• 彼女と仕事 22

    「もしもし、つくし」 "どうしたの?" 「何か、桜子ちゃんと滋さんから全然繋がらないって、連絡入ったからさ」 松岡優紀はベッドに横になりながら親友のつくしに電話を入れている。 "あっ、ごめんね…。相変わらずの充電切れでして…。そういえば、メール入っていたなって思ってONのしたら優紀からの電話って訳でさ" 「そっか。今、どこ?」 "自分の部屋?でいいのかな。何か、家族がいる1階が家って感じだけど、5

  • 彼女と仕事 21

    みんな。 ごめん。 できないや。 あたしを許して… 心配かけているのにね… 本当にごめんね。許してね… 許してくれるよね。あたしのこと… 優紀、 桜子、 滋さん。 そして、類。 ありがとうね。 あっちの世界へ旅立とうとしてます…。 意識か遠退く… …メール見ているけどさ、携帯持ったまま意識が飛んでいくのよ。 瞬きしたその瞬間から、渡邉さんが付けてくれているラジオの音が完全に消えていてね。 所謂寝落

  • 彼女と仕事 20

    トゥルルルルルル トゥルルルルルル トゥルルルルルル やはり、お出になられないか…。 もう、何回目のコールだろうか…。 受話器を置こうとすると、 "なんだ?" 良かった…。 お出になられて…。 「司様、ディナーはどちらで取られますか?」 "邸で構わない。牧野も連れてく" 「牧野様はご存じで?」 "俺が帰国したんだから一緒でいいだろ?" 「畏まりました。ですが…。あっ、さつき様?!」"ちょっと、変わ

  • 彼女と仕事 19

    午後の5時になろうとしている。 そろそろとあのお2人をお迎えに行かねばならない。 明日から本格始動をしてもらわないと困る。 司様は力がみなぎっておられるだろうが、牧野様は疲労困憊となっていることだろう。 2日連続となれば明日からの仕事に差し支える。 火曜日は大学へもお顔を出される事が多い。 牧野様も事を始めると以外と離れられないお人だ…。 それにしても、今日は事の他スムーズに全てが廻った。 牧野様

  • 彼女と仕事 18R

    大人な世界のお話です。 苦手な方、未成年者、心の清い方はスパッと次に行って下さいませ。 お話を飛ばしましても内容に支障はきたしません。 スゲー濡れてる。 牧野の横顔を見ると、自分でも凄く濡れている自覚があるのか恥ずかしそうだ。 ショーツの脇から手を入れて蜜を確かめる。 「いつからこんなになったんだ?もしかして、お昼からずっとこうだったのか?」 「ち、違う…」 「ふーん?にしちゃスゲー濡れようだぞ」

  • 彼女と仕事 18

    気づいたら"仮眠室のベッド"がすぐ後ろにある。 「あたし、あっちに行ってるからゆっくりと休んで」 道明寺の脇を大きく避けて、小走りで執務室へと向かう。 執務室には大きく重厚なデスクに高性能のチェア。 先程の情事が思い出され、顔が赤くなる。 ブンブンと顔を横に振る。 ヤ、ヤダ、あたしったら何思いだしてんの…。 道明寺、素直に休んだのかな? 後ろを振り返っても姿はない。 ちょっと寂しいような。 あたし

  • 彼女と仕事 17

    全く、どうしてくれんのよ!! 道明寺の執務室から出ようと扉を開けて見ると、エレベーター付近のガードマンがこちらを向いた。 辺りをキョロキョロしてこちらに歩いて来る。 つくしは愛想笑いをして、手を軽く振った。それから静かに扉を閉めた。 かなり距離があるから愛想笑いをしても見えないか…。 テレビ画面では一昨日のVTRも流れていて、司会者を初めゲストの人たちも、 "間違いないないですね!お噂が予々ある女

  • 彼女と仕事 16

    続々と道明寺ホールディングスにマスコミ関係者が社に入って来た。 勿論セキュリティは万全で、事前に申告。もしくは招待された関係者以外は入れない。 社に入れる時間にも制限が課せられており、会見の40分前からとなっていた。 先程まで会議が行われていた会議室へと続く役員専用のエレベーターは、完全に使用が出来ないと云わんばかりに、ガードマンが配備されている。 今回記者会見で行われるフロアは社の中腹辺りの階に

  • 彼女と仕事 15

    会議の中身はCM発表の日付を決定するまで協議された。 今日の記者会見には発表する事となった。 「11月の初旬には発表されないといけません。1ヶ月を切りました」 楓はゆっくりと会議に参列する後援者たちを見渡す。 「クリスマス戦略でしかも、予約先行日の日にちも決めなくてはならないのだが」 楓に続き司も声を発した。 「予約出来る期間は、短期間にしますか?長期間にしますか?」 後援者となる企業関係者たちか

  • 彼女と仕事 14

    秘書の後ろから華奢な女性がひょこっと顔を出した。 顔はまだあどけなさを残しており、ハッとするような美人ではないが可愛らしく和むような顔立ち。薄く化粧が施されていて、控えめに微笑む姿は誰もが好感を抱くであろう雰囲気を醸し出していた。 「道明寺さん、こんにちは…」 華奢な女性がこのフロアに入って来た瞬間から、室内の寒々しい空気が一変し温かみを帯びてくる。 「お、お前…」 司が声を発すると同時に、 「遅

