石佳のムラゴンブログ

  • きれいなガラス面についた手のあと

    PS これからはTwitter投稿にしようと思います 見てくださった方々、本当にありがとうございます 石佳

  • 世界が私に押し付ける

    世界が私に押し付ける きまった抜き型を押し付ける そして首をかしげる どうしても抜けないのだ 他の生地は簡単に型抜きしてしまったのに この生地はどうもうまくいかない 何度もこねまわし伸ばして それでも言うことをきかない 仕方ないからその生地は 一緒に焼いてから捨ててしまった 世界は私を捨てたんだ こ... 続きをみる

  • 時が巡れば……

    私に水が必要なように、彼女にも水が必要なの でも彼女は歩けない 毎日天を仰ぎ、降る水を待ち望み口を開ける あんまり待ちすぎて、カラカラに枯れ果てるときもある でも時が巡れば、また彼女が芽吹く 私に水が必要なように、彼女にも水が必要なの 彼女は歩けないから、私が水をあげるの 降る水を待ち望む身体に水を... 続きをみる

  • お姫様

    ため息はルビー 退屈はサファイア 憂鬱はエメラルド 時間は全てダイヤモンドに変わる 頭にあるのは重たいティアラ ため息の数ほど 退屈の数ほど 憂鬱の数ほど 生きた時間の数ほど ティアラの宝石たちは きらきらと輝く そして私は暗い顔 ため息色したルビーと共に 退屈色したサファイアと共に 憂鬱色したエメ... 続きをみる

  • 君へ……

    君は積み木遊びをしている 小さな手のひらで、小さな世界を構築してる 小さなお城のお姫様はきみ…… 君は鮮やかな光に埋もれている バラの低木も、君にとっては香しい森 小さな心は残酷で、美しいバラの精の洋服を 引きちぎってはバラまいて、引きちぎってはバラまいて…… いや、君こそバラの妖精なんだ 君は穏や... 続きをみる

  • 枯山水

    枯山水の静けさは 時空を越えた異質な空間 屋敷の奥からりんの音が響き 庭へと行き着くさまは 宇宙から星の光が届くよう その音色を追いかけて 追いかけて追いかけても 屋敷の奥にはだぁれもいない 枯山水の静けさと 夏の光に蝉時雨 白く眩しい太陽へ 庭の玉石が照りかえす 浄土とはこんなところか…… 異質な... 続きをみる

  • 空模様

    悠然と平然と流れていた なんの憂いも不安もないように 冷然と影がよぎる、何かを隠すように まるでそこに何か秘密があるように 影はいつの間にか増えて固まった 集まり重くなった影は次第に落ちていった そして停滞して見えた流れはやがてまた 悠然と平然と流れていた

  • 痛み

    あなたの痛みを私は知らない 私はあなたになったことがないから あなたが傷つき悲しみ泣き腫らし まるでピカソの泣く女のように ぐしゃぐしゃの顔をしていても その痛さが私にはわからない あなたの痛みを私は知らない 私はそんな思いをしたことがないから 毎日を変わらぬように過ごしながら ときどきの場面で涙を... 続きをみる

  • 世界は嘘でできている

    世界は嘘でできている 他愛なく優しい嘘で まるで母が子に語る寝物語のように 優しく甘い誰も傷つかぬ嘘で 世界は嘘でできている 愛のある平凡な嘘で まるで恋人同士がささやくような そんな愛のあるありふれた嘘で 世界は嘘でできている 罪のない真実の嘘で 宇宙があるとかないとか 海の成分だとか目に見えない... 続きをみる

  • 僕と君

    退屈そうな君がいる 僕は君を笑わせようと いろんなことをしてみるけれど 君は頬杖ついて無関心 君が笑うのはスマホに向かって その無機質な道具の一体何に そんなに関心を持っていられるの? 僕は君の気をひこうと あらゆる手を尽くしてみるけど 君はやっぱり無関心 クールで理知的な大人びた目で 沈黙という武... 続きをみる

