ショートショートのムラゴンブログ

  • 幼い頃の僕の密かな楽しみ・・・それは、三面鏡だった。 親が出掛けたお留守番の時間、僕は三面鏡を開いた。正面の鏡に両側の鏡が映るように、狭く、狭く。そして、その隙間に頭を差し入れて見渡すと異世界が広がった。 まるでガラス張りの小部屋が果てしなく広がるホールだ。その小部屋の一つ一つに僕が存在し、僕が見つ... 続きをみる

  • 秘め事『教師』2

    うなじに息がかかる。後ろから抱き締められて、ベッドに沈む――。 自分が信じられない。 高校教師になったのに、勤め先の制服着る男子生徒とホテルに居る。 私は何故、則之を大学生だと思ったんだろう…。 去年の夏、私は彼と出逢った。お酒の出る、夜のお店。 そうだ。 自分自身が面接の時、大学生であることを確認... 続きをみる

  • 秘め事『教師』1

    ―見られている― 夏休み直前の、慌しい昼下がり。 職員室前に立つ、その生徒に気付いた。 どこにでもある県立高校の、当たり前の風景。男子生徒がそこにいても、何の問題もない。 でも…、私は違う。今度こそ、それを自覚した。 「何か、用か?」 数学の男性教師が生徒に声をかけている。 階段を下りての場所からで... 続きをみる

  • どうする虎犇

    今さら言うまでもなく、私、虎犇という人間は、良識ある知識人であり、偏見のない博愛主義者である。世界の諸民族・宗教・文化への寛容を持ち合わせる人間である。その範疇に食文化もまた含まれるわけである。 例えば、昆虫食。 昆虫は完全食品である。良質の蛋白質、豊かなビタミン、ミネラル。神経系はグルタミン酸に富... 続きをみる

  • エクシーの肖像

    資産家、大池滝太郎の邸宅前に黒塗りの車が停車した。 後部座席より降り立ったのは鑑定家、荒巻鮭児である。白手袋の両手で梱包された絵を抱いている。 専門家たちの綿密なる鑑定を終えて「エクシーの肖像」は依頼人滝太郎のもとに戻ってきたのだ。 応接室で鮭児が待つほどもなく、滝太郎は紫のガウン姿で現れた。グラス... 続きをみる

  • 通知表

    ダイニングのテーブル。向かい側に座ったママがじっと白い紙を見つめている。 無言・・・ 日頃意識したこともない掛け時計の秒針のコチコチがハッキリ聞こえる。息が苦しいくらいの緊張。いつもの一家団欒は今日のここにはない。 ママが紙から視線を僕の顔に移す。僕は思わず肩をすくめる。 テーブルの真ん中、僕の方に... 続きをみる

  • ふえるワカメちゃん

    2222年日曜日の6時半、それはまだ続いていた。 かもめ第三小学校から下校、自宅玄関引き戸を勢いよく開け、四畳半にランドセルを投げ込む。今日も今日とて中島たちと草野球だ! カツオ「あれ?ワカメ・・・帰っていたのか?」 ワカメ「あ、お兄ちゃん」 勉強机で本を読んでいたワカメが振り返る。ワカメは確か掃除... 続きをみる

  • 刹那い寓話

    タンタンタン、タンタタンタンタン、タンタンタン、タンタタンタンタン・・・ この体が自然にウキウキ動き出してしまうリズムはなんだ? これは、これはサンバの名曲中の名曲「ブラジル」の前奏だ! 目の前には白い扉。両開きの隙間から眩しい光が差し込んでくる。僕を呼んでいる! そんな僕に使用許諾書が突きつけられ... 続きをみる

  • 既知との遭遇

    宇宙暦6×6×年6月6日、惑星探査船ハッピースワンⅢ世号は、惑星ナウ・ヤングに着陸した。 今回の惑星探査の目的は唯ひとつ。地球外知的生命体の探索である。 数ヶ月前、無人探査機によって惑星ナウ・ヤング地表に600mに及ぶ、謎の直線の写真が撮影された。その直線を明らかにすること、それを作った生命体を発見... 続きをみる

  • 私たちの願い

    地球防衛軍基地の司令室に全隊員が召集されていた。一同、大型テレビの緊急報道番組を見つめている。 「ニュースを繰り返します!東京都心に巨大カプセルが落下。歌舞伎町歓楽街のビルをなぎ倒して出現したクレーターの中心に半分埋まったカプセルは、薬のカプセルにそっくりですが、とにかくデカい!」 アナウンサーの声... 続きをみる

  • 「プ・・・」 彼女が吹き出しそうになるのを我慢している。涼しい目が笑いをこらえて涙目になってる。カワイイ。 彼女はアイドル顔負けの男心をくすぐる幼な顔にして、スタイル抜群。 僕の冗談を面白がって、いつも吹き出しそうになるのをこらえるのがくせだ。 「プッ」 肩を震わせて我慢してる・・・でも、そこがカワ... 続きをみる

  • 水晶玉

    「水晶玉」メイキング・エピソード 洒落たガラスの小瓶を知人からいただいたの、ビー玉を入れて飾ったら涼しげでしょう、と妻が言うので、昨日の仕事帰り、ビー玉を求めて100円ショップに寄った。玩具コーナーからガラス製品コーナー、文具コーナー・・・置いてありそうな棚を片っ端から探したが見当たらない。 若い女... 続きをみる

  • 終わりなき報復

    深夜、サルディが屋敷に到着すると、ブラッコは書斎に直接招き入れた。 「長い一日だな」 年老いたブラッコが溜息をついた。目の周りに刻まれた皺が深い。今日一日で五歳は老けた。 「レ・オーニの野郎、戦争でもおっぱじめる気でさぁ」 ブラッコは長年、シンジケートのボスとして君臨してきた。街は実質ブラッコが支配... 続きをみる

