ショートショートのムラゴンブログ

  • ハリツケられた男

    「ハリツケはイジメです。今日からやめなさい」 松岡先生が終わりの会できっぱり言った。 『やすみじかんはヤネコロガシかロクムシしてあそびます。ぼくはさいごのばつゲームがたのしいです。カベに十字にはりつくと、ゴムボールがビュンととんできます。顔のすぐそばのカベにバチンとあたります。ドキドキします』 先週... 続きをみる

  • twitterショート140字×3【なるほど迷探偵】

    【山小屋殺人事件】 早朝、山小屋で登山家四名の惨殺死体が発見された。 現場は高山、しかも昨夜は雪が降っていた。密室殺人か? 警部が首をひねっていると、なるほど迷探偵登場! 「山小屋から出て行った、一人の足跡を発見しましたぞ。犯人が誰かも突き止めました」 「さすがは迷探偵!それで、犯人は?」 「イエテ... 続きをみる

  • 透明人間、あらわるあらわる

    「君、透明人間になりたいって思ったことないか?憧れの女子の家に行って、見えないことをいいことに欲望の限りを尽くしたいと」 「うん、まあね。男子なら抱くだろ、そういう妄想」 「透明人間になって、本屋さんでエッチ本、読み放題!レンタルビデオ屋でエッチ映像、見放題!」 「同感だな」 「テレビ局行って大好き... 続きをみる

  • 七夕の夜に

    一年前に書いた「七夕二題」のSFネタをシンプルに書き直してみました~! 星間連絡船『カササギ』はアルタイルへの帰途についていた。 星間トンネルは、16光年離れたヴェガとの間をわずか45分でつないでいる。 ただしトンネルが使えるのは一年に一度、7月7日の夜だけだ。 船内。二人のアルタイル人が虚ろな目で... 続きをみる

  • twitterショート140字×3【本当にあったら怖~い犬の話】

    【1匹め~グチャグチャの犬】 「で、犬は?」 「グチャグチャだった」 15分前。 歩道沿いのアパート。上階に吊り上げようとしていたバスタブのロープがプツリと切れた。 婦人が連れていた犬の真上にそれは落下した。婦人の悲痛な叫び声。 歩行者たちがバスタブを引っくり返す。 中から犬が元気よく飛び出す。 顔... 続きをみる

  • 競作企画「穴」(800字ピッタリで書いてみましたよん)

    競作企画に参加しましたぁ!皆さんの「穴」はこちらです。 おさかさんの「穴」 ヴァッキーノさんの「穴」 りんさんの「穴」 たろすけ(すけピン)さんの「穴」 儚い預言者様の「穴」 ia.さんの「穴」 レイバックさんの「穴」 銀河径一郎さんの「穴」 舞さんの「穴」 cokolyさんの「穴」 つとむューさん... 続きをみる

  • twitterショート140字×3【イソップ物語】

    ウサギとカメ カメから挑戦状を受け取ったウサギは憤慨しました。 どうやら相手のカメは1分間20歩の鈍足らしい。 それでも油断しませんでした。 向こうの山のふもとまで走り込みを重ね、コースレコードを次々更新です。 大会当日現れたのは島ほどの超巨大ガメ。 スタート!の合図と同時に、 一歩でゴール!! キ... 続きをみる

  • 美少女探偵ハルカ、脱ぎます!

    「もしもし、もしも~し・・・あ、そちら悪の秘密組織ジョッカーの青森支部でしょうか?」 「ハイハ~イ、こちら青森支部」 「私、ジョッカーの首領です。あ、秘密情報の配達、準備できたから」 「秘密情報?」 「わが組織がずっと克服できなかった、例の問題を解決する薬が完成したんだよ」 「例の薬?」 「うちとこ... 続きをみる

  • 結婚式おまかせ君

    「部長、いいスピーチでしたよぉ!今まで出席した結婚式でも最高のスピーチでしたぁ」 送迎タクシーに乗り込んだ途端、部下の日下君が褒めちぎる。出来がよかったことは、壇上を降りるときの喝采や新郎新婦や親族の労いの言葉でわかっている。ま、何度褒められても悪い気はしない。 「おきまりの祝辞から始まってマニュア... 続きをみる

  • 名無しの探偵シリーズ『固茹で卵にタバスコを』最終回

    【前回までのあらすじ】 鉛色の昼下がり、俺の事務所のドアを天使が3回ノックした。娘の名はカルラ・ウィルク。彼女の父は孤高の天才科学者だ。先日、研究所が全焼し焼け跡からウィルク博士の死体が発見された。警察は火事として処理したが、カルラの考えは違った。父を殺し、データを焼却し、世紀の大発明を盗んだ犯人が... 続きをみる

  • twitterショート140字×3【同窓会】

    同窓会、同級生、クラスメートをお題とした、競作企画で~す。 僕も同窓会に出席させていただきましたぁ! 舞さん『同級生』 ia.さん『同級生』 『クラスメート』 ヴァッキーノさん『同窓会』 りんさん『ヨーコちゃん(同級生)』 【第1回同窓会】 「目、鼻、口、顎のラインも?」 「ええ先生、全部整形するわ... 続きをみる

  • Have You Ever Seen The Rain?(雨を見たかい)

    約束の時間どおり、依頼人は事務所を訪れた。 天狗みたいな白装束の初老の男。オールバックの白髪頭はポニーテールに結わえている。 法衣の懐より名刺を取り出した。 『八神現来~YAGAMI GENRAI~』 ヤガミゲンライ?修験僧か?それがなぜ法律相談事務所に? 「では早速、ご相談をお伺いしましょう」 「... 続きをみる

  • 周波数はなんぼだ、ケネス?

