• 「自閉症治療の到達点」(太田昌孝・永井洋子編著・日本文化科学社・1992年)検討(3)・Ⅰ章・3

    《要約》 2)表象機能と認知機能 ・一般の子どもの表象機能と認知発達に関する理論が、自閉症児の認知発達とその障害を解明するための方法論を提供することになる。このような観点からの、自閉症の認知を発達的に解明するための発達段階の具体化が「Stage分け」である。 ⑴表象機能とは ・人間は環境から入ってくる情報に対して、即、反応するわけではなく、頭の中で、その情報の意味を理解し、過去の経験と照合し、加工

  • 「自閉症治療の到達点」(太田昌孝・永井洋子編著・日本文化科学・1992年)検討(2)・Ⅰ章・2

    《要約》 1)認知障害についての理解の変遷 ⑴初期の認知障害の理解 ・自閉症はKanner(1943)の報告した当初は、部分的に高い認知能力を示すことから、知的能力は障害されていないと考えられていた。その知的能力(認知能力)が発揮されないのは、自閉という症状のためであると解釈されていた。このため、知能テストをはじめとする認知テストは、能力を正しく測っていないとして、その結果については無視されてきた

  • 「自閉症治療の到達点」(太田昌孝・永井洋子編著・日本文化科学社・1992年)検討(1)・Ⅰ章・1

    *第Ⅰ章の以下の部分は、自閉症が「認知障害」であることの論拠が述べられていると思われるので、要約しながら逐条的に検討を加えてみたい。 《要約》 【4.自閉症の認知障害】 ・自閉症の特徴的な行動(3つの必須症状)は、親の性格や養育態度により強まったり弱まったりすることもある。また、現代文明の“非人間的な”環境にも影響を受ける。それらこそが自閉症の原因とまことしやかに述べ立てる人もいる。 ・確かに、自

  • 「自閉症」への《挑戦》・11

    4.いくつかの補足・確認  ①「自閉症」への《挑戦》とは?  「自閉症」への《挑戦》とは、「自閉症は治らない」という通説に挑戦するという意味である。「自閉症」の原因が何であれ、それが発達の障害だと考えられている以上、その発達を促進することは可能である、と私は考えている。  ② 「対人関係の形成」を図る 「自閉症」の本態は、定義の第一番目に挙げられている「対人関係の形成の困難さ」「社会性の障害」に起

  • 「自閉症」への《挑戦》・10

     ④「対話」(言葉のやりとり)をする。  「自閉症」の定義の中に、第二の特徴として「言葉の発達の遅れ」が挙げられている。かつては、それをまず一次的な障害として考えられたこともあるほど、周囲には目立つ(気になる)特徴である。それは、要するに「言葉が通じない」(コミュニケーションの障害)という問題に帰結するが、気持ちが通じないから言葉が通じないのか、言葉が通じないから気持ちが通じないのかは、専門家の間

  • 「自閉症」への《挑戦》・9

     ③ スキンシップでかかわる  「スキンシップ(和製英語: skin-ship)は、母親と子供を始めとする家族関係にある者や、ごく親しい友人同士が抱きしめ合ったり手を握り合う、あるいは頬ずりするなど身体や肌の一部を触れ合わせることにより互いの親密感や帰属感を高め、一体感を共有しあう行為である」(ウィキペディア百科事典)  したがって、「自閉症」と呼ばれる人たちと「接し」、最近距離で「かかわる」こと

  • 「自閉症」への《挑戦》・8

    ② 「物のやりとり」をする。 乳児期、辺りにある物を手にとって渡す、「ありがとう」とこちらが喜ぶと、また手渡す。こちらが「もういいよ」と言っても、さらに手渡す。今度は、こちらがお菓子を手渡すと「アンガト」などと言って受け取る。「モット」「チョウダイ」と言って手を重ねたりするようになる。そうした繰り返しが「物のやりとり」の始まりである。そのやりとりが確実になると、相手との距離が離れてもできるようにに

  • 「自閉症」への《挑戦》・6

     ③相手からの「働きかけ」に応える  子どもが激しく泣いている。そんな場面はどこでも見られるが、親にとってはあまり嬉しくない出来事かもしれない。何か異変が起きたのかと心配することは当然である。しかし、思いあたることがないのに泣いている。しかも、泣きやまない。周囲から苦情が来ないか、親の育て方が悪いと抗議されないか、虐待しているのではと疑られやしないか。そして《親の方が泣きたいくらいだ》と絶望的にな

  • 「自閉症」への《挑戦》・5

     ②相手のマネをする。  マネをすることは、古くは「まねぶ」であり「まなぶ(学ぶ)」の語源であるとも言われている。したがって学習は《マネをする》ことから始まる。親と子ども、教員と子ども、という関係の中で《マネをする》のは子どもの側である、と通常は考えられている。しかし「自閉症」と呼ばれる子どもたちの多くは、親や教員の《マネをする》ことが苦手である。お手本となる親や教員に注目しない。しかし、テレビの

  • 「自閉症」への《挑戦》・4

    ⑶ 相手との「接し方」・Ⅰ  ①相手に働きかけない  まず、相手と「同じ場所」「同じ時間」を共にする。つまり「相手と一緒にいる」ことから始める。「できるだけ長い時間、一緒にいる」ことが大切である。そのためには「寝食を共にする」ことが理想である。親や家族はその条件を十分に満たす立場にいる。  その際、最も重要なことは「こちらから相手に働きかけない」という《原則》である。相手が新生児、乳児の場合を別と