  • 七夕二題

    ヴェガとアルタイルを結ぶ星間トンネルを連絡船『カササギ』は帰途についていた。トンネルは16光年離れた二星をわずか45分でつないでいる。だが、トンネルが使えるのは一年に一度、7月7日の夜だけだ。 ヴェガ星人との愛の交歓を終えた大勢のアルタイル星人たちが船内に座っていた。ある者は、先刻別れを惜しんだヴェ... 続きをみる

  • 立ち上がれダック

    耳をつんざく轟音。また母艦に敵ミサイルが命中したのだ。非常回転灯が艦内を赤く染め、警告音がけたたましく鳴り響く。 「ママ!」僕は叫んだ。 宇宙防衛軍母艦マザーが反乱軍戦闘機の奇襲を受けて多大な損傷を受けて惑星の海に沈んでいく。 僕を母艦甲板のステージに留めていた固定装置が解除され始める。 「ダック、... 続きをみる

  • # ショートショート
  • しやわせ販売中

    「宝くじが当たった!」「好きな人と結ばれた!」 今、そんな歓喜の声とともに、全国で話題となっている「しやわせのはなくそ」をもう御存知でしょうか。 インターネットのクチコミから広がり、昨今ではTVや雑誌でも取り上げられた、この幸運のはなくそ。 その驚くべき開運効果はもとより、なんと6歳の虎美ちゃんがは... 続きをみる

  • 望絶の庵貘

    3:15AM 書道家貘庵(ばくあん)は、目を覚ますなり突き上げてくる嘔吐に便所に駆け込み激しく吐瀉した。夕餉に食した全てを吐いたであろう。口をすすぎ、汗ばんだ体を拭い、妻を起こさぬよう縁側で暫し休む。 3:45AM 今度は激しい便意を催す。貘庵、恥ずかしながら便秘である。一週間以上お通じがない。ここ... 続きをみる

  • 不発弾

    不発弾処理班の二人の男が自衛隊のトラックから降り立った。警察、自衛隊、工事現場関係者たちが全員敬礼する。二人の噂を知らぬ者はなかった。不発弾処理のプロ中のプロ、ヤッホー山田とアッホー坂田である。 「わてらが来たからには鬼の黒棒です。すぐに半径300㎜以内から退去してください」 「わ・・・わかりました... 続きをみる

  • ワレワレ詐欺

    近未来の日本。 首相官邸危機管理センター内の情報連絡室に、首相を先頭に国防大臣、側近がドヤドヤなだれ込む。到着を待ちかねていた博士が駆け寄る。 博士「深夜に申し訳ありません。わが国、いや、全人類始まって以来の大事件ですぞ・・・」 概要を電話で聞いていた首相が尋ねる。 首相「博士、最初に宇宙からのメッ... 続きをみる

  • マイハニー

    眩しいくらいの夏の朝。我が家の花壇は、ポーチュラカを最前列に、日日草、サルビア、ヒマワリと咲き誇っている。生け垣のキョウチクトウの花までが夜中の雨に洗われてみずみずしい。雨露が急激に蒸発しているせいであろう、庭一面、湯気が立つほどモワンと暑い。蜂たちの絶え間ない羽音がさらに暑さを増幅している。私は顔... 続きをみる

  • 完壁なる侵略

    カランコロン・・・ ドアベルが嗚って、背広姿の先輩が街外れの喫茶店に入ってきた。店内に客は僕一人きり。管野美穂と萩野目洋子が表紙を飾る週間誌を慢然と眺め、暖かい珈琲を綴っていた。僕は、先輩を見つけると手を拳げて合図した。店内には李節がら、X'masソングが流れている。 「よお、久しぶり。元気か?」先... 続きをみる

  • 美術館泥棒

    資産家大竹三太夫の私設美術館「雲仙国際造形ミュージアム」に、美術館泥棒「ブラックジャック」から犯行予告が届いた。三太夫は警察に通報するとともに名探偵金田一玉三郎を雇った。 「金田一です。あなたが館長の大竹さんですか?」 「いえ、以前は館長をしておりましたが若い者に譲っております。ですから、私は旧館長... 続きをみる

  • ○○○○

    昔、ちょっと物知りを鼻にかけた和尚さんがおりました。 この和尚さん、齡五十ばかりの頃に具合を悪くしまして、町医者に診てもらいました。ひととおり診た後に町医者が尋ねます。 「それで和尚様、○○○○はございますかな?」 ○○○○?和尚さん、この言葉を御存知なかった。だが、物知りを自負する和尚さん、つい、... 続きをみる

  • 抜き打ちテスト

    「よ~し、じゃあこれから抜き打ちテスト、始めるぞ!」 「ええっ」 僕たちは鳩が豆鉄砲を食らったみたいな顔を互いに見合わせた。 「ええっじゃないだろう?そこは!わ~いと言いなさい。よ~し、じゃあこれから抜き打ちテスト、始めるぞ!」 「・・・わ~い・・・」 「よ~し、じゃあ問題を・・・」 長谷川先輩が勇... 続きをみる

  • 気になる

    「そうしたいのはツインピークスだが」 「部長、それを言うならヤマヤマ!」 7秒もの凍った空気。定例会議の出席者全員が沈黙、微動だにしない。そして、部長の小さな小さな舌打ち。えっ・・・?お、俺が悪いのか?部長!俺はツッコミでナイスフォローしたんじゃないか・・・感謝されこそすれ・・・それは責任転嫁という... 続きをみる

  • 霊気、感じます?

