秋分の日を中日として前後3日間の合計7日間をお彼岸と呼びます。3月の春分の日の前後が春彼岸、9月の秋分の日の前後が秋彼岸です。煩悩と迷いで溢れる、我々の暮らしている現世の言い方を此岸(しがん)と呼び、苦しみから抜け出した安らぎの世界のことを彼岸(ひがん)と呼びます。 お彼岸の行事で皆様が行なうのが先... 続きをみる
エンディングノートのムラゴンブログ
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葬儀屋は地場産業です。市内を回ると過去に弊社でお葬式をあげられたお家に気がつきます。その中で大きな家だったとか、お庭が広く土地が広いなと感じたお家が、いつの間にか空き地になっていたり、細かく分譲されて小さな家が数件建っていたりすることに気がつきます。 家と土地を持つ家人が亡くなると、通常は次の代に相... 続きをみる
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お通夜が終わると、ご遺族とご親戚は控え室で通夜振る舞いの時間を過ごされます。この頃は誰かがホールの棺桶の前で「お線香守り」と言って、一晩中過ごされる風習もほとんど見なくなりました。12時間は消えない「渦巻線香」などもあり、短い線香を付け替えずに済むことも棺桶の傍に居なくても良くなった要因の一つです。... 続きをみる
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お葬式を行うときにどうしても必要な人間がいます。喪主です。ほとんどの場合は、すんなりと決まるのですが、中には喪主を決定するまで結構な時間がかかるケースもあります。夫婦のどちらかが亡くなった場合、通常は残された配偶者が喪主になります。片方が残された親の葬儀の場合は、長男あるいは長女が喪主になります。 ... 続きをみる
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少し前に「千の風になって」が大ヒットした頃、我々葬儀関係者はとても心配しました。特に墓地販売、墓石販売、霊園関係者は死活問題だと大騒ぎになったと聞いています。葬儀会館でも出棺前のBGMで流すのは、さすがにためらいました。お寺様も「とんでもない歌だ」と憤慨されたと噂になりました。 「私のお墓の前で 泣... 続きをみる
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ひと昔前の一般葬では参列者の皆様が香典を持ち寄りました。それを集計するとある程度の金額が集まります。このお金で葬儀費用の喪家様の持ち出しが最小限に抑えられました。その後だんだんと香典辞退の風習が広がり始めました。それでも会社関係や町内会の規定による香典、ご友人とかご近所がどうしてもと差し出す香典と親... 続きをみる
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人間の時に5つの戒律を破ると地獄行です。生き物を殺さない、嘘をつかない、盗みをしない、享楽に溺れない、酒を飲まない、どれか1つでも破った人間への閻魔大王の判決は決まっています。となると、ほとんどの人間は地獄に落ちる可能性があるのです。どうせ行くなら、生きているうちに一度見学をしてみましょう。冥界には... 続きをみる
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皆様が考えるお葬式のイメージとは、祭壇前にお坊様が座り御経を唱える中、参列者が次々と焼香をして粛々と儀式が進行する場面を想像すると思います。しかし、この頃はお葬式に欠かせないお坊様を呼ばないお葬式も徐々に増えてきています。 無宗教葬と呼ばれるお寺を呼ばない葬儀にはデメリットもあります。菩提寺にお墓が... 続きをみる
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あなたは生前に一度も殺生をしませんでした。プーンと飛んできた蚊や地面の蟻も殺しませんでした。嘘は一回もついたことがありませんでした。自販機の下に落ちていた10円も拾いませんでした。配偶者以外との行為を経験しませんでした。お酒は一滴も口にしませんでした。このような生き方をされた人が亡くなると枕元に阿弥... 続きをみる
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介護施設で看取られた高齢のお婆ちゃんをご自宅に搬送しました。和室のお布団に寝かせます。ドライアイスをあてる前にいつものように全身チェックを行います。下半身を見て尿と便失禁の漏れが無いかを確認し、綺麗な紙おむつを履かせます。鼻穴、耳穴からの体液漏れを防ぐために脱脂綿を割りばしの先で押し込みます。入れ歯... 続きをみる
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お盆のお勤めで、お坊様が自宅に来られて御経を読む時に、傍らで音を出しているのが鐘(かね)と木魚(もくぎょ)です。鐘は合図を知らせる鳴り物として、木魚は御経を読むリズムを整える道具として使われる代表的な仏具です。 鐘はお家に置いてある方も多いと思います。お仏壇に置いている、丸いお椀のような形をしている... 続きをみる
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お盆は亡くなった人が家族のもとに帰ってくる日です。特に初盆は故人が亡くなってから初めて迎えるお盆ですから、通常のお盆よりも念入りに供養の行事が行われます。お盆の時期に亡くなった方が出ると必ず「お迎えが来た」と言われます。この時期は葬儀の繁忙期でもあります。一人では帰りたくない仏様が連れ帰る人を探して... 続きをみる
