• 続・リンゴさん⑱始まりと終わり

    「二人のことを、私が幸せにしたい」 「だから私と付き合ってください」 リンゴさんの自宅で明け方近く。 静かに眠る娘さんの傍らに立ち、そう彼女に告げた。 「私なんかで、本当にいいの?」 不安そうにつぶやくリンゴさんを力いっぱい抱きしめると。私は改めて伝えたのだった。 「幸せになろうな」 こうして、リンゴさんと付き合うことになったのである。 それが昨年11月のことです。 あれからもう5か月くらい経つん

  • 続・リンゴさん⑰決断と告白

    リンゴさんとキスを交わしたその後も、私はしばしば札幌を訪れていた。 今回でパインさんと会うのも7回目か。 彼女と出会ってから早くも二か月ほどが経過している。 まだ手を繋ぐ程度の仲だったが、二人の距離は確実に縮まっていたように思う。 すでに恋人同士のような雰囲気。そう言っても過言ではなかった。 それが私にとって、何だかとても申し訳なく思えたものである。 (やっぱり私、リンゴさんのことが好きなんだな)

  • 続・リンゴさん⑯彼女の過去

    「ううん、謝らないで」 「私のこと、少しでも考えてもらってるだけで嬉しいよ」 こっちこそゴメンね、襲わないって言ったのにね。 困った顔を浮かべる私に対し、そう笑うリンゴさん。 うん、彼女の方がずいぶん大人だよね。 相変わらず居たたまれない思いの私を察してくれたのか、「ゲームしよう♪」とTVを付ける。 それからしばらく、何事もなかったかのようにテレビゲームに興じる彼女を眺めていたのだが。 (そろそろ

  • 続・リンゴさん⑮初めてのキス

    リンゴさん親子と楽しいピクニックデートを満喫した帰り道。 「ちょっと家に寄っていかない?」そう彼女に誘われる。 さすがに躊躇する私だったが、「襲ったりしないから」と笑う彼女に説き伏せられ。 (まぁ少しくらいならいいか) 相変わらず交際を決断できない私だったが、こうしてリンゴさんの新居にお邪魔することに。 実は引っ越しの手伝いでも来ていたから初めてってわけでもないのだが。 その時とはやはり気分が異な

  • 続・リンゴさん⑭どっちの料理ショー

    パインさん(26歳) 札幌に住む派遣社員で、大沢あかねさん似の実に可愛らしい女性である。 小柄な彼女はルックス的にも私のタイプ。 ややコミュ障気味な感じだが、二人で話している分には何の問題もない。むしろ、とても可愛らしく映るものだ。 そんな彼女と居ると、私も自然体で過ごせてとても楽。 一回り以上も年の離れた女性に好意を持ってもらっているだけで、なんだか奇跡的な気がする。 リンゴさん(31歳) 大阪

  • 続・リンゴさん⑬急接近する二人

    「年下過ぎると嫌ですか」って、もちろんそんなわけはない。 それでも。 これから付き合う女性とは、やっぱり結婚を意識したお付き合いをしたいんだよね。 「私が言うのも変だけど、歳なんてあんまり気にしないよ」 「でも、少なくとも結婚を意識していない女性とは付き合えないかな」 だから何となく聞いてみたんだ。そんな風に返すと、パインさんは食い気味にこう答えてくれる。 「私も全然気にしないです」 「結婚も、今

  • 続・リンゴさん⑫年下過ぎる女性

    リンゴさん親子の新居探しに付き合った私は、そのまま夕食もご一緒し。「引っ越しの手伝いにも来るよ」そう言い残して東京に戻ったのである。 新大阪への帰り道。 スマホにはパインさんからのメールが届いていた。 「タカシさんさえ良かったらご飯でも行きたいです」 「今度は私が東京に行っても良いです」 彼女とはまだキャリアメールでやりとりしている。 私と同じく、あまりLINEが得意ではないというパインさん。SN

  • 続・リンゴさん⑪娘の父親

    お子さんと二人暮らしの準備を着々と進めるリンゴさん。 別に同情心が沸いたわけでもないだろうが、そんな彼女を少しでも支えてあげたいな。そんな思いがあったことはたしかである。 保育所の近くで良さそうな部屋を見つけられた私達は、娘さんも交えて早めの夕食をとることに。 「和食の美味しいお店があるんだけど、そこでもイイ?」 子供を連れて入りやすそうなお店など全然ピンと来なかったので、ここは大人しく彼女の後を

  • 続・リンゴさん⑩お家探しデート

    札幌にお住まいのパインさん(26歳)と最初のお茶を済ませると。 意外なことに、どうやら少しは気に入ってもらえたようだ。 タカシさんさえ良かったら、また是非お会いしたいです。 そんなメールに「喜んで」と返し、続いてリンゴさんにLINEを送る。 うん、こうして文字にしてみると何だかプレイボーイみたいだな… 同時並行なんて当たり前の婚活ライフ。私も相当感覚がマヒしていたのだろう。 当時は特に何も感じなか

  • 続・リンゴさん⑨恋の両天秤

    大沢親分の孫で、劇団ひとりの奥さんでもある大沢あかねさん。 (この娘、可愛くないですか?) キャラ的に不細工扱いされていたような気もするが、私的には普通にとっても可愛らしい女性。そんなイメージである。 そんな彼女によく似た雰囲気のパインさん(26歳)と、札幌にて初対面を果たすと。 どうやらご本人とは違って実に人見知りするタイプらしい。 「はじめまして」 そう口に出す声が、ずいぶん震えていたものだ。