    厚い雲が低く垂れ込めた空の下、高層集合住宅が重苦しく並んでいる。 そのうちの一棟の一室に霊能力者は招き入れられた。 白装束に大きな数珠を首に下げている修験者とその弟子の若者である。 その部屋は老夫婦の二人暮らし。婦人が霊能力者をリビングへと連れて行く。リビングで新聞を見ていた夫は来訪した二人を見て軽... 続きをみる

  • あめふりくまのこ

    おやまにあめがふりました あとからあとからふってきて ちょろちょろおがわができました いたずらくまのこかけてきて そうっとのぞいてみてました さかながいるかとみてました なんにもいないとくまのこは おみずをひとくちのみました おててですくってのみました それでもどこかにいるようで もいちどのぞいてみ... 続きをみる

  • 赤頭巾

    オオカミは草叢にしゃがみこんで伏せていた。 -なんだろう?自分をとらえてはなさない、この衝動は?・・・そして同時に湧き起こる、この不安は? 衝動。いつの頃からか一つの衝動がオオカミの心中に沸き起こりフツフツと滾り、己の意志では制御不能に陥った。 -人間を食いたい。幼い娘を食いたい。美少女であればある... 続きをみる

  • 『空と香り』2

    「はい、どうぞ」 そう言って、小さな硝子のテーブルにコーヒーカップを置く。 「ありがとう」 彼女は礼の言葉をくれながら、持ち帰ったケーキを箱から取り出した。 フォークを置いた皿を彼女に渡すと、持っていたケーキをそこに置く。 「紺野さんはザッハトルテが好きなんですか」 「うん。苦めのチョコが好きだから... 続きをみる

  • うほうほのつとひ

    「頼む。押してくれ。それが解決の『一つの方法』だ」 「それが解決になるのか?」 「なら、お前が今、一時停止したボタンの隣のを押すんだ。頼む」 「あ、ああ・・・まあ・・・」 「そんなことはどうでもいい。俺をかわいそうと思うか?紙おむつ一個でこのザマだ」 「ああ・・・でもなんでお前と話せる?」 「お前、... 続きをみる

  • 『空と香り』1

    彼女を部屋に呼んだ。 出逢って、まだ一ヶ月。 もしかしたら断わられるかもしれないとも思って誘う。誘った時は、出逢ってまだ二週間と経っていなかった。 「俺、一人暮らしだから。嫌なら外でもいいよ」 でも彼女はOKだと言った――。 最寄り駅から程近いワンルームマンション。駅のホームで待ち合わせた。 電車か... 続きをみる

  • 素麺レシピ

    ちょっと趣向を変えて、本日、素麺の僕流、正しい作り方を指南いたしましょう。 ちょっと変わった素麺とかじゃない、ごくごく普通の素麺の作り方ですぞ。 ご教示無用、簡単至極ですって?・・・確かに簡単。簡単だからこそ奥が深いのである。 まずは麺ツユ。冷蔵庫から出した、このガラス製麦茶ポットに入っているのは、... 続きをみる

  • マザーファッカー!

    家族団欒の夕餉を始めた途端、ドアが壊され、窓は割られ、銃をかまえた国家治安維持部隊数名が乱入した。僕は妻と娘を抱き寄せた。僕の不注意だ。ここ数日、隣アパートの老婆がカーテンの隙間から僕たちを監視しているのに気づいていたのに。老婆が政府に僕を密告したのだ。 隊長は、食卓に並んだ夕食を見下ろしてニヤリと... 続きをみる

  • 脱力ホラー

    がっかりすること請け合いのこういう脱力ホラーはいかがでしょうか。 はいっTVを御覧の皆様、お久しぶりです。 「恐怖の映像見ずにいられない仰天スペシャル」、略して「きょうえいみずぎスペシャル」スタッフが今回取材に訪れたのは千葉県浦安市某所の心霊スポットです。 営業の差し障りが懸念されますので、場所は伏... 続きをみる

  • ウラシマ

    目を開けて、隣に横たわる彼女を見る。上気した顔、汗で額にはりついた髪が、先程の情交の激しさを物語っている。息づかいに合わせて乳房が上下する。その膨らみとその頂上のまだ固い先端を、僕は右手で覆う。彼女が全身をビクッと震わせ溜息、そして僕の右手に左手を重ねた。 生きている。これが生きているということだ。... 続きをみる

  • タイムマシン製造法

    インテリジェントビルの最上階、役員室。ノッポの男とコブトリの男がソファに並んで座っている。大富豪のハインツ氏は、デスクの上に両手を組んで二人に話していた。 「あるパーティーで飲んでいたとき、ひょいとタイムマシンを作る方法を思いついたんだ。翌日速攻でタイムマシン製造プロジェクトをスタートした。もちろん... 続きをみる

  • ロミオとジュリエット

    社員食堂で昼食をとっていた。同僚のミチコが肩をつつく。 「ねぇ、ジュリ、ミツオ君とはどうなのよ?」 「どうって相変わらずよ。すぐにどうのって思ってないよ。今のプロジェクト終わってから・・・」 「いいのかな~?受付の白石さん、上司から好みの男性のタイプ聞かれて、ミツオ君って答えたそうよ」 「え?まさか... 続きをみる

  • ハイブリッド・オナニー

    今回、虎犇リビドー炸裂のお下劣文である。18歳未満の悦読は心身発達に悪影響あり。控えられるが賢明であろう。 ハイっという訳で、今晩は!わしじゃよ、わし、闇雲鉄槌じゃ。 いや~忘れちゃ困るなぁ、ブログ「鉄槌乱れ撃ち」で大人気ブロガーのテッチーじゃよ~ エ?なんでそんなにテンション高いのかって?・・・い... 続きをみる

