林達夫はフランス文学者で、まとまった著作がほとんどない人でした。この書物も、雑多な文章を集めたものと言ってよく、どれも書き流された感がありますが、そのために発想は自由で自在、ときにきらめくような文章に出会います。哲学者の三木清とも交流があり、その経緯を書いた文章が他の書物に見えます。日本のモラリスト... 続きをみる
林達夫はフランス文学者で、まとまった著作がほとんどない人でした。この書物も、雑多な文章を集めたものと言ってよく、どれも書き流された感がありますが、そのために発想は自由で自在、ときにきらめくような文章に出会います。哲学者の三木清とも交流があり、その経緯を書いた文章が他の書物に見えます。日本のモラリスト... 続きをみる
河盛好藏はフランス文学者です。この本は、だれしも一度は悩む、人との付き合い方について著者が若い人に向けて書いたものですが、といって、自分の経験をかいつまんで、単なる処世術を書いたというような気楽な本ではありません。人とつきあうという人間にとって退っ引きならない業と真正面から向き合い、では、どうつきあ... 続きをみる