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お盆は、サンスクリット語のウラバンナを音読みにした盂蘭盆会(うらぼんえ)からきた仏教用語です。亡くなったご先祖やご家族を供養する期間になります。亡くなった方が極楽から帰って来るこの時期は、ほとんどの方がお墓参りに出かけます。 お墓参りで気をつけて欲しいことがあります。持ち物は、生花、線香、ロウソク、... 続きをみる
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お葬式の開式前に、必ず携帯電話の注意アナウンスをするようになってずいぶん経ちます。「携帯電話をお持ちの方にお願いを申し上げます。葬儀進行中はマナーモード又は電源をお切りいただくようご配慮をお願いいたします」毎回ここまで注意喚起をしているのに、必ずといっていいほど着信音が鳴るのです。 映画館やコンサー... 続きをみる
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皆様は「お葬式はなんでしなければならないのか」という質問に答えられますか?お葬式とは故人の冥福を祈りお坊様を呼んで成仏を願い、家族や親戚とお世話になった人達で故人を供養して、あの世へ送り出す儀式だからと答えるかもしれません。 お葬式を行うことは、まず社会的な理由が挙げられます。儀式を行うためには市役... 続きをみる
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テレビで心霊特番とか怪奇現象などの番組が流される季節になりました。葬儀会館の見学者の中にもこの部分を突っ込む方がおられます。「お葬式をしていない時の葬儀会館は不気味ですよね。やっぱり幽霊とか出るのですか?」答えは決まっています。「出ません」 死体が毎日運び込まれる場所ですから、気味が悪いと感じ幽霊に... 続きをみる
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お葬式が無事に済み、火葬場からお骨を持ち帰る家族が次に考えることがあります。この遺骨を納める場所です。自分のお墓が用意してあるという方は少ないのです。高額の墓地使用料を支払い、自前で墓石を建立したお家は、その後、管理費を支払う限り永遠にお墓を使うことが出来ます。これを墓地の永代使用といいます。 しか... 続きをみる
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老衰で旅立ったお婆ちゃんの葬儀の打ち合わせに、マンションのお部屋に来ています。高齢で介護が必要になり田舎の実家から引き取る時に、このお婆ちゃんが持ってきたのは沢山のご位牌だけでした。ずらりと並んだ立派なご位牌にはすべて「院号」が付いています。亡くなった人に、お寺様が仏の弟子としての名前を与える戒名の... 続きをみる
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「人はどんな死に方でも、死に顔は安らかで美しい」と書いてある本がありました。嘘です。長期に病気と闘い最期に力尽きてしまったお顔は、見るに堪えません。目の下にはくっきりと真っ黒なクマができ、頬はげっそりとこけて、瞼は開きっぱなしで白目をむきだします。老人専用の終末期病棟では誤嚥を防ぐために入れ歯を外し... 続きをみる
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「葬儀屋さん、これ良いでしょう」と差し出されたのは金属で作られた15センチ程の卵型の物体です。普通に見ると、芸術品か洒落たインテリアの置物だと思ってしまいます。「素敵な骨壺ですね」と答えました。 この頃はお墓が無いご家庭も多くなりました。納骨の場所を決めるまで、ご自宅にお骨を安置せざるを得ません。葬... 続きをみる
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電話が鳴りました。「オヤジが亡くなったのだが、直送でやりたい」一瞬「またか」と心の中で思います。マスコミ等でお葬式の簡素化が良く取り上げられるようになり、会葬者を呼ばない「家族葬」から一切葬送の儀式を行わない「直送」と呼ばれる葬儀を希望する方も多くなりました。お葬式の内容を簡素にするのがトレンドだと... 続きをみる
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婚姻届けを出した瞬間から、必ずどちらかが相手を見送る宿命を負います。私の仕事は夫婦の別離を目の当たりにする職場です。妻を送り出す夫は、責任感もあり葬儀の間はしっかりと喪主をつとめます。しかしその後ボロボロになり、壊れていきます。男は弱い生き物です。反対に、夫を送り出す妻は、葬儀後は皆様、生き生きとし... 続きをみる
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お葬式の打合せが始まりました。テーブルの上に故人が記入したエンディングノートが出されています。「葬儀屋さん、最初のページを見てください」喪主を務める息子さんが口を開きました。「失礼します」と手に取ります。めくったページには大きな字で「お葬式は〇〇葬儀社で行なう」と記入されていました。 終活ブームが起... 続きをみる
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『エンディングノートを書く前に』(宣言書) 唐突にこんなブログを公表して良いのか悪いのか考えていました。 ただ、確実に伝えておかなければならない事のようにも思えます。 実は、実父と義母を癌で亡くした経験からです。 その当時は、告知するかしないかは医師の判断ではなく家族の同意を得て初めて本人に 告知す... 続きをみる
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テレビのコマーシャルに葬儀会場で、参列者が紫のスカーフやリボンを供養品として持って帰る場面が写ります。亡くなった故人の好きな色が紫色でしたというナレーションが入ります。素敵なコマーシャルだと、感じる方も多いようです。近頃の葬儀打ち合わせでは、故人の望みをかなえてあげたいと言う要望を良く聞きます。 家... 続きをみる
