• 「夢の続き74」ユノ×チャンミン

    「プリムローズはどんぐりコーヒーを飲んで……」 俺は天井を眺めている。 「そこにウィルフレッドがやってきました。……プリムローズとウィルフレッドはさっとマントをぬぎすてて、ぼうしをひらひらとふりながらかぶりました」 一時間後。 「プリムローズはどんぐりコーヒーを飲んで……。……そこにウィルフレッドがやってきました。プリムローズとウィルフレッドはさっとマントを」 二時間後。 「プリムローズはどんぐり

  • 「夢の続き73」ユノ×チャンミン

    「蓑です!蓑に輝く男で蓑輝男です!」 そう言ってきょとんとしているユノを口だけ笑ったままじっと見た。 「あ、ユノ……です」 「ユノさん!ぴったりです!」 本を脇に挟んで両手でユノに握手を求めた。 「なにが?」 と言いながらユノは握手を返している。 「なんで……君ここに?」 「この駅に住んでいます!」 爽やかな笑顔で俺を見た。 「あの……その本なんだけど」 ユノが聞いた。 「ああ、これですか?」 脇

  • 「夢の続き72」ユノ×チャンミン

    「ユノさん、俺そろそろ行きますから、好きな時間に帰って下さい」 どこからこんなに集まってきたのか、子供たちに埋もれているユノにかき分けて言う。 「あ……うん。じゃあ入口まで見送る!」 「はあ」 ユノが振り返って子供たちに手を振りながら、入口まで一緒に歩く。 「じゃあ、ユノさん」 と、後ろのユノに振り返ると、ユノが後ろを向いて立ち尽くしている。 「あの」 もしもし? 「チャンミン、あった」 「え?」

  • 「夢の続き71」ユノ×チャンミン

    ユノの目は絵本コーナーを三周した。 そして、四周目に入った。 「あの、ユノさん!なかったらいいです」 これで時間がきそうだ。 「え、あ……うん」 ユノが肩を落とした。 「今度本屋で買って来る」 「いやいや、大丈夫ですから。一緒に本屋に行くこともあるでしょうし、その時に見せて下さい」 「でも全部で四巻あるよ?」 「え、そんなに冬支度を?」 ねずみの世界は思った以上に大変だな。 「あ、ごめん。冬支度の

  • 「夢の続き70」ユノ×チャンミン

    昨日、土曜日も学校で、もう年内は日曜の午前中しか自由な時間は取れなくなりそうだ。 なりそうだっていうか、なる。 「チャンミン。たくさんあるね」 ユノが俺に振り返って笑った。 「ですね」 調べたら本当にすぐ近くだった。自分達は借りられないけど、読むことができるだけでもいい。 俺は普段大学の図書館を利用していたけど、こんなにすぐ近くにあるなら早く探しておけば良かった。 一歩踏み出した途端、ポケットの携

  • 「夢の続き69」ユノ×チャンミン

    「聞いて下さいチャンミンさんっ!最後まで聞けばチャンミンさんが考えてるような役じゃないかもしれません!」 おめでたい恰好をした後輩が必死になって言って来る。 キュヒョンもその必死さに、カレーを口に入れながらにやけ顔をやめた。 俺も鬼じゃない。そこまで言うなら聞いてやる。 「よし、言ってみろ」 「えっとですね。ゲイの友達にせまられて、初めて男と付き合うことになった男の役です!」 「よし、表へ出ろ」

  • 「夢の続き68」ユノ×チャンミン

    「あ、そうだ。多分、徒歩圏内に市立の図書館がありますよ。今度の日曜日行ってみましょうか?」 「え、本当?」 ユノが顔を輝かせた。 「昼から俺バイトだから、午前中だけなら付き合えます。ユノさん、そのままずっといればいいし。場所調べときますよ」 俺の探してる絵本はないと思うけど、久しぶりに俺も本が読みたい。 興奮して、鼻息荒くしているユノを見ながら、何を読もうか俺も楽しみになってきた。 「そーゆーわけ

  • 「夢の続き67」ユノ×チャンミン

    「ユノさん、映画出たいですか?」 「え!なに?」 今日は実習後で遅かったから、ユノがバイト終わりに買ってきてくれていた「サーモンクリームパスタ」を二人で食べていた。 まあ、これもクリスマス商品なんだけど。 「映画って言っても学生映画ですけど。でも映画祭に出したりするようなこともありますよ。多分完成は一年後とかになると思いますけど」 ぎょっとしていた顔のユノは、とりあえず口の中に詰め込んでいたパスタ

  • 「夢の続き66」ユノ×チャンミン

    「うーん。あの人、結構変わってるよ?ちなみに連絡先なんてない。携帯持ってない」 「え、そうなんですか!」 「うん。どうしてもってことなら聞いとくけど」 うちにいるから。 「そうですかあ、まあそれで、俺はあの人は知り合いじゃないからって、言ったら、じゃああとの二人のどっちでもいいからって言われたんで、チャンミンさんなら大丈夫って言っておきました」 「って、おいっ!!蓑っ!」 何考えてんだ!こいつ。

  • 「夢の続き65」ユノ×チャンミン

    「我が友人、シム・チャンミンが余裕そうで俺は嬉しいよ」 学食に向かう途中の校舎と校舎の間の通路で、無視をしている俺にグレーのコート姿のキュヒョンが同じことを二回笑って言った直後。 「チャンミンさん、キュヒョンさん!」 後ろから呼び止められた。 振り返ると爽やかな笑顔で片手を上げて、俺達の前に青いシャツに黄色いベスト姿のカラフルな好青年が駆けて来た。 「あ、えーと、君は」 なんか見たことはあるんだけ