    意識が戻ると、そこは砂と岩ばかりの惑星だった。 周囲を見渡す。漆黒の宇宙の下、四方、地の果てまで岩石の荒野が広がっていた。 僕が倒れ込んだ砂地まで、点々と僕の足跡が見えた。足跡は救命艇からスタートしていた。 流線形の一人乗り救命艇は斜めに落下して大破し、観音開きが空になっている。まるで棺だ。 僕はこ... 続きをみる

  • 生理的な、あまりにも生理的な

    クルルル 腹がマヌケな音をたてる。 ミーティングのときから違和感はあったのだが、じき収まるとタカをくくっていた。 ガンガンきかせた冷房のせい? いや、部長の煙草?あの臭い、腹にこたえる。 「美佐子ちゃん、ちょっと僕、用事あるから先行ってて。資料は先に配っといて」 ことさらに涼しい顔を装う。 大事な会... 続きをみる

  • 第69話は欠落しますた

    第68話 ミクロ治療船『ミニミニちゃん32号』船内。 操縦席のヤベシ隊長とミンミン隊員の深刻な顔が、非常警告灯の赤い点滅に照らし出される。 「隊長!早く患者の体から脱出しないと、『ミニミニちゃん32号』はあと30分で元の大きさに戻っちゃうわ!」 「それは大変だニョ~!ミニミニちゃんがデカデカちゃんに... 続きをみる

  • # ショートショート
  • たまごボーロにアリガトウをこめて!

    「わが社のブランドランキングがまた16ポイント下落しました」 秘書の落胆した声。社長もまた溜息をついた。 「ソモサンは?」 「さらにポイントを上げ、今やヨーロッパ各国でテレビ販売シェアNO.1に輝いています。日本企業は軒並み販売シェア、ブランド価値ともに下落の一途です」 社長は磨きあげられたマホガニ... 続きをみる

  • ポスト印象派絵画115点いただきま~す

    2010年夏、六本木の国立新美術館はオルセー美術館展で盛況であった。 約束の時間に館長と探偵は、ルソーの『蛇使いの女』の前で落ち合った。 「あ、私、原野丸男と申します。人はパラノーマル探偵と呼びますがね。あなたが九館長さんですな。」 「チミチミ~、僕はキューカンチョーじゃあないよぉ。キューと書いてイ... 続きをみる

  • twitterショート140字×3【父の日泣き笑い】

    【最初のお父さん】 「博士、アタシ、お父さん無理。何だかカメムシみたいな臭いがするんです」 「由美子ちゃん、それは加齢臭じゃよ。加齢臭アルデヒドは、カメムシの発する臭いと同じ成分なのじゃ」 「そっかぁ!お父さん、ゴメンナサイ!」 ムギュウ。 「由美子ちゃん、それ、お父さんじゃない。本物のカメムシじゃ... 続きをみる

  • ハイリスク

    (2009年6月23日初出) (2010年6月18日「トッシー・ほったまのバカだなぁ~♪って言われたい」バカいわシアターで朗読していただきました。) いつものように昼食のうどんを食って会社に戻る途中、公園のベンチに座って休んだ。今日は鳩が七羽か・・・昨日はたしか六羽だった。上空からジェット音・・・見... 続きをみる

  • twitterショート140字×3【宅配便】

    【第1便】 「宅配便で~す」 「はい?何も持ってないじゃないの」 「お届けではなくて。こちら様から梱包して運んでほしいとの依頼なのです」 「何を運ぶですって?それに依頼主は?」 「あなたを。遠距離の彼からの依頼で」 「まあ、素敵!」 ガソゴソ 「残念!お荷物が彼指定の重量をオーバーです。お運びできま... 続きをみる

  • 透明新郎&透明新婦

    『只今御紹介にあずかりました、新郎の上司にあたります大泉滉と申します。僣越ながら一言、ご祝辞を申し上げさせていただきます。新郎の水戸君、新婦の油田さん、ご結婚おめでとうございます。 皆さん、恋愛と結婚の違いを考えたことがおありでしょうか?若い頃の恋愛とは、恋に恋しているにすぎません。心の中の理想の異... 続きをみる

  • 美人OLがどんどん寄ってくる凄いアレの話他二篇

    『呪いのアレ』 「呪いのアレ?」 「ええ、本物ですよ」 女は販売員から金色に輝く胡桃大のソレを買った。 その晩、女はソレを握りしめて呪った。 「社長のヤツ、酷い目に遭ってくたばりやがれ!」 ・・・翌日、社長に呼び出された。 「何だか急に元気になってねぇ。今日から営業所を見廻りたい。君、車を出しなさい... 続きをみる

  • 秒速50センチメートルの美学

    カラコロ カラコロ 雨上がりの石段を日和下駄で一段下りるたびに夕闇が迫ってきた。石段の両側にせりだした紫陽花が雪洞を灯したように浮かび上がっている。 阿弥陀寺の山門前で待っていた僕は、綾音の艶やかさに息を飲んだ。 結い上げた髪、撫子柄の綿絽の浴衣、白い額、白い首筋・・・ 僕は思わず火照った顔をウチワ... 続きをみる

  • なんだかとってもエコ兵器

    某国、順安(スンアン)国際空港の一画、巨大格納庫。 数台の黒い車から降りた一団がその中へと招き入れられた。 所狭しと陳列された戦車、砲車、ミサイルが鈍く光っている。客人がどよめく。 改造型ミグ戦闘機の陰からスーツ姿の武器商人ユーリが得意満面で現れた。 ユーリの額もまた鈍く光る。ニコラス・ケイジか、あ... 続きをみる

  • 天才書道家小練逍雲、エコを語る

    「皆様、こんにちは。『この人に聞く』、本日お話をお伺いするのは、天才書道家小練逍雲先生です。先生、よろしくお願いします。」 「ハイ、よろしくネっ」 「私は今、先生の作品展会場に来ています。こちらですね?今回の作品展のために書かれた大作は」 「ウム、読めますかな?アナウンサーごときに」 「えっと・・・... 続きをみる

