読書のムラゴンブログ
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先生!と呼びかけられたら
「2014読了」25冊目 ★★★ 『先生!』(池上彰編 岩波新書) 岩波新書もこんな感じで出版するんだなあと正直思った。 お堅いイメージだけでは、書物受難の時代?を生き抜いてはいけない。 さて、池上さんが編集というところからも想像できるように。執筆された諸氏が、堅苦しくなく「先生」というテーマで思い... 続きをみる
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いつも「隗より始めよ」
「2014読了」22冊目 ★★★ 『邪悪なものの鎮め方』(内田樹 文春文庫) 学校の朝の読書を取り上げて書いた「『読字』の時間の必要」という章が興味深かった。 私も寝床,トイレ,風呂場等々どこへでも本や雑誌を持ち込む中程度の活字中毒を自覚しているが、著者は電車内で中吊り広告を熟視する自分をこう評して... 続きをみる
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癒される人,餓えた人
「2014読了」20冊目 ★★ 『隠蔽捜査3.5 初陣』(今野敏 新潮文庫) 文庫本の今野敏シリーズ4作目。準主役とも言うべき伊丹をメインにした「スピン・オフ短編集」だ。かの「踊る大捜査線」や「相棒」でも映像でそうした形でヒットしている。いわゆる派生モノ?だろうが,ある意味では視点の変換だから,味わ... 続きをみる
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ノートづくりは脳づくり
「2014読了」19冊目 ★★★ 『学力のつくノート指導のコツ』(佐藤正寿 学陽書房) 44項目、すべてに1ページ分のイラストがあり、実に見やすく編集されている。 全部を読み切り、「ノートづくりとは、脳づくりだな」と洒落のようなことを考えた。 つまり、ノートとは、頭の中の受容や思考を、文字を使って外... 続きをみる
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ICTの要はCにある
「2014読了」18冊目 ★★★ 『授業名人が語るICT活用』(愛される学校づくり研究会 プラネクサス) 一昨年のフォーラムの記録をまとめた書籍である。なぜか今まで見逃していたようで、さっそく京都大会の受付で購入し、帰路で読み進めた。 プロローグで玉置崇先生は「永遠に語り継がれるフォーラムになりまし... 続きをみる
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時代のカナリアの声は届くか
「2014読了」17冊目 ★★ 『本当は怖い小学一年生』(汐見稔幸 ポプラ新書) 面白そうな題名だなとネット案内で見た時に感じた。 近々入学説明会もあるし、ネタが拾えるかもしれないと不純?な思いで購読した。 粗く言えば「小一プロブレム」の原因考察をもとにした、現在の学校教育、家庭教育の分析と批判であ... 続きをみる
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貫く人を心に棲ませよ
「2014読了」13冊目 ★★★★ 『果断 隠蔽捜査2』(今野 敏 新潮文庫) 現実はこんなに甘くはないだろうと思いつつ,そうありたいとかあってほしい願いにしばしの間浸らせてくれるのが,いいフィクションの条件だ。 その意味で,公務員必見,管理職にある者必読! と誉めたい気がするエンタメ小説である。 ... 続きをみる
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想像して,考えを深めること
「2014読了」6冊目 ★★★ 『完本 日本語のために』(丸谷才一 新潮文庫) 一昨年に没した著者の本は、以前にも1,2冊は読んでいると思う。 「国語教科書批判」の内容についても若干の知識はあった。 しかし著者がここで語っている「国語改革」「国語教科書」「入試問題」等への批判に対して、現在の私には根... 続きをみる
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固有名詞を入れて語る品質
「2014読了」5冊目 ★★★ 『下町ロケット』(池井戸潤 小学館文庫) 言うまでもなく直木賞受賞作。 文庫化で店頭に並んだ先月に買い求めておいた。 悪天候で飛行機が飛ばず出かけることが出来なかった連休,それじゃあじっくりということで読みはじめたら,あっという間に読み切ってしまった。 さすが企業エン... 続きをみる
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肌触り,息遣い,ごしごし磨く
「2014読了」4冊目 ★★★ 『ぽてんしゃる。』(糸井重里 東京糸井重里事務所) 2007年から一冊ずつ発刊されている「小さいことば」シリーズ。昨年の分である。 夏には手に入れていたのだが、ベッドの横に置いたままにしてあり、たまにぺらっとめくってみるだけだった。 年が改まり、じっくりと手にとってみ... 続きをみる
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読書
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Read books/「謎の香りはパン屋から2」を読みました
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「あまたん」のその後。
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プチ感想・レビュー#444【さむわんへるつ】3巻
