心臓が早鐘のように打っています 落ち着いたら話し始めますね いつ落ち着く分からない状態が続き それが永遠に続くように感じてしまいました まぁ落ち着いて あなたに害を成しに来たのではありませんから まぁ落ち着いて 時間はたっぷりありますから あなたの話も聞かせてください 彼女の目の前で話している人は 透き通るような白い肌の男性とも女性とも付かないが 深い湖のようなブルーの瞳が目を引きます

  • 魔界へ行ったよ⑬

    風かしら? 以前にも同じような音を聞いたことがありますが その時もあたりに動物も人もいません その夜のこと 暖を取るための小さな火をおこし 手を温めていると また昼間のように カサ、、、カサ、、、カサ、、、 と音が近づいてきました 今度は聞き間違いじゃない・・・・ 壁の隙間から覗き込んでみると 音はしているのに何かいるようには見えません 月明かりがあるのに見えない・・・? 音のする方向を確認してい

  • 魔界へ行ったよ⑫

    翌朝に鹿はどうしている家を出て観てみると まだ同じところに寝ていました 相当弱っていたようで特に昨夜から動いた様子はありません 鹿のことは分からないけれど 調子はどう? 鹿は目を開け黙って彼女を見ているようでした そんな日が続き5回目に太陽が登った日の朝 鹿は静かに息を引き取っていました 冷たくなった鹿に帰天の祈りを捧げ 大き過ぎて動かすことが出来ないので 家を壊して樹の皮などを体にかけて埋葬して

  • 魔界へ行ったよ⑪

    枯れ木と樹の皮で作った質素な塒は 火の光がもれないようにそれなりに造ってありました 火は温かい・・・ 多すぎる火は人の心を狂わせる・・・ とある夜そのようなことを思いながら暖を取っていると 近くに足音らしき物音が聞こえます 村を出てから三千四百の日が登った夜でした こんな夜になんだろう? この足音は鹿かな? 足音は近くまで来るとドサッと音を立てて 地に倒れ込んだようでした 恐る恐る外の様子を伺うと

  • 魔界へ行ったよ⑩

    見つかると殺されるかもしれない・・・ 彼女の一番の不安でした でも本当は 殺されても良いが痛いのは・・・ 山の中で十分とはいえませんが食事と取ることと 祈ることが出来ました たまに人恋しさのあまり集落が見下ろせる遠い場所から 眺めたりもしていました いつまでも私や私たちは許されないのだろうか? いつも疑問に思っていました しかし特に大きな騒ぎもなく凡々と暮らしている 人達を遠目で眺めていると 自分

  • 魔界へ行ったよ⑨

    シャボン玉のように浮いては消える記憶の断片は 彼女の人生の後半が手厳しいものであったことを その時の臨場感とともに如実に伝えてきます そして着の身着のままで集落を出て 山の中で一人佇む彼女がいました しかし彼女の知識は知恵に至っていたため 手元にある材料で火をおこし 木の実や食用の植物で難を逃れていました 途中他の集落の同じような白魔術師の事を思い出し 2つの他の集落を見に行きましたが 2つの集落

  • 魔界へ行ったよ⑧

    彼女が話すたびにその情景がシャボン玉が宙に浮くように 点いては消え 消えては点いて・・・ その時々の感情や思いがシャボン玉が浮かぶように 彼女の想念帯から印象の強かった映像とその思いが流れ出してくる 想念帯はその魂が生まれて現在までの思ったこと考えたこと行ったことを 明確に記録している記憶の帯です この世に出てきて 何をやらなかったはそれほど重要ではありません 何を思い考え行ったかが霊界に帰ってか

  • 魔界へ行ったよ⑦

    私自身は過去で白魔術を学び 神と天使の加護の下で人のためになるように 魔法を使っていました 病の原因になる瘴気や邪気を追い払ったり 神と天使の加護の下に悪しき霊を追い払ったり また薬草の知識も多くケガの治療や解熱など 可能な限り人々の役に立つように努力しておりました 相当な過去の話ですね はい 今から千年ぐらい前になるかと思います その時の人生はだいたい上手く行ったのですか? そうですね・・・前半

  • 魔界へ行ったよ⑥

    あぁ そうなんですね ついては色々な知識を教えていただければ・・・ うれしく思います あぁ そうなんですね 夢の中では聞かれたことに対して 具体的でないと答えることが出来ません なぜなら 思いは波長 Aから発信された波長によって 反作用としてBが自身に関係ある波長であれば Bから反作用としてそれに見合った波長をAに返すからです 一方的に発信することも出来ますが 発信した波長は受け止められなと虚空に

  • 魔界へ行ったよ⑤

    話を聞く前にそのブランケットを外してもらっていいですか? いま体を見せられる状態じゃないの その辺理解しろよ! 的な視線が痛かった まぁ・・そのままでいいですから話してください 彼女は危急の状態であったのだろう 直ぐに気を取り直してしっかりした声で話しだした 私はあなたの知っている人の守護霊です だと思いました 過去からかねがね縁があったので あなたの下に伺いました・・・ そうなんですね 人間は霊

  • 魔界へ行ったよ④

    その辺の事はどうでもいいでしょう? まぁ・・そうだなと等と思いながら話を聞いた 因みにこの二人の子どもたちは使い魔のネコかなにかですか? 彼女は少し視線を下に外して それもどうでもいい事でしょう? ちょっとあしらわれた感があった 多少失礼な質問をしたと思いながら 反省することもなく 彼女が聞いて欲しいことを聞くことにした ちょっと疲れているようですが 何かありましたか? はぁ~みたいに呆れていた彼

  • 魔界へ行ったよ③

    何の前触れもなく話が進む時がある 虚空をふわふわ漂うような空気のレースの中を ゆっくり右足から前に踏み出した 床は音を出すことなく また柔らかいわけでもなかった 数歩進むともう彼女のベッドの横にっ立っていた 彼女は冷静に私のことを見つめていた キスしてもいいですか? 彼女の目が同意する ベッドに手をつき体を支えながら ゆっくり唇を合わせる そしてゆっくりと離れる 私は開口一番 ところであなたは魔法

  • 魔界へ行ったよ②

    そんなゆっくした空間で ゆっくりした時間がしばらく過ぎていった 気づくとベッドの傍らにもう一人の子供がいた 白のワンピースを着たブロンドの髪をポニテにした7歳ぐらいの 女の子が立っていた 金色に近い黄色のウエストのリボンが印象的で後ろで 大きな蝶結びでとめられているようだった 彼女はこっちを見入ってニコニコ笑っている 男の子は怪訝そうな顔つきでこっちを見ている 二人の顔をよく見てみると色白で瞳がブ

  • 魔界へ行ったよ①

    温度を感じない その情景は白が基調になった壁と床と天井 とても軽くて薄い風のベールが部屋のあちこちにあり 本物の空気の流れのように 軽く軽くたなびきながら流れている 広さは一見して見渡せる広さがあり 私の右斜めまえに下から上がってくる 階段が白い手すりとともに目に入る その階段脇の向こうに 白に薄い茶色のラインが入った薄くて軽いブラケットに身を包み 白いベッドに座り込んだ30代の色白の女性がこっち