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葬儀屋にはお葬式依頼以外にもいろいろな電話がかかります。「忙しいのに悪いけど、ちょっと教えてほしい。テレビドラマの刑事ものが好きで、よく見るのだが、捜査会議の場面で、殺された人の写真が置いてあって、その脇に白い造花みたいなものが飾ってあるけど、あれ、なんですか?」 「それは四華花(シカバナ「紙華花」... 続きをみる
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お通夜の開式にはまだ数時間ありました。入り口に喪服を着た初老の男性が立っています。早めに着いたご親族様と思い声をかけました。「まだ、ご家族や皆様はこちらにいらしてません。お家の方に行かれますか?こちらで待たれますか?」 相手は口ごもります。「ご親族様ですか、ご友人かご近所の参列者の方ですか?」やっと... 続きをみる
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お手伝いが辛いお葬式があります。逆縁(ぎゃくえん)と呼ばれる親が子供を送る葬儀です。特にまだ小さい子が急に亡くなるお葬式は気が重い施行です。しかし、ご縁で繋がった仏様ですから、しっかりと送ってあげようと取り掛かります。逆縁のお葬式には、たとえ喪主でも親が火葬場に行ってはいけないという風習があります。... 続きをみる
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ご寺院控室から出てきたスタッフが顔色を変えて私に近寄ってきました。「お寺様がすぐ来てくれと呼んでいます」なにかとても怒っている様子だと付け加えてきました。私の気がついていない粗相でもあったかなと考えながらお部屋に向かいます。「葬儀屋、この封筒の中身を見てくれ。ちゃんと、喪主に相場の説明をしておくよう... 続きをみる
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立派なガラスケースの中に20㎝程の数々の仏像が並んでいました。火葬が終わり、ご自宅にお骨を49日まで飾っておく「後祭り段」を組み立て始めました。今回のお葬式で喪主をつとめた娘さんとお話がはずみます。「すごいコレクションですね」「10年前に母を送った後、父が始めた趣味です。最初はお寺でもないのに辛気臭... 続きをみる
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電話が掛かってきました。「葬儀屋すぐに来てくれ。このダメな葬儀屋と交代してくれ」相手は困惑と戸惑いを含んだ声で告げています。ただ事ではありません。とりあえず伺いました。玄関先にて電話で告げられたダメな葬儀屋が帰るところに出くわしました。知らない顔です。葬儀組合の会合でも見たことのない顔でした。 この... 続きをみる
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家族と親戚で20名程のお葬式での出来事です。お寺様が退席した後に一人の父親が「おいやって見せろ」と声をかけました。祭壇の前に出てきたのは小学4年生の男の子です。さっきまでお坊様が座っていた場所に着くと、おもむろに鈴を三回鳴らし、朗々と「般若心経」を唱え始めました。もちろん暗唱です。最後まで間違えるこ... 続きをみる
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お葬式は普段あまりお付き合いのない親戚一同が顔を見せ集まるイベントです。めったにない機会ですから告別式の前や、出棺する前、葬儀を終えた後などに親族が集まり記念写真を撮ることが良く行われます。昔はプロのカメラマンを葬儀会場に呼んで、祭壇の前で集合写真を撮る習慣がありました。 集合写真を撮る場合には、祭... 続きをみる
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病院で亡くなったご遺体をご自宅まで搬送します。お布団に寝かせて枕元に小さな祭壇を飾ります。枕飾りです。香炉、燭台、鈴、そして、花瓶に一本の樒(しきみ)を立てます。 この頃は、「その緑の葉っぱは何ですか」と尋ねられることがあります。「しきみ」や「しきび」と呼ばれるこの植物を始めて見る方も多いのです。中... 続きをみる
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終末期の高齢者が多く入院する病院があります。毎日のように、患者さんが亡くなります。当然、病院のスッタフは葬儀屋と顔見知りになります。 「患者さんが「ステる」ときは周りに誰もいない時が多いのよ」看護師さんが話し始めました。「ステる」の原語はドイツ語のSTERBEN⇒死亡、死亡した、の意味からきています... 続きをみる
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お葬式にお坊様を呼ばない「お寺離れ」がすすんでいるとマスコミ等では言われています。しかし実際は、親戚や参列者の手前、お寺の読経が無いお葬式は考えられないと思う方も多いのです。仏教は信じていなくても、御経を唱えてくれるお坊さんを呼ぶことで葬儀の安心感と達成感が出てくるのです。やはり、お葬式に読経と線香... 続きをみる
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お通夜の語源は、お釈迦様が入滅した時に弟子たちが師匠の死を悼み、説法を夜通し語り合ったことから「通夜」と言うようになりました。本来は家族と親族が一晩中、棺桶の傍で過ごすことから棺守り、線香番、夜伽(よとぎ)とも呼ばれています。 寝ずの番には「故人が極楽浄土に行けますように」との願いが込められています... 続きをみる