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ご当地キャラと『嫁はフランス人』【読書感想】
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初ガツオと中崎タツヤさん
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『現代思想入門』要約・書評
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【読書】恩田陸『夜のピクニック』
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着物で女子会展覧会
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【読了】境遇 湊かなえ
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【書評】どちらかが彼女を殺した ネタバレ含む
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三姉妹探偵団5 復讐篇(講談社)
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高齢者としての危機管理意識をしっかり身につけるために
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冨原眞弓『ムーミン谷のひみつ』を読んだ感想
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【まとめ】週刊プチ感想・レビュー#201~210【ぷにるはかわいいスライム】
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イヴァン・イリッチ『脱学校の社会』を読んだ感想
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『わが子を「メシが食える大人」に育てる』
日曜日、小平中央図書館から20冊の本を借りてきました。 1人10冊なので、家内にも協力してもらったのですが、2週間で返却しなければならないので、必死に読んでいるところです。本を読む前に、日曜日の口頭試問の準備をすべきなのですが、「逃げ」に入ってしまっています・・・ さて、表題の本、pp.149-15... 続きをみる
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時間はいつもやって来るという思想
本を読み始めた日の夜に,変な夢を見た。 子どもたちが外で何かやっているときに,自分が傍にかけつけて「はやく,はやく」と叫ぶ。そのとたんに,えっ俺なんでこんなこと言っているんだ,いやいやそんなつもりはないよ,と懸命に弁明し始める… 「百万秒の冬休み」なんて,大きく見せたけど結局時間管理になってしまった... 続きをみる
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突きつけられる重い「覚悟」
『総合教育技術』誌1月号の、苅谷剛彦氏の連載は「道徳教育の教科化」がテーマである。 「アングルを変えて視れば」と記されているように、いつも氏の複眼的な思考、分析の鋭さには敬服する。 道徳教育の教科化について対立の構図は、苅谷氏の指摘の通り「国による関与・介入の是非」「効果をめぐる議論」そして、それら... 続きをみる
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湊かなえにハズレなし
単行本までは手を出せないが、文庫本はこれで全部読みつくしたと思う。今回読んだのは『贖罪』(双葉文庫)。以前、WOWOWで放送されたドラマを無料視聴の時初回だけを観た。なかなかな配役で面白かったが、原作はそれ以上に惹きつけられた。事件に関わる人物の独白体で進める、こういう構成は湊の鉄板だ。 人間心理の... 続きをみる
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自分をつくる選択の連続
『あなたがいる場所』(沢木耕太郎 新潮文庫) 著者初の短編小説集で9編収められている。取り上げられている題材の多くは日常にありがちな「ふつう+α」の範囲にあり,身近に起きても不思議のない出来事とも言える。しかし,誰もが抱えている秘密,事情,都合といった要素が各々の作品の人物の行動選択に大きく関わって... 続きをみる
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本当にため息をついた訳
わずか4ページ足らずのインタビューだが、明快な主張が伝わってくる。 読み終えて、ふうっとため息をつきたくなるほどだ。 『総合教育技術』(小学館)の今月号の冒頭は作家曽野綾子へのインタビューである。 教育再生実行会議の委員を辞任した理由から始まる。 制度を作れば問題が解決するという方向への批判である。... 続きをみる
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2022年,まず自分が描いて
『2022―これから活躍できる人の条件』(神田昌典 PHPビジネス新書) この著者どこかで読んだなあ,ビジネス誌かなあと手にはとってみたが,ちょっと縁が薄そうだったので,棚にもどしかけた。 その時,目に入った本の帯の言葉がそれを引きとめたのだった。 ■全ての教師は本書を読むべき。そうしないと自分の教... 続きをみる
