「ドン・ジョバンニ 音楽的エロスについて」キルケゴール 白水uブックス
デンマークの哲学者キルケゴールの秀抜なモーツァルト論です。「音楽的エロスについて」という副題がついています。特に「ドン・ジョヴァンニ」を酷愛した筆者が、「石が語り始めようとする前に、私は語り始めなければならい。」と音楽について正確に語ることの不可能と、またその必然性とを表した有名な言葉で、モーツァル... 続きをみる
「ドン・ジョバンニ 音楽的エロスについて」キルケゴール 白水uブックス
デンマークの哲学者キルケゴールの秀抜なモーツァルト論です。「音楽的エロスについて」という副題がついています。特に「ドン・ジョヴァンニ」を酷愛した筆者が、「石が語り始めようとする前に、私は語り始めなければならい。」と音楽について正確に語ることの不可能と、またその必然性とを表した有名な言葉で、モーツァル... 続きをみる
ショスタコーヴィチが気になっていた。この政治的に極めて奇怪な経験をした作曲家は、つい最近まで生きていた現代人だが、ロマン主義でもなく、シュトックハウゼンのような実験的で前衛的な音楽家でもない。 シンフォニー15番はテレビのNHK交響楽団で聞いたのだが、その不思議な音が忘れられなくて、ネットで色々検索... 続きをみる
ホロヴィッツが分かるようになり、とても好きになった作曲家がスクリャービンであった。ホロヴィッツが分からなかった理由は他でもない。このピアニストが実に癖のない理想的なピアニストであることに由来していた。 ピアニストの模範といわれるほど、そのピアノを弾く姿勢から打鍵のタッチに至るまで、隙がまったくない。... 続きをみる
グールドの代名詞のような曲だが、グールドのこの曲の演奏がなぜこうも現代人に訴えかける力を持っているのか、わたしには不思議なのである。 まず、このゴルドベルグ変奏曲という曲である。この曲は、バッハの中でも、もっとも長大な鍵盤曲だが、演奏に50数分もかかるというのに、忙しくてしようがない現代人の感性に合... 続きをみる
ずいぶん前から聴いている曲だが、このピアノソナタはリパッティの演奏が一番よいと思っている。だが、リパッティはモーツァルトのピアノソナタでは、この「K310」一曲しか残していない。早逝もあるが、なぜわざわざこの一曲なのだろうと、いろいろ想像を巡らしていた。 というのは、ショーペンハウアーが「意志と表象... 続きをみる
「バッハの思い出」アンナ・マグダレーナ・バッハ 講談社学術文庫
音楽の父ヨハン・セバスチャン・バッハの二度目の妻アンナによるバッハの評伝書です。およそ、音楽家の妻として、その夫について、これほどの評伝を残せた女性はアンナぐらいでしょう。それも西洋音楽史上、最上級の破格の天才バッハであったことは、後世のわれわれにとっては、何物にも代え難い最上の贈り物となりました。... 続きをみる
ミケランジェリのピアノは輝かしい。それも表面だけピカピカ光る金メッキの輝きのそれではない。精神の内部から、放射される紛うことのない輝きである。同国のルネッサンス期のミケランジェロの描く赤ン坊が筋肉隆々としていて見る者を圧倒するように、ブラームスの曲がシューマンの曲が堂々たる風格と輝きを持った一流の作... 続きをみる
前に、ビリー・ジョエルのポップスの迷惑だったことを書いたが、このことは、ベートーヴェンについてよく考えるときの糸口になるのではないかと心付いたので、ここに書いてみたい。 わたしはそのとき、「悲愴」の2楽章についてまったく無知であったから、ビリーの声が焼き付いてしまった訳だが、ベートーヴェンの曲は、確... 続きをみる
十五分程度の曲なのだが、学生時代、はじめてこの曲を聴いたとき、そのあまりの苦さに怖じ気づき、再びこの曲を聴く気になるだろうかとさえ疑った曲である。このベートーヴェンの後期の王冠と言われる弦楽四重奏の苦さは並大抵のものではない。シェーンベルグさえ、まだまだ聴きやすいと思えるほどである。 学生時代からは... 続きをみる
エッセイ クラシック音楽雑感 「ベートーヴェンとビリー・ジョエル」
ご存じの人も多いと思うが、ビリーがピアノソナタ「悲愴」の2楽章に歌詞をつけてアカペラで歌っているポップスがある。私はうかつなことに、ベートーヴェンの曲だと知らずに、友達に勧められて、ポップスも棄てたものじゃないなと何度も飽きるほど聴いた。学生時代のことである。 困ったのは、それからである。「悲愴」を... 続きをみる
バッハのマタイ受難曲やヨハネ受難曲を聞き込んだ。 そうして、思ったことがあるのだが、そのことについて少しばかり書いてみたい。 アーチ型の橋を石組みで作るとき、アーチの下の部分をまず木組みで作り、その上に木組みに合わせて石を載せていく。その後に、木組みを取り除けば、しっかりした橋ができる。物理的に見て... 続きをみる
クラシック音楽の好きな人なら、ぜひ座右に置いておきたい一冊です。古今のクラシック音楽の中から、年代順に300曲を厳選しそれぞれに著者の卓抜で正確な評価を加えていきます。グレゴリア聖歌からシュトックハウゼン、武満徹に至るまで、クラシック音楽に対する著者の並々ならぬ造詣の深さは、単なる紹介書の域を超えて... 続きをみる
