ショートショートのムラゴンブログ

  • あなたに似た人

    「先日、出直し町長選が行われ、即日開票の結果、摩原町町長に、元町長とどろき鎮八郎氏が返り咲きました。 とどろき氏は12年間にわたって摩原町長を務め、森林開発および灌漑治水を精力的に進め、町の発展に貢献しました。 一昨年、対抗馬として立候補した元副町長の軽部氏が町長となり、とどろき氏は老齢を理由に引退... 続きをみる

  • 驚愕の真実!コレを摂り続けていると必ず死ぬ!

    ようこそ、虎犇秘宝館へ。 「驚愕の真実!コレを摂り続けると必ず死ぬ!」というタイトルを読んで、訪問くださったアナタ! ラッキーでした! コレを扱っている業者や当局からのクレームは避けたいので、この情報は期間限定です。 ラッキーでしたね! 私は、科学的統計学的検証をこよなく愛する理論派です。 この文章... 続きをみる

  • 夢の罐詰

    20年前から私に電話がかかってきた。 そんなふうに錯覚してしまったのは、中学時代の友達、典子の声が20年前そのままだったから。 「ミチ、タイムカプセルだよ、覚えてるよね?」 タイムカプセル? 「もう!ブロマイドとか映画のプレスシートとか、宝物一緒に入れたじゃない!」 男性アイドル歌手のブロマイド・・... 続きをみる

  • 人生にツブ高あり

    「市の体育館だろ?10時には応援に行くよ」 「絶対だよ、絶対!」 中2の娘、加奈は卓球部のレギュラー選手。 今日の春季市内大会、娘のチームは優勝候補らしい。 朝から応援に行きたいのはヤマヤマだが、昨晩持ち帰った仕事を片付けなくてはならない。私はこの春、下請け会社に出向を命じられ、不慣れな仕事に追われ... 続きをみる

  • 小人プロレスを覚えているか?

    女子プロレスの前座・・・ ロープの下をゴロリン転がってレスラーたちが次々とリングに上がる。 アフロ頭のリトル・フランキー! モヒカン頭のミスター・ポーン! スキンヘッドの天草海坊主! 白木みのる似のプリティ・アトム! リングに上がった彼らは一様に1メートル少しの短躯である。小さな、小さなガニ股の足。... 続きをみる

  • ナンタラ・カンターラとほにゃらほにゃらのほにゃら

    なんか、そんな感じの題の映画でしたが、忘れちゃいました。 (最後まで読んでいただいてありがとうございます。バナーをクリックしていただくと虎犇が喜びます)

  • アントニオ・ペペロンチーノ博士は蟻型ロボット研究の第一人者である。 人型ロボット研究開発全盛の昨今、ペペロンチーノ博士は異端者であった。 日陰で細々と研究をしてきた博士のもとに、ある日、制服の男たちが訪ねてきた。 「われわれは宇宙開発局の者です。博士、蟻型ロボットを・・・ロボットの働きアリたちを宇宙... 続きをみる

  • 料理の鉄人

    約束の時間に鉄人はやってきた。 ガッチャンゴロゴロ、ガッチャンゴロゴロ、歩く音がして、玄関のピンポンが鳴った。 妻が玄関を開けると、鉄人が立っていた。 ようこそ、「料理の鉄人」! 数週間前、ネットで料理の鉄人をオーダーした。料理の鉄人が自宅まで出張して、極上の御馳走をしてくれるのだ。旬の特選素材を使... 続きをみる

  • 実在した!

    銀行の正面ドアを開けたところで通信機が鳴った。 司令官からだ。ロビーの隅、大きな観葉植物の陰に走り込んで私は電話に出た。 ・・・ 「え?入金は待てと?もう地球銀行まで来ているんですよ!え!マーズ物産が赤字経営で不渡り?」 ・・・ 「関連企業全体、不良債権が増え自己資本が枯渇してるって?」 ・・・ 「... 続きをみる

  • トンカツ(未完成)

    材料(4人分) 豚肉(トンカツ用4枚) 塩コショウ・・・少々 小麦粉・・・大さじ1 卵・・・1個 パン粉・・・1カップ 揚げ油・・・適量 作り方 1 それじゃあ、豚肉の入手方法から詳細に説明していきましょう。 豚の寿命はおよそ6~9年。でも、生後6ヶ月、100キログラム程度に育った子豚ちゃんが一番お... 続きをみる

  • パンジー

    「ミキちゃん、だめですよ。おかあさまの口紅使っちゃあ」 鏡台を見ていたミキちゃんがふりかえりました。 ミキちゃんのお口の周りは真っ赤っか、おかあさまは思わず吹き出しました。 「おませさんね!でもそれじゃあ変ですよ。いらっしゃいな」 居間のテーブルには新聞紙が敷かれ、花のお手入れの途中です。 「まあ、... 続きをみる

  • 中学一年の夏。学校から戻ると玄関でいきなり父に殴られた。 「お前がリツちゃん、殺したやろが!」 僕がリツコを? 客間にリツコの両親が来ていた。二人とも泣いていた。リツコの母が懇願した。 「タカ坊、本当のこと言うてくれ。それだけでええ。絶対責めんから。鍋倉の石段からリツコ、突き落としたんか?」 「しと... 続きをみる

  • 美談

    太平洋マリアナ海域。 月のない夜、大型客船のデッキから漆黒の海へと、妻が転落した。 マリアナ海溝はエベレストを逆さにしても届かない。妻は地球の底へと沈んでいったのだ。 こうして俺は、最愛の妻JJを二度失った不幸な亭主となった。 一度目のJJは結婚して一年後にあっけなく病死した。 最愛の妻を取り戻した... 続きをみる

