ショートショート『バーゲンの女』
妻にそろそろ飽きてきたので、売ることにしたんですよ。 あんまり古くなっちゃあ売れなくなるでしょ?売れるうちに売っとかなきゃ。 まあ、これがギリギリ限界かなって。 二束三文で買いたたかれて、一応店頭に並ぶんだけど、買い手がつかないまま埃りかぶるってのがオチ。 店も不良在庫にならないようにってんで、ワゴ... 続きをみる
妻にそろそろ飽きてきたので、売ることにしたんですよ。 あんまり古くなっちゃあ売れなくなるでしょ?売れるうちに売っとかなきゃ。 まあ、これがギリギリ限界かなって。 二束三文で買いたたかれて、一応店頭に並ぶんだけど、買い手がつかないまま埃りかぶるってのがオチ。 店も不良在庫にならないようにってんで、ワゴ... 続きをみる
アナ「ちんぷんかんクッキング、本日ご紹介するお料理は、『大人になりたかったよサラダ』です。本日の講師小練逍雲先生、よろしくお願いします」 逍雲「ハイ、よろしくネっと」 アナ「渋い声ですね。今日は若山弦蔵ですか?日高晤郎?」 逍雲「近藤洋介で」 アナ「渋いとこ来ましたあ。で先生、今日はまた変わった名前... 続きをみる
「保安官、あそこでさぁ」 牧場主が指さす先に、死体が転がっていた。 青々と生い茂るティモシーの葉陰に見える赤褐色に変色した塊が見えた。 保安官がサングラスを外し、若い保安官助手と顔を見合わせ肩をすくめた。 並んで丘を下りながら、スカーフで鼻から下を覆う。 すでに腐臭と群がる蝿の羽音が届いていた。 二... 続きをみる
ここは地球から遥か離れた惑星『南極』。 フツーの南極じゃないかと錯覚するくらい南極っぽい星だ。 そんなわけで南極探検隊っぽく犬も二匹連れてきた。 ある日、犬がココ掘れワンワン、氷の下から生物の死体が出てきた。 基地に収容したら生き返っちゃって。調理室に忍び込んで料理長を食っちゃって。 で、この生物、... 続きをみる
都心に『正義の女神』が出現した。高層建築も膝に届かぬほど、とにかくでかい。 右手には剣、左手には天秤、目隠しをしたその姿は、正義の女神そのものだ。 のっしのっしと街を進めば、ビルは倒壊、道路は寸断。 防衛軍による砲撃も効果なし。対策本部は、女神とのコンタクトを図った。 「あなたは、神の使いですか?」... 続きをみる
畜生、またやっちまった。 シャワーを浴びて髪を拭き拭き、冷蔵庫へ向かう。 ペットボトルの茶をがぶ飲みする。 う~頭が割れそう。 げ。 ソファの下に、見馴れないカタマリが。 まさか。 床に転がったソレをつまむとビロリと広がった。 やっぱり。 女ものの黒い下着。 何やらかしたんだよ、もう! ゆうべの記憶... 続きをみる
ほかの女じゃダメだ。彼女じゃなきゃ。 彼女の大きな瞳!どんな宝石よりもまばゆく輝いている。 その輝きをボクのものにしたい。彼女の瞳にボクだけを映したい。 屈託なく誘うボクを受け入れる日がある。拒む日がある。 彼女は揺れた。 「お願い。もう少しだけ時間をちょうだい」 雪の舞う午後、彼女は告げた。 かつ... 続きをみる
大阪都新技術テクノセンターは、堺市沖の工業団地一画にあった。 実験室は航空機の格納庫ほどに巨大だ。中央に『ゲート』が鎮座し、大阪都知事、副知事、助役らが一心に見守っている。 アーチ状の『ゲート』には、シャボン液に浸したリングのようなエメラルド色の皮膜が揺れていた。 膜が小刻みに揺れ、やがて渦巻くと、... 続きをみる
駅の駐車場に車を停めたまま母さんは車を降りようとしなかった。 仕方なく、自分だけ見送りに行こうとすると母さんが言った。 「何も話したらダメよ。あの子はあなたと住む世界が違うんだから」 いつもは誰とでも仲よくするように言うくせに。そんなの大人の都合じゃないか。 母さんが恐い目をした。 「言うこときかな... 続きをみる
夜空をふりあおぎ見上げ続けていると、 その途方もなさに心が震えてくる、 この広大な宇宙において、 137億年前のビッグバン以来誕生し消滅していった、 あらゆる恒星の総数と、 人類の祖先誕生以来、この地球上に生まれて死んでいった、 あらゆる人類の総数が一致して、 しかもその 「おめでとうございます。開... 続きをみる
吊り橋の中程で往来に人気のないのを確認し、靴を脱いできっちり揃えた。 『進入禁止』の表示を無視して欄干を乗り越えると、作業用の足場に降りる。 ワイヤを握りしめ直下を見下ろすと、先日の豪雨のせいで濁流が押し寄せていた。 これなら確実だろう。 ワイヤを握った手を緩めようとした、その時。 「あの、困るんで... 続きをみる
実を言うとわたし、主任のこと、憧れています。 確かに生真面目で周囲のウケはイマイチだけど、そこが魅力なんです。 とりわけ素敵なのは、主任が眼鏡を外すときの仕草なんです。 細い指先で眼鏡の端をつまんで、伏目がちに首を振って。 眼鏡を置いて、眉間に微かに皺を寄せ指先を押し当てる一連の動作! ああ、それだ... 続きをみる