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『看護師という生き方』
本を頂くのは本当にうれしいものである。 日曜日のバス旅行の際、頂き物のこの1冊を読みきりました。内容としては、今まで読んだ本の内容と重複するな~と思っていたところ、「あとがき」に「ここに載せた事例は、以前の著作に書いたものがいくつもあります」と書かれていました。 でも、バスツアーで新書の本を読みなが... 続きをみる
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選ばれた誰かたちの物語
『雪男は向こうからやって来た』(角幡唯介 集英社文庫) 雪男の存在を信じるかと問われれば、「雪男もUFOも宇宙人も信じます、ただし軽くだけどネ」といった程度の認識である。 もちろん、どれ一つ実際に見たわけではない。ただこの広い地球、宇宙には私たちの想像を超えた存在はあるだろうな、という考えを持ってい... 続きをみる
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『本』をぺらぺら読んでさえずる
書店で目にとまった『雪男は向こうからやってきた』(角幡唯介 講談社文庫)。自然ノンフィクションは得手ではないが、なにしろ題名がいい。新田次郎文学賞もとっている作品だし…と購入した。その時にレジの所でいただいた今月号の『本』を開いてびっくり。この著者が冒頭の特別対談の一人だった。 新作で「講談社ノンフ... 続きをみる
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もどらなかった三人の存在
昼休みの20分ほどで一冊の児童向けの本を読んだ。 『トレモスのパン屋』(小倉明 くもん出版) ネットを見ていたときに何かの拍子に表示され、「第一回小川未明賞優秀賞受賞作」という表記にちょっと心が動き、たまには…と思って購入したものだった。 こういうジャンルは読み慣れてはいないが、いい評価をうける本だ... 続きをみる
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『キャリアポルノは人生の無駄だ』
本のタイトルに「ポルノ」という言葉が入っているが、いかがわしい本ではない。 この本の帯にもあるように、自己啓発書を「キャリアポルノ」と呼んでいる。これは、筆者の造語である。 本書のp.45によると、英語圏には「フードポルノ」という言葉があり、ウェブサイトや雑誌、テレビ、広告などに美しくて、ゴージャス... 続きをみる
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『「衝動買い」がとまらない!』
小平中央図書館で借りてきた本。 特に、「衝動買い」というものに興味があって借りたのではない。この本の著者「金子哲雄」という名前に興味があって借りてきたのである。 この本が発行されたのは2013年6月26日。p.205の編集部あとがきには次のように書かれている。 >2012年10月2日、金子哲雄先生の... 続きをみる
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久々の記憶を記録して
久々に「こむらがえり」発症。毎度のことながら朝早く目覚めてしまい、よし起きようと首を上げた瞬間に、ガチンと固まった。おおうっ、なかなか復帰しない。この原因は特定できないというが、それだけに癖になったら嫌だなとか、両足に同時になったらどうするかなど、後ろ向きの思考に陥りながらもだえている。 久々に小説... 続きをみる
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その「爆弾」をつくる作業とは
『短歌という爆弾』(穂村弘 小学館文庫) 2000年に発刊された本が今年文庫化された。副題が「今すぐ歌人になりたいあなたのために」となっている。1章、2章は楽しく読めるが、それ以降は以前読んだ『短歌の友人』という評論集より難解だ。読み進めていけば「今すぐ歌人になりたいあなた」は、「止めときなさい」の... 続きをみる
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「夏河を」語るうれしさよ
野口芳宏先生の解釈の深さや斬新さには今までも幾度となく驚かされたが,今回の野口塾でも「えっ」と思わされたことが複数あった。特に,あの与謝蕪村の名句とされる「夏河を越すうれしさよ手に草履」に関して,話者が舟に乗っているという解釈は,今まで考えもしなかったし,まだ自分自身で消化しきれない。 「河」からう... 続きをみる
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体験しにくい言葉の体験を
『「ことば遊び」で国語授業を楽しく』(鈴木清隆 明治図書) 発表の事前学習の意味で再読してみた。94年の発刊、約20年前の著書である。「国語科リフレッシュ提案②」というシリーズ名があるが、他に関連著書は持っていただろうか。ともかく今読んでも新鮮で、刺激になる著だった。特に第一章に書かれてある著者の文... 続きをみる
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真似して真似して生きていけ
『真似する力』(中島孝志 知的生きかた文庫) 動物に限らず人間もまた99%真似で生きているのだなあ、と改めて思う。産まれたばかりで保護されている時はともかく、真似させようという人がいて、その通りにすれば誉められ、様々な能力を身につける。いうなれば真似する力が根本にあり、そこから全てが派生する。ビジネ... 続きをみる
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皿はブタの棺桶という正しさ