  • あなたのカケラ

    あなたのカケラがここにいる 慌ててはねのけた布団 脱ぎ捨てたスリッパのかたち ずれたマット 開けっ放しの扉から見える世界で 少し前のあなたに想いを巡らせる あなたはいないけど…… あなたのカケラはここにいる 走り書きで残されたメモ用紙 水を飲んだコップ 少し開いた引き出し 放り出されたボールペン あ... 続きをみる

  • つながり

    あなたとのつながりを絶たれたら 私は生きていけないでしょう あなたがそこにいるからこそ 世界は私に微笑んで 世界は私を受け入れる つながりを絶たれてしまったら 世界は私に背中を向けて 私はすっかり世界から消える 私がつながりを絶ったなら あなたも生きていけないかしら? 私がここにいるからこその あな... 続きをみる

  • メモリ

    幸せそうな君がいる あれは一体彼氏なの? 走り出した電車から手を振って 即座に取り出すスマートフォンに 君はどんな言葉を託すのだろう? 見送りに来て一人で帰る男の子 彼の沈んだ感情を、彼の不安を少しでも 君は和らげ、笑わせる そして…… 君も笑顔で電車を降りる 片手に持ったスマートフォンに 君の幸せ... 続きをみる

  • 成長

    今日もまた、私が私であることへの ほんの少しの違和感が またひとつ私を大人に近づけてくれている そんなことを思いながら 毎日、合わない服をまとうように もどかしげに身じろぎする そして昨日の後悔を今日へと繋ぎ 今日の失敗を明日へと活かし 一歩ずつ着実に魂は昇り 今日より明日、明日より明後日 清らかに... 続きをみる

  • ただひたすらに破滅へ向かう王がいた 彼は死にたいわけではない ただひたすらに試しているのだ 民の忠誠がいかほどのものなのか 彼はひたすらに不安なのだ 生まれながらにある地位が 父の祖父の偉大さが 彼のものでない威厳が 愛を試しているのだ 愛が壊れるそのときまで ただひたすらに愛を欲し 民がどこまで許... 続きをみる

  • ヒカリ

    私はいつか浪間を漂う小さなヒカリで それがいつの日にか掬いあげられて いつの間にか世界を見ていた 初めて光を感じて、初めて光を見たとき 眩しすぎる鋭さは、目を閉じると どこかあたたかく心地よかった 気がつくと当たり前のように 言葉を覚え、笑い、泣き 居場所はいつでも当たり前のようにあった けれど、い... 続きをみる

  • わたしとあなた

    私の世界をあなたは知らない 私が愛した細やかな思い出は いくら語っても語り尽くせなくて だから私の世界をあなたは知らない 私の世界をあなたは知らない 私が思わず立ち止まる美しさに あなたは一度も立ち止まったことはない だから私の世界をあなたは知らない 私の世界をあなたは知らない 私はあえてあなたに全... 続きをみる

  • あなたとわたし

    あなたの世界を私は知らない あなたの生きてきた一秒一秒を 同じように生きてきたんじゃないから あなたの世界を私は知らない あなたの世界を私は知らない あなたと同じ角度同じ位置で 世界を見たことなんてないから あなたの世界を私は知らない あなたの世界を私は知らない あなたが語らなかった思い出を 見透か... 続きをみる

  • いつかそのときがくるまで、ずっと……

    明日を思う どんぐりを埋めるリスのように明日を思う 明日も生きられると信じてどんぐりを埋める 今はまだ残していくものが多すぎる 今はまだあまりにも覚悟が足りない 明日を思う 冬ごもりをする熊のように明日を思う また目覚めると信じて寝床にもぐる 今はまだ準備が出来ていない 今はまだ使命を遂げていない ... 続きをみる

  • プレゼント

    あなたの関心をひくために 美しいプレゼントを買った 形のないものを繋ぎ止めるため 形のあるものを買った あなたとより深く近く より親密でいられるように あなたの関心をひくために 美しいプレゼントを買った あなたは喜ぶかもしれない 喜ばないかもしれない けれどあなたのための プレゼントを買ったことが ... 続きをみる