  • ランニングコスト

    あ~~今日も皆さん、お疲れ! ボクも疲れちゃったよ。仕事で遅くなって飯食って風呂入ったらもうこんな時間だよ、まったく。 どうすっかなぁ、虎犇秘宝館。 ブログ更新しとく? いいんじゃないの?別にノルマがある訳でもなし。 時々休まないとコメントくれる人も大変だよ。も、とにかく眠いし。明日も仕事あるんだし... 続きをみる

  • 嘘発見器TRUSTER

    「タカシ、入るぞ!やや?!」 「と、父さん!あわわわわ~開ける前に声かけろよ!」 「なにをアワアワ慌てておる?その机の下にバサバサ隠した本は何かね、タカシ君」 「さ、参考書だよ、受験研究社の自由自在と標準問題集さ!決まってるだろ!」 『ウソ!』 「な、なんなんだよ、今の?平成教育委員会の勉強小僧みた... 続きをみる

  • 赤ちゃんがほしいのっておねだりされちゃいました

    赤ちゃんがほしいの って、妻からおねだりされちゃいました。 私の妻、あの吉瀬美智子さんにソックリなんっすよ。 あ、自慢じゃなくて。本当に。アハハハハ。 週末の夜11時、リビングのソファ。隣にはナイトガウンでくつろぐ美智子。 ニベアボディジェルで磨きをかけた美白肌を、私にすり寄せてくるんです。 私の膝... 続きをみる

  • twitterショート140字×3【タイムスリップタクシー】

    舞さん、iaさん、七花さん、ヴァッキーノさん、たろすけ(すけピン)さん、りんさん、舞さん、鈴藤由愛さん、銀河径一郎さん たちが競作して楽しんでいらっしゃっる『タイムスリップタクシー』に乗っかって、お調子のりの矢菱も作ってみました。 twitter小説風に140字限定を三つ、お徳用袋みたいな感じです。... 続きをみる

  • ホンモノはダリダ?

    目が覚めると大病院の一室だった。 交通事故で昏睡状態に陥って3ヶ月後に覚醒したのだとドクターが説明した。 名前は?仕事は? 問いかけに懸命に答えようとしたが、名前すら思い出せない。記憶喪失だ。 「焦ることはありませんよ。糸口さえつかめれば思い出すものですから」 ドクターの言葉どおりだった。覚醒して三... 続きをみる

  • サルでもわかるかiPad

    差出人:矢菱虎犇 宛先:矢菱虎兵衛 件名:RE: アイパッドを買ったぞ 父さん、すごいじゃないか。ボクより先にiPadを手に入れるなんて。 使い方を教えろって言われても、ボクは持ってないからメールじゃ無理だよ。 それにちょっと今、仕事が忙しくて来月まで実家に帰れないし。 iPadがすごいのは、その大... 続きをみる

  • 6秒ディレイ

    (番組テーマ音楽) “P音”リッキー・ホーンがライブ放送でお届けする『ミッドナイトロック』! みんな、今夜もバリバリロックでノリノリだぜ~! まず一曲目はこの曲、俺のバンド、カルメン・マキ&OZで『閉ざされた街』~! (全曲流れ、CM後) 今夜は、俺がこの番組を担当することになった経緯を話すぜ。 実... 続きをみる

  • さしずめ部長の逆襲

    『ええっとぉ~、たとえばさぁ~ この中ジョッキが今回のプロジェクトだとすっとぉ~ こいつぁさしずめ・・・』 お、また始まった。さしずめ部長のさしずめ話。ツキダシの枝豆がなんで俺たちなんだよ?・・・ま、いくら話を聞いてもその関係性などわかるまい。話しているうちにたとえたこと自体忘れるんだから。論理的に... 続きをみる

  • 映画『モスキート・パニック2』紹介&レビュー

    【配給会社からの紹介】 人類が蚊に襲撃されるパニックものかと思ったら、殺虫剤噴射で蚊がパニックになる話だった!・・・という前作『モスキート・パニック』に続いて、ついに『モスキート・パニック2』がその全貌を現した! 監督は前作同様、ヤビチャ・トラビロビン監督。前作を遥かに凌ぐ潤沢な予算を使い放題、スケ... 続きをみる

  • モスキート・パニック!

    コンニチハ コンニチハ 可奈子サン、大場可奈子サン 蚊の鳴くようなか細い声が聞こえた気がして、日記帳の上を見ると本当に蚊が私を見ていた。 驚カレルノモ無理アリマセン。僕、喋ルコトガデキル蚊ナンデスヨ 喋ることができる蚊ですってぇ? 私は興奮した! TVジョッキー日曜大行進の奇人変人コーナーに出演、白... 続きをみる

  • twitterショート140字×3【シリトリうどん】

    【1食め】 ん?!こりゃおいしそうですねぇ!ハイ、ととのいました! え!もうですか? ハイ、茹でたてうどんにだし汁とかけて~ 茹でたてうどんにだし汁とかけて? 生卵ととく。 そのココロは? ココロ?釜玉うどんじゃないですか。釜揚げうどんにだし汁かけて生卵溶いたら釜玉うどん! アンタなんか間違ってるだ... 続きをみる

  • twitterショート140字×3【愛の事件三番勝負】

    【愛のケース1】 要するに僕は彼女の瞳に恋してしまったんだ。 微笑した時の溢れる輝き!蠱惑的な上目遣い!寝ても覚めてもそればかり。 奪いたい!僕のものにしてしまいたい! なのに拒絶したんだ。馬鹿な女。 え?うちの押し入れから発見された彼女の死体に眼球がなかった理由? 刑事さん、また最初から説明させる... 続きをみる