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葬儀会館ではお葬式だけでなく法事も行われます。法事では菩提寺のお寺様を呼んで読経を行い、参列者は焼香と合掌で故人を供養します。その後、お斎(おとき)と呼ばれる会食を行ないながら故人を偲ぶ時間が流れていきます。 お寺様が読経と焼香を行なう儀式のことを「法要」と呼び、法要の後の会食までを含めたイベントの... 続きをみる
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ほとんどの方が出棺の時に棺桶を持ちあげると、「エッ」というお顔をされます。指先にかかる棺桶の重さにビックリされるのです。たいして大きくないお婆ちゃんやお爺ちゃんでも、ご遺体になり棺桶に横たわると、結構な重さを感じるのです。 人は生気が無くなると体重がいっぺんに増えるように感じるのは何故でしょうか。 ... 続きをみる
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家族の死は突然来ます。ある程度覚悟していたと言われる方も、慌てふためきます。少し周りが見えてきて、やっと頭の中に現れるのが「お葬式」の言葉です。ひと昔前は、町内会や会社の総務課などが手伝ってくれましたが、現在のお葬式はすべてが葬儀屋を介して行われます。お葬式を行うご家庭を全面的にサポートする役割を果... 続きをみる
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高齢で施設暮らしの長かったお婆ちゃんには息子が4人いました。全員が独立して家庭を持ち、社会的地位もしっかり確立しています。当然、親戚関係も広がりますから、家族と親戚だけで行うお葬式も、結構大人数が集まることになりました。 長男が一応形ばかりの喪主をすることになりましたが、参列者を前にして挨拶をする、... 続きをみる
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葬儀屋の窓口は、悩んでいる方の相談を受ける場所でもあります。終活ブームのこの頃では、自分の死んだ後に隠している秘密をどうやったら家族に伝えられるかを相談する人も出てきます。生きている今は、内緒にしておきたいのだが、死んだ時に暴かれて、家族が大騒ぎする前にしっかりと伝えておきたいなどの深刻な相談もあり... 続きをみる
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享年40歳、仏様は若い母親でした。去年の夏の終わりに全身の癌が見つかり余命3ヶ月を宣告されました。クリスマスまで頑張ろう、お正月まで頑張ろう、節分まで頑張ろう、ひな祭りまで頑張ろうと本人は闘ってきました。今度は母の日まで頑張ると言っていましたが、ついに力が尽きてしまいました。 立礼で喪主のご主人の脇... 続きをみる
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病室で臨終を宣告した担当医がしばらくすると一枚の紙を手渡してきます死亡診断書です。この死亡の事実を証明する書類が無いと火葬許可証の取得が出来ません。この書類一枚からお葬式の諸手続きが始まります。受け取った死亡診断書はA3の用紙の右半分に記入してあります。広げると左半分が空白になっていて、空白部分を埋... 続きをみる
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皆様今見ているタイトルは読めましたか?高齢のお婆ちゃんがこの文字を書いた半紙を大事に胸に抱えて棺桶に入り旅立った理由は解りますか? 「くえいっしょ」と読みます。 佛説阿弥陀経の中の言葉です。「倶会一処」は「倶に一つの処で会う」と読み解きます。倶に(ともに)一つの処(ところ)で会うという意味です。亡く... 続きをみる
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亡くなる方の9割が病院で息を引き取ります。担当医がベッドに寝ている身体を検査して「ご臨終です」と家族に伝えます。看護師さんがエンゼルセットを持って病室に入ってきます。ご遺体の身体を綺麗にすると「葬儀屋の手配は済ませましたか?早く運び出して下さい」と告げます。夜中だからとか、家族がそろっていないからな... 続きをみる
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「まもなくお骨上げのお時間です」火葬場職員が収骨の案内を始めます。控室で待っていた家族と親戚が少しドキドキしながら火葬炉前に集まります。炉の扉が開き、中から綺麗に焼けた白骨が出てくると、皆様の口からため息のような吐息が出ます。悲しみで溢れたお葬式から、何か吹っ切れたような雰囲気になるのが、この骨上げ... 続きをみる
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先ほどまで、ポツポツと降っていた雨がお通夜の開式時間が近づくとやみました。まるで会葬者の皆様が濡れないように配慮したように感じました。お通夜が終わり家族だけが棺の周りを囲むころ、雨がまた強く降り出しました。最後のお別れを惜しむ故人の涙のようです。 翌日の告別式の日も、どんよりとした今にも一雨来そうな... 続きをみる
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火葬炉の前でお寺様が炉前勤行を行い職員が棺の乗った台車を炉内に押し込み始めます。ぽっかりと開いた炉内を全員が興味津々で覗き込みます。耐火煉瓦で出来た小さいトンネルの中は真っ暗です。炉の扉が閉まります。しばらくするとボッと着火音が響き、火葬炉全体がゴーゴーとうなり始めます。今、貴方は身体中を1200度... 続きをみる