  • 太陽

    暗闇に光が指す 小さな洞窟の中、 柔らかな光が差し込み 色のない世界を染める 太陽が昇る 色のない世界に太陽が昇る 太陽が昇れば そこは知らない別世界 太陽が照らす別世界には 眩しいくらいの色が広がる 太陽が何かもわからずに 世界の美しさに歓喜し太陽をあがめる あがめ、たたえ、 また明日も太陽が昇る... 続きをみる

  • 違う人間だから

    違う人間だから 違う人生を歩むのは当たり前 価値観を押し付けないで あなたの羽根と私の羽根は違う 違う人間だから 違う考えがあって当たり前 そうあってほしいからと空言を言わないで あなたの生きる時間と私の生きる時間は違う 違う人間だから 違う場所を目指して当たり前 羅針盤を狂わすようなことはしないで... 続きをみる

  • 泳ぐ

    泳ぐ泳ぐ言葉の海を 息さえ継げず どちらが空かもわからぬほどに 泳ぐ泳ぐ言霊の海を 身体中にからまり、まとわり 泳いでいるのか溺れているのか ひたすら何かをつかまえたくて 手を前に前に 泳ぐように前へと伸ばす 言葉を集めて紡いで 溺れそうな海の中 誰かのための救命ボートを 泳ぐ泳ぐひたすら泳ぐ 同じ... 続きをみる

  • 真実

    誰かにとっての真実が 私にとっての真実でないように 私にとっての真実は 誰かにとっての真実ではない 誰かにとっての常識が 私にとっての常識でないように 私にとっての常識は 誰かにとっての常識ではない ほんのささいな見逃せるほどの 小さな違いかもしれない 諍いや口論になるような 大きな違いかもしれない... 続きをみる

  • 結婚式

    しゃぼん玉のような カラフルな丸い透明な玉が あっちにもこっちにも ふわふわふわりと浮いている みんなの幸福を映すよに キラキラきれいなしゃぼん玉 感情に合わせて色を変え ぽよんぽよんと跳ね返る ひときわ大きなしゃぼんの玉は みんなの幸福の源のよに ひときわキラキラ輝いて いつもと変わらぬ時間の流れ... 続きをみる

  • パウンドケーキ

    バターの海に雪が降る 白い砂糖の雪が降る 海に高波、ザザンザザー 砂糖の色に溶けていく まきろな海は淡く白く 空気を抱いてふぅわり潮が満ちていく ポツリポツリと雨が降る 黄色い卵のにわか雨 海の色を戻すよに、同じ黄色の雨が降り、 雪もまけじと粉雪散らす 小麦の雪がどっさりふわふわ 海の波間に沈んでく... 続きをみる

  • 複写

    あなたをあたしに写しとり 生きていけたらすばらしい 誰かに飼われた猫ちゃんも 鉢に植わった花たちも ありとあらゆる心のことが ほんとにわかればすばらしい あなたをあたしに写しとり 生きていけたらすばらしい 生命のないものたちも どんなに小さな石ころさえも ありとあらゆるものたちに 寄り添えられたらす... 続きをみる

  • あなたのように

    あなたのようでありたいと 誰かが私に言ったけど 私は私であることに それほど自信はもてないの あなたのようになりたいと 誰かは安易に言ったけど 私はその誰かのことを 何一つとして知らないの どうせ話すことがなくて褒めたのよ どうせ誰にでも言ってることよ そんな私は卑屈で嫌い 私はあなたのようでありた... 続きをみる

  • 感情

    嬉しさは、頭の先から芽吹き 悲しさは、背中側から滲み出て 怒りは、耳から噴射され 楽しさは身体中から発散される 嬉しさは花を咲かせて 悲しさは涙で湿度をあげて 怒りは周りの色を黒く染め 楽しさは優しさをもたらす 嬉しさの種は心に飛び 悲しさは湿度で空気を沈ませ 怒りの黒は心までどす黒く染め 楽しさが... 続きをみる