10月10日は銭湯の日! 1010で『せんとう』っつうダジャレらしいっすよ。 つーわけで、 「ねぇ、ちゃんと風呂入ってる?」「姉ちゃんと風呂入ってないよ!」 「大浴場で大欲情!」みたいな、お風呂ギャグ乱れ撃ち、行ってみよう! 「あ、お風呂の脱衣場、見てみろよ」 「え?女の子がドライヤーで髪を乾かして... 続きをみる
どんより曇った蒸し暑い昼下がり。 けだるい日常の空気を引き裂くサイレンの音。 そのけたたましい音に振り返ると回転灯のオレンジがギラギラ閃くのが見えた。 救急車からの見えない波に、車たちが道路傍へと寄せられていく。 張り詰めたアナウンスの声が、切迫した状況を物語っている。 そのとき。 俺は、救急車の後... 続きをみる
凍りついた街の路地裏に、ひとりのおじいさんが倒れていました。 街を行く人のだれ一人、おじいさんを気にもとめません。 おじいさんのコートには早くも粉雪が降りつもろうとしています。 そのとき。 「大丈夫ですか、おじいさん」 雪をはらいおとして抱き起こしたのは、一体のポンコツロボットです。 弱りきったおじ... 続きをみる
「江尸時代の曰本は、世界有数の識宇率だった。当時、英仏など充進諸圄では、読み晝きできる圄民はごく一部のエリートに限れらていのただ。これは寺小尾の効積が犬きいだのよ」 「言わんとすることろはわかんるけだど、あんがた勉強したうほいがいぞ」 「魚へんの漢字、知ってる?」 「鮪、鯰、鰈、鯨、鱗、鰓、鰭・・・... 続きをみる
「試着してごらんになります?」 誘われるまま、試してみることにした。 店員が腰のリモコンを操作すると、フリスビー状の円盤が天井を飛んできた。 わたしの真上で静止、ゆっくりと回転する。わたしの全身をスキャンしているのだ。 まもなく、店の奥の試着スペースのカーテンを開き、ドレスを試着した「わたし」が現れ... 続きをみる
今日はビーチクリーンアップデー!! 海岸のゴミをみんなで拾い集めるボランティアの日なんです。 ええ、ボクたち家族、全員参加します。 ママが腕によりをかけてお昼を作ってくれたんです。 子どもたちも、なんだか遠足の日みたいにキャッキャッしちゃって。 楽しくボランティアに参加して自然を大切にする心を養う。... 続きをみる
「打ったぁ!これは大きいぞ。グングン伸びていく!」 スタジアムがどよめく。 ボールがバットに吸いつく感触で、真芯にとらえたことを確信した。 バットを放り投げ、両手を高らかに上げる。大歓声がオレを包む。 その瞬間が人生の絶頂だった。 たいして目立つ選手でもなかったオレがここ数週間、不思議なくらいツキに... 続きをみる
最大の難関、アイスフォールとの格闘四時間。 凍てついた氷壁に、わずかにアイゼンを食い込ませながら氷壁を攀じ登っていく。 平地の半分にも満たない酸素を求める自分の呼吸音、魔女の叫びにも似た零下三〇度の風。 一本のロープを頼りに崖上に体を引きずり上げる。 目を刺すほどの紫外線に晒された山頂がくっきりと目... 続きをみる
夏休み、実家に帰ってもなんだっつうんで、友だち四人でバイトやりまくって。 週末のバイト帰り、お疲れさんってことでみんなで焼肉行こうって話になって。 決まった途端、頭ん中でジュウジュウ音がしてきてヨダレをゴックン。 先輩に案内されるまま、駅裏のこじんまりした店入って。 そしたら先輩、入ったあとで、 「... 続きをみる
「いや~、よかった、よかった」 避難所に辿り着いてひと息、防災バッグを下ろすとペットボトルの水をグビグビグビ。 疲れきった初老の男が羨ましそうに近寄ってきた。 「少し、少しだけ分けてもらえませんか?」 男の後ろで、数名の老若男女の避難者たちがこちらに全神経を集中している。 「すみませんねぇ。ひとりだ... 続きをみる
研究室奥、侵入制限エリア。博士が暗証番号ボタンを押すと金属ドアが開いた。 「覚悟はできているね。入りたまえ」 ヴァイヲリンを手にした正装の一郎がうなずく。 そこは、壁のみならず天井も床も緩衝材で覆われた隔離室だった。中央には円柱形の檻。中に麻衣子がいた。 「麻衣子・・・」 だが一郎以外の誰が、あの美... 続きをみる
むか~し昔。 意地悪じゃない爺さんと、意地悪爺さんがおりました。 意地悪じゃない爺さんには、よいことばかりおこります。 意地悪爺さんには、わるいことばかりおこります。 それってちょっと可哀想だと思いません? それってつまり、 よいことばかりおこるのが、意地悪じゃない爺さんで、 わるいことばかりおこる... 続きをみる
三度目に越したアパートは、駅の裏路地に面した西日の疎ましい部屋だった。 モルタル二階建てのそのアパート一階には、スナックが数軒入っていた。 脇の階段をカンカン上がると五つの部屋が並び、その一番奥がボクの部屋。 駅から近いのは便利だったが、夜遅くまで酔客が騒いでうるさかった。 寝苦しいある夜中、ふと目... 続きをみる