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「遺影写真を作る故人のお写真の探していただけますか」と打ち合わせの時に伺います。この頃は皆様、片手でスマホのアルバムを開き指先で探し始める場面が多くなりました。つい先日までは、遺影写真の原板を尋ねると、埃臭い厚手のアルバムを押し入れから引っ張り出して、全員で時間をかけて探し始めていたのです。 いざと... 続きをみる
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保健福祉課から電話が入りました。身寄りの見つからない孤独死の連絡です。火葬するだけのお葬式に市役所の係員が1人だけ確認のために立ち会いました。訪問介護士が訪れた時には、お婆ちゃんは可愛らしい猫の写真の前で息が絶えていました。 「部屋がゴミ屋敷で片づけが大変なんです。猫のオシッコで部屋中が臭いんです。... 続きをみる
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火葬手続きのために死亡届を受け取ります。右側の死因が記入されている場所に目を留めます。外因死の「自殺」にチェックがついているのを確認し納得します。打合せの時の家族の様子が、どうも、よそよそしく感じた原因が理解できたのです。 喪家様との話し合いは、老衰や病死などで亡くなった場合とは、まったく違う対応に... 続きをみる
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骨折から寝たきりになって数か月、温泉とお風呂が大好きなお婆ちゃんは、自宅の帰宅を最後まで望んでいました。残念ながら家には帰れず病院で息が絶えました。ベッドで看護師さんから清拭は受けていましたが、口がきける時は「温泉に行きたい」とせがんでいたそうです。 喪主様から湯灌の要望があり、オプションの湯灌専門... 続きをみる
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横になっているお顔は微笑んでいました。初めてのデートの時に、待ち合わせの場所に相手が待っているのを見つけたときに、思わず出てくる微笑みです。見覚えのあるお顔に、そっと囁きました。「来世で奥様に再会できましたか」 最初の電話は「先月お世話になりました○○です。父も亡くなりました」でした。ひと月前に奥様... 続きをみる
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「外国で死んだ息子を迎えに行ってくれないか」この電話が最初でした。税関検査の後に棺桶を取り変えるので、新しい棺を積み込み空港へ向かいました。海外からの遺体搬送は航空機を利用します。航空貨物では遺体保存にドライアイスが使用出来ません。遺体はエンバーミングという防腐処置を行ってから搬送します。さらに国際... 続きをみる
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亡くなったばかりの仏様を病院からご自宅に帰します。安置は仏壇がある部屋になることが多いのです。葬儀屋は仏壇をチェックしています。打合せの時に、お寺を伺いますが、その前に仏壇を覗いておくだけで、お家の宗派が解かるのです。 「仏壇の扉は閉めるほうが良いのでしょうか」と聞かれることがあります。神棚は穢れを... 続きをみる
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貴方は生まれ変わりを信じますか?仏教の死生観は輪廻転生(りんねてんしょう)で成り立ちます。輪廻転生とは死後、生まれ変わることです。初めての土地なのに、前に尋ねた記憶がよみがえる人がいます。小さい子供が生まれる前の記憶を話す事があります。又夫婦で可愛がっていたペットが奥さんの妊娠が解かると元気がなくな... 続きをみる
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皆様に質問します。近頃街中で霊柩車を見ましたか?ほとんどの方がこの頃見ていないなと答えるはずです。昔は霊柩車をよく見かけました。宮型霊柩車はその特徴的な外観から、遠くからでもすぐに分かりました。しかし現在は宮型霊柩車がすべて無くなり、代わりに目立たない外観の霊柩車が主流になりました。ひと目では気がつ... 続きをみる
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お寺の境内にあるお墓の納骨に立ち会いました。通常、骨壺のご遺骨をお墓に納める納骨のお手伝いは葬儀屋の仕事にはありません。今回は先日の新仏様のご縁や、急な納骨袋の納品や、不要な骨壺を引き取って欲しいなどのお願いが重なり、急遽、立ち会うことになりました。お墓の中を覗くのは、私も久しぶりの経験です。 お墓... 続きをみる
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雛祭りが近づくと思い出す仏様がいます。そのお婆ちゃんは老人会の人気者でした。お葬式は喪主の仕事の関係と親戚の集まれる日がその日しかなく、やむなく友引に行われました。友引は葬儀を行うのが嫌われます。理由は友人を冥途に連れていくとの迷信からです。出来るなら変更したかったのですが日程が合いませんでした。老... 続きをみる
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葬儀並びに告別式の閉式が告げられ、しばらく出棺前のお別れの時間が持たれます。お別れを告げる家族や親族の中には、小学校入学前のお子様が混じる喪家様も多くおられます。高齢の故人になると、ひ孫の参列も珍しくありません。これらの一番、かわいい年代の小さな参列者が、出棺前にハプニングのひと時を作り出すのです。... 続きをみる