  • そういうふうにできている

    黒い人影の中を私は泳ぐ 大きな小さな波のような人の身体 誰の顔も判別できない闇の中 昼の仮面を脱ぎ捨てた夜の人は みな同じ言葉を話し みな同じ本質を持っている 仮面の下にはみな同じ血が 生命の源に続く同じ川が流れている 同じ血がこんこんと湧き出て 私たちは実はみな同じ 実はみな簡単に分かり合えるのだ... 続きをみる

  • いと

    運命の糸の運命の意図 終わりまでつづく すでに意図された糸の地図 誕生と同時にリールは巻かれる 意図された糸のかかるポイントに当たる 全ては糸の通り意図の通り 時折他の糸と交差し並行しもつれ リールの速度が変わりながらも進んでいく 何があってもあるべき姿 そうして糸は巻かれてく…… 決めたようで決め... 続きをみる

  • 創られた女神

    目も口も とろけるように甘美な君は 創られた女神 創られた女神 キスは? だめ、口紅がとれるから 机に身体を預け 美しい曲線を見せてまどろむ君は 創られた女神? 創られた女神? ねぇ、触っても? だめ、そっと寝かせてよ 君の美しい顔を歪ませたくて 君の喜びそうなものを買った 創られた女神 創られた女... 続きをみる

  • ピースアンドピース

    ピースピース 平和の欠片 誰かを愛す平和の欠片 誰かを憎む平和の欠片 ピースピース 平和の欠片を繋ぐ 繋いだカタチは争いになった 繋いだカタチは凶器になった ピースピース 美しい欠片 誰もが平和を愛し 誰もが平和を望み ピースピース 欠片は優しくつむがれた そして愛は愛とぶつかった 愛同士の戦争は、... 続きをみる

  • ジャングル

    鉛色の重たい金属の地面から パイプがひょろひょろ生えている もやしみたいに細い茎と 太い葉っぱのパイプ ときどき蛍光灯の花が キラキラキラキラまたたいて まるでジャングルのように つるくさのように コードが垂れたりからまったり…… ジャングルを歩くように ざわざわざわざわ ざわめきがして 鉄砲のよう... 続きをみる

  • 黒猫

    猫はいつものように窓を見上げた そよそよと風の入る高窓と かろやかにはためき影をつくるカーテンとを 猫は、しなやかな黒い身体で カーテンの作る影を ひらりしゃなりとゆらしてかわす 窓から注ぐおひさまの香りに 満足気に目を細め、のどを鳴らし 今日も自由と気ままに眠る 猫の自由は空いた窓 いつでも出られ... 続きをみる

  • ひととき

    赤いポットがフツフツコトコト 赤い紅茶がチャプチャプじわじわ 白いミルクはカップにダイブ 赤と混ざってキレイな淡い褐色になる 午後の小さなひとときを 甘い紅茶に酔いしれる たった少しの美味しいお茶が ほっと一息つかせてくれる 甘く優しく幸せを運んでくれる こんなにも単純に幸せになれる 小さな魔法を知... 続きをみる

  • 記憶

    うだるような暑さにうとうとうとうと 暑いけれどおひさまは心地よくて、ときおり吹く風が涼しくて、うとうと眠ってふっと目を開けた 目に飛び込む鮮やかすぎる緑色 キレイな空、赤いトマトと深い紫のナス 宝石みたいなかわいいトマトに手を伸ばす それに気づいた大きな手がトマトをもいだ 渡されたトマトを口に入れる... 続きをみる

  • 日記

    その昔、私を癒やしてくれたのは白樺の絵 ピアノの置いてあった部屋にかけられていた 北海道かどこかの白樺の絵 眠れない夜に、一人静かに佇んで、 幼いながらに心を静めていた その昔、私を癒やしてくれたのは汽車の絵 帰り道の廃業したクリニック その窓から見えたトンネルを出る汽車の絵 あるいは行きつけの歯医... 続きをみる

