• あとがき(This is love comedy.)とおしらせのようなもの

    こんばんは、皆さま。只今、深夜でございますね。書いているお話が増えすぎて収拾がつかなくなっている者です。 「おいおいやっぱりな!」と、思われた方が大半と、「このブログに来たのは、はじめてなので、もう帰ります」という方が今ここにおられる皆様だろうと思っております。 今回は『This is love comedy.』というお話のあとがき(ようなものではございません)を、遅ればせながら書くことに致しまし

  • 「This is love comedy.最終回」ユノ×キュヒョン

    部屋の前まで来て、やっとそこで足が地面についたような気がした。 「いや、だから、あの、もしそうだとしてもさ、お、俺の気持ちはどうなるんだよ」 と、言いながらも、俺は着ているジャケットのポケットにいれた自分の携帯電話が見える様だった。 「あれから携帯見ては、キュヒョンから連絡来ないか待ってるくせに」 チャンミンが、仕方がないなと言う風に俺に笑った。 「それにヒョン、今の顔酷すぎます。野菜全然食べなく

  • 「This is love comedy.31」ユノ×キュヒョン

    「多分、違いますね」 助手席の俺の後ろで、声が出された。 全員がそちらに向いたのが分かる。俺もミンホもバックミラーで、そう言ったチャンミンを見た。 「キュヒョンは、きっとそれよりも前からです」 バックミラー越しにチャンミンが俺を見た。 「正確には忘れましたけど、キュヒョンはいつ頃か、ヒョンと似たような食べ物を好きになって来たんですよ」 俺は口元に充てていた手をそのままにして、チャンミンと見つめ合っ

  • 「This is love comedy.30」ユノ×キュヒョン

    なぜか、着替えさせられて、マンションのエントランスにおりると、横付けされた二台の車が置いてある。 「おいおいおい」 大量のファンが囲っている。背中を押されながら、先頭の車の助手席に、押し込まれた。 「……お久しぶりです」 運転席で俺に向かって言った顔を横目に、溜息を吐きながらシートベルトを締めた。 「……何どこに行くの?ミンホ」 「分かってるでしょ!」 後ろの全員が声を揃えた。 「いやいや、あのな

  • 「This is love comedy.29」ユノ×キュヒョン

    あれから、やっぱりキュヒョンの人気は衰えることなく、上がり調子で、次のミュージカル出演と来年にはシングル曲の発売も決定した。 俺は相変わらず自分の国と日本とを行ったり来たりで、あの時撮影していたドラマの視聴率も順調で、忙しい毎日を送っていた。チャンミンもこの宿舎を出たことだし、そろそろ俺も自分の部屋を借りてもいいかもしれないと思いながら、 今日は久しぶりの休日だった。 すごいぞ。 俺は布団から、顔

  • 「This is love comedy.28」ユノ×キュヒョン

    自分が、こんなに優しい声を出せたのか、と思った。 呆然としていた瞳が揺れる。 「お前は大丈夫だから、心配することなんて何もないよ」 俺をじっと見つめながら、瞳の揺れる目をゆっくり瞬かせた。 その顔を口の端に力を入れて覗き込む。 「俺なんかにこんなこと言われなくても、十分分かってると思うけど、お前には才能があるよ」 俺から瞳をそらさずに、虚ろな顔で、ぽつりと呟く。 「……なんの?」 「歌、もだし、ミ

  • 「This is love comedy.27」ユノ×キュヒョン

    カーテンコールが終わる。 キュヒョンがわずかに、自分を見て嬉しそうに微笑んだ。 俺はその笑顔で、我に返ったように、笑みを忘れた。 キュヒョンは舞台から消えていく。俺は今から自分がすべきことを思い出して、なぜか血の気が引くような思いにとらわれながらも、腕時計を見た。息を吐いて立ち上がる。 時間ももうない。 終わった後で、俺が行くと言っておいた通り、まだキャストやスタッフが、舞台裏でざわめいている中、

  • 「This is love comedy.26」ユノ×キュヒョン

    一か月半はゆっくりと過ぎていった。 キュヒョンのミュージカルは、その心配を他所に連日満員のようで、いたるところで広告や特集記事を見かけた。 それでもキュヒョンからは、今何しているかというメールや、電話が一日に何度も来ていて、俺には珍しく、まめに返していたと思う。 二人のスケジュールはやっぱり合うことはなくて、連絡を取り合うだけのまるで一昔前の恋人同士の様な付き合いのまま、とうとう俺だけがしていたカ

  • 「This is love comedy.25」ユノ×キュヒョン

    「一番最初に言いたかったんです。おめでとうって」 呟きながら、その瞳が揺れた。 「言ってよ」 「でも沢山メッセージが来てました」 「読んでないよ」 「確かに読んでませんでした」 それを見てたのか。 「なんでですか?」 キュヒョンが眉をひそめた。 「何でだろうな」 苦笑しながら、その目に入らなかったメッセージの原因がこのキュヒョンなのが自分でも可笑しくなって、今度は噴き出して笑ってしまう。その俺を見

  • 「This is love comedy.24」ユノ×キュヒョン

    会わないで、全くお金をかけずにすむ方法。 つまりは、やるなってことと同じだけど、もしできたとしてもこれなら俺の心配は大分軽減されるはずだ。 何を考えているのか、あれから何の連絡もなく、 なのに自分が誕生日をこんなに意識するのも初めてなまま、 前日の今日、予定通りドラマ撮影は深夜まで続きそうで、明日も早朝から再開だった。 夜になると、ことさら寒くなって、そんな中、野外ロケだった。 裾の長いダウンジャ