  • イルカ知恵袋

    解決済みの質問 イルカは恒温動物やろか? bandouさん ほんばにぼ~イルカが大好きやっちゅうねん。ほんばかしこいんやからぼ~ユデタマゴぐらい大好きやっちゅうとんねん。なんや哺乳類らしいんや。ほんなら、イルカ、恒温動物なんやろか? ベストアンサーに選ばれた回答 kamakamaさん bandouさ... 続きをみる

  • テヅルモヅル

    (日本の図書館にある本より) 昔々、佐渡島は佐渡島公国として独立しました。ミンミンゼミが鳴く夏に佐渡島公爵に耳たぶの大きな双子の男子が生まれました。兄をテヅル、弟をモヅルと名付けました。公爵は公国の公民におふれを出しました。 「我が子の誕生を祝って、本日よりタチツテトの音はすべてテに、マミムメモの音... 続きをみる

  • # ショートショート
  • サブリミナル効果

    (2009年8月27日初出。 2009年11月13日に、トッシー・ほったまの「ばかだなぁ~♪って言われたい」で朗読していただきました。) (電話の呼び出し音) 「はい、こちらSCFC・・・サブリミナルチャンネル・ファンタジークラブ・・・略してサブちゃんファンクラブです」 「えっと、サブちゃん装置の購... 続きをみる

  • 食べれども食べれども

    食べれども食べれどもふとらない体質っていうのがある。僕がまさにそれ。 食べてもすぐまた腹がへって食べる。なのに、体重はいつも平均体重。 ショーウィンドウに並ぶケーキを片っ端から食べても体重そのまま!焼肉バイキングの店で際限なく食べ放題!わんこそば選手権日本一! 羨ましいって? ・・・そうでもないんだ... 続きをみる

  • 何だかわかるか若旦那

    (TVニュースより) 9月2日 「イダンモンテ天文台は、宇宙からメッセージを受け取ったと発表しました。天文台でワープ通信を研究していた小比方孝彦博士によると、先週、実験で地球から送ったメッセージの返事が戻ってきたそうです。解析の結果、返事には、2進法で我々地球と全く同じ数字体系が示されていました。博... 続きをみる

  • ハーメルンのほら吹き男

    理事長室に入ってきた男は、紅白縦縞のコスチュームに黒縁眼鏡・・・くいだおれ太郎にそっくりだった。 こんな男に、この窮地を救えるのだろうか? くいだおれ太郎が肩をすくめる。 「これ、うちら『何でも解決屋』のユニフォームやねん」 ことわりもなく黒革ソファに腰を下ろして足を組む。 「そんでワシ、どないした... 続きをみる

  • 『至極近距離恋愛』~続編~

    澪が、軟禁誘拐から無事に帰ってきて二週間が経った。そして新しい年を迎えたら、高校に復学する。 愛介の方は無罪放免というわけにはいかなくて暫くは外来通院という形になったが、それも原因がはっきりしている以上、誰もが安心している。 祖母は、菖から直々にお小言を食らったらしく、もう許嫁としての掟の話はしなく... 続きをみる

  • 現金報酬

    未明、俺は郊外の牧草地をバイクで駆け抜けた。 農場の柵を開けて、納屋へ向かう。ヘルメットを脱ぎ納屋に入るとすでに二人は来ていた。 「ジム、遅いじゃないか」 チャーリーの不機嫌な声を聞いて、問題が発生したのを知った。若造のビリーがうつむいている。 俺は現金輸送車を見て、即座に事態を察知した。 俺たちの... 続きをみる

  • 『至極近距離恋愛』3 完結

    ぼんやりと、ただぼんやりと日がな一日、窓の外を眺めている。 澪がいなくなって二度目の冬がやってきた。愛介は長期療養という名目で大学を休学し、系列の大学病院に入院したままである。 個室の扉をノックされる。 珍しいことだ。最近では、彼が嫌がるから母親以外が病室を訪れることはなかった。 しかしノックの後、... 続きをみる

  • 『至極近距離恋愛』2

    澪がいなくなって、学年がひとつ上がった。 エスカレーター式の私立大だ。本来なら、そのまま澪と一緒に登校する筈だったところだ。 (俺、澪がいなくなっても平気なんだろうか) ふと、そんな考えが脳裏を掠める。 こんなに長い間、澪と会っていないことなどなかった。それこそ物理的に無理な時(学校とか、部活とか)... 続きをみる

  • 人間失格

    ライム氏は最後に僕の健康診断結果を開くと、見る見る顔を曇らせた。 「一年間で7キロ増?」 二人の男と三人の女が僕の体を一瞥した。 「え、ええ、ちょっと肥っちゃいました」 「肝臓の数値もひどい・・・飲み過ぎですな。尿酸値も高い。血圧も!」 男の一人が舌打ちをした。もう一人の男は無関心を装う。 おいおい... 続きをみる

  • 『至極近距離恋愛』1

    恋を知って、女は美しくなる。 遠距離恋愛を成就させると、それは美しい恋物語となる。 でも近づき過ぎた恋愛は、何と言われるのだろう。 「ね」 「何」 「遠距離恋愛ってしてみたくない?」 そんな澪の言葉に、思わず目を瞠ってしまった。 「遠距離…」 「うん。何日も会えなくて、電話の声も聞けなくて、メールと... 続きをみる

  • 毒解力問題

    夏のある日、水辺の牛蒡の茂みの中で、(A)のお母さんに子供が生まれました。 でも、その子供は、キモ~い(A)の子でした。 キモ~い(A)の子が庭を歩いていると、(A)たちが集まってきて、小突きました。 「チョ~キショいんですけど!みんなでハブっちゃえ~」 イジメは日に日にひどくなっていきました。 母... 続きをみる

  • 独占スクープ!奇跡のダイエット宗教、驚愕の実態!