うちの部落から森の掲示板へ下る坂道の右手に、繁った林の合間から広い田んぼが見渡せた。あんまり広かったので丘の上から湖を見下ろしている気分だった。 遥か向こう岸には色とりどりの屋根が連なって、その地区をみんなチロリン村と呼んでたっけ。 何よりボクを夢中にさせたのは、湖の中心に浮かぶ丸い島だった。直径何... 続きをみる
子どもの頃から人魚が嫌いだった。 「人魚は体にいいのよ。頭だってよくなるし」 母さんは無理に食べさせようとしたけど、好きになんかなれなかった。 刺身はもちろん、焼き人魚も煮つけもフライも干物もダメ。母さんが台所でワタをつかみ出しているのを見て、嘔吐したことさえある。 人魚が発見されたころは、世紀の大... 続きをみる
「ああ、いい女だなあ、と思う。その次には、話がしたいなあ、と思う。ね。その次には、もうちょっと長くそばにいたいなあ、と思う。そのうちこう、なんか気分が柔らかくなってさ、ああもうこの人を幸せにしたいなあと思う。もうこの人のためだったら命なんかいらない、俺死んじゃってもいい、そう思う。それが愛ってもんじ... 続きをみる
悲恋!昆虫男その1 人間女「ごめんなさい。あたし、やっぱり昆虫、ムリ」 昆虫男「人間男が忘れられないんだね。わかったよ。君さえ幸せになってくれたらそれでいい」 人間女「あなたって、なんて人がいい人!っていうか、昆虫女と二股してたんでしょ。なんて虫がいい虫!」 悲恋!昆虫男その2 人間女「だ、大丈夫?... 続きをみる
子どもたちが夏休みになって間もない、うだるような午後。 東京湾上空に、ゆらゆら陽炎のように黒い影が浮かんだ。 目を細めて見あげる人々。 やがて影は、巨大円盤と化していく。 「う、宇宙人の侵略だっ」 そのとき。 円盤が虹色の光を海面に向けて照射した。すると、光の中から大怪獣二匹が出現したのだ。 「両生... 続きをみる
「やったぁ!今日から夏休みだぁ!レッツ・エンジョイ・サマー!! せ~のぉ ザップ~~~ン! つって、海に飛び込んじゃったわけなんですよ。 そしたら、泳げないのに気がついて。 ブクブクブクブク やっべ、たすけて~! なんつってもがいてたら、スイスイ泳いできたウミガメさんに助けてもらって。 『ありがとう... 続きをみる
ここか。ここが例の奇跡の場所。 何の変哲もない駅前の宝くじ売り場。だが、三年連続1等が出て評判になった。 さすが奇跡の売り場、長蛇の列だ。早速、最後尾へ。 「あなた、がんばってね。あこがれのマイホーム、それからシステムキッチン!」 「パパ、エコカーも!」 妻と娘の息を弾ませた声を思い出し、懐の財布を... 続きをみる
気がつくと、そこは闇。 窓の外に目を凝らせば、微かに星砂の煌きが見えた。 ここは、宇宙だ。 そして、これはチンチン電車だ。 無限の宇宙空間に漂うチンチン電車の中、乗客はボクひとりきり。 運転席を見ると、運転手の大きな背中があった。 半透明の図体越しに、操縦席が透けて見える。 クラゲの運転手なんて初め... 続きをみる
雨に濡れた舗道の隅、女子大生が落ちてました。子猫みたいに震えて。 男に捨てられたんでしょうか。かわいそうに。 こんなオジサンですが、介抱してやりましょうか。 いや、この雨じゃ介抱もままなりません。 いっそオジサンちに連れ帰ってやりましょう。 いえいえ、お持ち帰りなんぞじゃありません。 ずぶ濡れの服を... 続きをみる
本土決戦と相成れば、地の利は我らにあり。必ずや形成逆転せしむるに違わず。 御前会議の席、徹底抗戦を唱える軍部指導者連中は頑なであった。 しかし、彼らとて心底、勝算があると信じていたわけではない。 降伏を飲めば、連合軍によって戦争犯罪人として罪を問われる立場であることを、彼ら自身重々承知していたからで... 続きをみる
気がつくと彼女、パインアイスになってたんです。 そうなの。あなたのことが好きで好きでしかたないから。あたしを食べて。 もちろん、イヤだと言いました。 いくらパインアイスになったからって、食べちゃうなんて。 そしたら、彼女、シクシク泣き出したんです。 すぐに溶けてしまうから。ベタベタになって消えてしま... 続きをみる
山野アナ「高校野球ファンの皆様、こんにちは。さあ、いよいよ始まりました、決勝戦。解説は鍛冶舎匠さんです」 鍛冶舎匠解説「こんにちは。あの、あとどのくらい残ってます?放送字間」 山野アナ「えっと・・・八百字までですので、残り七百字少々です」 鍛冶舎匠解説「それは大変だ。試合結果を最後までお伝えできるか... 続きをみる
「せ、先生、気になって仕方がないことがあるんですけど」 「何なの?恥ずかしがらずに言ってごらんなさい」 「ハイ。浦島太郎が龍宮城でタイやヒラメの舞い踊りを見ながら食べた御馳走のメニューが気になって気になって」 「そこにこだわる?」 「タイやヒラメのお造りだったりしませんよね?」 「せ、先生、気になっ... 続きをみる
「どうして歌わないのかって? 歌ってますよ、生徒たち。だって、コレ、こないだ国歌に制定されたんですもんね。 声が小さい? 全国一斉音量調査の結果、わが校が全国最低レベル?委員会からきびしい指導があった? そうなんですか。そりゃ校長先生もお困りでしょうね。 でもあの、言わせてもらっていいです? この歌... 続きをみる