  • 「夢の続き64」ユノ×チャンミン

    「ユノさん、俺の専攻知ってますか?」 「え?」 朝起きて、フライパンを持ったユノに言う。 俺は寝ぼけ眼のまま、昨晩、とりあえずユノが俺の何を知っているのか気になったのを思い出したのだった。 ベッドから上半身を起こした俺に、フライパン片手のエプロン姿のユノが、「おはよう!」と言ってきた返事がそれだった。 ユノが口を開けている。 「え、せんこうって」 「大学の」 「えっ、それは、だって……」 うん、だ

  • 「夢の続き63」ユノ×チャンミン

    いいから早く食えって。ユノのフォークを渡すと、俺の顔を見ながら食べた。 その目が丸くなった。 「んーー!チャンミン!美味しいっ!」 悶えた。 「でしょ!」 ユノが頷きながら夢中で食べ始めた。 カレーに引き続き、完全にグルメ生活だ。 食べ終わって、ユノがうとうとし始めたので、今日は後片付けを俺が全部することにした。 皿を洗いながら時計を見ると、まだ九時にもなっていない。 全て洗い終わって、振り返ると

  • 「夢の続き62」ユノ×チャンミン

    もう11月も終わりだ。 冬も本番だけど、今年は去年より少し暖かいかな。 昨日は、店長がバイト中ずっと「カレー美味しかった」と思い出したように呟いていた。 今日はキュヒョンがカップ麺に、持って帰ったごま油を垂らしていた(うちにもごま油はあったのに「マイごま油にする!」と言い張って買った)。 昨日の夜ご飯は、ユノも俺もあっさりしたものが食べたくなったのか、かけうどんだった。 自転車をとめて、部屋の前ま

  • 「夢の続き61」ユノ×チャンミン

    「……これは……俺が知っているカレーというものではないけれど……でも……」 「美味しいっ!!」 ユノが叫んで、先に言ったキュヒョンが頷いた。 「うん、美味しいよこれは!」 店長も興奮気味にまた口に運ぶ。 「確かに美味しい」 俺も半信半疑でもう一口、口に入れた。 「うまい」 「美味しいっ!」 「うん、美味しいよ」 「な、なんでだ」 俺達は感想を言い合いながら、あっという間に一皿平らげた。 「俺、おか

  • 「夢の続き60」ユノ×チャンミン

    「おい、チャンミン。起きろ」 少し眠れた。 「煮えた?」 「多分。じゃがいもに箸が通る」 ユノはすうすうと寝息を立てて寝ている。 「じゃあ、ルーだ」 キュヒョンも見守る中、袋を開ける。 入れた。 キュヒョンが鍋のカレーとパッケージを見比べた。 「王子さまの力はこんなもんじゃないみたいだぞ」 「足りないね」 袋を開けて更に投入する。 「かなり近くなった」 キュヒョンの言葉で、顔を見合わせて頷く。 「

  • 「夢の続き59」ユノ×チャンミン

    切った野菜を鍋で炒めだした俺の横でキュヒョンの飴色玉ねぎが完成した。 「もう俺はさっき一緒に買ったインスタントラーメンにこれ入れて食って寝たい」 「なあ、キュヒョン。イチゴも炒めた方がいいと思う?」 「俺に聞くなよ」 「いれない方向もあると思うんだけど」 「何言ってんだ。このカレーはごま油とイチゴが決め手だろう?」 キュヒョンが横から鍋をのぞく。 「いや、俺、言ってなかったかもしれないけど、そんな

  • 「夢の続き58」ユノ×チャンミン

    俺は研いだ米をセットしていた。こういうのは米を炊き忘れるという王道パターンがあるから、注意しないといけないんだ。 「おい、チャンミン」 玉ねぎのみじん切りの行程をなんとか終えたあと、それを炒めはじめたキュヒョンに呼ばれて振り返った。 手を止めて、俺達の間にいるユノを唖然と見ている。 「リーダー寝てるぞ」 時計を見る。十時半過ぎか。 後ろで椅子に座っているユノの顔を覗き込みにいく。 ……じゃがいもを

  • 「夢の続き57」ユノ×チャンミン

    「飴色に炒める?」 キュヒョンが聞いてきた。 「それが美味しいと聞いたからやってみたいんだ」 「ほお」 「じゃあ、とりあえずユノさん野菜を洗って下さい。俺が切るんで、キュヒョンは玉ねぎを炒めて」 「俺が野菜切りたい!」 ユノが主張した。 「はあ。じゃあ、そうして下さい。俺米炊きますよ。とりあえず野菜洗っていきましょう」 「うん!」 まあそんなに大したもんじゃないし、分担を変える。 「しかし、あれだ

  • 「夢の続き56」ユノ×チャンミン

        ***カレーの王子さまの作り方(「シム・チャンミン」アレンジ)*** 材料 カレーの王子さま顆粒 2袋 鶏肉 適量 にんじん 適量 じゃがいも 適量 玉ねぎ 適量 サラダ油 適量 作り方 1 切る(23歳用) 鶏肉、にんじん、じゃがいもを食べやすい大きさに切ります。玉ねぎは半分を食べやすい大きさに、半分をみじん切りにします。 2 炒める 熱したフライパンにサラダ油をひき、あたたまったらみじ

  • 「夢の続き55」ユノ×チャンミン

    「おー……」 キュヒョンが玄関で突っ立って声を上げた。 俺はビニール袋を、流しの横に置いている。 「クリスマスっぽいよね!」 先に部屋に入ったユノが玄関でキュヒョンに話しかけた。 「どちらかというとサイコっぽいですけど」 と言って部屋を見ながら、キュヒョンが靴を脱ぐ。 「この前来た時と、大分様子が変わったな」 コートを脱いでこたつの横に荷物と一緒に置いている。 俺の隣で、ユノがエプロンをし始めた。

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