  • かちかち山裁判

    (2009年3月18日のニュース記事より) 殺さなくても別の方法があった。香川大教育学部付属坂出小=香川県坂出市文京町=6年東組で、このほど行われた模擬裁判で、昔話の「かちかち山」事件で、おばあさんを殺したタヌキにやけどを負わせた上、泥船に乗せて沈めて殺したウサギ被告に対し、6年生裁判員らは、懲役9... 続きをみる

  • 惑星ジパング

    ブースター噴射!大轟音とともに宇宙船は上昇し、惑星ジパングを離陸した。 乗員席でボクはGに耐えた。ボクの左手は、隣に座るミランダの右手をさらに強く握りしめる。 ボクだけのミランダ。君を助け出して見せる。 さらに加速。時間がない。早く逃げなければ。惑星ジパングからできるだけ遠くへ。 数分後Gが弱まった... 続きをみる

  • 双六

    →て、目を閉じた。 なんで?なんでアタシは目を閉じたんだっけ? ゆっくりと瞼を上げる。安アパート、いつもどおりのアタシの部屋。コタツに入って背中を丸めている、ひとりぼっちのアタシ。TVでは相も変わらず、新春初笑い番組の垂れ流し。コタツの上いっぱいに、なぜかスゴロクが広げられている。・・・そうか、お正... 続きをみる

  • イヌのおんがえし

    老人が農作業を終え自宅に戻る農道において、白犬ポチが少年3名に囲まれ暴行を受けている現場に遭遇した。 「ええいっ薄汚い犬畜生、これでも喰らえっ」「キャイーン、キャイーン」 ここは早速止めに入るべきだが、犬狩り不良少年たちがジジイ狩りに転じる危惧さえある。より深刻な事態を回避する手段として携帯電話でこ... 続きをみる

  • テネハパの日

    「人間はん、人間はん」 ボクを呼ぶ宇宙人の声。マンガに夢中になっていたのに。マンガを投げ出して部屋の真ん中の空間を睨む。 「おい、その人間はんっていう呼び方、やめろよ。なんか用か?」 「おたくらかて、宇宙人のこと、なんたら星人、呼びますさかい、おあいこでんがな。アース星人よりええやろ」 数日前突然、... 続きをみる

  • それがお前の堅義なら

    「お客様の笑顔がすべて!」店長が叫ぶ。 「お客様の笑顔がすべて!」僕たちバイトが負けじと声を張る。 「信用第一、利益は二の次!」店長がさらに哮る。 「信用第一、利益は二の次!」僕たちも目を輝かせて繰り返す。 恒例の朝礼、誓いの言葉の復唱。きっと同じ時間に、全国の開店前の大黒バーガーで朝礼の復唱が行わ... 続きをみる

  • うそつき

    「博士、モロダ博士」 博士「おお、オシエロ君とオネダリちゃんじゃないか。今日も自己解決を放棄して他力本願の質問責めに御来訪か」 オシエロ「博士、今日も今日とて辛辣だなあ」 オネダリ「博士、月の満ち欠けについてご教示ください」 博士「いいとも。月の満ち欠けのことを朔望(さくぼう)、虧盈(きえい)という... 続きをみる

  • 24時間営業のファミレスで遅い夕食の後、コーヒーを啜っていると、テーブルに近づいてくる気配を感じた。 ドッカリ対面(といめん)のソファに巨体が沈む。・・・田崎だ・・・。 「おい、坊や、相変わらずシケたツラしてるな」 「田崎さん、久しぶりですね・・・元気でしたか?」 田崎が睨みつけると、ボクは昔みたい... 続きをみる

  • 「ケーキ戦争」書評

    そう、今回の秘宝館、「バベルの誤算」に続く書評である。パク・ギルチョンの二冊目を読了した。今回、紹介するのは、『ケーキ戦争』(パク・ギルチョン著・夏草図書出版・2005年刊・1995円税込)。この作家、バベルでは、アボラとバニラという架空&仮想の二国が登場していたが、今回のケーキ戦争、ンジャラライ島... 続きをみる

  • 卑怯探偵

    「こ・・・こいつはひどい」 死体を一目見て、長年見慣れているはずの警部さえ青ざめ、眉をひそめた。 フロント嬢の星野ひかるが死体を一瞥、両手で口を覆いトイレに駆け込む。狡井探偵は無言でトイレに行き、女性を介抱する。探偵に付き添われて女性がロビーに戻る。顔色が悪い。 警備員の北晃一が死体を見てニヤニヤ笑... 続きをみる

  • 栄光と挫折

    中学2年の2学期はじめの学級会、僕は立候補して図書委員になった。 読書週間のあと、わがクラスは図書貸出全校NO.1となり、僕は全校集会で表彰状を受け取った。 図書委員長の発表した、わがクラスの貸出冊数は・・・なんと2位学級の貸出冊数の10倍だった。 クラスの男子はガッツポーズで歓声を上げた。皆で協力... 続きをみる

  • 発条

    誕生日。有給休暇を二日とって家族3人で過ごした。 愛妻が腕によりをかけて作った、大好物の仔牛のシチューを堪能した。3歳の一人娘と一緒に、ケーキの上の33本のロウソクを一気に吹き消す。娘からのプレゼントは、妻と一緒にクレヨンで描いたパパの絵。 この幸せを、夫として、父親として、守り続けなければならない... 続きをみる