『「正しい」とは何か?』(武田邦彦 小学館) 「正」という名前は以前結構ポピュラーだった。新任のときに受け持った児童にもいた。 今でも「正」が入っている名前は珍しくないだろう。それだけ日本人には愛着のある字だと思う。 それはその意味のシンプルさも一つの理由だ。 ただ「正しさ」の意味はずいぶんと拡散さ... 続きをみる
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階層の指標化づくりに目をこらす
もう少し『内田樹による内田樹』(内田樹 140B)を。 レヴィナスについて語られた部分も結構面白く読めたが,やはり『街場の…』シリーズや『日本辺境論』の部分は,刺激的な文章にあふれていた。 例えばこの文章だ。 カントの「ルーティンの固執」は「驚く能力」の開発のためのレッスンだったのではないか 脳の活... 続きをみる
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通り直しのできぬ道にいる我ら
『内田樹による内田樹』(内田樹 140B) 自作自註の本ということである。 取り上げられた書籍は11冊。6冊は読んでいる。 しかし、読んでいない本を扱った章を、わからないまま読み進めても、しっくりと入ってくる文章があるから不思議だ。 きっと、まえがきに記されているこのことがすべてを表わしているのでは... 続きをみる
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「たまゆら」の自信喪失
「たまゆら」という言葉は知ってはいたが、使ったときはないなあ。ちょっとばかり短歌などを作った頃も、そうした語彙を取り入れる素養はなかった。新潮社『波』の連載「俳句と短歌の待ち合わせ」は今月号のお題が「たまゆら」。使いこなせたら格好いいという不純な理由を持ちながら、俳人・歌人の文を読む。 穂村弘の歌は... 続きをみる
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学校へ行く意味を学び直す
『学校へ行く意味・休む意味 ~不登校ってなんだろう?』(滝川一廣 日本図書センター) 先月中頃に野中信行先生のブログで紹介のあった本である。 自分にとっては「学び直し」の一冊となった。 「不登校」を題に掲げてはいるが、実はこの本は学校教育そのものをトータルに論じているといってもよい。 2章から8章ま... 続きをみる
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穴を埋めることこそ仕事
『養老訓』(養老孟司 新潮文庫) 久しぶりに養老センセ(そんな感じ)の本を読もうと、この文庫を買った。それにしても絶妙なネーミングだ。貝原益軒の『養生訓』であることは誰しもわかる。それでいて紛れもなく著者の本。講演によく存在する「三列目の不機嫌じいさん」にならないための処方箋?であることが、ページを... 続きをみる
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いくら多忙感を語ったところで
『総合教育技術』誌が、教師の多忙感をテーマにした特集を組んだ。昨年もあったような気がする。購読者層の必要度が高いということか。解決のカギとして出しているのは「負担軽減マネジメント力」と「メンタルヘルスマネジメント力」の二つ。具体策も示されている。反論はない。がしかし、すっきりはしない。 多忙感につい... 続きをみる
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身内や居場所が人間を救う
茂木健一郎は『ピンチに勝てる脳』(集英社文庫)で、このように書いている。 面倒見のよいこの国全体の姿勢が、日本人を過保護にし、新しいことにチャレンジする気力を失わせてしまったのかもしれません。 確かにそういう面があることは否めない。 ふと思い出したのは、名著といってもいい『オシムの言葉』で、イビチャ... 続きをみる
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二つがせめぎ合っている世の中
雑誌『考える人』に書かれている文章にちょっと惹かれたので,この文庫本を買ってみた。 『ピンチに勝てる脳』(茂木健一郎 集英社文庫) 脳科学者の書く文庫であれば,なんとなく想像ができると思うが,この本は大きく括れば,現代日本社会批判といってもよい。 典型的なのは「賞味期限切れの日本システム」という章。... 続きをみる
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場を荒らすあらすじ係
『原稿零枚日記』(小川洋子 集英社文庫) 久々の小川本。『博士の愛した数式』以降何冊か読んでいるが,イメージとして静謐がふさわしいかなと感じていた。しかし,この文庫はちょっと違う面を感じる。細密な観察力と描写を十分に味わわせてくれる妄想とでも言えばいいだろうか。複数登場する「○○荒らし」の記述では縦... 続きをみる
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黒船だけに目を奪われるな
季刊誌『考える人』が「人を動かすスピーチ」という特集を組んだ。 冒頭に茂木健一郎が「TEDという黒船」と題して原稿を寄せている。 どこかで目にした記憶はあるが,TEDについてはまったく知らなかった。 「はてな」で検索した。 なるほど。日本でもずいぶんと関連するイベントが広がっているらしい。 茂木のこ... 続きをみる
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四天王!