ウープたちが、牧草地でザジェリクの若芽を食み始めると、ボクは弟と連れ立って岩礁にのぼる。 肩掛けカバンからラジオを取り出してスイッチを入れる。 アンテナを伸ばし、さらにラジオを頭上高く掲げて、電波を探す。 雑音の嵐の中から、エウロパの放送を見つけ出す。 やった。 アナウンサーがニュースを読み上げてい... 続きをみる
学食の隅っこがボクのお気に入りの場所。 誰にも邪魔されないように、文庫本を開いてバリアを張る。 そのバリアが今日は簡単に壊された。対面にケンジがトレイを置いたのだ。 「ここ、迷惑?」 「迷惑」 正直に答えた。 「メンゴメンゴ、席、空いてなくて」 ボクはチラリと学食を見渡した。ウソばっかし。 「おまえ... 続きをみる
夏休み、中学校の登校日。 寝ぼけ顔で登校した妹のサエが、顔を紅潮させて学校から帰ってきた。 興奮冷めやらぬって感じで僕に言った。 「お兄ちゃん、水は心を持っているんだよ」 唐突な言葉にとまどって、僕が黙っていると、サエが説明した。 「今日さ、道徳の一斉授業が体育館であったの。先生が水の結晶のスライド... 続きをみる
久しぶりの実家の朝食。 黄身が固まった焦げ気味の目玉焼きにウスターソース。 四角い赤ハムのコンビーフみたいな風味。これだよ、これ。これぞハムエッグ! 懐かしい味に舌鼓を打った。 食後、庭に出るとメンドリと尻に絆創膏を貼った豚が恨めしげにボクを見上げた。 ステーションの爆発から脱出できたのは、アタシと... 続きをみる
オジサンはサウナが好きだ。 しこたまサウナで汗を流し、冷水に浸かる。これを数回繰り返すと汗と疲れがすっかり抜けて、肌はサラサラ、実に爽快だ。 そんなわけで、今日もサウナの扉を開くと先客が三名ほど。 そこに、さらに六名ばかりが入ってきて、サウナ室内の密度が一気に上がった。 入ってきた中で、二人は異質だ... 続きをみる
山野アナ「大相撲ファンの皆様、こんにちは。さあ、いよいよ大相撲アルカディア場所千秋楽を迎えました。御存知のとおり、小結関ノ山が会心の14連勝、初優勝に王手をかけております。解説は、相撲ファン歴八百年のデーモン閣下です」 デーモン「ムハハハハハハハ、デーモンだあ。本日は、千秋楽にお招きいただきありがと... 続きをみる
ジョン・W・キャンベル・ジュニアは、苦悩していた。 1956年。トーマス・G・ヒエロニムスは、キャンベルが編集長を務める雑誌に特許広告掲載を許可したのだ。 「さあ。感じるかね?指先に」 ヒエロニムスが尋ねる。やがてキャンベルは大きく目を見開いた。 センサープレートにサンプルを置き、チューニングダイア... 続きをみる
母さんはボクを、丘の上の東山ストアよりもまだ遠くのお家まで連れて行った。 初めて行ったお家で、玄関に入ったら女の子がいた。 彼女は、おんなじサクラ組の女の子のひとり。 意識したことないし、口げんかしたことしかない、たくさんの女の子のひとり。 その子の母さんと、ボクの母さんが友だちだったなんて知らなか... 続きをみる
わたし、実はハサミ女なんです。 とってもよく切れるハサミ、いつも持ち歩いています。 何を切るのか、ですって? そんなの、男に決まってるじゃないですか。 ほかに何を切るっていうんです? ハサミ女ですよ、わたし。 安心してください。 いい男しか、切りませんから。 身近な殿方はもちろん、 TVや雑誌のイケ... 続きをみる
ピンポ~ンって、もう来たの、リサ。 ちょっと、ちょっと外で待っててよ。もうっリサのヤツ早えよ。 何してたのかって? 言えねーよ、そんなの。 隠しごと?してねえよ。やましいことしてないって。 うっせーな、教えてやるよ。あのな、今、洗濯中なの。 洗濯機?そうだよ。ドラム式の全自動。 勝手に洗濯してくれる... 続きをみる
「チクオンキから、おじいちゃんの声が聞こえるんだ」 弟のシュンが急にそんなことを言い出したときは、そんな気がしてるだけなんだと思った。 それで、家族みんな、おじいちゃんの部屋に集まった。 「ここの、ラッパみたいなところに耳を当ててたら聞こえてきたんだよ」 まさか、そんなはずない。 「シュン、これは蓄... 続きをみる
お父さん・・・ 隠し持っていた凶器を相手のレスラーの額に打ちつけている。 黒い覆面におおわれた悪役レスラーの目がギラギラ光っている。 マスクに隠れていても、ボクにはわかった。 一緒におふろに入ってるお父さんの、背中のホクロやキズを見まちがうはずがなかった。 今日、ほんのイタズラ心で車の後ろに隠れた。... 続きをみる
白い光に充たされた病室にドクターが入ってきた。私のカルテに目を通して微笑む。 「さすがは軍人さんだ。めざましい回復ぶりですね」 「手厚い看護のおかげです。感謝しています」 「あなたが五十年もの間昏睡していたことは、看護師からもうお聞きになりましたね?」 目の前の若いドクターや看護師たちは五十年前の過... 続きをみる