  • ねこちゃん

    あなたの毛色は甘い栗色ね でも、あなたの腕も足も首筋も全く白で、 どうして二つが共存しあえるのか…… 不思議な感じがするわ あなたの目は、若いオリーブのようよ でもやっぱり、まつ毛は白いの ときどき私と目を合わせ、 ときどき逸らすそのときに、 まつ毛の白さはよくわかる 触ったら、きっと怒るわね 私は... 続きをみる

  • WAR

    WAR それは怪物 それは悪 それは血の色 それは優しさ それは善 それは愛の本質 愛しいもののために悪を殺し、 愛しいもののために血を流し、 愛しいもののために死ぬ 世界平和を歌うことは簡単だけど、 世界は愛では救われない 誰もが知りうる、誰もの虚言 子供のために子供を殺して 愛する人のために誰か... 続きをみる

  • タイプタイプタイプ………

    誰も何か言っているようで言っていない 仮面を被ったままでモゴモゴと 責任は誰も取りたがらない まるで霧のように実態がない 聞きたくない文字の羅列が降り注ぐ 顔をあげてもそこには何もない 人なのか人でないのか 中傷も嘲笑も音のないリアル みな何か言っているようで言っていない 全てはどこかからの引用で ... 続きをみる

  • 私はここにいるようでいないのだ

    私はここにいるようでいないのだ 毎朝当たり前に起きて身支度を整える それももちろん私だが…… いつか砂漠を、荒野を旅したのも私だし いつか深海へ潜ったのも私だし いつか異国のゴールテープを切ったのも私だ だから私はここにいるようでいないのだ 私はここにいるようでいないのだ いつか十字架にはりつけにさ... 続きをみる

  • カゥ

    私は私を買う 私は私を食べる ちぎって食べる 私は私を殺して また私になる 私の欠片たちが売られている 血となり肉となる私の欠片たち だから、私は私を買う 私は私を食べる ムシャムシャ食べる 私は私を殺して 私は私を溶かして 私は私になるの 私は私の手をちぎり足をちぎり 肉塊を噛み締めて 細胞の全て... 続きをみる

  • シュプレヒコール

    デモだデモだ、行進だ 今こそ果敢に足並み揃えて さあ声高にシュプレヒコール! 仲間はどんどん増えていく 不満が煮え立つ鍋のよう ぐつぐつぐつぐつシュプレヒコール! 我々はただ人並みに 生きて死にたいだけなのです 自然な叫びのシュプレヒコール! デモだデモだ、行進だ 警官隊も足並み揃えて さあ声高にシ... 続きをみる

  • 粒子(龍子)

    リュウは今日も飛んでいる 雲に紛れて遊んでいる 陽炎のようにゆらゆらゆらゆら 時折雲が、雲でない動きをする リュウは意外と晴れた空が好きだ 雨空を急流下りのように遊ぶのも楽しい ただ、雲間を8の字のようにくねるのも好き 時折小鳥が、ふざけて背中にとまるのも リュウは今日も飛んでいる 雲に紛れて遊んで... 続きをみる

  • 人狼

    人に扮した狼が 獲物をもとめて彷徨い歩く 今宵は暗く今宵は暗く 匂いを追って夜の街を…… 狼は誰だ?奴は一体、何者だ? 疑心暗鬼が街を覆う 罪もわからず誰かを裁く 狼は彷徨う、昼は心に、夜は街に 狼は誰だ?お前は本当にお前なのか? 誰かが創った狼が、昼夜を問わずに跋扈する 街に平和は戻るのか? 罪な... 続きをみる

  • 風がどうしようもないことに苛立つように 無秩序に荒れ狂い、唸っている 何かを返せと叫んでいるようだ 気に入らない、気に入らないと 暴力的に薙いで、泣いている どこかわかってほしいのかもしれない 自分がここまで苛立つ理由や もう我慢の限界だということ 本当は怒りでなく痛みで泣いていること 傷ついた心を... 続きをみる

