• 「白が降りしきる深夜 最終回」テミン セフン SHINeeの短編 EXOの短編

    顔の横に手をつかれながら、見上げる顔色が変えられなかった。 「もっと最低なこと言うと思ったけど」 と、答えられて、セフンは胸がしめつけられるのを感じた。 「自分で分かってるのはそこまでです。でも言ったのは全部さらけ出したくなったから。それくらいちゃんとは、付き合いたい」 表情が変わったのは自分だった。必死に何かを請うているようだなと思った。 「お前のちゃんとは良く分かんない」 「でも、付き合ってく

  • 「白が降りしきる深夜 12」テミン セフン SHINeeの短編 EXOの短編

    続けて言い、ほぼ睨んでいる人間と見つめ合う。 防がれていた手の力が抜け、離されて、一気に唇の距離をなくそうとしたセフンの口の前に掌が出される。 自分を観察する美しい白い顔を眺めた。 「こんなに同性愛に生きにくい世の中で、お前本当に相当だよ」 返事をせずに見ているそれと合う眼差しも笑みがどこにもない。 「分かった。じゃあ、俺のメリットも貰えたら良いよ」 自答したように、言って、額で二つに分けられた柔

  • 「白が降りしきる深夜 11」テミン セフン SHINeeの短編 EXOの短編

    どこまでかは知らないが、生半可な気持ちでは手に入らないと分かるくらいの洞察力なのは、いつもの彼の様子から何となくは伝わっている。 セフンは小さく冷たく見えると言われる目で見据え、別にどこまで分かっていても良いと思った。それにも惹かれ、そして、そんな類のことを言った人間も確かに経験にはあり、彼女は自分に惹かれていたから、なら大丈夫そうだと手を伸ばした。しかし、大丈夫でなくとも、もう抑えられなかったと

  • 「本日はお集まり頂きまことにありがとうございます」フェリシティ檸檬 D.O. バグジー シウォン カンイン オニュ T.O.P…(誕生日記念)

    視界に白いテーブルが入っている。 艶々と光っていたので、これはきっと綺麗に拭いてあると思ったまま、フェリシティ檸檬は、周りを見渡した。 隣の窓硝子から景色は見えなかったので、どうやら夜のようだ。 暗かったが、気分はまるでたった今起きたかのように清々しい。 しかも、下を向くと本当に自分は部屋着姿ではないか。わざわざ手を加えなくとも、しっかりと整った眉を寄せ、前を見た。 「え」 思わずかけていた眼鏡を

  • 「白が降りしきる深夜 10」テミン セフン SHINeeの短編 EXOの短編

    黒く映る窓にぱらぱらと散らばって行く。この水みたいな人間が、降らせている。 そんな妄想をしてから、その人間が、面倒なことを言って自分を追い払おうとしている。 セフンは思いながらも自然と過去の色恋沙汰を引っ張り出し、経験の中に真っ先に見出したものを、抗うように吐き出した。 「ゲイじゃない男に入れ込むのが恐いから」 見つめ合ったまま、小さく鼻で笑われた。 「大体は。でも、お前のそういうところが無理」

  • 「白が降りしきる深夜 9」テミン セフン SHINeeの短編 EXOの短編

    無駄な音がしない空間で、透明なグラスの中の小さな泡がはじける音だけが聞こえる気がする。 テミンが残りがあるそれをフローリングに置いた。 表情を無くした色白な男は、組んだ足元にことんと音を立てただけで立っているこちらを見上げていた。 居心地の悪さを覚えたが、後には引けなかった。 彼の背後ではカーテンのかかっていない黒い窓一杯に、はり付いている。 そう言えば、濡れたままの傘をドアの前に立てかけるだけで