  • twitterショート140字×3【整形手術三番勝負】

    【第1回オペ】 それで、先生、美佐子の手術、成功ですか? ご覧ください。鼻骨を削り、目は二重に、顎のラインはヒアルロン酸注入。 うわあ、美佐子、キレイになったなぁ! ご主人、僕は医師としてご主人のなさっていることに疑問を抱かざるを得ません。 こんなにキレイになったんだ。美佐子も喜んでますよ。なぁ? ... 続きをみる

  • そんな名前じゃアンタ地獄に落ちるわよ

    「こちらは姓名判断省よ。アンタ、神田正さんね?」 早朝、電話に出ると居丈高な年配女性の声。 「はい、神田正ですが・・・」 「電話に出たカタが神田正本人なら0を、本人でない場合は1のボタンを押しなさい」 なんだ、なんだ?録音の音声じゃないか。僕は仕方なく0をプッシュする。 「アンタの名前、本省の姓名判... 続きをみる

  • フィニアス・ゲイジの幻影

    取調室を出ると、山下巡査が新聞から目を上げた。 「お疲れさまです。それで?Drキンブルは誰に追われてるんです?」 私は無言で自分の頭を指さし、首をひねった。巡査も無言で頷いた。連れだって休憩所へ向かう。 早朝、所管の交番に、大学院生奥田忠が保護を求めてきた。 同じ研究グループの全員が何者かに誘拐され... 続きをみる

  • 別れ話

    (2009年5月19日初出) (2010年5月21日「トッシー・ほったまのバカだなぁ~♪って言われたい」バカいわシアターで朗読していただきました。) メアリは俺から目を逸らせて、うつむいたまま店の外を見た。外には広大な宇宙が広がっていた。 「愛してるって言ったじゃない」 「あの時は・・・愛してた」 ... 続きをみる

  • AKB48と遊ぼう!

    (長閑なギターソロBGM。深夜、飲み屋街の雑踏。滝口順平さんのナレーション) さてさて、次のお遊びは、どちらなんでしょうかねぇ? オヤオヤ、矢菱さん、飲みすぎたせいでしょうか、お盛んですねぇ! え?風俗遊び?こりゃまた隅に置けませんなぁ!フヒョヒョヒョヒョ! なんですって!?AKB48のメンバーが働... 続きをみる

  • 男と女とそれから饂飩

    2010年7月25日、「さとる文庫」で紹介していただきました。朗読をお楽しみください。 俺はうどんを愛している。ラーメンよりもパスタよりも。あのコシ、ツルッとした食感!まさにキングオブ麺! だからこうして今日もついつい俺の足は亀亀製麺北千住店へと向かう。店員たちの明るい声が迎える。 らっしゃいませ!... 続きをみる

  • ゴキブリを愛することができない貴方のために

    「日光テレフォンショッピング!」 女性司会者茶羽(チャバネ)さん(以下、茶)「キャ~~!!ゴキブリ!」 男性司会者黒井さん(以下、黒)「茶羽さん、大丈夫ですよ、ホラ!」 茶「黒井さん、そんな、ゴキブリを素手でつかんで・・・エ!た、食べちゃうんですか?」 黒「バリボリムシャムシャ・・・ゴックン!驚きま... 続きをみる

  • 生まれ変わりカード

    冬枯れた草藪を折り敷き進んでいくと、道雄は窪地に車を停めた。ここなら林道から見えない。 雪がちらつき、次第に激しく降り始める。 「靖子ちゃん、この辺りは豪雪地、今夜の雪で車は屋根まで埋もれてしまう。僕たちが見つかるのはきっと来年の春。いいのかい?」 靖子が道雄の手を握り返した。 「ええ。道雄さんと決... 続きをみる

  • シンデレラは桃ラー気分

    「智美、入るわよ」 「あ・・・母さん!モグモグモグ」 「また部屋でこっそり御飯を食べて!ア!それ、桃ラーじゃないの?」 「勝手に入らないでよ!そうよ、そのとおり、桃ラーよ!『辛そうで辛くない少し辛いラー油』よ!炊きたて御飯に載せたらモ~最高!クセになっちゃうのよねぇ」 「夜食に御飯!しかもガーリック... 続きをみる

  • 母の日に寄せて

    食卓に並んだ御馳走に思わず舌なめずりしてしまう。 箸を人差し指と親指の間に乗せて合掌、いただッキーマウス!・・・つい子供の頃に戻ってしまった。 タケノコとワラビの煮物から!タケノコ、ホクホクだぁ。ワラビも口の中でとろけるぅ。 続いて味噌汁!コレコレ、この味!イリコからちゃんとダシとらないと出せない味... 続きをみる

  • カピバラの日

    朝、目が覚めると妻がカピバラになっていた。 ずんぐりとした太い胴、タワシのような体毛・・・似ているって意味じゃない。 寝室の隣のベッドでイビキをかいているのは、ホンモノの世界最大のネズミ、カピバラだ。 僕は二階に駆け上がった。 「シュン!大丈夫か?」 一人息子のシュンのベッドでもやはり、カピバラがグ... 続きをみる

  • みっつのオネガイ

    今夜もよく飲んだなぁ!午前様かぁ。 飲み屋街のネオンの中、一人千鳥足で駅へと向かう。 またしても尿意!酒飲んで一回トイレ行くとダメなんだよなぁ! あ、ちょうどいい電柱がある! 皆さ~ん、僕、犬で~す。ただのヨッパライ犬のマーキングで~す!ワオ~ン。 ジョジョジョジョジョ~ ふは~ オヤ?湯気の向こう... 続きをみる

  • ものすご~くウンがついている男の話

    「飛行機から放り出されたですって?墜落の寸前に?ベルト締めて座席ごと?」 「ええ、地上に激突する直前に。緊急脱出装置で座席ごと飛び出したブルース・ウィリスの気分でした」 「しかし、墜落の衝撃は他の乗客と同じはずでしょう?あの凄惨な墜落現場で、あなたはかすり傷ひとつしなかったと?」 「ええ、たまたま僕... 続きをみる

  • 美少女探偵ハルカ、退場!