喜びはモーツァルトを聴くこと 時にふと誰かが聴いている モーツァルトの音楽に耳を澄ますことは 無上のよろこびである なんという絶対の新しさ なんという絶対の自然さ どこまでもつきぬける自由 流れ出して止まない無限のやさしさ きよらかな泉のようによどみを知らず溢れでる抒情 そうして 異様なまでの多様性... 続きをみる
バッハの音楽は神に捧げられている ベートーヴェンの音楽は人類に捧げられている モーツァルトの音楽は言葉に窮する ハイドンの音楽は美のために スカルラッティの音楽は遊戯のために メンデルスゾーンの音楽は趣味のために シューベルトの音楽は心情のために ショパンの音楽は集う人のために シューマンの音楽は気... 続きをみる
セゴビアという名ギタリストがいた。ある友達がその人のことを当然のごとく絶賛しているのを聞き、早速買って聴いてみたが、良さがさっぱり分からなかった。1930年代くらいの古い録音で、多分SP番からの復刻だろう、録音状態の悪さもあって、何がいいんだろうと思っていた。それに、演奏自体も取っ掛かりのない弾き流... 続きをみる
ほたて?鮭?私は迷わず鶏!…お菜屋ふく亭の釜めし♪RVW/揚げひばり
Sunset sunshine
公開済み記事が勝手に『下書き』になったのはなぜ?♪シュニトケ/Sym0
煙がモクモク。でもあたりはふつうに静か……♪ボローニャ/ああ、わが心
サンドに続き駅弁自販機登場@サツエキ♪ニールセン/東洋風祝典行進曲
バッハを理解する
『高齢者の時』じゃなくて…My Garden 2024.5.11♪ビクトリアの声楽曲
ジュニアコンクール 終了
久し振りのサントリーホールで日本フィルのマーラーSym.9を聴く
ブラームスとクララ再燃
「絵画芸術」と「音楽芸術」の扉は固く閉ざされ、そして重い
My GW 2024-3. 『ぼくはダブルの半分の半分』編♪ルーイ/遠くの記憶
My GW 2024-2. 『おうちの前でピクニック』編♪シューベルト/D.820
My GW 2024-1. 『故意的フライング』編♪シベリウス/キュリッキ
よそ見をしていると片づけてない看板にぶつかるよ♪WAM/Sym32
芸術上、あるいは宗教上に伝えられるものとして、秘伝というものがある。禅の教外別伝などは次元の違う考えで、混同してはならないが、この秘伝というものの正体はそのほとんどが俗なものと言っていい。 能にも秘伝がある。このことは世阿弥が風姿花伝の中で、はっきりと書いているが、芸の妙味というものは、能に通じてい... 続きをみる
風にもまれ サクラは散り急ぐ 空を映した川に それは音符のように流れて行く 降りそそぐ花びらのその一つ一つの軽さを 川は 透明な裸体で受け止める 空は高く晴れ サクラは散り止まぬ その性急な凋落 遁走のアレグロ 死という最良の友を 連れて
モーツァルトの音楽は、極めて高い次元での両性具有が達成されている。しかも、官能性さえ損なわれていない。両性具有は、ハイドンの音楽でも共通の性格なのだが、人々を引きつけ、思わず一緒に歌いたくなるような繊細さや官能の点においてもう一つ欠ける。 仏像の形姿も男でも女でもない。やはり、両性具有である。ここで... 続きをみる
ベートーヴェンの後期の音楽は、わたしはとても、宗教的で西洋音楽としてはエキゾティックな感じを受ける。カルテットやピアノソナタなど特にそうである。 宗教的だと感じるのは、わたしだけではないと思うが、ベートーヴェンの場合は、ある特定の宗教を指向しない、いわば、自由な宗教感情にあふれている。ここが、バッハ... 続きをみる
モーツァルトか邦人作曲家か
昨日はStudio26にバッハの無伴奏ヴァイオリンが響きました
Bach.KB.BWV964 ソナタ ニ短調:リヒテル、テューレック ♪ 原曲のヴァイオリンソナタもいい ♪
イチジクの葉っぱなどが活発になってきた感じ 畑活5.10頃
Bach.KB.BWV831「フランス風序曲」:コロリオフ、アンデルシェフスキ、シフ、ヘルマン ♪
バッハを理解する
Bach.KB.BWV971「イタリア協奏曲」:グールド、シフ、ブレンデル ♪
Bach.KB.BWV830 パルティータ第6番:アンドラーシュ・シフ 2007年ライヴが最高 ♪
Bach.KB.BWV829 パルティータ第5番:シフ、レヴィット、フェルツマン ♪
Bach.KB.BWV828 パルティータ第4番:ワイセンベルクの爽快な名演奏 ♪
Bach.KB.BWV827 パルティータ第3番:シフ、アンデルシェフスキ、ノスラティ ♪
Bach.KB.BWV826 パルティータ第2番:やはりアルゲリッチ…、とアンデルシェフスキ?
コーヒー片手にバッハを聞いてみよう、の会
Bach.KB.BWV825 パルティータ第1番:アンデルシェフスキ、ピリス、甲乙つけ難し…
Bach.KB.BWV817 フランス組曲第6番:ホルショフスキとファジル・サイを聴いた ♪