  • 「白が降りしきる深夜 8」テミン セフン SHINeeの短編 EXOの短編

    テミンのはっきりと二重になった目は大きくはないがそう見える。自分を責めていることは十分みてとれた。 「スプライトかコーラあるけど」 言いながら奥に行ってしまう灰色のスリッパを眺めて、今日自分が一体何をしたのか一日を思い出しつつ、上がった。 手前のキッチンに入ってしまったが、奥にはベッドがある。シングルサイズに僅かに安堵を覚え、セフンはビジネスバッグを置き、上着を脱いで見渡した。 洋服掛けが置いてあ

  • 「白が降りしきる深夜 7」テミン セフン SHINeeの短編 EXOの短編

    「今、誰も聞いてないだろ」 路地に入ると、外灯も少ない住宅街に聞こえるのは二人の物音だけだ。 それから頭上に降る、時折大きくなる雨粒の音。 彼の呟きは、雨音に混じった。 答えずにいようかと思ったが、暗い道路に顔を向けたまま、返した。 「話だけにならないかもしれないし」 隣が、横目で睨むようにしてきたのは分かったが、セフンはそれには応じなかった。 スニーカーを履いた黒いストレッチパンツの足を留められ

  • 「白が降りしきる深夜 6」テミン セフン SHINeeの短編 EXOの短編

    『何番出口?』 『6番です』 『分かった』 初めて見る私服姿に、ビニール傘の下、柔らかそうな黒いストレッチパンツや、薄紫の半袖のパーカーに、セフンは声を無くして立ち尽くしてしまう。スーツよりも、長年合わせてきた形の服を着ていると不思議さが増して見えた。良かったのは、いつもの小馬鹿にした表情をしていたことで、顔を少し傾けて見られると、時が止まって感じた。 唖然として喋らない後輩に小さく息をつきながら

  • 「今日の料理 最終回」チャンミン シウミン 東方神起の短編 EXOの短編

    驚きのあまり声を失っているシウミンの前で、ごろごろと投入された。 「唐揚げを入れ続けることが重要なんです。ちなみにこの唐揚げも、そうやって作ってますよ」 下味をつけた鶏肉ともう出来上がった唐揚げを彼はビニール手袋でよく混ぜて行く。 しばらく放心していたが我に返り、 「え、でも。レシピにはそんな……」 シウミンはディレクターの方へ目を向け、同時に顔を青ざめさせた。 そうだ。シム・チャンミンに渡された

  • 「黒蜥蜴」カイ(レイ誕生日記念)EXOの短編

    滑らかな鏡面に映っている。 自分の後ろ姿だと言うことに、俺は本人であるから気付かないのだ。気付いているのは、この俺が振り向いて見ている、白い顔。 小鼻が膨らんだ鼻筋は意外としっかりとしている。丸みを帯びない額は骨が厚く男の形をしている。優し気だが、小さな目は男の簡素さがある。下側が長い唇も薄い色をしている。 でも綺麗だな、とカイは思った。 誰もいない夜中だった。 その夜は小雨が降り、明かりがなかっ

  • EXO企画「EXOTICA」概要

    〜「EXOTICA」概要〜 EXOTICA:「入口」 - 夢の続き EXOTICA:洞窟の外「LA SIESTA」 - 夢の続き EXOTICA:黄の洞窟「闇を駆ける罪 海の底、森の奥」 EXOTICA:白の洞窟「identity crisis 虹を求めて|EXO企画」 EXOTICA:緑の洞窟「触手 大帝男子 EXOTICA」 EXOTICA:青の洞窟「cruel spiral arousal 

  • 「EXOTICA」五つの異世界について感想のようなもの

    こんばんは、皆さま。感想が新着致しましたよー、と思っておる者です。 皆さまのあとがきを読みまして、当管理人とっても楽しかったのでございます。フェリシティ檸檬様が書かれていたホームズの番組をどうにか見たいものであると思いましたり、みむ子様の海に行っていたバージョンもあったと言うことに、「それはかなりの推敲であるな」と思いましたり、roiniy様のあとがきは、自分は前から思っておりましたが、「画像が秀