    (5月11日毎毎新聞朝刊) 愛媛で女性死体の一部発見 5月10日未明、愛媛県の漁港で、身元不明の女性の体の一部が発見された。10日午前1時頃、南宇和郡深浦漁港内で、地元漁師が海上にうつ伏せの状態で浮かんだ女性の死体を発見、警察に通報した。捜査員の調べによると死体は上半身だけであり、腹部から鋭利な刃物... 続きをみる

  • 惜しいっ

    (2009年5月15日初出) (2010年5月7日「トッシー・ほったまのバカだなぁ~♪って言われたい」バカいわシアターで朗読していただきました。) 押井アタラ15歳の春。 「押井君・・・あなた、本当に惜しかったのよ」 中学校の相談室で担任の先生が悲しい顔で言う。 「エッ・・・僕、公立高、不合格なんで... 続きをみる

  • 未来、占います

    「ちょっと、あなた。占ったげましょうか?とっても幸せな未来が見えるのよぉ」 銀行裏の路地、占い師に呼び止められた。年の頃、五十のオバサンだ。 茶人帽を被り作務衣姿、小机の上には筮竹に算木に天眼鏡、『易』と書かれた古ぼけた行燈・・・易者そのものだ。 よし、いいだろう。からかってやろう。 「占いなんて信... 続きをみる

  • プラびん怒りの鉄槌

    わしはペットボトルってヤツが気に食わない。 便利な物なのに?確かに便利だ。ガラスの壜よりずっと軽いし、割れない。 環境問題?まあ、環境にはよくないだろうな。アレを綺麗に洗うのにどんだけ水がムダになるやら。 そんなことじゃない。 表記だ。「ペットボトル」・・・6文字。日常的に使うものにしては書くのが大... 続きをみる

  • やっぱりこどもの日だもの!二題

    その1 ・・・ス」(エコーつきの声) 「ッゴイ怖い!恐怖の心霊レコード発掘コーナー!」(おどろおどろしいBGM) 男性パーソナリティー「さあ、今週もやってまいりました。恐怖の心霊レコードコーナー」 女性パーソナリティー「今日はどんな恐ろしいレコードを見つけたんでしょうね」 男「かぐや姫の解散コンサー... 続きをみる

  • 意地悪爺さんの告白

    「あんたが意地悪爺さんじゃな?」 「ああ、そう呼ばれちょる。じゃが、その呼び方、悪意を感じんかの?正直爺さん、意地悪爺さん・・・そんなレッテルを貼られた身にもなってくれ」 「しかし、あんた、犬を殺したじゃろう?犬は飼い主の財産。犯罪じゃよ、ソレ」 「確かにポチを借りた。畑でポチが『ここ掘れワンワン』... 続きをみる

  • ンジャラマウ・ポケランと愉快な仲間たち

    三流大学に入学して一ヶ月。 寮生活にも慣れてきた。だって、寮の先輩たち、いい人ばっかりだから。 先輩風なんてどこ吹く風、僕を見かけると向こうから元気よく挨拶してくる。寮は笑いで満ち満ちていた。 新入りの僕に、アレコレ世話も焼いてくれる。 こんなに愉快に生きてゆけたら・・・僕は先輩たちに憧れ始めた。 ... 続きをみる

  • 天の雨音

    2010年9月5日「さとる文庫」で紹介していただきました。朗読をお楽しみください。 曾祖父の訃報が届き、僕は実家に戻った。 実家は土地の旧家、地元の通例どおり自宅広間で通夜葬儀がおこなわれるそうだ。 駅から家に向かう途中、雨がポツポツし始めたが、本降りになる前に何とかたどり着いた。 格子戸を開けると... 続きをみる

  • ダミーな夜

    真夜中。コンビニエンス・ストア。 ピロロロン♪ピロロロン♪ 「いらっしゃいませ」 「なんでまた、こんな深夜にカワイイお姉ちゃん一人なんだよ。物騒だなぁ。俺が強盗だったらどうすんだ?」 店員の視線が天井に設置された監視カメラへ。カメラが俺の動きを追っている。 「俺、以前、ネット通販の会社でバイトしてて... 続きをみる

  • 不死身の首のアリス

    ある文化人類学者曰く。 夥しい数の自動車が行き来する都会に、宇宙人が降り立ったとしよう。彼らは彼らの星に、地球人についてこう報告するに違いない。地球人は、硬い装甲に身を包み、四つの回転する足を使って整然と移動している。脆弱な頭脳部分は取り外し可能であり、別の体に自由に乗り換えることができる・・・ 「... 続きをみる

  • 惑星テディベア

    未知の惑星に、僕とパティは降り立った。 珊瑚に似た植物がユラユラ風になびいている。まるで海底だ。魚一匹見当たらないが。 「まるで龍宮城みたい」パティが顔を輝かせる。 「ここがそうなら君は乙姫様だ」 パティが急に早足で僕を追い抜いて岩に登った。 追いかけて僕も登って、パティの視線の先を見た。 「浦島太... 続きをみる

  • 殺戮者のスープ

    真夜中。月明かりの下、1886年から建設の始まったブリッジタワーを映したテムズ川が、やがて霧に覆われ見えなくなっていった。 私たちが連絡を受けて到着した時には、川から引き揚げられた死体を数名の男女が取り囲んでいた。皆、コートやマントに蒼白の顔を埋めて沈黙している。 その中にツェペシェ卿もいた。 「こ... 続きをみる

