• 「鶯 エピローグ」ユノ×キュヒョン

    ウニョクのいびきがうるさい。 ここはホテルの一室で、俺は同室のメンバーを横目で見ては、苛々とベッドの枕元で膝を抱えて座って、溜息を吐いていた。 頭の中で呟く。 「何でさっきだったんだよ」 『そんなこと言われましても』 「もうちょっと空気読めよ」 『成仏で空気読むとかないですよ』 「だって今まだいられてるだろ?それならあの時だって待っても良かっただろ?」 『無茶言わないで下さい』 「俺は……好きなん

  • 「鶯 最終回」ユノ×キュヒョン

    短かったんだから、忘れるのも早いだろう。相方の親友なのがタチが悪いけど、このコンサートが終われば、しばらく見ずにすむ。 ベッドに寝転がる前に、窓の外のネオンが目に入った。新鮮な夜景が拡がっている。 本当に、新鮮と言うか、斬新だったな。久しぶりにした失恋は、怪奇過ぎて、むしろ、あんなことなかったんじゃないかと思える。でもあいつの部屋まで追いかけて、やっぱりもう少し待ってくれって言いそうな自分もいて。

  • 「鶯 4」ユノ×キュヒョン

    キュヒョンが、白い肌を上気させたまま、目を見開いて俺を見上げた。俺は眉間を寄せる。 緊張した瞳が向けられる。五月蠅い心臓の音が更に、と言うか嫌に響いた。 「ウグイスが、成仏するそうです」 「は?」 腕の中のキュヒョンを見下ろしながら、動きを止める。 「ユノさんのキスに愛情を感じたそうです」 荒かった息が段々と落ち着いて言われる。 「声も褒められたから言う事ないって」 「待て待て待て」 回していた手

  • 「鶯 3」ユノ×キュヒョン

    もやもやとしたまま、ベッドに入っても一向に眠れなくて、ああ、でもそう言えばまだ時間は早いし、と思っていたら、いつの間にか寝ていた。 次の日、俺とチャンミンと、あいつのグループは仲が良いもんだから大体が一緒にいて、だから気が付くと視界に入れてしまっている自分がいた。 でもそれはどうやらお互い様で、目が合っては、そらせずにいて、とても困った。心臓は鳴りやまないし。それはライブが始まってからもそうで、本

  • 「鶯 2」ユノ×キュヒョン

    「というわけで、早くしてください」 苛々とキュヒョンが言い放った。 「え、キスを?」 俺はぎょっとする。 「だってそれしかないんですよ!頭の中で鳴かれる身にもなって下さい!」 「え、今も鳴いてんの?」 「いえ、今は固唾を飲んで見守ってる感じです」 ため息交じりで首を振られた。 「ふ、ふーん」 嘘くささ、半端ないな。 でも、こいつ女としか付き合ってないし、こんなのメリットゼロだもんな。 「じゃあ、分

  • 「鶯 1」ユノ×キュヒョン

    日本で、同じ事務所のアイドルが合同で行うコンサートがあった。 二日前の晩に来日して次の日、午前中のリハーサルを終えて、スタッフと一緒にライブ会場で昼食を取っていた。 夏だった。 野外の会場で仕出し弁当をスタッフと食っていた。 ホーホケキョ と、言う鶯の声が聞こえた。 ふーん、日本にもいるのかと思いながら、それが久しぶりに聞いて懐かしかったのと、綺麗で可愛らしい声だったから、話すのもやめて一人聞き入