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葬儀会館の見学会に訪れる方や、当分自分は死なないけれど終活のために葬儀を知りたいと言う人が増えています。その方々の中には「高いお金をかけてお葬式をする理由が解らない」と質問される方もおられます。 皆様は何故お葬式をするかと聞かれたら何と答えますか。葬儀業界には、葬祭ディレクターという資格試験がありま... 続きをみる
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ゆうべお風呂からあがるとじっくりあったまり汗もかくほど浸かっていたのに首筋に寒気を感じました💦 なんかおかしいなと急いでパジャマに着替え、布団も温めてダウンベストも着込み、ネックウォーマーもつけて布団に入りました。 コロナだったらどうしよう・・・・・・・って悪いことが頭をかすめました 数日前から右... 続きをみる
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納棺に伺いました。枕元に入れて欲しい品々がずらりと並べてあります。「困ったな」と心の中でつぶやきます。ご遺体を棺桶に収める納棺時に、一緒に入れる品を副葬品といいます。打合せの時に市役所からの「火葬時における副葬品の禁止事項」の紙を参考に渡してありますがほとんどの方は気にしません。亡くなった家族にあれ... 続きをみる
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南無阿弥陀仏(なむあみだぶつ)の声とチーンと鳴る鐘の音、ポクポクと歌う木魚。お葬式のイメージを質問すると、ほとんどの方がこのように答えます。実際9割が仏式の葬儀で執り行われています。檀家の数を数えると日本人の大多数が仏教徒になります。しかし仏教徒なのに、お葬式でお寺様を呼ばなくなってきています。 「... 続きをみる
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葬儀並びに告別式の閉式が告げられると、出棺前のお別れの時間が始まります。故人が横たわっている棺の蓋が開けられ、家族や親戚が最後の対面を行うのです。お別れを告げる集団の中には、小学校入学前のお子様が混じる喪家様も多くおられます。高齢の故人になると、ひ孫の参列も珍しくありません。これらの一番、かわいい年... 続きをみる
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女性が一生に一度着てみたい服があります。一つはウエディングドレス。もう一つが和装の喪服だそうです。男性がドキリとする服装が喪服の未亡人とも言われます。着物姿の女性は成人の日以外は、ほとんど見なくなったと言われるかもしれません。ですが、葬儀会館では和装喪服が結構人気なのです。 少し前までは、着物の喪服... 続きをみる
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「今、病院で亡くなりました」と連絡が入りました。準備をしてお迎えにあがりました。病院の霊安室に着くと、そこにはストレッチャーを用意している白衣を着た男性がいます。周りに遺族と思われる数人が困惑顔をして立っています。 ピンときました。同業者の鉢合わせです。[死体を奪い合う葬儀屋バトル]との題名が付きそ... 続きをみる
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先日、顔なじみのお坊様と世間話をしていたところ、ご住職からこんな話が出ました。 「お布施を袱紗に包んで出してくるお家をすっかり見なくなった。先日の喪家様が袱紗で包まれたのし袋を出されたときに、このお宅は常識と品格があるなあと感じて、お勤めをいつもよりしっかりとあげた」 オイオイ袱紗一枚で御経が変わっ... 続きをみる
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お通夜や告別式が終わり、一般参列者がお帰りになると、家族と親戚が残ります。控室へ案内して、故人の思い出を話し合う親族団らんの時間が始まる予定でした。ご存じの通り親戚には、血縁で結ばれた親族と、結婚することでお付き合いが始まる姻族があります。結婚式で初めて両家の親戚が出会い、年賀状のやり取りしかない疎... 続きをみる
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「これをもって故〇〇様の葬儀式と告別式を閉式とさせていただきます」会場にスタッフの案内が流れて出棺に移ります。あえて葬儀式と告別式を分けて案内をするのには意味があります。皆様は葬儀式と告別式は内容が大きく違うものだと、ご存じでしたか? 簡単に言うと葬儀式は死者を送り出す荘厳な儀式で、告別式は故人とお... 続きをみる
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施設の裏の入り口からストレッチャーを押して館内に入りました。途端に気がつくのが、特有の臭いです。プーンと臭います。ウンチの匂いです。認知症の進んでいる高齢者で、各部屋のベッドが占められています。ほとんどの患者が寝たきりで死を待つ、この特別養護老人ホームには、目を背けるような光景があります。 入院して... 続きをみる
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葬儀式の30分程前になると、本日の導師を務めるお寺様が来館します。御導師控室に案内し、お茶とお菓子の接待をして、喪主を呼び、お布施のやり取りを確認します。本日のお寺様も、しっかりと金銭を受け取ると、立派な服装にお着替えの時間です。 お坊様が着用している衣服を袈裟(けさ)や法衣(ほうえ)と呼びます。袈... 続きをみる
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葬儀屋との打ち合わせで最初に行うのが、葬儀の日程を決めることです。それと同時に、遺影写真の原板を選び、死亡届の記入も進めていきます。書類を記入している息子さんが、驚いたような声を上げました。 「今日は親父の誕生日だぞ。死んだ日と生まれた日が一緒だ」 周りの家族と集まった親戚が驚いたように届け出用紙を... 続きをみる