  • 半村美宝展

    螺鈿蒔絵の名工、半村把媚郎による漆器名品の数々を一堂に集めた展覧会の準備が着々と進んでいた。 鏡台、大名火鉢、飾り台、衝立・・・百花繚乱、鶴が鳴き蝶の舞う品々が恭しく紐解かれ設置されていく会場を、館長が地方紙の記者を案内していく。 「さすがは半村把媚郎、見事ですな~、九館長」 「チミチミ~、キューカ... 続きをみる

  • おっちーさん、ヴァッキーノさんもすなるライトノベルといふものを矢菱虎犇もしてみむとてするなり

    エ? 僕の年が気になるって? アハハ、仕方ないなぁ、僕の頭がこんなだから? イヤイヤ、平気、平気。おっしゃるとおり、僕、若ハゲです。ツルッツル。 そりゃ抜け始めたときは焦りましたよ。 やたらフケが多くなって、髪を洗うとギョッとするくらい髪が排水口に流れていって・・・ 鏡見たら、生え際はやばいし、カッ... 続きをみる

  • 長崎は今日も雨だった

    苗場のフジロック会場は今年も快晴。ここ何年も雨が降ったことがない。 なのに・・・ 僕の大好きなロックグループYouTooのコンサートが始まって間もなく、黒雲が空に湧き始めた。 そして、雨粒がポツリポツリ・・・ 「ありえない!そんなこと・・・大切なイベントのときには雨が降らないはずなのにぃ~!」 「気... 続きをみる

  • ファースト・コンタクト

    「博士、これ一体なんですか?」 「ゴラァ!あっちこっちペッタペタ触んじゃない!こりゃあなぁ、空間を折りたたむ装置『オリッコくん』じゃ」 「チープなネーミングだなぁ。空間を折って儲かるんですか?博士」 「お馬鹿だな、君は。空間を折り曲げる理論がついに現実になるんじゃ。宇宙の果てまでひとっ飛びじゃ!!」... 続きをみる

  • 日曜の午後、ヘビ男は

    ショッカー所沢支部。地獄大使が戦闘員を見渡す。全員が縮み上がる。 「脱走したヘビ男は、まだ見つからんのか?」 「全力で捜索中です。今しばらく・・・」 「何としてでも見つけ出して始末しろ!」 勉強部屋で寝っ転がって漫画を読んでいたら、階段を上がってくる音がしてドアが開いた。 「なんだヒロシ君、漫画読ん... 続きをみる

  • 不幸の匙加減

    刺激臭が脳天を直撃する。糞尿と吐瀉物と汗が混じり合い腐っている。 熱い。この地獄がいつまで続くのだろう。 三ヶ月前、髪を剃られ、手枷足枷で繋がれて船艙に折り重ねられ押し込められた。わずかな食事、劣悪な衛生状態、仲間たちが次々とマラリアや赤痢に冒され息絶えた。死体、そして重病人は容赦なく海に投げ込まれ... 続きをみる

  • いややねん!

    あ~あ とうとう学校、始まってもうたねん。 僕、学校大っ嫌いやねん。 今日は始業式、校長センセが言うねん。 『もうじき教科書がまた厚うなります、そん時困らんように、しっかり勉強しといてください。さっそく五月の連休明けにテストやりますさかい』 そんなん親に言うたら、ゴールデンウィーク、勉強漬けやないか... 続きをみる

  • パソコン哀歌

    また覗いてるわ・・・ 弊衣蓬髪、髭もじゃの五十年配の男がチラリチラリと様子を伺っては行きつ戻りつしている。 私は勇気を奮って歩道に出て声をかけた。 「何か御用でしょうか?」 「イヤ・・・ここは何の店じゃな?」 男がオドオドと聞き返した。 「駅前パソコン教室ですよ。見てのとおり。パソコンに御興味が?」... 続きをみる

  • 十年後

    (2009年4月2日初出) (2010年4月9日「トッシー・ほったまのバカだなぁ~♪って言われたい」で朗読していただきました) 疑いは確信へと変わった。 3月。私の誕生日。 酔っぱらった25歳の私は一人、駅ホームでシェル型のプラ椅子にだらりと身をあずけていた。新入社員の私は、先輩にすすめられるまま杯... 続きをみる

  • ロシアン・ルーレット

    目隠しを外される。白熱灯の光が目を襲った。 肩を押され座らされる。次第に目が慣れる。円卓には5人の男たちが座っていた。1番から5番の番号札を首から下げて。俺は6番だ。地下室の壁にもたれて男たちが見張っている。 ドアが威勢よく開き、男が入ってきた。光沢のある紫のロングガウン、白髪まじりのオールバック、... 続きをみる

  • バット男リターンズ

    やばいぞ、やばいぞ~! 地下駐車場に停めていた軽自動車、エンジンをかけたらひどいノッキング音です。 何だってこの忙しいときに! ともあれ、ボンネットを開けてみます。でも根っからの機械オンチですもん、どこがどうなっているやら・・・ とにかく、エンジンがガランガランせわしなく震え、その震動でボディがブル... 続きをみる

  • 3D映画

    ふと気がつくと古い映画館の前に立っていました。 飲みすぎちゃったかなぁ・・・とんと記憶がありません。 よくまだこんな場末の映画館が残っていたものです。 何の映画でしょう? 『3D映画』・・・ああ、今流行りの。はたして上映できる設備がここにあるんでしょうか。 『3D映画』・・・手描きの影付き文字でそれ... 続きをみる