    「何を食べても大丈夫!いくら食べても大丈夫!信じるだけでみるみるやせる!」 「信じただけでスリムな体に!彼氏とラブラブ、もうすぐ結婚!」 朝バナナダイエットだ、納豆ダイエットだ、と次々とヘンテコなダイエットブームの起きる昨今、ついに登場したのが、コレ。新聞折込広告でおなじみの奇跡のダイエット宗教、本... 続きをみる

  • あの素晴らしい愛をもう一度

    ♪命かけてと~誓った日から~♪ いきなり外でセールスマンが歌い始めた。 な、何なんだ?何のセールスだ? 僕はドアを開けた。セールスマンの思うつぼだった。 「あなたの大切な一日をもう一度取り戻しませんか?いや、何度でもご提供できるんです。あなたが望むだけ!」 パンフレットを渡して、セールスマンがまくし... 続きをみる

  • 理想の貴女と

    結婚相手を紹介してほしい?理想のタイプは?・・・う~ん、そんな従順な娘、今どきおらんだろう。 芸能人では?・・・え?矢菱真里?いい趣味してるね、君。 僕と妻とのなれそめを聞きたい?イヤイヤ、参考になど・・・ どうしても?仕方ないなぁ。 僕が妻の詩織と知り合ったのは、「お見合い」なんだ。 部長から「折... 続きをみる

  • 28年後のパンチラキック

    小学校の同窓会も宴たけなわ、一人がビールを持って近づいてきた。 「矢菱君、僕のこと覚えてる?」 「えっと、岡崎君・・・だっけ?」 正直、記憶にあまりない。とてもおとなしい子だった。 「うん、岡崎真人。僕は実は矢菱君と話したかったんだ」 僕は、岡崎君みたいなおとなしい子は苦手タイプだった。もしかして、... 続きをみる

  • 疾風になれ!!

    目を細めて彼方を見やる。コースに陽炎が揺らめいている。 アスファルトに漂う逃げ水の向こうから車が近づいてくる。 も、もう戻ってきたのか!何という速さだ!! 車影が見る見る大きくなっていく。 と、耳をつんざく轟音とともに、疾風が目前を駆け抜けた。 キャ~~! レースクィーン・コスチュームのアイドルグル... 続きをみる

  • 杏子サン

    未来。 自宅に戻り自動車から降りる。車が自動で車庫入れを始める。 便利なものだ。おかげで一般人には車庫入れができなくなったけれど。 玄関ポーチに立つと、「ただいま」と呟く。音声認証装置が私の声を確認して開く。 「開けゴマ」でも音声認識するのに、つい「ただいま」と呟いてしまう。 ドアが開くと、杏子サン... 続きをみる

  • 開けてくれ

    知ってるかい?ミルフォードって男の話。おや、知らない?じゃ、話してやるから一杯おごってくんな。 海運王ミルフォード。 二つの大戦で軍艦を売りさばき、戦争が終わってみれば北イングランドで指折りの富豪になっていた男。 自分以外、身内さえ信用できず、友人もなく、生涯独身をとおした男。 儲けた金はすべて名画... 続きをみる

  • 肉食指南

    広大なサバンナを風が吹き抜ける。立ち枯れた、丈の高い草が波打つ。草藁の匂いが鼻をくすぐる。 頭をもたげ周囲をうかがう。風下の、まばらに繁る灌木の下、僕をじっと見すえ、獣が横たわっている。 メスライオンだ。 逃げおおせるに十分な距離がある。だが、安心は禁物、隙を見せたら飛び掛かってくるぞ。 僕は再び草... 続きをみる

  • ちんぷんかんクッキング

    (往年の特撮映画で宇宙空間を表す電子音~料理番組のOP曲が重なる) スタジオアナ「QP、QP、こちらマヨネーズ、おちぶれ地球のしょぼくれ地球人の皆さんにお送りする『ちんぷんかんクッキング』、なんと人類初の宇宙お料理番組を、ちぺっと放送しちゃおうなんて画期的に企画しちゃったりなんかして~!宇宙船、宇宙... 続きをみる

  • 急性老化症候群

    生来の引っ込み思案で損ばかりしてきた。大学2年まで女性とつきあったことさえなかった。そんな私に一大転機 が訪れた。 私が「急性老化症候群」という極めて稀な症例であることを医大のドクターが告げたのだ。20歳頃老化が始まる のは一緒だが、通常の2倍の速度で老化が進む不治の病らしい。私は慌てた。 「私の寿... 続きをみる

  • 蜜の味

    BGMはハーブ・アルパート&ザ・ティファナ・ブラスの『蜜の味』。ビートルズもカバーしたスタンダードナンバー。軽やかなスイングは、今の僕の気分にピッタリだ。 彩子が僕に微笑みかける。レストランの間接照明が彼女の顔を仄かに染め、白熱灯がイヤリングとネックレスをキラキラ輝かせる。 惚れてまうやろ~!! 今... 続きをみる