  • 月夜

    あぁ、彼女にはかわいそうなことをした 誰かが大仰につぶやく あぁ、彼にはかわいそうなことをした! ふさわしいのは月の光にセレナーデ? 今宵は満月、今宵は宴 祝杯をあげろ、セレナーデ! いやいや、今宵はレクイエム 心は千切れ、想いは裂かれ あぁ、かわいそうなことをした! 睦まじき誰かは妬ましい けれど... 続きをみる

  • ねことかみなり

    遠くかみなりが鳴っている 音も光も間隔も不規則に 夜闇の中で遠く遠く…… まるでねこのお腹の中みたいだ あの不規則な音はノドを鳴らす音 あの不規則な光は獲物を見つけた瞳 時折ねむりを妨げられながら ねこのように丸くなりながら 夢のように、うつらうつら PS 2019年、今年、梅雨入りの雷を聞いて

  • 変化(まとめ)

    ※変化、まとめです 昔の自分のことですね、今、少しは変われてるといいなと思います

  • キス

    甘えたキスに甘い恋 甘い唾液が流れ込む 二人の甘さは止めどなく 一瞬の蜜月が永遠のいのちをいだく 言葉は何にもいらなくて 世界は二人で完結してるの…… あなたの手のひらが私のそれだし、 私の唇は、あなたの熱で溶けてしまった 私はあなたで、あなたは私なの 二人で完全な私たちは、 どうして離れなくっちゃ... 続きをみる

  • どうして?

    どうしてかわいそうなんて言葉をかけるの? 魂は四次元のもので あの人は同じ時代に生まれ変わって 今この瞬間、同じ時間を、どこかで 同じくらいの歳で笑っているかもしれない この世界で生きていることが あちらでは死んでいることかもしれない 此岸と彼岸とを行き来して そのどちらの世界でも 同じように生き、... 続きをみる

  • 深淵

    大いなる深淵が魂を呑み込む 足らぬ足らぬ、まだ足らぬ 深淵はここにそこに 海の中に山の中に よく知る道にも家の中にも まるで見境なく深淵が口を開ける 多すぎる魂は深淵が呑み込む たくさんの虐殺を深淵は引き起こす まるで蟻地獄のように 魂は引き寄せられ呑まれていく 人の数ほど深淵が ぱっくりぱっくり開... 続きをみる

  • 窓際に活けられた一輪の花が 無機質な壁のそばの優しい彩りが 「まだ私はあなたを忘れていませんよ」 と、でも言いたげに 美しい色でうなだれがちに自分を見ている その花はけして枯れずに変えられて 季節が移ろい、窓の向こうが冬になっても 変わらず美しい色で自分を見ている 「まだ私はあなたを忘れていませんよ... 続きをみる

  • お昼寝

    小春日和のうららかさに 切り取られた空を見上げ目を閉じる 身体の上を雲が走る 喧騒は雨のようだ あるいは潮の満ち引き 眠りの中に沈む かたちのない夢を見る 届かない言葉がざわめきになるような オーロラのような夢 切り取られた空が消えかけている 身体の上をうっすらと影が覆う 無造作に手を振って影を追い... 続きをみる

  • 君の頭の中

    君の頭の中が理解できたら 色んなことがたやすいはずなのに わからないことを前提に わかろうとすることが愛みたいに 答えもヒントもくれないままに いつ問題が出たのかさえわからないのに いきなり君は不正解を叩きつける ただの数字や ただのアルファベットの羅列が 誰かにとっては限りなく貴重で 誰かにとって... 続きをみる

  • 吹き荒れる砂の景色を覚えているよ 遠く山のような稜線が見えていた 乾ききった世界にくっきりと あそこには何もないんだ それはわかっているけど空想をする 想像できる限りの美しい世界を ある日、僕はクレヨンを拾ったんだ 色のない世界で長い間熟成された ないはずの色が凝縮された鉱物 ねぇ、それは何色だった... 続きをみる