  • 「バベルの誤算」書評

    全く趣向を変えて、今回の秘宝館、最近読了したSF小説の書評をお届けする。 「韓国SFの金字塔、本邦初訳!」「衝撃のラスト!」のオビに惹かれて購入、作者や作品に予備知識がなかったこともあって意外と楽しめる読み物であった。紹介するのは、『バベルの誤算』(パク・ギルチョン著・夏草図書出版・2004年刊・1... 続きをみる

  • 痛いぞ血出痔

    「・・・・・・・・・・・・和尚さん、和尚さん」 穴黒寺の和尚さん、読経しておりますと、お堂の外から呼ぶ声がします。外を見ると、なんとも貧相な鹿が水着姿で立っているではありませんか。 「おお、君は血出鹿くんではないか。何だね?そのエッチな黄色のスク水は?」 「・・・・・・・・・・・・あ、和尚さん、そこ... 続きをみる

  • プラセボ効果

    プラセボ効果=プラシーボ効果、偽薬効果。薬効成分の入っていない薬を処方しても、薬だと信じ込むことによって何らかの改善がみられることをいう。 どうしようもない倦怠感。手や足を上げるのさえ億劫で、三日欠勤した末、重い体を引きずって病院に行った。 診察室に入ると、華奢な体躯の若い医師が対応した。大きなマス... 続きをみる

  • 大魔水怒る

    都心地下数百mにこんなにも巨大な地下施設があったとは・・・ NHKそして在京民放キー局から厳選された報道カメラマン全員がSF映画さながらの巨大施設に圧倒された。 巨大地下聖堂のような施設内部中央は、円筒型ガラス水槽で貫かれていた。水族館円筒水槽そっくりだが、それを遥かに凌ぐスケールであり、満たされた... 続きをみる

  • 猫の手ワンワン

    夜、眠りにつく前。あれこれともの思いをしていると、ふと過去の恥ずかしい記憶がよみがえり、その時の恥ずかしさがどんどん増幅して頭を占拠し、もう居ても立ってもいられなくなって、身悶えしながら叫んでしまう・・・なんてことはないだろうか。 「ウギャギャギャギャ~!」とか、「くそっくそっ死ねっ」とか・・・そん... 続きをみる

  • 注文のない料理店

    「ママ~おなか空いちゃったよう」 「勇太、我慢しなさい!おっきな道に出たらすぐお店に入るから!」 五月、大型連休、家族にせがまれて親子三人小旅行の帰路。高速の渋滞を避けてマイカーで田舎道を走っているうちに、とんと迷ってしまった。日はとっぷり暮れ果てて、勇太は空腹に泣きそうな声、ママは地図を睨んだまま... 続きをみる

  • 女房と畳と

    「女房と畳は新しいほうがよい」なんて言いますが、まさに実感!女房は新しいのに限りますね。 女房は毎年、歳をとっていきます・・・正直、飽きちゃうんだなぁ。 そしたら思い切って捨てちゃう。 新妻にスッパリ変えてしまうんです。冷酷非情だ、無慈悲だとお感じに?イエ、ボクはかまやしません。 気持ちいいですよ~... 続きをみる

  • カンちゃんジット君

    TVレギュラー番組多数、お茶の間の人気者バーポ君、突如県知事選に立候補し見事当選いたしました。 今日も今日とてTVに出演して県特産品の猛アピールです。バーポ君、いつ知事の仕事をしているのでしょうか? 折しも、当県の上空に未確認飛行物体が出現!碁石玉の形の銀色の物体が空中百mにピタリ静止しています。世... 続きをみる

  • 非緑民

    あ、また来た。 性急なチャイムの押し方で、町内会分別収集担当婦人だとわかる。 妻がうんざりした顔で嘆息、玄関へ向かう。 案の定、分別婦人だ。「地球にやさしい緑の市民」と白抜きロゴも誇らしげな、真緑の上下ジャージ。こんなの似合うのはあんただけだ。三角ぶちのミドリ眼鏡がキラリと光る。 「朝、早くに失礼い... 続きをみる

  • 『躑躅』2

    人が嫌い、そう紗依は言った。 でも、それは事実じゃない。 再婚同士の両親と連れ子の妹、そして腹違いの弟。次第に疎まれてゆく自分。 決して何も言わない自分と、避けるように接してくる義母。 大学だって家を出たかったから受けただけ。早く働いて家を出たい。ただ就職には困難な時期にあたった。 いつしか、人から... 続きをみる

  • への一番

    東海道中、滄海の彼方に白富士聳える景勝地由井の宿場に、若武者、大木音大郎(おおきおとだろう)投宿した。夜半、旅籠の隣部屋襖ごしに放屁の音、高らかに響き渡る。音大郎、その音質音量の尋常ならざるに吃驚した。豪の者は豪の者を知る。ただ一音にして隣人の大人物なるを見破った。 早朝、彼の宿を立つ気配、音大郎忍... 続きをみる

  • 『躑躅』1

    そこにいる、この人を私は知っている――。 春。 皐月紗依(さつきさい)は大学三年に無事進み、キャンパスでは葉桜になった木の下で、今度はつつじが咲き誇っていた。 午後の授業のある日には学食で昼食をとり、その後キャンパスの奥にある小さめのベンチに一人座り、文庫を読む。それは紗依の、お決まりのコースだった... 続きをみる

  • 王様、御安心を

    時は18世紀、歐州佛蘭西、激動の佛蘭西革命の頃のお話でございます。 その頃、ルイ16世という王様が佛蘭西を支配しておりました。御仁、マリー・アントワネット王妃の旦那でございます。困窮する国民がパンも食べられぬと聞き、「パンがなければお菓子を食べればいいじゃない」とのたまった、わが国の勘違いタカピー馬... 続きをみる