  • 月にいちばん近い寺

    昔々 といっても数十年前の話です。 村の裏手の山の頂きに、ポツンとお寺がありました。 満月の夜、その寺に男が忍び入りました。 「小さいながらも立派なお堂だ。きっとお宝があるに違いない」 蝋燭を灯すと、思ったとおりです。仏像が荘厳に浮かび上がりました。 仏殿も床もまた、塵ひとつなく磨き上げられておりま... 続きをみる

  • SOAP密林

    ひさびさの18禁です。よい子はスルーでお願いします。 酔っぱらって、その気になって、ふらりとソープ街に寄った。 眩しいネオンの中、ひときわ目立つ巨大な店・・・SOAP密林?今日はここにしてみるか。 入口の自動ドアに文字。 『警告 18歳未満の方のアクセスは固く禁じられています。あなたは18歳以上です... 続きをみる

  • 秋色妄想

    運動会の閉会式。朝礼台に校長登壇。 「皆さん、ワタクシは開会式の挨拶で皆さんに三つの約束をお願いいたしました。覚えているかな?・・・」 そ、そこからかよ!この校長、話がやたらと長い。 三つの約束だけで15分。続けて、実施した全競技演技について順番にコメントを始めた。 そのあとはたぶん、総括、地域来賓... 続きをみる

  • 老人と雲丹

    「もしもし、俺だよ、俺」 「どちら様じゃ?」 「じいちゃん、俺だよ!孫の声、忘れたのか?」 「ええと、ヒロシか?」 「そうそう、ヒロシだよ。俺、事故起こしちゃって、相手に怪我させちゃって」 「お、おまえは?怪我はないのか?」 「あ、ああ、かすり傷程度、なんてことないさ。でも相手の治療費が大変で」 「... 続きをみる

  • 恐竜100万円

    子供の頃、僕は恐竜が大好きだった。 父に買ってもらった『恐竜図鑑』で、片っ端から名前を覚えたものだ。ステゴザウルス・・・ブロントザウルス・・・トリケラトプス・・・ティラノサウルス・・・プテラノドン・・・。世界の国旗、新幹線の駅名、野球選手、自動車・・・子供ってのは、何でもスイスイ覚える。それが僕の場... 続きをみる

  • もう悩み無用

    「ええっと、何だっけ、アレだよ、アレ・・・眼鏡だっけ?眼鏡どこだ?」 「洗面所にあったよ。父さん、最近、物忘れ、ひどいんじゃない?すぐに物の名前が出てこないのは痴呆の徴候だからね!朝から、リモコンだっけ?朝刊だっけ?眼鏡だっけ?これで3回目」 「そうだっけ?」 中3の一人娘、奈々子が呆れて、俺を無視... 続きをみる

  • タイムカプセル君

    「虎馬さん、虎馬さん」 部屋の隅っこから気の弱そうな男の声が聞こえてきた。ん?誰もいない・・・貧乏学生のアパートの一室、畳だけ。 「ア、僕、見えないと思いますよ。見た目はただの空間ですから」 「な、何だ?幽霊か?透明人間か?」 「いえいえ、私、タイムカプセル君です。遠い未来に開発されました。私という... 続きをみる

  • な~んちゃって!

    事件は意外な結末を迎えた。 ミレニアムスターを盗もうとした怪盗ケイオスがいとも簡単に逮捕されたのだ。 国立博物館の通気孔から逃げようとして身動きできなくなって。 世界最大のダイヤ、ミレニアムスターの展示を目玉とする宝石展が国立博物館で開催された。その会期中にミレニアムスターをいただくという犯行声明を... 続きをみる

  • 忘却の薬

    過去の失敗や恥ずかしい記憶をクヨクヨ気にして、失敗を恐れ、好機を逃してしまうことの繰り返し・・・僕が一歩踏み出せない性格なのは、失敗の傷跡が痛むせいだ。すべて忘れられたらどんなに楽だろう。 「できますよ、それ」 カウンターの隣で飲んでいた男が僕に言った。言われて初めて僕は、愚痴をブツブツ呟いていたこ... 続きをみる

  • 絵マニュアル夫人

    昔、洒落た輸入雑貨をネット販売する会社に勤めたことがある。 会社社長は女性だった。彼女のことを皆、絵マニュアル夫人と呼んでいた。 社長室の書架に自己啓発本やハウツー本がひしめいていたのだ。 『今すぐわかる商取引』『成功のための会議進行』『絶対うまくいく会社管理術』・・・ こっそり読んでほしい本も混じ... 続きをみる

  • 商店街パンデミック!

    わが商店街で「新型インフルエンザ予防講習会」を急遽おこなうことになったので参加するように! 回覧板で知らされた講習会は、商店街に軒を連ねる店主全員、半ば強制参加だった。シャッター通りにまっしぐらの、『しばらく休みます』や『貸し店舗』も少なくない地方商店街だ。数少ない店主の都合を聞いて日程調整してもよ... 続きをみる

  • 岡本さん、救済。

    僕が家から一歩外に出ると、皆が皆、気づかれないように僕を盗み見て、悪口を囁き合っている。それでも勇気を奮って話し掛けると、ひどい赤面、滝のように汗が流れ、緊張のあまり喘いでしまう。 家に戻って鍵をかけ、外界を遮断したときの安心感といったら!でも、このままじゃダメだ。勇気を出して人と関わらなきゃ現状を... 続きをみる

  • 0→1→2

    深夜、窓の外は漆黒の闇。 山間の終点駅を出発して6両編成特急電車は、渓谷の崖に沿った線路を、整備基地に向かって回送運転中でした。 私は、先頭車両運転席で前方の闇を見つめ、明日の休暇の算段をしていたんです。 突然、車内電話が鳴り出しました。最後尾の車掌室、野崎さんからです。 「おい、ふざけてるのか?」... 続きをみる