  • 彼女と仕事 13

    つくしは道明寺ホールディングの正面玄関口に立っている。 先程車から降りるときに自身の頬を叩き、 "私は株式会社DooT(ドット)の社長" "私は株式会社DooTの社長" と繰り返し呟き、自身をそのように変貌させるために言い聞かせていた。 以前に楓が言ってた言葉をつくしなりに実践しようとしているのだ。 "Don't fake it till you make it." "Fake it till y

  • 彼女と仕事 12

    今のつくしの頭の中は道明寺で一杯。 当の本人が聞いたら天国への階段を超特急で駆け上がるのは間違いない。 いつもなら車に揺られるとついついウトウトしてしまうのだが、今日の頭の中は凄い速さでいろんな シミュレーション やら言い訳の仕方。説得の仕方などがグルグル回って"ああでもない、こうでもない"と一人ブツブツと呟いているのだった。 ここは中世ヨーロッパのある王国。 ツクシーヌはこの国の王妃に呼び出され

  • 彼女と仕事 11

    司は自身の手を見つめて微笑んだり、ウィンドウガラスから対向車を眺めて"良い景色だ"と呟いたりとこの上ないくらいに機嫌が良い。 西田は腕時計を見てから司に目線動かした。 会社に到着するまであと23分。 これから起こりうる事柄を司様に話してから宥めるには少し時間が足りない。 アメリカでの奮闘を走馬灯のように駆け巡らせた後、牧野様に向かう怒りのが少しでも軽減するよう司様に全てをお話しようかとも考えたが、

  • 彼女と仕事 10

    「じゃあ、俺の所のラインで製造させて、あきらのとこで海外へも流通を即時に展開する形で決まりね」 「そうしましょ」 美作あきらは右手を差し出した。 花沢類はその行為に答え二人で握手をかわす。 「正式にウチの秘書が後日契約書を作成してくるから目を通してくれる?細かいことは明日以降に話すことでいい?」 「あぁ、ウチも流通ルートの運搬会社に話を持っていってから類のとこに書類持たせる」 「うん、わかった。牧

  • 彼女と仕事 9

    秋のカフェレストランで優雅にイングリッシュダージリンティーを口にしている豪華絢爛な美女二人。 その内の一人の大河原滋は注文したケーキを待ちながら目の前に座る青池桜子に愚痴をこぼした。 「何か、つくしの会社に行ったら今日パソコンのメンテでつくしは休みだって言うのっ、折角つくしの会社で扱って貰おうかと仕事持って来たのにさー」 「それで、そのまま仕事をサボっているわけですか?」 桜子は紅茶を啜る。 「イ

  • 彼女と仕事 8

    黒のタートルネックのアンサンブルに千鳥柄の巻きスカート。 今年は千鳥柄が流行ると言われている。 若き女性アーティストの影響で、ミニスカートに生足が若い子には定番だが、つくしはミニスカートなど履けるわけもなく、膝丈のギリギリの長さの、どちらかと言えばミセス専用と言えそうな丈のスカートにストッキングという、二十歳そこらの若い女性のファッションからは程遠い出で立ちをしていた。 つくしも若き乙女、流行りに

  • 彼女と仕事 7

    エレナ・グラハム・トーマスは司が花器を手にしようとしており、それを止めようとしている西田の姿を見て、涙を流していた。 「スミマセン、笑ってしまって…。もしかとは思いますがその花器を投げつけようとはしてないですよね?」 「あぁっ!これが花を生けてるように見えっか?!」 「司様っ!!」 西田が渾身の力を使い司を押さえる。 別室で控えていたSPが即座になだれ込んできて司を宥めた。 ジョン・T・ウィルソン

  • 彼女と仕事 6

    ここはウィルソン氏が所有するビル街の一角にあるレストランやハイブランドの店が立ち並ぶ謂わば一等地の中にある和食レストラン。 当然予約制であり、会員制でもある。新規の客は会員の推薦が必要であり、また店独自の審査もある。 司と西田はこれから商談に向けてこの店に赴くことになる。 勿論事前に店側より連絡があり、即座にOKが出た。 それだけでも司はイライラが収まらない。 「あの、くそジジィわざわざ審査に掛け

  • 彼女と仕事 5

    邸の使用人が一斉に頭を下げてリムジンを見送る。 リムジンの前後には、黒塗りの護衛車が連隊を組んで走る。 邸を出て暫くすると、同じように連隊を組んで走るリムジンとすれ違う。 お帰りになられたようだ。 司様を見る。 全くお気付きになってない。 先程から何かを思い出しているのだろう。(想像がつくのが恐ろしいが)ニヤニヤして全くもって締まりがない。 今のお顔を鏡で見て頂きたい程だ。 このお顔で社に入られた

  • 彼女と仕事 4

    朝、目が覚めると愛するオンナが俺の腕の中にいた。 昨日はずっと片時も離していない。 こんなに長くコイツと一緒にいれたのはたぶん静の結婚式以来かもしんねーなぁ。 でもあの時はアイツらが一緒にいたから二人きりになれたのはほんの数時間だった。 その後の帰国の際も丸一日なんてことはあるはずもなく。良くて半日あればいい方だった。 今年の春からちょくちょく帰国できたとしても第一に仕事。 アイツは大学で(みんな

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