  • EXOTICA:黒の洞窟:あとがき「EXOTICA」

    おはようございます、皆さま。さあ、「EXOTICA」の最後でございますよと思っておる者です。 こちらは当ブログで開催されました「EXOTICA」と言う企画のあとがきになるのでございまして、少しお暇な方は是非ご一読下さればなと思うのでございます。 この企画は、自分が今年の七月頃に考えたものでございますが、これは完全に「KoKoBop」と言う曲が良かったもので、何かまつわるものをと思ったのでございます

  • EXOTICA:「出口」

    前回EXOTICA:洞窟の外「LA SIESTA」 - 夢の続き 男が蟹を落とした人差し指を親指とこすり合わせている横で、そう思いながら時間だと手首の上で表示されている時刻を見た。 大方元通りになった靴を簡単に確認し、立ち上がって向きを変えるが、しばしその場で立ち尽くした。綻んでいた表情を消す。 10分は少し過ぎている。 遅れて立ち上がった男も気にせず、あまりの静けさに、一度大きく鼓動がし、前のめ

  • EXOTICA:洞窟の外「LA SIESTA」

    前回EXOTICA:「入口」 - 夢の続き 休憩が終われば、夕景の撮影は時間との戦いになる。短いが安らかな一時を味わってくれると良い。 傾いた西の日差しが、辺り一帯を更に照らして、蒼い海面が白く見える。彼らが無邪気に娯楽に興じる一時も貴重だが、俺自身もこんな美しい海を落ち着いて見られることは滅多にない。 空と海を分ける水平線に漁船の点が現れ、天候の回復を示している。 「あの」 声をかけられ隣に目を

  • 「打ち上げ花火見ながら恋と冷やし中華始めました 1」ベッキョン ユノ チャンミン カイ ヨンファ ジョンヒョン(CNBLUE) EXOの短編 東方神起の短編

    物心ついた時から、自分は何か違うと思っていた。 いや、結構違った。 例えば。 「ベッキョン。良かったな。弁当作ってもらって」 「うん、楽しみだよ」 これは、俺の父親。いつもは給食だけど、今日は課外研修で隣町へ全員バスで移動し一日そこで過ごすから弁当だった。 父さんは、いい男だと思う。厳しいけど、頼りになるし、ぎょろっと睨むように人を見るのはやめた方がいいと思うけど、顏は格好良い。 オールバックにし

  • 「白が降りしきる深夜 5」テミン セフン SHINeeの短編 EXOの短編

    ごくりと喉を鳴らして、こちらがコンタクトを取りたがっていると分かっている相手のこれは、牽制ではないと心拍数を上げる。 それなら、もっと返事は遅くなるだろう。仕事の用なら第一に伝えるのが、習慣になっている。プライベートの連絡で、なら自分達には一つしか用件はない。 試されているような状況に、返事を間違えるな、そう思うが、向こうの意志決定を誘導出来るほど、彼のことを知らないと、セフンは一度息を吐いた。

  • 「今日の料理 5」チャンミン シウミン 東方神起の短編 EXOの短編

    「じゃあシウミンさん。肉に下味をつけましょう」 白いコックコートも特注だろうか。スタイルの良い料理人の身体に綺麗にフィットし、白いコック帽も彼の少し硬めの黒いくせ毛を上手く隠している。 「はい、チャンミン先生」 下味をつければ味は決まったも同然だ。これで視聴者はおよそ七割レシピを獲得した様なものだ。 シウミンは、震える手で、すりおろしたにんにく、しょうがをボールの中の切った鶏肉に落とし、カウンター

  • 「白が降りしきる深夜 4」テミン セフン SHINeeの短編 EXOの短編

    携帯電話の連絡先を一瞥し、住んでいる駅は知っていると考えるや否や、セフンは立ち上がっていた。 気まずくなれば会社なんか辞めれば良い。同種の職種は似たり寄ったりの安月給で沢山あるし、自分にとって会社自体生き甲斐になるようなものではなかった。それよりも割り切った関係さえも築こうと思えない自分は、このままでは本当に生きる意味を失ってしまう。振られるなら前進はでき、元の異性愛者に戻るまでだと、大きくない社

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