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生まれた時も、小さい時も、学生時代も知らない赤の他人同士の男と女が、なぜか一緒になり「妻」と「夫」という名前に変わります。不思議な運命で夫婦になるのです。最後までお互いを愛する存在でありたいと願いますが、なかなか難しいのが現実です。 火葬場から持ち帰ったご主人の骨壺を、後飾り段に飾ろうとした時に、喪... 続きをみる
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24時間365日休み無しが葬儀屋の仕事です。年末年始もゆっくりは出来ません。前回でお話しましたが、火葬場は公営施設です。年末から三が日にかけてはお休みになります。その期間は火葬が行えません。ですが亡くなる人は待ってくれません。 都市伝説に病院では火葬場が休業しているお正月は、死期が近づいている患者さ... 続きをみる
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除夜の鐘が聞こえている時間に命の灯が消えました。「お正月なので」と、ご子息の意向で息子夫婦だけが見送るご葬儀に決まりました。火葬場は公営なので年末から三が日は休業になります。正月休み明けの一番窯での出棺を予約しました。 「おやじは無宗教なので」 「華やかなことは無駄だと言っていましたので」 「煩わし... 続きをみる
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葬儀屋の書くブログで、お葬式の話なんて縁起でもないから、誰も見ないだろうと思っていました。それでも終活ブームのこの頃ですから、参考になったと思う方が1人でもいれば良いかなと思いなおし書き始めました。 Niceのスタンプやアクセス履歴を見ると、多数の方に閲覧していただき、中には何回も訪れてくれる方々や... 続きをみる
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町中がクリスマスの色に染まると、思い出すお葬式があります。昨年書いた記事ですが、皆様にこんな仏様がいましたと、もう一度お伝えしたく、リブログします。 納棺にうかがいました。仏様の枕元に一緒に納める品が置いてあります。 「この衣装を入れてください」 こう言って奥様が差し出した衣装は、真っ赤な服に白い縁... 続きをみる
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少人数のお葬式が大半になりましたが家族だけで行う家族葬には、大きな欠点があります。亡くなった方の人生は家族だけのものではありません。その人がお付き合いしてきた親戚、友人、知人、恩師、仕事仲間、お世話になった方たちなどの多くの人とのつながりで一生を送ってきたのです。お葬式とはこの世を去るにあたりその方... 続きをみる
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病院の霊安室に向かいました。時刻はまもなく日が変わる真夜中です。ご家族は先にご自宅に帰られていて仏様だけが、ポツンとストレッチャーに寝かされていました。警備の方に「○○様のお迎えです」「そこに寝ているよ」「死亡診断書は」「家族が持っていった」 少しだけ嫌な予感がしましたが、問題ないと思い直し、ストレ... 続きをみる
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板の間にビニールシートが敷かれ全裸のご遺体が横たわっていました。警察関係者は引き上げています。首に黒く策条痕がついています。お顔に見覚えがありました。何よりもこのご遺体のいるリビングには私が組み立てた、遺影写真とご遺骨を飾る後祭り段が置いてあります。一か月前に愛する奥様のお葬式を出した後に、この場所... 続きをみる
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ポストに入っている「喪中はがき」を手に取る季節になりました。内容が知人の親の不幸ですと、自分もその年代になったかと思い、これから書く年賀状の宛先リストから削除しようと考えながら家に入ります。本来、喪中はがきとは故人とそれほど深いお付き合いではない方に向けてのお知らせでした。 ですがこの頃は喪中はがき... 続きをみる
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葬儀屋にかかってくる電話で一番多いのは「お葬式にいくらかかるのですか」との質問です。このブログでも何度か取り上げています。ネットで安く宣伝している葬儀会社も実際に電話をかけてみると、次々追加の料金の説明をされて結局トータルの支払額が解らないと言う声をよく聴きます。 2017年に消費者協会が行ったアン... 続きをみる
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お葬式に参列すると会葬御礼の挨拶状と一緒に小さな袋に詰められた「お清め塩」が配られることがあります。帰ってから茹で卵につけて食べようとは考えないでください。食用ではありませんと記入されています。中身は食塩ですから舐めても問題は無いのですが食品工場で作られていないので食用扱いになりません。社葬などの大... 続きをみる
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「葬儀屋さん、自分一人で親父の葬式をやっているのだが、病院から一人で運んだし、棺桶も買ってある。火葬場だけ手伝ってほしい」とんでもない電話がかかってきました。オイオイそれでは葬儀屋はいらないじゃないか、と突っ込むところですが、一応お話を伺いに、電話先のご自宅に向かいました。リビングに綺麗に背広を着た... 続きをみる