  • ドードー蝿

    プシュー 冷凍睡眠ポッドのカバーがゆっくりと開く。初老の男がポッドの中に座っている。 何百もの冷凍睡眠ポッドが整然と保管された地下シェルターは旅客機格納庫並みに広い。その中央コンコースに置かれた、その冷凍睡眠ポッドに博士や記者や警官ら十数名が注目していた。 ヤビス・トラヴィス博士がポッドの中の男に話... 続きをみる

  • 真夜中の男

    真夜中、いつものように男はやって来た。 いつだって自分の都合のいい時に私のとこを利用している。それは十分にわかっているのに・・・私はこうして待っている。 彼が微笑むと、つい私も愛想よく微笑んでしまう。いつもそうだ。つい微笑んで受け入れてしまう。 「ここ、コート掛けといていい?」 男は返事を待たずに入... 続きをみる

  • 妖精は今

    真夜中、小児病棟、集中治療室。ベッドで少女がうなされていた。 少女の右上腕静脈には点滴が施され、自動制御装置によって規則的に薬剤が注入されている。左足親指に巻かれたセンサーは脈拍及び動脈血酸素飽和度を表示するモニターへと繋がれている。それぞれの機器からは間断なく小さなビープ音。部屋の隅には酸素吸入器... 続きをみる

  • コッケコッコー

    リビング。 団欒の時間帯・・・のはずだった。 妻と私。 ふたりきり。 私「・・・」 妻「テンテンテンじゃないわよ。何とか言いなさいよ」 私「いや、今回のこれは浮気とかそんなのじゃなくて」 妻「じゃ、なんなのよ?」 私「こ、これは、クーリッジ効果だ」 妻「何よ、それ?」 私「アメリカ合衆国第30代大統... 続きをみる

  • 私はダイコン

    「そうですね・・・恥ずかしいけどダイコンが好きなんですよ。肉料理とかお洒落な料理とかもいいんだけど、素朴なダイコンの方が好きなんです。おでんもダイコンおろしもいいなあ・・・あ、中でも、お刺身とかに付いている「ダイコンのけん」、あれ、大好きなんですよ。コクのある刺身醤油とワサビをちょこっとつけて口に入... 続きをみる

  • カルテジアンZ

    (タイトルテロップ・・・逆巻く火焔の中に「カルテジアンZ」の文字がズームアップ。主題歌。) ♪おまえの頭の真ん中に~♪おまえを操る俺がいる~ ♪科学という名の悪魔ども~♪戦うおまえに俺がいる~ ♪ホ~ムンクルスと呼ばれても~♪揺るがぬ自分がここにある~~ ♪倒せっ!(アッ)♪挿せっ!(アン)♪突きま... 続きをみる

  • 『桜の樹に宿る精霊』4

    幾星霜。 桜の樹に宿り、人を見送る。 我、桜が精霊にあり。 * * * 今日から桜祭りが始まる、と母からの電話に一緒に出かけることにした。 車を出して、我が子を乗せる。 後部座席のチャイルドシートに、嫌がる子供も多いと聞く。 でも、うちの子はお出掛け大好き。これに乗ると何処かへ行けるとインプットされ... 続きをみる

  • 『桜の樹に宿る精霊』3

    幾星霜。 桜の樹に宿り、人を見送る。 我、桜が精霊にあり。 * * * 川沿いに並ぶ桜に、花が咲く。 暖かな陽射しを受けて、ゆっくりと開く蕾。一方で早咲きした木々からは、早くも花びらが落ちてゆく。 孫と一緒に出かけた祖母は、引っ張られるように土手を歩く。 「おばあちゃん、きれいね~」 きっと、母親か... 続きをみる

  • 鉄槌花の雫

    (ブログ「鉄槌乱れ撃ち」4月4日投稿記事) 『桜花爛漫である。万朶の桜の下酔い痴れる花客の何と夥しいことか。 その桜に鉄槌じゃ!! 桜の花、本当に美しいか?よう見てみなされい。まぶりこんこんと枝に犇き群がる花クソを! わしには、食い尽くしたトウモロコシの芯に見えるのじゃが! 枝にビッシリ産みつけられ... 続きをみる

  • 小型車

    最新の自動車が一同に集められたモーターショー。 ひときわ注目を集めるブースがあった。 フラッシュを浴びる、その車は未来的なフォルムの超小型車である。 ボディは白と黒の幾何学的なゼブラストライプ。車体上部のループと窓枠は黒く塗られている。奇抜だ。 だが、何より小さい。とにかく小さい。 記者たちに囲まれ... 続きをみる

  • 『桜の樹に宿る精霊』2

    幾星霜。 桜の樹に宿り、人を見送る。 我、桜が精霊にあり。 * * * 冬。 その寒さの下で、樹は春を待つ。 それでも寿命が近づくと、樹は離れろと告げてくる。 精霊を失う樹は、一気に枯れ果てる。 我は、再び宿る樹を捜すため、最期の花びらを吹雪かせる。 悪戯で、小さな子供が枝を折った。 樹の悲鳴は、聞... 続きをみる

  • 『桜の樹に宿る精霊』1

    幾星霜。 桜の樹に宿り、人を見送る。 我、桜が精霊にあり。 * * * 言葉は残酷。 たった一言… たった一言の告げ口だった。 決して、彼を失脚させるつもりじゃなかった。 彼の名で公表される、私の作品達。 いつも手柄を取られてしまうようで、もう我慢の限界だった。 だからこそ、一言だけ。それも打ち上げ... 続きをみる