「白状しろ。おまえは、ヒトとスイカの遺伝子操作によって作られたスイカ人間だな?」 「違う!おれは貴様らと同じ人間だ!」 「ではなぜ真ん丸頭、緑地に黒い縦縞なのだ?」 「こ、個性だ」 「個性的すぎるだろ。どんな仕掛けだ?」 「タネも仕掛けもない!」 「スイカなのに?調べてやる」 「ギョエー!」 「白状... 続きをみる
害者はキッチンに倒れていた。頭部に鈍器による傷、しかし凶器が見つからない。 「容疑者の皆さん、舌を出すんだ!・・・よ~し、犯人は舌の青い郡山さん、あなただ!」 「な、何を証拠に?」 「氷の塊で殺害後、凶器をかき氷にして食べたんだ!ブルーハワイにしてな!」 「お、俺の舌は生まれつき青いんだ!」 「ほほ... 続きをみる
『米からちゃんと炊いて俺のために毎日おにぎりをにぎってくれ!!』 プロポーズの言葉はこれに決めていた。 ヒカリちゃんとはコンビニのバイトで知り合った。コンビニおにぎり数あれど、二人が好きなのは、アッツアツの炊きたて御飯を握ってすぐにホフホフ食べる、塩だけのシンプルなおにぎり。そんな話で意気投合、つき... 続きをみる
「カランコロンなんて軽やかな音なんかじゃありませんよ、まったく。 セメントの上を引きずるような、頭蓋に響くイヤな音。 いつなんどきも歩けば必ず聞こえてくるんです。背後に寄り添うようにして。 床についても、近くを歩き回る下駄の音が耳について眠れないし。 先生、ボク、ノイローゼなんでしょうか?」 「ホホ... 続きをみる
「ね、父さんたち旅行でもしてきたら?」 定年以来ゴロゴロしている私を見るに見かねて娘が言った。 その娘がバスや宿泊先の手配までしてくれたのでやっと重い腰をあげた。 行き先は、かねてより妻が行きたがっていた自然公園。 宿泊先も、そこからほど近い温泉郷の老舗の宿である。 行くからには、それなりの準備をせ... 続きをみる
お気に入りのバンドのライブに行った。 グッズ売り場も大賑わい。熱気と大歓声の中、メンバーがステージに登場した。 メンバー全員、Tシャツ姿。 胸にはデカデカとバンドのロゴ。 ゼットンが「ゼット~ン」と言ったり、ダダが「ダッダ~」と言ったりしてるみたいな。 自己説明型Tシャツ。 「なんだかわかる気がする... 続きをみる
機会あって、昨年の暮れ、評判の割烹料理屋で会食した。 店長は某テレビ局で料理コーナーを担当するほどの有名な料理人で、朴訥な人柄でファンも多かった。 旬の食材を使って手間隙惜しまず仕込んだ料理の数々は、なるほど評判だけのことはある。 十二分に堪能し店を出るとき店長と奥さん自ら見送りに出て、ボクたち一人... 続きをみる
錆び朽ちたフェンスにもたれて待っていた。 ジェット機が西へ翔けていく。工場のサイレンと爆音が混じり合い夕暮れ空に轟く。 栄養ドリンクを注いだコップ越しみたいな、おぞましい空の色。 遠く鉄塔から風が吹いてきて、草原を波立たせてわたしに迫り、そしてわたしを越えて行った。さらに日が翳って、さらに空気を陰鬱... 続きをみる
お父ちゃんが単身赴任から帰ってきた。 長いこと東京で仕事をしてはったんや。お疲れさま、お父ちゃん。 「え?何これ。東京みやげ? ボクに? わあ、うれしいなぁ。なんやろうなぁ。 それにしても長細い箱やなぁ。振ってみてもええ?なんやゴトゴトゆうとるで。 プラモデルかいなぁ。フィギュアかいなぁ。 開けてみ... 続きをみる
アキラ君ちに遊びに行って、借りていたファミコンのカセットを返した。 「あれ?ロックマンは?」 しまった。ロックマン、差しっぱなしにしてた。 「いいよ今度で。そのかわり、桃鉄貸しといて」 アキラ君はやさしい。アキラ君は五つ年上で中学生で、その頃のボクにはオトナっぽく見えたしオトナだと思ってた。 アキラ... 続きをみる
船着の町で宿に入ったときにはもうとっぷりと日が暮れていた。 継ぎ足し継ぎ足しで建て継がれた古宿の廊下は、歩くたびにミシミシ鳴った。 案内された部屋は廊下同様、白熱灯の届かぬ隅が薄暗く私を不安にさせた。 「襖向こうはお隣になりますんで」 茶を煎れながら女が言う。 見れば部屋の一面が数枚の襖で仕切られて... 続きをみる
「ねぇねぇ彼女ぉ~お茶しな~い?」 ゲッ・・・チャラい。しかも思いっきり見覚えが。 「アンタ、あたしが整形する前にも声かけたよね」 「ワォ!くりびつ~」 「さらに整形前時点ですでに間違ってるよね?」 「すでに?」 「忘れたのかい、オマエ」 「ゲッ・・・母さん」 「ネェネェ、先週末の夜、どこ消えちゃっ... 続きをみる
「この味がいいね」と君が言ったから7月6日はサラダ記念日 食卓には山盛りの野菜サラダ。そして市販のドレッシングの瓶。 ドレッシングの名前は、思いっきり『サラダ記念日』。 「おい、それで今日は野菜サラダをこんなに食わせる気か?」 「7月6日はサラダ記念日なんだもの。たっぷりサラダをふたりで食べましょ」... 続きをみる
