• 『オレンジタウン』残響のひかり。05

       運ばれてきたのは、二人分の鴨南蛮そばで。 ここは、ちゃんと鴨の肉が入っている。 たまに行く店は、鶏肉を使用しているのに〔鴨南蛮そば〕と書かれていて、常々おかしいと思っていた。 僕がそんな事を思い出している間に、神谷さんはさっさと食べ始めていて、こちらを見向きもしない。 なんて言うか、凄く自分勝手というか、人の事は気にしないっていうのか・・・・。 どんぶりに顔を近づけて、一口目をすすった。 勢

  • 『オレンジタウン』残響のひかり。04

     夕方6時をまわり、事務所の中には僕ともう一人の社員だけが残っていた。 お互いに社員数の多い企業を任されて、製造の会社となると入れ替わりも激しい。 その都度、離職の手続きやらであわただしく、もめ事などが起こった日には調べ物で夜中までかかることもあった。 「津田くん、そろそろ終わる?・・・俺の方は、あと5分ぐらいなんだけど。」 「はい、僕もあと一人分の入力で終わります。」 2年先輩の佐々木さんは、こ

  • 『オレンジタウン』残響のひかり。03

      その日、いつもの様に事務所の机に貼りついて仕事をしていた僕は、ふと、デスクの引き出しが振動している事に気づいた。 微かに肘の辺りに伝わる振動で、引き出しに仕舞った携帯が受信しているのが分かる。 「・・・はい、津田です。」 電話の相手の名前を見たら、少し動悸がして小声になった。 「どうも、神谷です。昨日は大丈夫でしたか?」 声の主は、昨日僕が追突しかけた相手、神谷孝輔さんだったが、僕の事を心配し

  • 『オレンジタウン』残響のひかり。02

     神谷さんという人は、僕の携帯番号を聞いただけで、特に文句をいう訳でもなくあっさりと帰ってしまった。 僕は自宅へ戻ると、あの後神谷さんから連絡があったか携帯を確認するが、何の通知もないまま。 いつもの様にシャワーを浴びると、冷蔵庫からビールを取り出して一口飲んだ。 それから、ありあわせの材料で夕食を作る。料理は得意、というか慣れていた。 小学5年生の家庭科で簡単な料理を覚えて以来、中学生になるころ

  • 『オレンジタウン』残響のひかり。01

    こちらはpixiv小説に投稿した作品になります  それは、夏が終わったというのに、日差しが眩しい夕暮れ時の事だった。 真正面から西日を受けて、目を細めながら車を運転して帰る途中。 河川敷に咲くすすきの間から、小学校の運動場が見えると、ジャングルジムが目に入ってきた。 その時、オレンジ色の光に覆われた鉄の塊は、僕の脳裏に焼き付いて離れない光景を蘇らせる。 思い出す事を拒否しても、勝手に記憶は紐解かれ

  • 『気付いたんだけど。』07

    お待たせいたしました。 沼の淵から浮上しましたイッチです。 続きを描きましたので、よろしかったらご覧ください。 小説「気付いたんだけど。」も完結です。m(__)m オレは一体何をしているんだ? 寝袋に避難すれば、吉田の体温を感じる事はなかった。なのに... 手も足も出ない状況で、顔だけ出ているオレの唇に吉田はキスをした。 ...そして、オレも受け入れてしまって.......。 「ど?気持ち悪くない

  • [やっと表紙が描けました]

     今日は一日中お天気が悪くて。。。。 静岡地方も雪がちらほらと舞っておりました。 センター試験の方たちは本当に大変ですよね?! 毎年思う、日本でこの時期に試験を行うってのは、嫌がらせか? 雪やらインフルエンザやらで、試練を与えておいてからの試験。 無事に受験出来た方は、それだけで合格にしてあげてっ!!! ・・・なんて。無理ですよね?! イッチはこんな日、ちまちまとお絵かき。 そして、pixivに投