  • おのぞみの箱

    むか~しむかし、正直爺さんが、一人つつましゅう暮らしておりました。 ある日、爺さんが畑を耕しておりますと、鍬に何やら硬いものがカチン! 掘り返してみると大きな箱です。 「いったい何が入っとるんじゃろう?」 茶箱ほどの箱のフタをとると、中から婆さん登場です。 正直爺さんに相応しい老け具合、ほどほどの器... 続きをみる

  • 薬の顛末

    「オ、オエ~・・・博士、実験大成功じゃないですかぁ!おめでとうございます、ウップ!」 「丹平君、実験台になった君のおかげじゃよ~ん!」 「じゃあ博士、ホレール3をください!本物の淳子ちゃんに試させて!お願いじゃよ~ん!」 「丹平君ったら、お、ま、せ、さん!コノコノォ!」 ・・・って訳で翌朝早速、淳子... 続きをみる

  • ホレール3

    中学校から家に帰る途中、いつものように丹平は惚田博士の研究所に立ち寄った。 そして、いつものように冷蔵庫を勝手に開けて爽健美茶をゴクゴクゴク・・・ すると研究室から惚田博士の声がした。 「完成じゃ!完成じゃよ~!!」 研究室では博士が小躍りして喜んでいる。 「完成ですか?ついに?」 博士がうなずく。... 続きをみる

  • そもそも

    「アタシたち、『カントール超限集合論』のレポート難しくってぇ~、あのぉ、今晩アタシたち、矢菱さんのアパートに教えてもらいに行っていいですかぁ?」 「ええ、僕でお役に立てれば」 大学2年の秋、講堂から出た矢菱は後輩女子3名から声をかけられた。前期のレポートを教授からそれなりに評価されて以来、ずいぶん株... 続きをみる

  • パラレル教科書

    新しい担任が教科書を次々配布していく。 「お~い、いいかぁ、ページめくって落丁・乱丁ないか調べろよ~」 生徒たちがまっさらの教科書を列の後ろへと回す。真新しいインクの匂いに気持ちまで引き締まる。 突然、窓から数名の男たちが乱入した。デニムベストに赤ヘルメット、「スターどっきりマル秘報告」みたいな間抜... 続きをみる

  • で、出た~!

    幽霊屋敷にひとりで住んでいるゴラン男爵が、取材依頼に快諾してくれたので、早速、僕は男爵の屋敷を訪問した。 大広間の暖炉の前で、男爵は車椅子に座っていた。ポマードで撫でつけた髪、カイゼル髭、いかにも男爵である。ガウンから覗いた手足や顔は、蝋人形のように青白かった。 挨拶もそこそこに、幽霊屋敷に起こる現... 続きをみる

  • 組み立てロボ

    アラスカ永久凍土層が融解して、地中から金属の箱が偶然、発掘された。 偶然、発掘された・・・ あの時はそう思ったのだが、今考えてみれば、必然だったのかもしれない。永久凍土が溶けだすほどに温暖化現象が進んだ時に、その時に箱が発掘されるように、すべて仕組まれていたのかもしれない。 箱はゴミコンテナにそっく... 続きをみる

  • 時間狩り

    (2008年11月16日初出。 2009年9月18日に、トッシー・ほったまの「ばかだなぁ~♪って言われたい」で朗読していただきました。) 「将軍様、誠に残念なことですが将軍様の余命は、長くてあと半年でございます。短ければ四ヶ月かもしれません。」 将軍の宮廷でドクターが告げた。 「こうして、真実をお告... 続きをみる

  • 救世主

    住みなれた惑星を失ってピコフェムト星人は宇宙へ旅立った。ピコフェムト星人7億人を乗せた巨大宇宙都市ウトキスモは、長い長い航海の末、故郷の惑星と似た「地球」を発見した。 司令官「プクプク博士、地球に知的生命体は存在するのか?」 博士「ポクポク司令官、サル型生命体『人間』が繁殖して、環境を破壊、他の生命... 続きをみる

  • BLIZ

    ブリッツ。僕のブリッツ。 あんまりにも僕が寂しそうだからって、ママが買って来てくれたんだ。 猫はあきらめて・・・と何度も何度も言っていたけど。 赤いリボンを首に飾ってあげた。艶やかな黒毛によく映えた。 なんで子猫ってこんなに可愛いんだろう? か細い鳴き声・・・バランスを崩しながら駆け寄る仕種・・・僕... 続きをみる

  • おばあちゃんのポチ

    (2008年11月23日初出。 2009年9月4日と11日に、トッシー・ほったまの「ばかだなぁ~♪って言われたい」で朗読していただきました。) ピロロロロ・・・ピロロロロ・・・カチャ 「はい、こちら『犬猫なんでもテレフォン相談センター』、本日の担当、ドクター野々村ですう」 「もしもし、こちらの電話で... 続きをみる

  • 時間よ止レマ

    しまった!居眠りしちゃった・・・! 時計を見上げると午前0時55分・・・勤務交替して、コーヒー飲んで・・・デスクでうとうとしちまったらしい。 青くなってコントロールセンター内の同僚を見渡す。誰も僕の様子などおかまいなしだ。居眠り、バレなかったんだ!僕は胸を撫でおろした。 僕は引継報告書を抱え、所長の... 続きをみる