  • お願い、ブルース

    2009年7の月、世界は未曾有の危機に晒された。 地球に巨大隕石群が接近していたのだ。 まず、地球上空600㎞の上空軌道を周回するハッブル宇宙望遠鏡が地球へと向かう巨大隕石群を捉えた。 アメリカ航空宇宙局NASAは、その位置を正確に割り出すために、極秘裏に世界中の天文台に観測を依頼した。 こうして集... 続きをみる

  • バックアップ

    矢菱博士の声が地下研究室に響き渡った。 「野田君!意識ダウンロード計画第2弾の結果発表じゃ!・・・おっと、その前に、ゴーマン会長に黙祷!!」 矢菱博士と野田助手は実験室の壁に掛けられた黒い縁取りの写真に向かってコウベを垂れた。 白黒写真のゴーマン会長は、額に血管が浮き上がるほど激怒している・・・ 1... 続きをみる

  • バクスターによると世界は

    「・・・バクスターって男を知っているかい?」 「・・・バクスターって、バクスター効果の?」 「ああ、知ってるんだ」 「植物が話せるって提唱したってことかな・・・バクスターは嘘発見器の権威で、悪戯半分にサボテンに電極を着けてみて感情があることを発見したとか・・・」 「よく御存知で。サボテンじゃなくて観... 続きをみる

  • ダウンロード

    「おはようございます、お目覚めのご気分はいかがですかな、ゴーマン会長?」 ゴーマンがそろそろと目を開けると、二人の日本人が顔を並べて覗き込んでいた。 矢菱博士と助手の野田である。 「大成功ですよ、会長。あなたの意識をコンピュータにダウンロードすることに成功しました。御覧ください」 二人の日本人の顔が... 続きをみる

  • 本格エロ焼酎みひろ

    俺のお気に入りの焼酎は、「大楽聖」の芋。クラシック音楽を聴かせて醸造発酵している。これがうまい。 愛しさあまって、高速道路千円乗り放題の今、工場見学に行った。 鹿児島県薩摩川内、川沿いの県道から脇道に入った山間に工場はあった。 見学者は俺一人。ここに観光目的で訪れる者は珍しいようだ。事務所から出てき... 続きをみる

  • ホチキス

    いつものように職場に残ったのは一人きり。僕はヒィヒィ言いながら残業に追われていた。 年度末、未整理の仕事が山積みだ。仕事にも慣れて要領を掴んできた筈だが・・・年度末は必ずと言っていいほどこうなる。「アリとキリギリス」のキリギリスの心境がわかる気がする。 ドアが開いて、美鈴が戻ってくる。手にコンビニの... 続きをみる

  • 檸檬爆弾

    慎重に、慎重に、 安全装置を取り付けると、それは完成した。 僕はそのズシリとした作品を作業台に置き直し、ほれぼれと見つめ続けた。 ついに手作りの手榴弾を作り上げることに成功したのだ。 お手本はM26A1破片手榴弾。こいつの俗称は「レモン」。米軍がベトナム戦争で用い、自衛隊も採用している定番の手榴弾。... 続きをみる

  • エレベーター

    《登場人物》 焼肉専門店「牛姦」店長49歳男性 焼肉専門店「牛姦」従業員18歳男性(バイト) 焼肉専門店「牛姦」従業員27歳女性(美人) エレベーター技師45歳男性(正規社員) エレベーター技師25歳男性(派遣社員) 焼肉専門店の客66歳男性(老紳士) 焼肉専門店の客38歳男性(金持ち) 焼肉専門店... 続きをみる

  • 闇雲鉄槌危機一髪(後編)

    (前回のあらすじ)祖父さんが孫に見られてサァ大変。 「ケビョン!」 わしは画面に向かって叫んだ。 「まちがいない・・・ケビョンだ。こんな裸同然の姿にされて・・・不憫じゃ・・・」 「おじいちゃん、ケビョンって一体誰なの?」 「ココア、ついにこの秘密を話さねばならぬ時が来たようじゃ。実は、かつてわしは日... 続きをみる

  • おくりびとに鉄槌を

    最近巷で話題の邦画「おくりびと」。 決して悪い映画ではないが、世界的な高評価はいったい何だろう?? まるでアカデミー賞に箔をつけるためだけのような、本家同様商業主義的な日本アカデミー賞総ナメ受賞のサマを見て、闇雲鉄槌、不愉快に感じた。 以下、わしの「おくりびと」への鉄槌じゃ。 くれぐれもネタバレ注意... 続きをみる

  • 闇雲鉄槌危機一髪(前編)

    わしの名前は闇雲鉄槌。 ホッホッ、名前の通り、ヤミクモにテッツイを下すのが趣味のクソ爺じゃ。 今日も鉄槌を下すネタを探してネットを探索しようと思ったが・・・つい、習慣で「どっちの水着でshow」というブログサイトに行って別のネタ探しをしてしもうた。このブログ、毎日数名のグラビアアイドルの水着写真がア... 続きをみる

  • ミュンハウゼン症候群

    海が眼前に広がる藤棚のベンチにパジャマ姿で腰掛け、野々村は午後のひとときを過ごしていた。 「ちょっといいですかな?お話をうかがっても」 痩身の男が野々村に声をかけ、野々村の返事も待たずに隣に座る。 「尾崎と申します。出版編集をやっています。あなたの特異な体験を小耳にはさみましてね。実に興味深い。でき... 続きをみる

  • ももいろひなあそび

    ふと気がつくとアーケード街をひとり、千鳥足で歩いておりました。 3月というのに、なんとも暖かい夜です。アルコールに春の陽気が加勢して、私は久々に風俗で遊ぶ気になりました。 路地を抜けて歓楽街に入ると、色とりどりの電飾がそそります。 「お大臣!お大臣!」 私に声を掛ける男がおります。 見ると、古風な装... 続きをみる