  • カリカチュア(風刺画)

    あなたが偉大な地位に就いたとき みんなその地位にひれふした あなたじゃなく その地位の持つ力に あなたが偉大な地位に就いたとき まるで大きな着ぐるみを着たように 前任者の面影のあった地位が あなたをあなたより偉大に見せた あなたの偉大な地位は あなたがあなたより偉大だと錯覚させ ただ人と人として敬う... 続きをみる

  • たね

    種には意思がある 自分はどこで咲きたいのか 明確な意思をもって 産まれた土地で 川や山を越えたその先で 気流に乗って海まで越えて 自分の生きたいその土地まで…… 種には意思がある 綿毛のように風に運ばれ どんぐりのようにリスに運ばれ イチゴのように鳥に運ばれ 遠く遠くあるいは近く 自分の望む土地まで... 続きをみる

  • さよなら

    君がいなくなっても続く日常は 何も変わらないからこそ残酷で 当たり前に見ていた姿も 当たり前に聞いていた声も いなくなってはじめて 明確な形のなかったことを知る 君が私の中に融けてしまったのなら いつでも取り出し声を聞き 君のアドバイスに耳を傾けられるのに 君はどこか遠くへ 遠くへ行ってしまった 私... 続きをみる

  • プロバガンダ

    家には家の 組織には組織の 学校には学校の それぞれにある小さな小さなプロバガンダ こうあれと仕向ける見えない教官 できなきゃダメだと煽り立て 画一的な優秀さへと導いていく どうしてという問いはバカのするもの 聞いてはならない 理由などない、そういうものだ 限られた空間での正しさで 優秀な人間と決め... 続きをみる

  • あたしがうまれたとき

    あたしがうまれたとき 世界はまっさらな可能性で 何にでもなれるあたしはみんなに祝福された 空の色、雲の色、星のキラめき 美しさはまっすぐ胸に届いた あたしが大人になったとき まっさらな可能性は塗りつぶされて 幾本かの白い筋だけが残った 空をきれいと見上げることもなく 雲の形で遊ぶこともなく 星のキラ... 続きをみる

  • 不確か

    不確かだけど確かな存在を確かめる 小さくどこかに亀裂が入れば 私もあなたもどこか遠く 手の届かないところへ行ってしまう ほんの一瞬ほんの偶然 惹かれ合っただけだけれど 確かな存在としてここにいる 不確かだけど確かな存在を確かめる 吐息を聴く、手を伸ばす 匂いを体温を感じる お互いの存在は確かだけれど... 続きをみる

  • 大丈夫

    大丈夫大丈夫 その人の口癖は大丈夫で どんなに無茶に思えるプロジェクトも 上司の急な方針転換も どんな無理難題も 大丈夫大丈夫 そう言い聞かせて切り抜けてきた もちろん成功もあれば 失敗だってあった そしてどんなときも 大丈夫大丈夫 その言葉が隣にあった 彼はどんな気持ちでいたのだろう? 大丈夫大丈... 続きをみる

  • 都会

    あの頃一番都会だった町は 歳とともに段々都会ではなくなって そのうちいわゆる田舎を離れて 私はいわゆる上京をした 誰もが認める都会で 時折誰かが、寂しくはないかと尋ねる 寂しいとはどういう感情なのだろう? どこにあっても私は私なのに…… イントネーションの違いが 如実によそものだとわからせる どうし... 続きをみる

  • ありのまま

    ありのままの日常を ありのままに綴ろう 日がのぼるとか 日がしずむとか そんなこと 今日の朝ごはんのこと 明日も続くだろう日々のこと 楽しい驚きと、憎らしくなるくらいの平凡と 何も変わらないようで 一日歳をとった自分のこと ありのままの日常を ありのままに綴ろう 今日も同じ時間にベルがなること 電車... 続きをみる