  • いそしぎ

    待ち合わせの店で待っていると、約束の時間に彼女は現れた。 彼女が店に入ると、スポットライトが当たったみたいに客が注目した。 スッキリとした目鼻だちに男たちは本能的に反応する。 ドレスに包まれた豊かな胸に男たちは本能的に反応する。 その両方を兼ね備えた高級クラブのホステス嬢が現れたのだから無理もない。... 続きをみる

  • 束ねられた男

    団塊ジュニア世代、大病院で生を受けた私は、生まれた瞬間から束ねられる運命だったのかもしれません。 サトウヒロシという平凡な名前、背丈も体格も人並み、顔も目立った特徴もなく、何をやっても平均点でした。 「田中君たち、その調子よ!」 「おい、鈴木たち、早く列に戻れ!」 先生はいつも優等生か問題生徒の名前... 続きをみる

  • 創作料理の女

    電車まで時間があったので地元の駅前食堂に初めて入った。 ネチャつく黄ばんだメニューを開くと、隅っこに『創作そうめん』があった。 僕はそれを頼んだ。 『創作そうめん』か・・・そういえば数年前、この町で『創作料理の女』とつきあったことがあったっけ・・・ 彼女の名前は那須香(ナスカ)。 何回目かのデートの... 続きをみる

  • こわい

    夜中に突然、玄関前でタイヤの軋む音。 車を降りる音がして、足音が近づいて・・・玄関戸をガンガン叩き始めました。 「おらぁ!おんのわかっとんねんぞ!出てこんかい!」 こんな夜中に取り立てです。 女房も、女房にしがみつく子供たちも涙目です。 「居留守使うから夜来たんじゃ、オラ!きっちり金返さんかい!」 ... 続きをみる

  • 額縁効果

    額縁効果・・・小説の技法。語り始め・語り終わりが額縁となり、本筋となる物語をその中で語る入れ子構造。 病院の待合室。 受付を済ませて振り向くと男が座っていた。私を見上げ、会釈する。 待合室のTVでは、怪盗七面鳥事件について喋っている。男が私に話しかけた。 「御存知ですか?怪盗七面鳥・・・私は担当の警... 続きをみる

  • カニタマ

    得体の知れない事象に遭遇したとき我々は、既知の何かを手がかりに認識せざるを得ない。 襲来した宇宙人は頭部がカニに似ていた。そして胴体はタマゴにそっくりだった。 それで、カニタマ星人と名付けられたのである。 ある日突然、空からカニタマ星人が雨あられと降ってきたのだからたまらない。 数に圧倒された我々は... 続きをみる

  • オークション

    「早い者勝ち!憧れの冴子さん出品中!!」 迷惑メールの中にそんなふざけたメールが混じっていた。ついデキゴコロでオークションへ。 「かみおかんで・・・さえこ・・・」・・・検索! ・・・エ!まさか?・・・あるじゃないか、神陸出冴子!!わが社案内ブースの美人! 写真3枚がアップされている。 全身、真横、顔... 続きをみる

  • 焼津の半次

    嫁「お祖父ちゃん、コレ使ってくださいな・・・ あ、お祖父ちゃんテレビに向けてもダメですよ。テレビのリモコンじゃありません。 コレ、携帯電話ですよ、ケータイ、デンワ。 あ、電話交換手さん呼んでも出てきませんよ。有線じゃないから。いつの時代ですか! タカシさんの携帯とワタシの携帯の番号、入れておきました... 続きをみる

  • 暴走会議

    8時20分のチャイム。 今朝も、私立満潮女子高校職員室で朝の職員会議が始まる。 職員一同起立、礼、着席。 校長「お早うございます。・・・今朝はまず大変な事件をお知らせしなくてはなりません。たった今、警察から連絡が入って・・・本校の貯水タンクの中に薬物が混入されていたそうです。昨晩、深夜に本校2年南バ... 続きをみる

  • 福引抽選会

    行きつけのスーパー銭湯に行くと、感謝祭福引抽選会というのをやっていた。 前回利用時に抽選券を一枚貰っていたので店員に渡して、私は早速ガラポンを回した。 ガラガラガラガラ・・・コロン!・・・転げ出した玉は金色だった。金玉キラリだ! 「大当た~り~!!ドリーム大賞で~す!」 恥ずかしいくらいの大音量で鐘... 続きをみる

  • 中年ガラパゴス

    「・・・単身赴任二年がやっと終わりました。 中間管理職スタートのワンステップ、地方支社での二年は正直、長かった。 支社行きを拒否して、莫大な住宅ローンを残したまま退職もできないし、中学生の娘は転校を拒否、結局、単身赴任です。都会から隔絶した、聞いたこともないこの町へ来るはめになりました。 支社長を務... 続きをみる

  • メリーゴーラウンド

    ヤノベケンジ氏をリスペクトして ナレーション 「よい子のみなさ~ん、こぉんにぃちはぁぁ!(子供たち『こぉんにぃちはぁぁ!』)さあ、お待ちかねの人形劇ですよ!主人公は、わんぱくパッ君と朗らかラン子ちゃん!今日もみんながワックワクの大冒険しちゃうよ~!おやおやぁ、話しているうちにやって来ましたよ~!」 ... 続きをみる

  • 鬼ごっこ

    僕の心には、一人の女の子がいた。 女の子といっても、女学生・・・中学に入学したばかりだろうか?・・・閑散とした電車にぽつんと座っている。サラサラの黒髪が化粧っ気のない整った顔を包んでいる。夏の制服がすがすがしい。少女は背中の窓外を流れる景色を見ていた。風が彼女の髪をふわりと撫でる。彼女はゆっくりと正... 続きをみる