  • 未来から来た男

    今朝もいつものようにコンビニに立ち寄った。下宿から大学にバイクで向かう途中、コンビニで飲み物や雑誌を手に入れるのが、最近の朝の習慣になっていた。 買い物してコンビニを出ようとして、入り口付近のラックを何気に見て、新聞の大見出しに目が止まった。 『未来人、逮捕』 な、何だって? 『2222年の未来から... 続きをみる

  • 俺には俺の納豆がある

    朝刊を手に茶の間へ。 細君が納豆コネコネしている。 「おや珍しいな、今朝は納豆か?」 「魯山人納豆を作っております」 魯山人納豆?細君の手元を見つめる。 ・・・見つめる。 ・・・見つめる。 ・・・見つめる。 「まだ、混ぜ続けるのか?」 細君が手を休める。 「合計424回混ぜなければなりません」 「ム... 続きをみる

  • 転送してくれ、スコッティ

    「ご無沙汰しました。矢菱鰹犇博士、先生の助手だった猫田です」 「おお、君は、矢菱虎犇の孫である私、矢菱鰹犇の助手を一年務めた後、単身渡米していたが、私の画期的な開発を聞きつけ緊急帰国、とるものとりあえず昨年11月に私の研究所に駆けつけた猫田君じゃないか。3カ月ぶりの登場だね」 「実際の会話ではありえ... 続きをみる

  • 千の鼻毛になって

    私は鼻毛が長い。 鼻毛というのは、抜けば抜くほど伸びてくるものらしい。 しかも、抜くたびに毛根が外に引っ張られるので、鼻毛が鼻の外に向かって伸びるようになるらしい。 じゃあ、引っ張らなければよいのだが、無性に抜きたくなる。 ブチッという音と、激しい痛み。 ク~ 痛い。涙がちょちょぎれる。でも、やめら... 続きをみる

  • ジュテーム、ジュテーム

    トラオはミヒロのパンティの中に右手を差し入れた。そしてミヒロの秘部を指で刺激した。 クチュ・・・クチュ・・・ 「やめて、トラオさん・・・そんなことされたら、ミヒロ、おかしくなっちゃう」 しかし、トラオは容赦なく、刺激をミヒロの真珠へと集中してゆく。 ミヒロが甘い息をもらす。 「ミヒロちゃん、ホントに... 続きをみる

  • パパの背中に霊が

    妻が死んで四ヶ月・・・小学生のタカシとの二人暮らしにもだいぶ慣れた。 母親をなくしてもタカシが一度も泣かないのは助かった。 妻の生前から俺には愛人がいた。今となっては、妻の監視の目を盗む必要はなくなったのだが、タカシの世話がある、週末タカシが寝てから愛人のアパートに出掛けた。 そんなある日の休日、俺... 続きをみる

  • コールド・リーディング

    カンナギ氏が、会場に集まった人々をステージの上から見渡す。 「みなさんの中に幼いヒロ君を御存知の方がいらっしゃいますか?」 会場がざわめく。一人の三十代半ばの女性が手を挙げた。 カンナギ氏は、ステージに上がった女性を観察した。 「とても小さいね、ヒロ君は・・・3歳くらいだ」 「そうです。3歳になる前... 続きをみる

  • 増殖人形

    ふと立ち寄ったコンビニで「人形の国のアリス」の食玩1個を買ったのが始まりだった。 入っていたのは、「ニセ海亀」。その、海洋堂による造形の素晴らしさ・・・甲羅の一枚まで塗り分けられている・・・ジョン・テニエルの絵が飛び出してきたような興奮。 それからというもの、毎日コンビニに寄って、フィギュア目当てに... 続きをみる

  • 宇能鴻一郎風物語

    うのこういちろうふうものかたる アッ・・・ 急にあたし、半分ぬがされると・・・ 主人はたまらず、熱い液体をあたしの中に、ほとばしらせたんです。 あたし、ビックリしちゃって・・・ただ、されるままになっちゃった。 だって、いきなりだったんですもの。 あたしの中、限界ぎりぎりまで、熱い液がいっぱいでこぼれ... 続きをみる

  • なぞなぞのタブー

    ある朝、動物園からキリンが消えた。 日本の動物園だけじゃなかった。世界中の動物園からキリンが消えていることがわかって、世界中、大騒ぎになった。アフリカの保護区のキリンさえもすべて。地球上のすべてのキリンが消えたことが判明した。・・・なぜ? その数日後、今度は象が消えた。キリン同様に、象もまた、一夜の... 続きをみる

  • カーゴ・カルト

    我々、「不気味発見!」スタッフは、ボートを2時間漕ぎ続け、目的地ボツリヌス島へ到着した。砂浜で、島の案内役兼通訳が待っていた。 「ようこそ、ボツリヌスへ。ちょうど儀式の準備をしているようです。カーゴ・カルト撮影のチャンスですよ」 我々スタッフは色めき立った。 「旧日本軍が建設した飛行場の跡地です。こ... 続きをみる

  • 冷たいララバイ

    僕は何度も繰り返し彼女の名を叫び、絶頂に達した。 激しい興奮の波が引き、息を整えると、彼女の中からゆっくりと抜いた。 隣にごろりと横たわると、彼女の様子を見る。 七海は目を閉じたまま、ぐったりと動かなかった。 僕は、ゴムを外して処理すると、もう一度、七海の可愛い顔を両手で包んで柔らかな唇を思う存分吸... 続きをみる

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