• 誕生日記念短編のあとがきのようなもの

    こんばんは、皆さま。「おやおや、あなたのことは知っていますよ?確か睡魔……ユメロウ?」とプテラノドンにさらわれた人の名前と一緒になった者です。 お久しぶりでございますが、あとがきのようなものでございます。 バレンタイン記念の短編も一緒にしようと思っておったのでございますが、あちらが長くなっておりますゆえ、こちらだけで、あとがきのようなものを書くことに致します。 当管理人が沈黙しておりましたのは、こ

  • 「世界最後の日 後編」ユノチャンミン 誕生日記念短編

    45度に傾いた直線が描かれている。 十字についた線を斜めに横切るそれは、光の軌跡だ。 それを頭の隅に置きながら、5分の1ほど読んだところで、表紙全体を見た。 出版社の名前も何も記載されていない。著者の名前も。 早まろうとする鼓動を落ちつけるため、周りに視線を送った。 止まったまま。 これは、特殊相対性理論だ。 この本に書かれているのは、現在も語り継がれている理論物理学者の光速の原理。 訝しく細めた

  • 「ちょこっと」ユノ チャンミン バレンタイン短編

    *ミノ子氏が書き上がらず、急遽パラレルをちょこっとご用意いたしました。 夜中の駐車場で、ここと言う風に車内の灯りがついた大きな黒の新車に、はあっと出した息を曇らせながら走った。 滑り込むようにして中に入る。 車内には、ハンドルを抱え込むようにして上体を持たれている後輩がいる。 バイト先で知り合ったこいつとはまあまあ仲が良く、珍しく自分より大きな図体で、顔はびっくりするほど、整っている。大きな目がで

  • 「バースデイ」ユノ チャンミン 誕生日記念短編

    頭が可笑しくなった。 原因が分からない。最初に「何で?」と聞いた俺に、馬鹿にしたように浮かべた笑みが、お互いの、どちらに向けられていたのかも分からない。 チャンミンは確かに可笑しくなって、その日からずっと隙あらば可笑しくなる。 正常と異常のはざま。同性と異性のあいだ。 最近はそうして真ん中にいる。 嫌で仕方ない。から、とどまりたくない。でも俺の仕事上のパートナーが、そこから動いてくれないから、俺は

  • 「世界最後の日」ユノ チャンミン 誕生日記念短編

    「世界最後の日に誰に会いたい?」 見慣れた顔は、そう言った。 俺が少し考える間、ユノの黒っぽい目は、静かな水面のようだった。 夜の水面。 動きがなかった。 それから俺は、誰もが言うだろうと思った無難な答えを出した。 「お母さん」 俺の口がその言葉を紡ぎ終わる前に、ユノは消えた。 消え方は、不思議だった。 頭の斜め上から、黄緑色の光に変わっていった。 光の点に変わった側から背景に消えて行った。 何か

  • 「密葬 最終回」ユノ×チャンミンの短編

    そして、出て来た彼の母親の言葉に、泣いた。 「目が覚めたのよ」 その言葉の主も涙を浮かべていた。 ユノは病院にいた。 彼女は家事をしてから再び行くと言うということで、病院にはユノの父親がいた。 夏の前に、意識不明になった体が二か月の時を経て目を覚ました。 ここ一週間は特に状態が良くて、手足が反応することもあったから、と三階の病室の入口で父親に説明を受けた。 俺はこれこそ幻覚でも見ているのかと思った

  • 「密葬 8」ユノ×チャンミンの短編

    また夜が来ていた。 ソファーに座ったまま、ちらちらと動く明かりが、視野に入ってきて、意識を取り戻して、そちらを見た。いつの間にか照明はこれだけになっている。濡れた状態の視界で見ると、どこかの市議が不正に金を受給していたニュースが流れていた。 ユノは? ユノがいないはずない。 でも、隣はまだ空いていた。座席部分を触ってみたら、クーラーに冷やされて冷たかった。顔を上げても誰もいない。 立ち上がって、部

  • 「密葬 7」ユノ×チャンミンの短編

    「ユノ」 テレビの音が耳に入らなくなる。体中の血液がどこかに引いていく。  「ごめん、チャンミン」 「……いつから?」 「さっき、いきなり」 「全然、見えない?」 「うん」 綺麗な青いシャツがぼやけていくのをこらえた。 「ユノ、ベッド行きませんか?俺が誘導するから。そこで今日は話して過ごそうよ」 「ごめん、チャンミン」 俺は立ち上がろうとした体を止めた。俺を目で追えずに、静止したままのユノを見なが

  • 「密葬 6」ユノ×チャンミンの短編

    「歩いてて、夜道で。横を走っていた車が歩道に乗り上げてきた」 スピードは落としてなかった。痛みは覚えてないけど、体から音がした。 ユノが呟いているのを聞きながら、夜が明けた。 その体からした音は、どんな音だったか、俺は聞かなかった。少しだけ眠っていた。でも目を開けたら、そのままの顔があって、嬉しかった。 「今日はずっとこうしてませんか」 朝の光が届いているベッドの上で言ったら、「チャンミンの日常を

  • 「グレア」(病三種3)ドンへ ヒチョル

    遮るものがない、午後四時の光だった。 こんな状態で眠らないようにしている。メラニンが生成されて、肌が黒くなるのをメンバーは嫌がった、アイドルだったから。皆気を付けてはいたけれど、その中でも、色が薄い方だと思う、殆ど付いていないほど。その彼が、眠っていた。 終わりを迎えようとしているけれど、夏の日差しはまだ眩しかった。だけど、傾いている西日は温かな色をして、その質を変えていた。 移動車のバスの中だっ