ネットオークションで、ついにiPotを手に入れた。 届いてみて愕然。しまった。なるほどiPadでもiPoneでもiPodでもない。 ハクション大魔王みたいな古びたツボに、例のリンゴマーク。確かにiPotだ。 軽く触れるとブォン!ツボの表面に人が現れた。ムム、例の開発者に似ているがどうやら別人だ。 「... 続きをみる
こちら、昔懐かしい風のデパートの展望レストランでございます。 「お客様、ご注文のお子様ランチでございます。ご注文の品、以上でよろしかったでしょうか?」 「お父ちゃん、お父ちゃん」 「なんや、ちぃさい声で」 「ないやないか、旗」 「旗て・・・確かにないな。チキンライスの山のてっぺんに爪楊枝の日の丸刺し... 続きをみる
「キミキミィ、社会人なんだからもっと丁寧な言葉づかいを覚えなきゃなぁ。このリンゴはなんと言えばいい?」 「おリンゴですか」 「そう。じゃミカンは?」 「おミカンですね」 「そうそう。わかっとるじゃないか。じゃ、ナシは?」 「アリマセンです」 「ウマイ!」 思いを寄せていた男性に恋文を書き送りました。... 続きをみる
都会でのひとり暮らし、掃除とか大変だろうって聞かれるけど、お掃除ロボが全部やっている。 以前は、ルンバみたいなのが主流だったが、今じゃ『亀の子たわし』だ。昔ながらのたわしじゃない。たわしが亀みたいにのそのそ歩き回ってゴシゴシお掃除をしてくれるロボット。埃ばかりじゃなく、濡れたりこびりついたりした汚れ... 続きをみる
堅あげポテトをバリバリしながら、雑誌をめくってたんですよ。 え?もうこんなに! ふと気がつくと、半分に減ってる。思わず袋のフチを丸めて封しちゃいました。 で、また雑誌に目を落としてたんですけど、やっぱり口さみしくなって、また袋を開けて・・・ で、ふと目をやると・・・ いたんです。小人が。ゴキブリほど... 続きをみる
玄関を入って三歩。 買い物から帰ってきたお母さんが声をあげました。 「もう!お父さんったら買い物の途中でいなくなっちゃうんだから。歩いて帰るハメになったのよ~」 買い物袋をあがりかまちにドサリ、プンプン腹を立てながら靴を脱いでいます。 ビックリしたのは娘のわたしのほうです。 だってお父さん、去年の春... 続きをみる
ボク、有馬二郎。目が覚めたらアルマジロになっていた。 もちろんここ、日本じゃない。四方八方見渡す限り、赤茶けた砂漠が続くばかり。 パパ!ママ!お姉ちゃん! 果てしない荒野に風が吹き抜けて、ボクの叫び声がかき消される。 心細くなってシクシク泣いていると、別のアルマジロが近づいてきた。 「どうした?これ... 続きをみる
最近、つくづく大人になったなぁって感じる。 精神的に幼いってのは、感情が未分化なわけ。赤ん坊は、快・不快という感覚だけ。それが細胞分裂していくみたいに、たくさんの部屋に分かれていく。大人になればなるほど部屋数が多いから感情を一室だけにとどめて自制することができるようになるわけ。 だから大人な人って、... 続きをみる
「ね、ボクにヒツジの絵を描いて」 枕元で少年の声。アタシはビックリとびおきた。 「あんた、どっから入ってきたのよ!」 少年が窓の外を指さす。外からって、2階だっつーの。え?空から?そなアホな。 コイツ、へんちくりんな服装だ。天使そっくりの美少年ではあるが。 「あのね、お姉さんは絵、ヘタクソだぞ」 ヒ... 続きをみる
新学期、転校生がやってきた。 スポーツも勉強も抜群、イケメンぶりも性格もかなわない。 ボクのとりまきだった女子全員が転校生のハーレムへと大移動していった。 たちまちボクは日陰者グループに入会。 「なんですか?光夫くん。相談って」 「先生、この場合日照権の侵害で訴えるわけには?」 「父さん、ボクすっか... 続きをみる
「殿様ぁ、行くぞ、熱血~!」 懐かしのTVチャンネルで『ダンディ2華麗な冒険』を楽しんでいたら電話が鳴った。 ボリュームをミュートにして、電話に出る。 「こちらケーブルTV局です。御利用ありがとうございます」 「こないだ地上波がデジタル化したじゃん?十分な画質で見ることができるようになって、ケーブル... 続きをみる
カミナリ親爺のところに黒服の男たちが現れた。 「初めまして。関西電力の者です。御存知のように今年の夏は電力供給が厳しい。そこであなたにぜひ協力願いたいのですが・・・」 「え~い、とっとと帰れ!」 ピカッゴロゴロ。 「ああ、もったいない!」 「なになに、『忘れ物に注意しましょう。授業中は集中しましょう... 続きをみる
その、宇宙を漂流していた物体をどう形容したらよいだろう? トウモロコシの芯を格子網で作ったような形状・・・そうだ。サグラダ・ファミリアの尖塔と比喩すればわかりやすいだろう。 しかも本家さながら、いやそれを遥かに凌いでひたすらでかい。 暖色の光が内部から漏れ出している様は、石灯籠のようだ。 何者かが建... 続きをみる
大衆居酒屋の二人席、課長と新人社員が中ジョッキをカチン。 「ハイじゃ乾杯。どう?慣れた?この会社。入社して三ヶ月。まだ実感わかないか」 「いやぁ、学生気分の抜けてなかったボクがそれなりの営業成績をあげることができたのも、課長のおかげです。感謝してます」 「ハハハ、感謝なんて君ぃ」 「課長はボクの師匠... 続きをみる
