• 少年ブーバーの馬との出会いの体験

     ドイツのユダヤ系学者マルティン・ブーバーの少年時代の体験について山口一郎氏が論じた文章を抜粋してみます。  ブーバーは11歳の少年のころ、祖父母の経営する農園で夏休みを過ごしました。そのときのエピソードは自分とは全く違った「汝」に触れる体験として大人になって何回となくふり返られ文章にされました。  少年は馬小屋にこっそり忍び込み、自分の好きな馬のたてがみを撫でたのです。  それは少年にとって親密

  • 我思うゆえに我あり

     デカルトの『方法序説』の有名な一節「我思うゆえに我あり」はラテン語だと「コギトエルゴスム」だそうです。でも実際の本文はフランス語です。あの時代はラテン語で書くのが常道でしたが、一般市民にも読んでもらおうとフランス語で書いたのです。  「我思うゆえに我あり」は「神も世界も自分も存在することは疑うことができるが、疑っている自分の精神は疑い得ない」ということだと思います。これは「方法的懐疑」といいます