  • 金庫破り

    「うちの大金庫は侵入開錠不可能、難攻不落!どんなプロの金庫破りが来てもヘッチャラだもんね~!かかってこんか~い!」 頭取が挑発的に豪語するもんだから、やって来ました泥棒3人組。 全身黒タイツの信楽焼福狸みたいな親分、貧相な子分、そしてアトムみたいなチビッコ少年ロボットだ。 親分「よ~し、銀行には侵入... 続きをみる

  • 自分探し

    目が覚めると車の中、ここがどこで自分が誰なのか、全く記憶がなかったのです。 駅ビルの地下駐車場に停めた4WD車の運転席に座っていました。バックミラーを覗くと、見知らぬ男の顔です。これが私? ダッシュボードを覗くと思ったとおり運転免許証がありました。さっきの男、つまり私の顔写真、そして名前。 タニグチ... 続きをみる

  • 未来予想図

    「やっぱり、ダメだ。梨里子ちゃんとうまくやっていく自信がない。梨里子ちゃんは、ママと二人きりで支え合う生活が全てだったから・・・僕は梨里子ちゃんからママを奪う存在に過ぎない」 高層住宅の狭間、小さな公園。僕は梨里子のママと砂場に沿ったスロープに手を添えて並んで立っていた。主婦とビジネスマンに見えるに... 続きをみる

  • アイテノミー

    「来た!伏せろ!」 同胞が叫ぶ。聳え立った壁面と壁面の狭い空間に潜んだ我々を、巨大な生物が見下ろす。巨大生物の邪悪な眼が我々を凝視している。同胞が震えているのがわかる。 「大丈夫だ。俺たちから奴は見えても、向こうからこっちは暗くて見えない」 確かに見えない。が、巨大生物は我々がここにいることを確信し... 続きをみる

  • 愉快誘拐

    誘拐犯から再び電話がかかってきたのは事件発生から8時間後だった。 「それで?金はできたか?5000万・・・」 5000万・・・何という金額だろう・・・ 「早く準備しろよな。お子さんを無事にお宅に帰してやりたいんでね。・・・警察には連絡してないだろうな?」 「そんなこと絶対にしていない。子供は・・・子... 続きをみる

  • 狐狸ゃ馬鹿試合

    昔々、とっても化けるのが上手なキツネとタヌキがいました。キツネもタヌキも自分の方が上手いと言って譲りません。ある日タヌキはキツネに手紙を書きました。 「化かし合いの勝負、受けて立て。化けてお堂に来い」 挑戦状を叩きつけられたキツネは早速、木の葉を頭に乗せて変身です。 「ヘンシーン、トォッ」 虚空を回... 続きをみる

  • 嗚呼、血吸う蜥蜴の怪

    午前の空きコマ、文芸サークル仲間の雑記ノートの一頁に短編ホラーを書いたのが、すべての始まりでした。 午後の講義中、けたたましいサイレンの音、救急隊が駆けつけキャンパスは騒然となりました。サークルの後輩女子が担架で運び出されたのです。 ・・・後輩女子は僕の書いた短編を読んで失神、昏倒したんです。 僕の... 続きをみる

  • 竹田君の話

    先週、竹田君に再会した。20年ぶりだった。 それが失礼な奴で、駅ビルでばったり会ったんだが、笑って逃げやがった。 竹田君は中学の時からいつもニコニコしていた。真ん丸顔でニコニコしているから、スマイルマークにそっくり。 エスカレーターで2階に上がる竹田君を見かけたので声を掛けた。お得意の満面のスマイル... 続きをみる

  • 『孤高』2

    「自覚なしっていうのは、一番厄介なんだよ。何か引っ掛かってるもの、あるでしょ。母親、友達、恋人、固有名詞の名前でもいい。気になる人を言ってみて」 彼女の言葉に、基樹は無意識に“白木さをり”という名を口にした。 彼女の腕が離れてゆく。 (俺、今、何つった!?) 「そうじゃないかと思った。私、何処かで会... 続きをみる

  • 帰郷

    (文章塾投稿文) 目を覚ますと電車の中。初恋の彼女が目の前に座って、僕の寝ぼけ顔を見てクスクス笑っていた。 談笑のあと、彼女は僕の手の甲をそっと撫でて降りていった。 僕は次の駅で降りて生家へと向かう。昔のままの懐かしい道を歩いて。 玄関の鍵を開けた途端、眩しい灯が目を射た。 「ハッピバースディ!」 ... 続きをみる

  • 『孤高』1

    スタジオを、静寂が支配していた。 「今日は、止めましょう」 カメラマンの声に、周りが一瞬凍りつく。 「待って!」 俺は慌てて、スタジオを去ろうとする彼女に声をかけた。否、叫んだと言った方が正しいかもしれない。 「待って下さい。もう時間が取れない。今日撮って下さい」 そう言った声は明らかに上ずっていた... 続きをみる

  • ええいいですよ

    ハイッ今晩は!やってまいりました、週末深夜、焼酎ジョッキを呷りつつハイテンションの虎犇がお送りするエロショート!!18歳未満の方はお引き取りいただくか、こっそり読みなさい。 お医者「糠六さん、不整脈ありますね。心筋梗塞とかの用心してくださいよ。まあ、最近ではそんじょそこらにAEDありますから安心です... 続きをみる