  • 続・リンゴさん⑧大沢親分の孫

    パインさん(26歳)と札幌にてお茶をする約束を交わした私。 リンゴさんとは少しの間連絡が取れずに心配していたのだが。ようやく電話にでた彼女と話すことが出来た。 「変な話に巻き込みたくないし、落ち着くまで連絡は取らないようにしたかったんだけど…」 そう申し訳なさそうにするリンゴさんに対し、あまり無責任なことも言えない。 それでも。 「一人の女性としてどう接するべきか、正直自分でもよく分かってないんだ

  • 続・リンゴさん⑦新たな出会い

    子供と一緒に実家から出ることにした。 そう電話で告げられた私は、正直戸惑ったものだ。 いや、それは考え直した方がいいんじゃないの。 そういう思いはたしかにあったが、一方で無責任なことも言えないよね。 まだそんな立場でもなければ、彼女の人生に関わる覚悟など全く出来ていないのだから。 とりあえず「また後で話そうよ」そうLINEを送って仕事に戻った私だったのだが。 その夜。 リンゴさんが私の電話に折り返

  • 続・リンゴさん⑥母親との確執

    「何時でもいいから、手が空いたら電話くれないかな」 リンゴさんからそんなLINEが届いたのは平日昼間のことである。夜のお仕事を続けていた彼女だから、そうおかしな話ではないものの。 珍しいな。普段の彼女からは違和感を覚えるメッセージだ。 「どうした?」 何だか気になってしまい、仕事の合間に電話してみると。 「お仕事中にごめんなさい」 電話に出たリンゴさんは、これまで聞いたことのなかった元気の無い声で

  • 続・リンゴさん⑤動き出す予兆

    難波のパブで働くリンゴさん(31歳)。 桜井幸子さん似の可愛らしい彼女は、2歳の子供を育てるシングルマザーだ。 ひょんなことからお茶をして以降、少しずつ仲良くなっていく私達。 「今度、一緒に遊びに行ったり出来ないかな」 好意を持っていると直接告げられた私は、深く考えることもなく。 「一度デートでも行こうか」そう返していたのだった。 そんなリンゴさんとは毎日LINEのやりとりを続けていたが、同じく婚

  • 続・リンゴさん④彼女との幕開け

    新大阪駅の近くで飲みながら談笑する私達。 新幹線の最終も近づいてきたため「そろそろ行かなきゃ」と切り出すと。 リンゴさんの雰囲気が少し変わったように感じたのは、私の気のせいではなかったようだ。 「うん」 そう答えた彼女は一瞬の間合いの後で。 「ねぇタカシさん」 私の目を見据え、落ち着いたトーンで話しだす。 「私はタカシさんのことすごい気になってる」 「もっと仲良くなれたらいいなって、思ってるよ」

  • 続・リンゴさん③父親になる覚悟

    「もうちょっとだけ、時間とれない?」 リンゴさんからそんな連絡がきたのは、新大阪に到着する少し手前の頃だった。 ついさっきまで仲良く食事をしてきたばかり。 おいおい、一体どうした? とりあえず電車から降りた私は、彼女にかけ直してみると。 「ホントごめんね」 「次いつ会えるか分からないし、もう少しだけお話できないかな」 そんな風に言われて、ちょっとドキドキしてしまう私だった。 いくら鈍感な私でも、な

  • 続・リンゴさん②夫婦に見える

    婚活相手とお茶するために大阪まで出てきた週末。 ついでだからと、久しぶりにリンゴさんとも会っていくことに。 そこで初めて見る娘さんは、本当に可愛らしい女の子であった。 リンゴさんのことなど放置してしばらく夢中になる私。 そんな様子を嬉しそうに眺めていた彼女であったが、さすがにうんざりしてきたのか。 「もう早く行こうよー」 娘さんを私に任せて、スタスタお店の方へと歩き出していく。 「2歳でもまだベビ

  • 続・リンゴさん①可愛い過ぎる女の子

    カシスさんに告白をして、逆に不倫の告白を受けてしまった私。 それ以上もう何もなく、博多を後にした数日後のことだった。 「で、どうだったの?」 リンゴさんからそんなLINEが届く。 「思いっきり振られたわ」仕事中だった私は、簡潔に一言だけ返すと。 「詳しく聞かせなさいよ」と追撃される。 あーもう面倒くさい。今忙しいんだよ。悪いけどまた今度な。 そう返した私は、すっかりリンゴさんのことなど放置していた

  • カシスさん⑧空気の読めない私

    女性とデート中に手を繋ぐ。 中学生じゃあるまいし、これ自体はそれほどハードルの高いものではないだろう。 裏を返せば、意中の女性と手を繋げたくらいで「いけるかも」とはさすがに思わない。 それでも。 「腕を組んで歩く」となったら話は別だ。 手を繋ぐくらいならば、半ば無理やりにでも出来なくはないが。 満面の笑みを浮かべながら、女性の意思で腕を絡ませてくれる。こうなると、好意の度合いが異なるとしか思えない

  • リンゴさん④いつかまた逢える

    難波の宗右衛門町にあるパブで働くリンゴさん(31歳)。 桜井幸子さん似の可愛らしい彼女は、間もなく2歳の子供を育てるシングルマザーだ。 仕事関係の宴席で訪れ、何度か話しただけの希薄な関係性。 住まいも環境も大きく違うのだから「どうにかなりたい」なんて気持ちは微塵もなかった。 そんな彼女と、たまたま帰りが同じタイミングになった私。途中までご一緒していると。 「東京に戻る前に、良かったらちょっとお茶で

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