  • 「自閉症」への《挑戦》・3

    3.方法 ⑴ 調べる  まず相手の「出生から現在まで」の《生育史》を「知る」必要がある。こちらの立場が「親」ならば、調べるまでもなく熟知している事柄であろう。・胎生期の状態・出生時の状態(時期、分娩の様子、産声の有無)・新生児期の状態(哺乳の様子、泣き声の強弱、体重の増加、黄疸の状態)・乳児期の状態(微笑み、聴覚反応、泣き声の変化、視覚反応、首のすわり、喃語の有無、人見知り、抱きぐせ、はいはい、独

  • 「自閉症」への《挑戦》・2

    2.こちらの心構え  「自閉症(スペクトラム)」と呼ばれる子どもや成人たちと「接し」、「かかわる」際の《心構え》について、いくつか述べたい。 ⑴ 相手を「自閉症」だと思わない。  相手を理解することは、「接し」「かかわる」際に、最も大切なことである。その方法は、まず直接、自分の目で見、聞き、相手を「感じる」ことである。相手は、名前を呼んでも返事をしない。話しかけても応じない。指示しても従わない。近

  • 「自閉症」への《挑戦》・1

    ◆はじめに  現状では「自閉症は治らない」ということが通説になっている。自閉症の原因は「脳の機能障害」だと《推定》されている。「親の育て方」が原因だと思われた時期もあったが、今、はっきり「それは誤りだ」と《断定》されている。  私自身も35年間の教員生活の中で、20年ほど「自閉症」と呼ばれる子どもたちと接する機会があったが、「自閉症は治らない」という通説に従って、仕事をしてきた。自閉症そのものは治

  • 《だから》自閉症は治らない

     なるほどこれでは「自閉症」は治らない。現状では「治りようがない」からである。「自閉症」と呼ばれる人、子どもたちの周囲に居る人、例えば両親、例えば兄弟、例えば親族、そして療育・教育に携わる人々の大半、もしくはほとんどが「自閉症は治らない」と思っているからである。彼らは、自閉症の要因は「脳の機能的障害」であるという通説を信じている。したがって、保育・療育・教育の内容は、半ば諦めながら「脳の機能」を改

  • 「一笑一若、一怒一老」

        精神科医・斎藤茂太氏が、「一笑一若、一怒一老」という人生術を提唱している。笑えば笑うほど若くなり、怒れば怒るほど老いが進む、という意味である。それかあらぬか、昨今の日本社会には「笑い」が蔓延している。テレビ、ラジオ、CM画像に登場する人、人、人のほとんどが「一様に」笑っている。フランスの劇作家、マルセル・パニョル氏は「笑いについて」という訳書の中で、①強者が弱者を見下す笑い、②弱者が強者を

  • 子育ての「基本」

     子育ての「基本」は、子どもを両手でしっかりと「抱きしめる」ことである。そのとき、大切なことは、抱きしめられる子どもと抱きしめる人(主として親)の双方が、ともに「心地よい」という感覚、感情を共有できるかどうかということである。    最近では、「抱っこ紐」を利用する親をよく見かける。親は両手で子どもを抱きしめなくても、また子どもは親にしがみつかなくても安定している。移動の手段としては、誠に便利かも

  • 自閉症の《本質》

     もし生まれたばかりの乳児を母親から引き離し(隔離し)、何の刺激も与えずに「栄養補給」だけで育てたらどのような結果になるだろうか。そのような実験は許されるはずもないが、アカゲザルなどを対象にした「隔離実験」では、子ザルに様々な異常行動が発生することが報告されている。(「子ザルの異常な社会的行動」(スティーヴンJ.スウオミ、ハリーF.ハーロウ)『障害乳幼児の発達研究』(J.ヘルムート編・黎明書房・昭

  • 「自閉症」・《負のスパイラル》

     平成15年、文部科学省は「自閉症とは、3歳位までに現れ、1他人との社会的関係の形成の困難さ、2言葉の発達の遅れ、3興味や関心が狭く特定のものにこだわることを特徴とする行動の障害であり、中枢神経系に何らかの要因による機能不全があると推定される」と定義した。厚生労働省もホームページで、「自閉症の原因はまだ特定されていませんが、多くの遺伝的な要因が複雑に関与して起こる、生まれつきの脳の機能障害が原因と

  • 「日本国憲法改正草案・自由民主党」修正案・《6》

    【第五章 内閣】 ◎草案(修正該当部分) 第七十二条3 内閣総理大臣は、最高指揮官として、国防軍を統括する。 ◎修正案 第七十二条3を削除する。 《解説》 ・修正案においては、国防軍は存在しないので、この規定は不要である。 【第九章 緊急事態】 ◎草案 (緊急事態の宣言) 第九十八条 内閣総理大臣は、我が国に対する外部からの武力攻撃、内乱等による社会秩序の混乱、地震などによる大規模な自然災害その他

  • 「日本国憲法改正草案・自由民主党」修正案・《5》

    【第四章 国会】 ◎草案(修正該当部分) 第四十二条 国会は、衆議院及び参議院の両議院で構成する。 第四十九条 両議院の議員は、法律の定めるところにより、国庫から相当額の歳費を受ける。 ◎修正案 第四十二条 国会は、衆議院及び参議院の両議院で構成する。 2 参議院は非政党議員で構成し、衆議院を抑制、均衡化、補完する。 第四十九條 両議院の議員は、国庫から最低賃金の全国平均に相当する額の歳費を受ける

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