  • 無限の猿

    オシエロ・オネダリ「博士、モロダ博士!」 博士「おお、オシエロ君にオネダリちゃん、久しぶりじゃのう。自己解決を放棄して他力本願の質問責めに御再訪か」 オシエロ「博士、相も変わらず辛辣だなあ」 オネダリ「今日は博士の研究を冷やかしに。自由研究の足しになればと思って」 オシエロ「何ですか?この巨大コンピ... 続きをみる

  • アナゾンから来た女

    ペロリン便でアナゾンから小包が届きました。 玄関に置かれた箱、トラックが入るほど巨大です。 アナゾンの箱、クソとバカがつくくらいクソバカでかいですものね。 期待にうわずった指先でガムテープを剥ぎ、オープン! 箱の底を覗くと、間違いない、注文の女です。 ダンボール板と一緒にビニルシートでパッキングされ... 続きをみる

  • 大局を見ず

    大局を見渡して、今日を生きる。今日のあなたの一手一手が大局を組み上げていくのである。だが人はとかく大局を見失って、日常の瑣事に目を奪われてしまいがちである。 宝暦年間、木曽川治水工事における不正の嫌疑をかけられ、野村惣兵衛と笠井茂右衛門は切腹の沙汰と相成った。身柄預かり人邸宅にて、切腹を数日前に控え... 続きをみる

  • エリカの星(B)

    膨らみ始めた胸に両手を組んで、エリカ、星空を見上げて祈るの。 「お星さま、お願いです。エリカを、エリカをどうか幸せにしてください」 キラキラン! 星が瞬いて見えたのは、お星さまがうなずいてくださったのかしら? それともエリカの瞳いっぱいの涙のせいでしょうか? エリカ、薄幸の美少女。 エリカは中学生。... 続きをみる

  • エリカの星(A)

    膨らみ始めた胸に両手を組んで、エリカ、星空を見上げて祈るの。 「お星さま、お願いです。エリカを、エリカをどうか幸せにしてください」 キラキラン! 星が瞬いて見えたのは、お星さまがうなずいてくださったのかしら? それともエリカの瞳いっぱいの涙のせいでしょうか? エリカ、薄幸の美少女。 エリカは中学生。... 続きをみる

  • 僕たちのプレゼン

    「パパ、今晩は大好物の鰻丼よ。ファイト!」 愛妻が左頬にキス。 「パパ、がっばってくだちゃい」 愛娘が右頬にキス。 今朝は、妻も娘も大サービス。今日、ついにプレゼンの日が来たのだ。僕たち部署が数ヶ月間練った企画が採用か、不採用か・・・ボスが判断するのだ。 企画会議室に入ると、ボスが深々と椅子に座って... 続きをみる

  • イソップ相談室

    【サイト説明】 ようこそ、イソップ相談室へ。 当サイトは、あなたのお悩みに無料で即答するサイトです。 イソップ寓話には、教訓や叡知が満ち溢れています。当サイトでは、あなたの質問に「イソップ・コンピュータ」が自動的にイソップ寓話を用いて即答いたします。 さあ、Qの空欄に、あなたのお悩みを書いてクリック... 続きをみる

  • 白い部屋

    目が覚めると、白い部屋の中、壁にもたれて座っていた。 床も天井も白で統一された、何ひとつ置かれていない部屋は、まるで白いキューブの中のようだ。 かすかな空調の音が間断なく聞こえる。見上げると小さな吸排気口があった。腕さえ通るまい。 白い天井は全体が淡く光っている。太陽光に似せた照明らしい。 私はいっ... 続きをみる

  • 地下刑務所

    モーガン爺さんの冤罪が晴れて、地下刑務所から釈放される日。 刑務官に付き添われ中央管理エリアに向かう道々、獄中から受刑者仲間が声をかけた。 「爺さん、おめでとう!」「達者でな、爺さん!」「爺さん、俺のこと忘れんなよ!」 骨と皺くちゃの皮ばかりの腕を上げて、爺さんが満足げにうなずく。 管理エリアでは愛... 続きをみる

  • ゲシュタルト崩壊

    臨床心理士として日々カウンセリングをしていると、いろいろな人間と会うことになる。人格崩壊を起こしているクライアントも少なくない。正直、立て続けに相手をしていると、こちらまで崩壊してしまいそうで、気が滅入ることもない訳ではない。今回のクライアントのような贅沢な悩みばかりではないのだ。 クライアントの青... 続きをみる

  • 蚊取線香

    「膨満船長、大変です。直ぐに司令室まで来てください」 膨満船長は、「針灸鍼(はりきゅうしん)」ルームで施術中にドクター古井戸の緊急連絡を受けた。 「お春さん、ちょっと行ってくるぞ」 IBM社製ロボット鍼灸師「お春さん」に施術をやめさせると、膨満船長は服を身にまとい、「針灸鍼」を後にした。 司令室に入... 続きをみる

  • 究極ソース

    ソースをからめて一口大の肉を口に入れる。 ガイド「いかがですかな?ヒョットコソースのお味は?」 私は正直に答える。 私「うまい。実にうまい。肉の味を損なわず、みごとに旨味を引き出している」 妻「主人の言うとおりですわ。おいしさが口の中にパッと広がって、そして後味もスッキリ・・・花火のようだわ」 ガイ... 続きをみる

  • 夫婦ゼンマイ

    郊外へ向かう国道を左折して、ガソリンスタンドにイン。溌剌とした若い店員2名が愛車を取り囲む。 「現金で、ガソリン満タン」 ・・・沈黙。 「早く取り掛かってもらえないか?」 店員が顔を見合わせてから、オロオロ言う。 「ガソリン満タンと言われても・・・」 「私にはガソリンを売れないと?」 「い、いえ・・... 続きをみる

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