  • 誕生日

    何でもないこの日を 何でもないように祝おう この世界のほぼ何十億人が知らない 単なる日を特別な日に変えて祝おう 何でもないこの日を 何でもないように祝おう 日々の雑事にかまけて忘れてしまう そんなささいな一年の節目 何でもないこの日を 何でもないように祝おう この一刻が成長の証で この一刻が死への道... 続きをみる

  • 帰郷

    見慣れていたはずの景色が 聞き慣れていたはずの地名が 馴染みのないものになっていたことに驚き 懐かしいはずの景色に何の感慨も起こらず 離れてもなお故郷の住人という自負は崩れ お前はもう違うのだと告げられたようで 家族は不思議と優しく思え 自分の物たちは思い出に変わり 居心地はよくても居場所はないよう... 続きをみる

  • 帰省中に

    それまでキラキラしてたものが 突然キラキラと見えなくなると 少しだけ少しだけショックを受ける 私が成長したからであると思いたい けれど大切に大切に キラキラを仕舞ってきたはずなのに それが無意味になったような虚しさ そうか、こんな世界にいたのか、なんて もう、終わったこととしてとらえながら 私の命は... 続きをみる

  • あなたのために2

    あなたのためにうたをおくろう あなたが大きくなったとき めでたい席にうたをおくろう あなたのためにうたをおくろう あなたが大人になったとき あなたの成長に感謝してうたをおくろう あなたのためにうたをおくろう あなたが新たになるとき 新しいあなたを歓びうたをおくろう あなたのためにうたをおくろう 輪廻... 続きをみる

  • 世界が丸いというのなら

    ※雑誌、詩とファンタジーに掲載された詩です 世界が丸いというのなら、 知らない世界もあるのでしょう 世界が丸いというのなら、 怖い世界もあるのでしょう 目に見えない、 小暗い世界は知りません 日の当たる、 よく知る世界で生きてきた 世界が丸いというのなら、 知らない世界もあるのでしょう 世界が丸いと... 続きをみる

  • 声の森(図書館)

    ざわざわざわざわ、声の森 黒くうごめくたくさんの声が あちらこちらと私を招く ねぇ、ほら、こっちだよ 違う違う、あっちへおいき さぁ、よく来た、いい子だね 声はよしよしと頭を撫でて いいものをあげると笑って言った さぁ、顔をあげて 私をよく見るんだよ そら、これは甘い蜜だよ まるで毒のように甘い知識... 続きをみる

  • CAMERA

    ある日ふと撮った 何気ない景色が、何気ない仕草が 急にかけがえのない思い出になる いつでも手の届く場所にあったそれらが いつの日か手の届かない場所へ行ってしまう そんなことは知らずに ただ愛しいものをフレームに収める 空気と匂いと感情と 時間と空間のカケラ けして手に入らないものも フレームに収めれ... 続きをみる

  • あなたのために

    あなたのためにうたをうたおう とても美しいうたを あなたはけして手に入らぬ花だけれど あなたのためにうたをうたおう あなたのためにうたをうたおう とても優しいうたを あなたの優美さをたたえて あなたのためにうたをうたおう あなたのためにうたをうたおう とても切ないうたを あなたと私の想いをこめて あ... 続きをみる

  • 心半分

    もし私のことを とても思ってくれるなら 心を半分残していこう あなたが心配しないように 寂しくならないように 半分だけ私を置いて帰ろう もし私のことを とても頼りにしてくれるなら 心を半分残していこう あなたが心細くならないように いざというときのために 半分だけ私を置いて帰ろう 私がとても大事にし... 続きをみる

  • GO

    君と行く 君と行くんだ、どこへでも けだるげに君が手を振り払い ものうそうに髪を掻きあげる でも行くんだ、僕は君と 僕は君と生きたい 君が悲しげに首を振り 顔を覆ってしまったとしても 僕はいつでも希望とともにある 僕は生きるんだ、君と 僕は手を差し伸べる 君から届かない位置に手を差し伸べる 君は泣き... 続きをみる

  • # 節約
  • # 料理