  • 「カルチ」(病三種2)チャンミン ユノ

    訝しく寄せられた眉間を一瞥したあと、さっさと刺身の乗ったサラダを取り分けて、皿をその前に投げ出した。外観だけは高級感のある黒いテーブルはその摩擦だけで剥げてぼろが出そうだった。無駄に暗くした照明はそのためか、と思いながら返事をする余裕がなかった。 何も答えず、次に自分に取り分けて、隣のテーブルに戻る。酒の入った人間達は何のためにチャンミンが動いたのかも全く気にはしていなかった。ぱきっと割り箸を離し

  • 「レプラ」(病三種1)チェン レイ

    映ったものをまた映している。けれどこれが真実の姿のはずだ。いつでも忠実に物事を捉えようと努めていたから。手のひらで頬の表面を覆った。両手で両頬は隠された。だけど、その手から覗かせた部分は丸裸だった。それを消すように、顔の様々な場所をさする。でも、さすった傍から、肌は見えた。 病んでいる。俺の目には、とても出て、見えている。チェンはもう少しさすって、でも強くさすることはしなかった。肌には、外見にはと

  • 「密葬 5」ユノ×チャンミンの短編

    そんなに自分達は悪いことをしただろうか。非科学的なことは、全く信じていない。確かに心のどこかでそんな未知の領域を望んでいることはあったかもしれない。 でも、こんなに最悪な体験は望んでいない。 俺は放心していた。これで想いが叶ったなんて言えるのか。 目に焼き付けるよう俺を見て、ユノが俯いて言った。 「行く」 意を決したみたいに勢いよく踵を返されて、正気に返った。 「ユノ」 ユノが振り返る。 「何言っ

  • 「密葬 4」ユノ×チャンミンの短編

    伸びて来た癖毛を無造作に掻き上げた。そんな錯覚を今更気にしてどうするんだ。 やっぱりユノを行かせるんじゃなかった。 こんな時間になっても来ない。いつまで噛みしめてるつもりなんだ。それとも仕事が遅いのか。 連絡先さえ言わずに出て行くなんて、確信犯に思えて来る。俺だって聞く暇がなかったほどの忙しなさだったんだから、それはないと思いたいけど。 開いたままのパソコン画面の前で頭を抱えて、大きく溜息を吐いた

  • 「密葬 3」ユノ×チャンミンの短編

    それを視認しながら、そんなものにも意識がいってしまうほど、俺は気を紛らわせたかったんだと思う。 恋愛の始まりには凡そ相応しくない表情で何も答えてくれないから。あんなに固く、言わないと誓った相手に、俺は、吐露したのに。でもそれはユノが先に告白したからで。 過去の話をするためにわざわざここへ来たなんて思えない。 なのに、その悲しい表情は何なんだ。 「……俺、早とちりしました?」 そんな事思っていない。

  • 「密葬 2」ユノ×チャンミンの短編

    呆然とその姿を眺めた。綺麗に並んだ歯並びは、変わらない。大きな犬歯が前に出ていた姿の時から、仲良くなった。その歯並びに変えた時「痛いよ」と後輩の自分に笑っていた顔が昨日のことのように思い浮かぶ。 この国の中で、自分達の高校は、自分達だけの祖国を持つ人間で構成されていた。だけど、そこから飛び出して、この国の人達と同じ大学に行き、二人でこの地で名を上げようと約束をしていたのだ。だから今でも日本名は使わ

  • 「密葬」ユノ×チャンミンの短編

    テレビをつけた。 年代物のテレビは、灰色の画面の中心に弾ける様な音と共に丸く白い円を浮かび上がらせたあと、像を映し出した。 どこかの市議会選で起きた不正をニュースが報じている。 見出しは簡素で、ただ、読み上げる声には一定の技量があった。その技量には、見ている人間は少ないと言う諦念まで含まれてはいるけれど、その正面に胡座をかいている男は、それに漠然と目を向けてはいるが、見てはいないし、聞いてもいない

  • 「ゲシュタルト崩壊」ユノ×チャンミンの短編

    乱れたと言う事も有り得る。 角膜には転写、視神経には張り付いている。 鼓膜然り。 でもだからと決定するには常識に囚われすぎている。 けど、それ以外に頭が及ばない。 障りもせず、興ずることなく、ただ淡々と相対され、引ける。 しかし、賽は投げられたので、肝に銘じた。 恐ろしい、逃げ出したい。 夢を見ました、と言う事叶わない。 それなら崩壊はしていない。 「どうしますか?」 転写された真黒な瞳が差し込め

  • 「平社員シム・チャンミンの事件簿 後編」(開設半年記念)ユノ×チャンミンの短編

    驚いている警備員に部長が事情を説明して、全員で再び犯人探しに乗り出した! 「チャンミン、どうだ?」 部長が言った。 「はい」 僕は曲げた片手を、口元にあてたもう一方の手の肘につけて考えているポーズを取った。 「事件を最初から、追っていきましょう」 僕達は、丁度真ん中のソンミンさんのデスクにろうそくを立てて、それぞれ自分の席に立った。 「僕とミノがユメオを見た時、ユメオは彼女のスカートをめくっていま

  • 「平社員シム・チャンミンの事件簿 中編」(開設半年記念)ユノ×チャンミンの短編

    「ガイシャは?」 「スイマ・ユメオ。趣味はフィギュア鑑賞、自宅はふもとの駅近く、両親と住んでます」 「両親との仲は?」 「まだ調査中ですが、時々会社に母親から夕食は何がいいかと言う電話がかかってくるので良好だと」 「なるほど」 ミノが顎に手を置いて、頷きながら呟いた。 「あのさ、ミノ。僕そっちやっていい?」 「あ、すいません」 雷がピカピカと光る中、僕は手に持っていたノートとシャープペンシルをミノ

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