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「葬儀屋さん、エンディングノートの書き方を教えてほしい」初老のご婦人が来社です。エンディングノートとは、自分が亡くなった時に備えて書くノートのことです。終活の勧めで作成される人が多くなりました。忘れたら困る大事な事柄の備忘録と同時に、自身の人生の最期をどう迎えたいかを考えるために書くノートです。 お... 続きをみる
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「エホバの証人の家族ですが、そちらでお葬式が出来ますか」電話先が聞いてきました。お葬式が行われる宗教は8割以上が仏式です。それ以外は神式、キリスト式、創価学会、天理教そして新興宗教と言われる幸福の科学や今回お話をするエホバ証人などがあります。 エホバ(ヤハウェ)とは全知全能の神のことです。イエスキリ... 続きをみる
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一般参列者が集まるお葬式の受付では、ほとんどの方が「香典辞退」の案内を出します。家族葬はお身内だけの参列ですから、家族や親族の間では香典のやり取りが残っています。身内の絆を確かめるためと金銭的相互扶助の考えで、まだ習慣として香典があるのです。 お通夜や告別式の時に渡す品物が香典返しだと思われている方... 続きをみる
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韓国の方が亡くなりました。韓国は儒教の国で、故人に最大限の敬意を表します。葬儀では日本式のお焼香を行いますが、その後で「クンジョル」と呼ばれる、膝を床に着けた深いお辞儀をします。参列者は焼香を終えると遺影に向かって膝をついて深く2礼をします。その後起立してもう一度1礼をします。また通夜式は弔問の時間... 続きをみる
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ご自宅に安置されたご遺体の枕元に一膳飯(いちぜんめし)が置かれます。一膳飯というのは亡くなった人にお供えするご飯のことです。お茶碗に大きく盛りつけて、真ん中に箸を立てます。一杯飯(いっぱいめし)とか枕飯(まくらめし)とも呼ばれます。山盛りの白米ごはんを出すのは、この世に別れを告げて、あの世へと旅立つ... 続きをみる
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認知症の患者が多く入院している病院から、お爺さんを引き取りました。葬儀会館に安置して着替えをさせると、両手首に縛った後がありました。手足に拘束の跡があるご遺体は珍しくありません。認知が進みベッドの上で暴れて、手が付けられない状態とか、一日中徘徊して介護が出来ないなどで、最終的に縛り付けられたと思いま... 続きをみる
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お葬式の場では棺の中で横たわる故人やご遺族に参列者からお悔やみ言葉が掛けられます。 「この度はまことにご愁傷様でございます。心からお悔やみ申し上げご冥福をお祈りいたします。突然のことでさぞやお力を落とされていることと存じます。お疲れが出ませんようどうぞご自愛ください。」 ここまで丁寧には言いませんが... 続きをみる
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「葬儀屋さん、すぐ来てくれないか。どうも死んでいるようだ」慌てた口調の電話です。自宅で亡くなった方を見つけると、気が動転して死人イコール葬儀屋と結びつける家族が多いのです。 「まず、お医者様に見せてください。かかり付け医がいない時は救急車を呼んでください。その時にどうやら死んでいるようだ伝えてくださ... 続きをみる
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前回のブログで死産について取り上げたら、生まれなかった子を送る方法を教えてくださいとの連絡を貰いました。前述したとおり12週以降出産前までに残念ながら育たず死産になった赤ちゃんを送るには、産科医が記入した死産証書を貰い死産届を市役所に提出します。火葬許可書が出るので火葬炉を予約し火葬します。胎児のお... 続きをみる
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男性が静かに入ってきました。きちっとした格好の40歳前です。葬儀依頼のようです。 「水子の棺桶を売ってください」 最初はあまり細かくは尋ねません。性別や好みもあるので3個ほどバスケット型の小さい棺桶を並べました。ピンク、水色、白のフワフワのバスケットを持ってきました。 「死産証書か死胎検案書はお持ち... 続きをみる
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葬儀屋にもセールスで営業の方が訪れます。当然、売り込む品々は棺桶とか骨壺、線香、蝋燭などの消耗品が主体です。その他にも、祭壇に飾る、いつまでも腐らないフェイクの果物盛り合わせとか、祭壇にご本尊の掛け軸を掛ける時に使う、自撮り棒のように延ばせる軸かけ棒などの変わった品々もあります。 先日の商談では販売... 続きをみる
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火葬場から帰ったご遺族が、玄関先で渡された塩を肩先に振り、死の穢れを落とします。洗面所の水で手を洗い、まだ暖かい骨箱を後祭り段にそっと安置します。線香と蝋燭の火をともし、手を合わせます、ご主人を送ったばかりのお婆ちゃんが急に立ち上がりました。 「たいへん、たいへん、お水を忘れていた、おじいちゃん、熱... 続きをみる
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