エー、ナニナニナニナニ。ナニこれ~。 これは相当珍しいもんだよな。ボク的に。やるな~スナック業界。恐るべし~。 ま、自分の分析では、いずれ出るかな、と。自分、恐るべし~。 でホントに出たんだな~、とちょっと感動~ヘッヘッヘッヘッヘッ。 じゃここでボク的『おもしろスナック』、発表しま~す。って、誰に~... 続きをみる
「あ、母さん、オレだよ、オレ、オレ。元気してた? 何の用って決まってるじゃないか。 今日は母の日だろ。母さんのこと、気になってさ。で、大丈夫? え?独り暮らしが長くって、最近ボケてきたって? 息子がいたかどうかさえ、わからない? 何それ、困っちゃうなぁ。オレだよ、ヒロシだよ。 ダメ?顔も名前も全然思... 続きをみる
遥か宇宙、ペコリンコ星人の外宇宙管理局。タコそっくりの局長が数本の触手で頭を抱えていた。 「で?そいつの記憶はちゃんと消えてなかったのか?」 銀河系担当官は、きっぱりと否定した。 「これはただの偶然かと」 局長が茹でダコみたいになった。 「んなわけないだろ、このタコ!計画がおじゃんになる前に、そいつ... 続きをみる
キキッキキ~~~!! 耳をつんざくブレーキ音が交差点に響きわたった。とともにドン、ドン、ドンと鈍い音。 ま、まさかと人々が目をやれば、横断歩道中央に大型トラックと倒れた三人の若者の姿。 血に染まった野球のユニフォーム。そのひとりの腕の中から仔犬が無邪気に駆け出した。 あわれ、仔犬を守ろうと球児たちの... 続きをみる
頼んでいた日記帳が今日、やっと届きました。 人生で一度も日記なんぞ書いたことなかったボクですけど、ちょっと頑張って書いちゃおっかなって。 立派な装丁で風格があります。紙も罫線も落ち着いた色合いで目にも優しい感じ。 で、早速、書こうとして、はたと困りました。 日記って「です・ます」体で?それとも「だ・... 続きをみる
「王子様と結婚してずっとずっと幸せに暮らしました。めでたし、めでたし」 「・・・めでたし、めでたしって・・・おばあさん、それだけ?そうなるまでのお話をしてちょうだいよう」 「そうなるまでの話?王子様と結婚するってだけでスゴイことなのよ」 「でも、そこに至るまでの、辛い目に遭ったり、不思議なことが起き... 続きをみる
広島駅を出て、正面左手の電停に向かう。ベージュとエビ茶の車両が数台待機している。 駅から下宿に帰るときは、たいてい1番の宇品行きに乗り込む。比治山を通る皆実線のほうが近道だが滅多に停留していない。 タン、タンと段を上がると木の床の通路、両側に対面する座席シート。急いで空席を探すが、残念、もう座れた状... 続きをみる
暑中見舞いが届いた。 妻から手渡されたその葉書は、友人の篠崎からのものだった。 なんとも複雑な気分だ。 篠崎本人は数日前に交通事故に遭い翌日未明息を引き取った。そして昨日葬儀に夫婦で参列したばかりだったのだ。 あまりにも突然の死。葉書を投函したとき、自分がこんなことになるなんて思いもしなかったろう。... 続きをみる
クソ~うっせえなぁ。こんな朝っぱらから誰だよ、まったく。 アパートの出入り口を開けたら、ゲゲッ、警官が数人立ってえじゃねえか!なんだ、なんだ? 「シロタカブオさんですね?」 「おう。オレにマッポがなんの用でえ?おたくらの世話になるようなマネしてねえぜ」 「ええ、今のところは。少々込み入った話でして。... 続きをみる
漆黒の闇に、とめどなく雨の降りしきる夜。 村はずれの家の戸を、ひとりの旅人が叩いた。家には老爺が独り、暮らしていた。 旅人に一夜の宿を頼まれるまま、老爺は旅人を招き入れた。 囲炉裏端で暖をとっていた旅人が退屈紛れに老爺に尋ねた。 「長年旅をしてその土地土地の怪異な話を聞いてきました。この地にも怖い話... 続きをみる
「で・・・これはいったい何なんだ?博士」 深宇宙探査船のラボ中央の丸テーブルに載せられた物体を、艦長はじめ乗組員一同が囲んでいた。 彼らの目の前にあるその箱状の物体は、間違いなく何者かの手によって作られた機械であった。 「宇宙船かと推察します。確かにアンテナはあります。船体表面をご覧ください」 博士... 続きをみる
「博士、ニヤニヤ嬉しそうですね。何かスゴイこと思いついたんでしょ?」 「わかるかね、猫田くん。実は、ネッシーの第一発見者として歴史に名を刻む方法を見つけたんじゃよ」 「マジっすかぁ?で、どうやって発見するんです?そもそもネッシー、いるんですか?」 「猫田くん、夢みたいなこと言ってんじゃないよ。ネッシ... 続きをみる
「今回対談するお相手は、数年前から地球にいらっしゃってるバイキング星人さんです。バイキング星人さん、よろしくお願いします」 「はい、よろしくっ。でもさぁ気になんだよなぁ、そのネーミング。バイキング星人なんて、あんたたちがつけた名前でしょ?われわれにはわれわれの呼び名が・・・」 「ええ、ええ。重々わか... 続きをみる