  • 「This is love comedy.23」ユノ×キュヒョン

    それでもって次の日。 電話の向こうでキュヒョンが喚いている。ちなみにあいつはやっぱり覚えていなかったようで、店のことは言われなかった。これは別件。 「だから、遊覧船で十分だったんだって!何もしなくていいから、お前は舞台に専念しろ。もう切るぞ」 聞こえて来る声が一段と大きくなったけれど、切る。切った途端、また振動する。 「ヒョン、いい加減にしないと現場まで来ますよ」 「来ないよ、仕事なんだから」 俺

  • 「This is love comedy.22」ユノ×キュヒョン

    一瞬、息が止まった。 半分寝ているんだろう、気持ち良さそうに話される。 「ユノヒョン、いいですか?」 夢見てるみたいに、微笑まれる。不意に出された自分のタイムリミットに、言葉がつまった。 その、ミュージカルにかける情熱を危うく取り違えそうになる。本当に俺達は付き合っているのかと。 微笑みを凝視したまま、どの答えも喉の奥から出てこない。 曖昧な笑みで返して、支えるように背中に回していた手をその髪に伸

  • 「This is love comedy.21」ユノ×キュヒョン

    「なんで今日は来ないんですか?」 なんでって、もう俺とは祝ったんだから、今日は本当に会いたい奴と会わせてやりたいだろうって言ったらチャンミンは黙るだろうから、 「俺は昨日祝ったから」とだけ言ったら、チャンミンは責めるようにこちらを見て黙った。どうやら、これも間違えだったらしい。 最近俺は、まず言う事を間違えてばかりだな。 まあ今晩は久しぶりに、一人で誰かの誕生日祝いにビールでも飲んでみることにする

  • 「This is love comedy.20」ユノ×キュヒョン

    そういえば、あいつさっき何がしたかったんだ。ぼうっとそう思いながら、自分を呼ぶ声に覚醒していく。 「ユノヒョン。ユノヒョン」 背中に手をあてられて体を揺さぶられる。んー。んー。ごろりとひっくり返ると、キュヒョンが覗き込んでいる。重い目蓋を開きながら、手を伸ばしてその頭を撫でた。 「終わったの?お疲れ」 撫でた頭がぴくりと動く。あ、いかん。とっさに手を下ろそうとすると、 その手が掴まれた。 キュヒョ

  • 「This is love comedy.19」ユノ×キュヒョン

    一応何かあったときの為に二種類用意しておいたから、一つをみんながいるホールに運んだ。 と言っても一個で人数分十分に食べられる量だから、これ一つをほぼあいつだけで食いきるのはやはり無理だろう。まあ残して構わないんだけど。 キュヒョンの待つ部屋の前で、台車で運んだケーキに、蝋燭をさして火をつける。 あいつに好きなほう聞けば良かったな。失敗した。こういうの久しぶりだからな。 ドアを開けて、電気を消す。

  • 「This is love comedy.18」ユノ×キュヒョン

    大きなレッスンルームにみんなで何枚もの大皿に盛られた料理を囲む。 俺もはじめて会う人間にぽつぽつ話かけられながら、紙皿に取って食べてみる。 なかなか美味い。 キュヒョンはひっきりなく役者やスタッフに話しかけられていて、随分可愛がられてるんだなと思って見ていると、俺のところに小走りで来た。 「どした?」 キュヒョンがはじけるような笑顔で言う。 「空いてる部屋使って良いそうです!」 ん?何に使うの?

  • 「This is love comedy.17」ユノ×キュヒョン

    がーくーやー。 胸やけ凄いんですけど。 「せめてそこは半分じゃないですか?」 チャンミンが紙コップに水を入れてこっちに来た。 「今日も明日も食べなきゃいけないからって」 それであの巨大なデコレーションケーキを全部俺にくれたわけなんですけど。 一応昨日、今朝と二回に分けて食べたけど、胸やけが半端ない。 「チャンミン」 その水下さい。紙コップを持ったまま、テレビに釘付けになっている。でかいビニール袋を

  • 「This is love comedy.16」ユノ×キュヒョン

    テーブルの上で袋から大きな箱を取り出したキュヒョンがいそいそと皿を持って来る。 俺は遠い目でその光景を見る。 「ユノヒョン見て下さい!」 遠い目をしていた俺の前で、入れ物の蓋を開けた。思わず現実に引き戻される。 「ケ……」 「そうです!ケーキです!」 開きっぱなしになった口を閉じる。 「お、おい」 持って来てもらっといて、あれなんだけど。お前は乙女か。 「こ、これを飯に?」 「ユノヒョン!、これは

  • 「This is love comedy.15」ユノ×キュヒョン

    「楽しそうで何よりです」 楽屋で、チャンミンが含み笑いで、水の入った紙コップを差し出す。 何も言わず受け取りながら、錠剤を水と一緒に流し込んで、目の前のテーブルに頬をつけてうな垂れた。 とにかく頭が割れる。 近年まれに見る二日酔いなのもあるけれど、マネージャーに「仲が良いのは結構だけど、もう少し大人しく頼む」と呆れられたのもある。 チャンミンが俺の横に置いてあったリモコンを手に取った。 電源の入る

  • 「This is love comedy.14」ユノ×キュヒョン

    飯時で腹も空いていたから、俺達は夢中で料理を食べて、普段と違う空間で、はしゃいで酒も飲んだ。 「ふう」 酔い冷ましに水を飲みながら、手すりから夜の川を眺める。かなり寒くなってきたけど、火照った体では我慢できないほどじゃない。 「ユノヒョン!」 ビールの瓶を片手で持ってきたキュヒョンが空を指さした。点滅する光と共に、夜の飛行機が飛んでいく。いつまでも眺めて、それが見えなくなると、キュヒョンは隣に来た

1 2