• 3月14日 「航一 日記」

     今日は、久々にロクイチのバイトが休みだったので、クッキーを焼いた。 なのに、出来上がった途端、津田先生からの呼び出し。 仕方がないから、袋に詰めたのを持たせる事にした。 でも、津田先生には食べさせないでね? あの方、甘党だから全部食べられちゃうもん。 せっかくロクイチの為に焼いたんだから、さ。 今日は何の日か知ってるのかな・・・・? 早く帰ってきてね?      by 航一 津田先生も野暮ですね

  • 《そうだよ!気になる事が。》 Ф(* Д*)//

    反省会はじめま~す 航一) なんだよ反省会って……。 ロクイチ) なんかね、ittiさんが今後の作品を 考えるにあたり、オレたちに聞きたい事が あるらしいんだ。 航一) へぇ、…で・何? 俺たち忙しいんだけど……。 itti) すみません。今さらなんですが、 そもそも、二人は”バイセクシャル”なのですか? 航一/ロクイチ) …………………......? 俺たち、作者じゃないから。 ittiさんが書

  • ロクイチ-150「翔」【終】

     凍える指先を手袋の上から揉み解すと、じんわり暖かさが伝わる。 「ありがと。ずいぶんあったかくなったよ。」 「そう?良かった。加瀬くんの手は小っちゃいねぇ。手袋してもコレだもんな。」 言いながら、呂久は航一の手に自分の手を合わせた。 ン・・・ン・・・ンツ・・・!! 呂久と航一の隣で咳ばらいをするのは津田。 「お前らさぁ、試験が終わったからって朝からイチャイチャすんじゃねぇぞ?!」 今朝は、津田も合

  • ロクイチ_149「道」

       教室からぞろぞろと出てくる生徒の中に、大きく伸びをする航一の姿があった。 うなだれた様に下を向く生徒がいれば、スッキリした顔をしているものも。 「あ~~ぁ、終わった。 なんかお腹空いたな、どこかで何か食べて行かない?」 隣の大東に聞いてみる。 「うん、いいよ。今日までバイトは休みにしてもらえたから。」 試験勉強の最中に、大泉とのすれ違いがあって集中するのが難しかっただろう。 それでも大東は、

  • ロクイチ-148「発」

    航一達が部屋に戻ると、大泉と大東は横並びに座り話をしている最中の様だった。 -あれ、なんか雰囲気が・・・・・ 出掛ける前の重い空気はなく、少し和やかな雰囲気になっていて 「ロクイチありがと。二人にしてくれて・・・・ちょっと話せた。」 大泉がにこやかな、そして少しはにかんだ顔で二人を見る。 「良かった。」 「で、何か進展は、」 「加瀬くん、急ぎ過ぎちゃだめだよ。」 航一の質問を途中で遮る呂久。 ‐そ

  • ロクイチ-146「援」

     大泉は部屋に入るとすぐに大東を見た。 目を伏せて、力なく膝を抱える大東をすぐにでも抱き寄せたいと思う。 「こっち座れば?」呂久に促されて大東の斜め向かいに腰を降ろす。 その時、チラッと目が合ったが、すぐに逸らされて心が痛む。 「こんな時間に来てくれたって事が、大泉くんの気持ちを表していると思うんだけど、オレたちは外野だし、ちょっと二人きりで話しなよ。」 呂久がそういうと、航一の肩に手を置き合図を

  • ロクイチ-145「独」

    大泉が着くまでに、大東の幼少の頃の話を聞いた呂久。  自分も孤独だった気はする。両親との刹那に過ごした時間とか、自分の存在を否定された事は、ずっと根っこの部分に残っている。 ただ、大東との違いは、祖母がいてくれたこと。 優しく受け入れてくれた。それが、自分の娘を不甲斐無く思ったからであったとしても、自分に手を差し伸べてくれ、愛情を示してくれたことは大きい。 子供は親を選べない。選んで生まれ落ちるっ

  • ロクイチ_144「孤」

      目の前に差し出されたホットココアのカップを両手で包む航一と大東。 手の平から伝わる熱で、二人の気持ちまで暖かくなるようだった。 「夜にゴメンね⁉どうしてもロクイチに聞いて欲しい事があって。」 複雑な表情の大東の横で、航一はすまなさそうな顔をして言った。 「いいよ、ちょっと休憩しようと思ってたから。オレなんかに聞いて欲しい事って?」 呂久が嫌な顔をせず微笑んでいるので、二人ともホッとする。 「…

  • ロクイチ_143「置」

    ヘ、ッブシッ、、、  ブルッと震えて、ベッドの上で枕を抱き締めると、微かな大東の匂いに鼻孔が反応して、目頭がジワリと熱くなった。     主のいない部屋は、ガランとしていて寒い。なのに、暖房をつける気にもならなくて、大泉は枕に顔を埋めた。 -どうしたら元に戻れる? 何に対して腹を立てているのか、今ひとつわからない。 ごろりと仰向けになると、大東の枕を胸に抱え天井を見つめながら、「離す訳ないのに……

  • ロクイチ-142「互」

    当然のように自分の横に座る大東に、小心者の大泉はビビッていた。 -俺は悪くないのに・・・なんで俺がビビるんだよ! 自分に言い聞かせるが、大東に冷静な目で見られると心拍数が上がる。 「加瀬くん今日の昼は、何にしたの?」 呂久が航一のランチを気にして聞いた。 「ハンバーグ定食。ロクイチも?」 「うん。一緒だね?!」 二人で微笑ましいところだが、今のこの場では、ものすごく浮きまくっている。 隣の津田なん