「ふ~、生き返る~」 化粧室の洗面台で顔をザブザブ洗うと、実に爽快です。鏡に映るボクとご対め~ん。 自分で言うのもなんですけど、イ~男。 ちょっと眩しそうな表情を浮かべてポーズ。惚れ惚れしちゃう~。 なるほど女の子たちが色めき立つはずです。 パーティー会場に戻ると早速、真紅のカクテルドレスの娘が寄っ... 続きをみる
そう、これがモンゴルフィエ兄弟が発明したという熱気球です。 ええ、空高く舞い上がるんですよ。熱い気持ちさえあれば。 「オリャアーッ」「チェストーッ」 もっと熱い気持ちをぶつけないと。浮くもんも浮きませんよ。ハイもう一回。 「オリャアーッ」「チェストーッ」 そうそう、その調子。 さあさあ、モンゴルフィ... 続きをみる
電車で隣町に行く間、ひと目を避けて目を伏せていた。 グレーのダッフルの襟を立てて首をすっこめ、ロイド眼鏡をかけたボクが、まさか国際諜報員だとは誰も気がつくまい。と言っても、日曜日の朝早く。地方単線車内に乗客は少なく、遠い街に出掛ける若者や、行商の魚売り数名しかいなかったが。 ホームで煙草を一服。紫煙... 続きをみる
「どうです?美しいでしょう?」 ケメロン氏が街を自慢げに見渡した。 無論、同意せざるを得なかった。街中どこにも塵ひとつない。 チラシが一枚風で舞う。たちどころにルンバのバケモノみたいなのが猛スピードで駆けつけて吸い込んだ。 「ええ。実に美しい。まさに宇宙一ですね、惑星ボラボラは」 そうでしょう、そう... 続きをみる
「こ、これは・・・」 長年、殺人課に勤める私もこんな現場は初めてだった。鑑識に尋ねる。 「一体、何人の死体が?」 「バラバラなので詳細は不明ですが、おそらく百人」 百人?前代未聞の大量バラバラ殺人だ。 「妙なことに首はたったひとつしかないんです」 本件のネーミングを思いつき、思わずニヤリ。 朝、従業... 続きをみる
いいよね~日本の夏。 風呂上がりの身体、綿麻のサッパリした着心地の浴衣に包んでさ。 大胆にくし切りにしたスイカなんか、ガブガブ食っちゃってさ。 縁側にこう、胡座かいて、汁が外に垂れるように用心して、プップッって種飛ばして。 時おり、南部鉄の風鈴が清流の底みたいな音で鳴っちゃったり。 沓脱ぎ石の上には... 続きをみる
「越前屋、そちも相当のワルだし~」 「いえいえ、お代官さまこそ」 ヌハ、ヌハハハハ・・・ 悪徳商人&悪代官の不敵な笑い。と、外から何やら『水戸黄門』の前奏が。 チャーン!タッタッタッタッ、ダン、ダダダダン、ダダダダン、ダダダダダダダダダ ♪じ~んせい♪じ~んせい♪じ~んせい、見ぃ~つけたぁ♪ ♪あ、... 続きをみる
友人曰く、今や『広辞苑』はROMの時代なんだそうだ。 使い勝手がよくて、音声まで収録されてるらしい。 へえ、そんなに便利なのか、早速使ってみよう。 パカッ・・・たちまちカップラーメンのフタがめくれあがり湯気があがる。 確かに音は出るが、こいつは使えねえ。 『広辞苑』を売りたい? お客さん、今どき百科... 続きをみる
恐竜の島に会いに行こう! 宝の島続々編 第10章 真のヒーローは誰だ?…9
ジョーカーをつかまえろ!時をかける巫女…273
GW後半戦!なんてこった、シンデレラ?第2章 3人目のシンデレラ?…5
恐竜の島に会いに行こう! 宝の島続々編 第10章 真のヒーローは誰だ?…8
ジョーカーをつかまえろ!時をかける巫女…272
お姫様のいうことには&御手洗さんのいうことには…444
転生第八王子の幸せ家族計画
不遇皇子は天才錬金術師9~皇帝なんて柄じゃないので弟妹を可愛がりたい~
兄様のライバルに目をつけられたようです 2
異世界に転移したら山の中だった。反動で強さよりも快適さを選びました。16
5分後に意外な結末 ①赤い悪夢
死の森の魔女は愛を知らない
最推しの悪役令嬢に転生したので、シナリオ無視で「私」を全力で幸せにします!: ~王子とヒロインを論理と経済力で完全論破したら、隣国の氷の皇帝に溺愛されちゃいました~
恐竜の島に会いに行こう!宝の島続々編 第10章 真のヒーローは誰だ?…7
ジョーカーをつかまえろ!時をかける巫女…271
■ブリック【Netflix】
プチ感想・レビュー#441【ペンと手錠と事実婚】7巻
②5/4・福島原発UFO宇宙人ライブカメラ!②
①5/4・福島原発UFO宇宙人ライブカメラ!①
世田谷紅龍将棋喫茶 〜美女と無職の合同会社から将棋棋士へ挑戦〜
『そして誰もいなくなった』感想・レビュー|結末を知っていても面白い“元祖クローズドサークル”の完成度【アガサ・クリスティ】
Steam版「Control」のレビュー【全世界で80以上のアワードを受賞した超能力TPSアクション】
仇討ちの作法に詳しくなれるかも!?――永井紗耶子『木挽町のあだ討ち』
【全作品データ集】歴代名探偵コナン映画作品一覧
サスペクト・ゼロ
不倫5連発 第3弾
【読書】阿津川辰海『黄土館の殺人』
【読書】大門剛明『シリウスの反証』
誰かいませんか?
【読書】パトリシア・コーンウェル『怪物』