  • 今宵の花は

    玄関ドアから家に入った途端、ケンタとハルが大はしゃぎで飛びついてきました。 「パパ!お帰りなさい!」「おかえりなちゃい!」 台所ではママがお野菜を刻んでいます。 「ただいま。ママ、今日は早かったんだね。夕食作るの、手伝おうか?」 パパがママのほっぺにキスしました。 「お帰りなさい。大丈夫、もう大体で... 続きをみる

  • ミッドナイト・コール

    午前2時37分。 けたたましく電話が鳴り始め、慌てて俺は受話器をとった。 町の総合病院から輸血用血液の供給要請だ。赤血球製剤・凍結血漿・・・俺は書きとった血液型や数量を繰り返して読みあげた。受話器を置くとパソコンの麻雀ソフトを終了し、保冷庫に直行した。 5パックも・・・こんな深夜に。交通事故か? 注... 続きをみる

  • ネタつながり

    『春夏冬中』のプレートをひっくり返し、エントランスの灯を落とすと、ヤスは店内に戻った。 レジでは、ハチマキ締めた大将が電卓を叩いて今日の売り上げ計算に奮闘している。 ヤスは黙って、白い和帽子を脱ぐと丁寧にたたんで懐に納めた。やがて大将が顔を上げた。 「おう、ヤス、まだいたのかい?ご苦労さん。今日はも... 続きをみる

  • 回転寿司モダンタイムス

    軽くタッチすると自動ドアが開いた。ラッシャイマセ~!威勢のいい店員たちの声。 明るい照明に、ステンレスの床壁が鈍く光っている。広い店内をグルリと巡るベルトコンベアの上を、色とりどりの寿司を載せた皿が流れていく。 ゴクリ!まさに食のメリーゴーラウンド!どんなネタを?どんな順序で?この瞬間こそが最高の瞬... 続きをみる

  • 鯨馬鹿

    オシエロ君・オネダリちゃん「博士~!モロダ博士~!」 モロダ博士「よお、ちんちんかもかものお二人さん、今日の珍問愚問は何じゃね?」 オシエロ「マッコウクジラの名前の由来を教えてください」 博士「おやおや、何ともまあ一般児童クラスの質問、真っ向勝負で来たものだな。まあよい。マッコウクジラから抹香みたい... 続きをみる

  • テイルズテイル

    恋をすると僕の周りを小犬が走り回っているみたいな気がする アレをちぎれるくらい振りまくってさ、これは僕のそんな話 ミチコは陰気で垢染みていて、好きでもなんでもなかった あの頃は彼女に母親がいないことなど思いも及ばなかった 僕が教室に入ると、黒板に大きなアイアイガサの落書き 大慌てで黒板消しつかんで僕... 続きをみる

  • マグネシアの石

    いつからだろう?俺が同僚の山崎を憎むようになったのは。 月例定例会の時に、俺の出した企画案にケチをつけた時か? 社の歓迎会幹事を務めた俺の進行にダメ出しをした時か? そのたびに俺のハラワタは煮えくり返り、憤怒の夜を過ごした。 奴の言うことが全部理不尽って訳じゃない。だが、皆の見ている前で、いかにも丁... 続きをみる

  • テレパシンの効能

    「奢ってくれるって?すまんなぁニイさん。じゃ、マスター、ジン=ロック! それじゃ、あんたに俺の話をしてやるよ。信じられんだろうがな。 相手の心の声が聞こえる『テレパシン』って薬、あれ作ったの、実はこの俺さ。 そんな男が、なんで場末の安酒場でクダ巻いてるかって? そう、その話だよ」 「俺は大学ん時から... 続きをみる

  • 校長先生色辞

    「学舎の立つ飛雁ヶ丘の桜の蕾ほころぶ、この良き日、未来へと飛びたつ六十九名の飛雁ヶ丘高校卒業生諸君、ご卒業おめでとうございます。保護者の皆様、ご子息ご令嬢のご卒業を心よりお祝い申し上げます。 合唱部諸君のわが校校歌ハミングをバックに、本日の式辞を述べたいと思います。 なんと、この紙を御覧ください! ... 続きをみる

  • 巨船ローランド号の最期

    ローランド号船長「博士、この船が沈没するだと?・・・間違いない?」 博士「ええ、あと2時間ほどで」 船長「何を根拠に?」 博士「マヤ文明がどうたら、太陽黒点がこうたら・・・」 船長「さっぱりわからん!とにかく沈むんだな!」 副船長「知らせますか?乗客に」 船長「待て。パニックが起きたら元の子もない。... 続きをみる

  • WhiteDayDream

    ビクッと全身を震わせて目を開けた。眩しい光が僕の目を射る。 各駅停車の古びた客車がガタゴトギシギシと僕の肩を揺らしている。 窓を背にロングシートに腰掛けて、僕はついつい微睡んでいたようだ。 眠っている間も両手でしっかりと握っていたクッキーの白い包みを見つめた。えっと、これは・・・? 明季の屈託のない... 続きをみる

  • チン助のおかげです。

    一人息子のサトルが「弟がほしい」としきりに言うもんですから、弟を作ることにしたんですよ。 今の時代、何でも作れちゃいますからね。 デデゴスティーニでしたっけ?アレ、申し込んじゃったんですよ。 毎週、部品付きのマガジンが送られてくる・・・創刊号だけ通常価格の半額でそそられちゃう、アレ。 タイタニック号... 続きをみる

  • ファイナルアンサー?