  • ロクイチ-141「緊」

    大学の学食は、学校によっても違うだろうが、一つだけではなく2~3か所あるところもあって、学部によって分けられていたり大体は校舎に近いところへ行くのが常だ。 呂久達がいつも行くのは、航一達の校舎に近いところ。 それは、大泉と大東によって決められていたところがあった。 その二人が喧嘩している今、わざわざそこを使う必要はないのに、来てしまった。 「いいのか?あいつ等も来るっていうのに。」 津田が心配そう

  • ロクイチ-140「勢」

    「はぁぁぁ。。。。」 ・・・さっきからずっと、耳元で大泉のため息が聞こえる。 「もうさぁ、何なんだよ?!大泉はっっ!!はあはあ、うるせえっつーの。」 ついに、大泉を挟んだ向こう側に座る津田がキレた。 「はぁぁ、ごめん。・・・でもさ、出してしまわないと、”陰”の空気がオレん中にこもるから。」と大泉。 「なんだって?それじゃあ俺らはその”陰”の空気を吸えってのか?ふざけんなよ!!」 益々怒りを募らせた

  • ロクイチ-139「存」

    子供の様にはしゃいだ二人は、大学の門をくぐると息を切らしながら走った。 先に着いていた大東が、校舎の入口で二人を待ち構えている。 「加瀬、早く!!遅刻しちゃうよ?!」 「ごめん、ごめん。ちょっと遊び過ぎちゃった。」 そう言いながら「ふうぅ」と大きく息を吐く。 「じゃあ、ここで。」呂久は別校舎なので、二人を見送った後で行こうと立ち止まる。 「じゃあね、試験終わったら家に行くから。」と航一に言われた時

  • ロクイチ_138「笑」

    -寒い。 今朝は、霜が降りたらしい。日陰の道路脇には、黒い土の上に薄い氷が張っている。 高校の学校帰りに、琢がわざと踏みつけて割っては、喜んでいたっけ。 小学生レベルなんだよな、アイツ。 大東がそう思い出して歩いていると、目の前を歩く呂久と航一が、時折脇に逸れては氷を踏んでいるから、可笑しくなってしまった。 「もう、二人とも大人気ないなぁ。」 大東の声を背中に受けるが、二人とも止めずに笑っている。

  • ロクイチ_137「絆」

    天井に映るカーテンから洩れた微かな明かり。 それをぼんやりと眺めては、一人眠れぬ夜を過ごす大泉だった。 -今までの付き合いの中で、こんなに諒のいない不安を感じたことは無い。 いつもひとり、屋上で本を読んでいた諒。 クラスに友人もいるのに、どこか儚げで、深く交わろうとはしていなかった。 だから、俺が昼寝の膝枕をさせて側にいたんだ。 諒は、最初はぐちぐち言ってたけど、そのうち二人でいるのが当たり前にな

  • ロクイチ_136「狭」

    航一が帰った後、1人でココアを飲みながら机に向かっていた呂久だったが、大泉が気になって仕方ないのでメールを入れてみた。 【勉強進んでる?さっき大東くんが加瀬くんの家に来たみたい。大丈夫?】 暫くすると、大泉から返信が 【マジ😲⁉ ロクイチ俺を助けて🆘😱‼】 -おいおい、オレに何をしろと……… どうもオレは人の事に首突っ込んじゃうなぁ……。 加瀬くんの一件以来、昔の自分とは180度違う生き方を

  • ロクイチ_135「安」

    呂久が、ホットココアを二つ持って部屋に戻ると、焦った様子の航一が帰る仕度をしていた。 「あれ、なに!!帰っちゃうの?・・・ココア飲んだら送るよ?」 「あっ、大丈夫。今から大東がうちに来るっていうんだよ。きっと、大泉と喧嘩の続きになったんだろ。もう、うちの前に来ているらしいんだ・・・ごめんね?」 そういうと、熱いココアを一口飲んで「あちっ!!」と言いつつ玄関へ向かった。 「ひょっとして家出?・・・大

  • ロクイチ_134「揚」

    本当は、試験勉強しなきゃいけないんだけど・・・・・ 加瀬くんの黒目がちの瞳がオレを誘惑する。 部屋の電気をつける間もなく、加瀬くんがオレの背中に体重をかけ腕を回してくるからよろけてしまった。 前に向き直ると、高揚した顔で上目ずかいに見つめられ、オレの理性は制御不能だ。 先ずは、ツルンとしたおでこにキスをひとつ。 目を閉じた加瀬くんの瞼に二つ目。 少し冷えて白くなった唇に、三つめのキスを落とせば、た

  • ロクイチ_133「辞」

    琢との縁は、高校1年の時から・・・ 同じクラスになって、名前順で席が前後になった。 クリクリの天パで、目がパッチリしてて、まさにアイドル顔の琢。 地味な俺とは合わないって思ってたんだけど、屋上で座ってたら、急に俺の膝に頭乗せてきて。 人懐っこい性格だと思ってたのが、段々”オレサマ”なのかって思うようになったのは高2から。 それでも俺には優しくてさ、高3の時、母親が大阪へ単身赴任になった後、飯はイン

  • ロクイチ_132「拾」

    二人は、突っ立ったまま互いの顔をじっと見据えていた。 そのうち視線を外した大泉が、テーブルに置かれた情報誌を手に取ると、パラパラとめくって見始める。 「...............別れるって.........突然、なに言ってんだよ.........。」 大泉が動揺しているのは、ページをめくる指が震えているので伝わってくるが、何も言わずじっと黙ったままで、大東は立ち尽くしていた。 その様子に段々と

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