    「テ、テレフォンを・・・」 最終問題、挑戦者は最後のライフラインを使う。画面が電話先に切り替わる。 マンションの玄関に、黒ずくめのサングラスの男が一人。挑戦者が早口で問題を読みあげる。 男はニヤリと笑い、口を開きかけ・・・ ミモ「はい、時間切れ。友だちはお一人きり?お洒落なマンションだねぇ」 挑戦者... 続きをみる

  • 恐怖のネズミーランド

    千年の後の世を霊力により旅してきたという女祈祷師を招き、話を聞きました。 私はまず本朝の行く末を尋ねました。 女、悲しげに首を振ります。 「未来に、貴人はおりませんでした。皆、貧民のごとき体格に落ちぶれ果てております。装束も安価で薄っぺらの湯煮黒と申す着物ばかり」 よかった、十二単を重ねて着飾れる、... 続きをみる

  • ドウモVSコウモ

    みら~いみらい、あるところにお爺さんとお婆さんがおりました。 山に柴刈に出掛けたお爺さんは、柴刈機に巻き込まれてバラバラになっちゃいました。 川に洗濯に出掛けたお婆さんは、洗濯機に落っこちてグチャグチャになっちゃいました。 でも、大丈夫。お爺さんはメカ爺さん、お婆さんはメカ婆さんだったのです。未来だ... 続きをみる

  • タナカシゲルのハッピーエンド

    約束した時間に喫茶店に入ると、奥の席で斉木さんが手を挙げた。 席に着くと同時にウェートレスがブレンドコーヒーをテーブルに並べた。さすがは斉木さん。 「田中さん、見つかりましたよ、相手。野崎三郎さんって人です。お金持ちになれるって聞いて涙流して喜んでいましたよ。いいんですか、本当に?」 「もちろん。僕... 続きをみる

  • 矛盾じゃよ。」

    オシエロ・オネダリ「博士、モロダ博士!」 モロダ博士「おお!オシエロ君にオネダリちゃんじゃないかね!久しぶりじゃのう。今日も今日とて自己解決を放棄して、他力本願の質問責めかね?」 オシエロ「アッハハハァ!博士は相変わらず辛辣だなぁ!」 オネダリ「博士、問題です。どんな盾でも突きとおす鋭い矛と、どんな... 続きをみる

  • シロアリ

    「ウッヘェ~!なんじゃこりゃぁ!!」「ヒィィィ!」 クリーニング店の店長さんも奥さんも床下をのぞいて恐怖の形相に変わりました。楳図かずおの漫画みたいな。無理もありません。目の前で無数のシロアリが蠢いていたのですから。 私はデジカメで記録しました。白い小虫たちがウジャウジャと逃げまどいます。 「ヒィィ... 続きをみる

  • うさぎ

    ハンスはこめかみを押さえてもう一度溜め息をついた。 休日にまで自宅に仕事を持ち帰らなければならない多忙を嘆いて。そして、局内に来月支給予定だったブーツが発注した半分も揃わないことを呪って。もう一度、業者に掛け合ってみるか。 書斎のドアをノックする音にふり向くと、リタはすでに中だった。仕事に没頭してい... 続きをみる

  • となりのテレビ

    まったく隣の住人、よくもあれだけテレビを見るものだ。 安普請の賃貸住宅は隣の生活音が筒抜けで、テレビの音が日がな一日聞こえてくる。 僕はデジタル、隣はアナログ、数秒の時間差でテレビが輪唱することも多い。 時おり、テレビを見て笑っている声も聞こえる。どうやら年配夫婦の二人暮らし。 ワッハッハッハッ、オ... 続きをみる

  • 深夜、モルグで

    ア・・・また! 俺は胸を右手で押さえて、壁によりかかった。激しい動悸の波が襲う。じっと痛みに耐える。 今月、3回目だ。もともと心臓がよくないが気になる頻度だ。また診てもらうか? やっと動悸が収まり落ち着く。俺は深夜の巡回を再開した。 監察医務局の死体安置室。通称、モルグ。ガラス越しに解剖室が見える。... 続きをみる

  • 残照

    遠くからサイレンの音 夕暮れの空気を悲しみに染める 郊外電車の中 一駅ごとに乗客はまばらになり 吊り広告と客の頭が、けだるく揺れる 一様に沈黙し、互いの存在を消し合う群れ 携帯をいじくりまわす女 死んで腐った魚の目の男 どんな哺乳類よりも感情のない顔 緩んだネクタイも汗染みたシャツも何もかも 緩みき... 続きをみる

  • コンビニ姉さん

    僕の乳首をもてあそびながら、ナナコはイタズラっぽくクスクス笑う。 「セブン=イレブンのマークがELEVEnになってる理由?雑学クイズね、それ・・・確か、ただのSEVEN-ELEVENじゃ、商標登録できなかったからじゃ?」 「ブ、ブ~残念!社長がヒドイ痔だったから!お尻のヂが小さくなるようにって願いを... 続きをみる

  • ひなまつり

    「ねぇ、ママ、どうしてうちはお雛様がいないの?」 桃花がつぶらな瞳でママに質問しました。 「うちにはそんな余裕がなくて・・・お雛様まで手が回らないの・・・ごめんなさい」 桃花はママのお膝にそっと頭を乗せました。 「ううん、桃花、パパとママさえいてくれたらいい」 ママは桃花の頭を優しく撫でました。 「... 続きをみる

  • トリュフ

    左右から豊満な美女がしなだれかかった。頬に密着した髪がくすぐったい。 店の美女軍団が僕のソファに大集合、ロジャー・ムーアのボンドみたいにモテモテだ。 「あたしのトリュフ、食べてぇ~ん」 別の女がお皿に盛った白トリュフを摘んで僕の口に入れる。モグモグ・・・ 「いやん、あたしの黒トリュフだって美味しいわ... 続きをみる

  • キャビア

    ホタルブクロ型のブラケットの、オレンジの淡い光だけの薄暗い部屋。 僕と先生は、ソファにゆったりと腰掛けていた。 「先生、世界三大珍味と言われても僕は納得できないな。塩辛くてボソボソしてて美味しくないですよ、アレ」 「キム君、君の食べたのは新鮮なベルーガかね?」 「黒いトビッコみたいなやつでしたけど・... 続きをみる

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