『四天王』という本。 この本を中央線でカバーもせず読む。もし、気がついた人がいたら、さぞかし、異様に見られたかもしれない。なんせ、四天王の仏像が表紙になっているのだから・・・ でも、やはり、この増長天と持国天、迫力あるよな~
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学校から見放された人の学歴
高峰秀子には学歴がない。 新潮社の『波』に斎藤明美が連載している「高峰秀子の言葉」のなかの一節である。 連載も二十七回目であり、高峰の人生もある程度把握しているので、そりゃそうだと思いつつ、少し不思議な感覚も覚える。 あの『二十四の瞳』の先生役のイメージが強いからか。 また、「高峰秀子の言葉」が主た... 続きをみる
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言葉はズルくないのだ
『ズルい言葉』(酒井順子 ハルキ文庫) この本は、文中にある言葉を借りると「言葉が慣用句と化した瞬間」を鮮やかに切り取って見せている。また、その理由を考察しながら日本人の特性について述べている。なかなかの内容である。 と書いた「なかなか」も取り上げられている。 結構使っているかもしれない。 著者には... 続きをみる
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名無しを招き入れる覚悟
『ようこそ,わが家へ』(池井戸潤 小学館文庫) 今,一番の人気作家と言っていいのかもしれない。 このタイミングで新作文庫が発刊(7月)されるなんて,なんと商売上手!変な感心をしてしまう。 主人公は,銀行から取引先である電子部品会社に出向させられた倉田太一。 総務部長職であるが,強引な営業部長や社長と... 続きをみる
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ほどよい油であるために
『人間にとって成熟とは何か』(曽野綾子 幻冬舎新書) 冒頭のニュージーランドについての記述に納得した。 端正で道徳的な国づくりをよく理解したうえで,こんなふうに書いている。 私の心の五パーセントか,十パーセントほどの部分が,こういう国はほんとうに退屈だと思ったことも告白しなければならない。 アフリカ... 続きをみる
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「驚異の『合格』勉強術」
昨日、朝の通勤電車の中で読んだ本。 リンクしている鈴木秀明さんが書かれている本である。6月19日にも、「ラクして受かる勉強法」を拝読させていただいたが、こちらの本も、確かに面白い本である。 「資格マエストロがこっそり実践する」と書かれているが、「資格マエストロ」っていう資格はあったっけ?というつっこ... 続きをみる
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穂村の小さな焔の連鎖
連休中に、ダラリとして読んだ本から… 『もしもし、運命の人ですか。』(穂村弘 MF文庫) 「恋愛エッセイ集」という分野であるそうだ。もちろん、かの穂村(そのエッセイに触れている者ならわかる)であるから、甘ったるい心情を吐露しているわけではない。自己愛、妄想、偏執…どんな言葉で表わしたらいいかと考えて... 続きをみる
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「対」に息づく「鏡」
『最後の小学校』(秋山忠嗣 講談社) 先週参観した国語の授業は,男の子ばかりの2年生4人だった。 授業者は元同僚なので,反省の宴では勝手なことを言わせてもらったが,その中の一つに,いわゆる極小人数を相手にする教師の働きかけという問題がある。 私自身も複式学級解消の学習担当として,3人,4人,5人と一... 続きをみる
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佇む記憶を取りだしてみる
『空の冒険』(吉田修一 集英社文庫) 好きな作家を5人選べと言われれば,吉田修一は必ず入るなあ。 きっかけは,あの『悪人』だった。そのあと遡って文庫になった作品は全部読んでいると思う。 この文庫はANAの機内誌に連載していた短編小説とエッセイをまとめた第二集だ。中にはああこれは目にしたと思う作品もあ... 続きをみる
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心動かされる信念の言葉
『劇団四季メソッド「美しい日本語の話し方」』(浅利慶太 文春新書) 巻末についている「美しい日本語の話し方」教室台本から読み始めてみた。 学校現場に直接いって,子どもたちを対象に教えるときのマニュアルである。三人の俳優が,進行役やモデルとなって発音法を中心としながら,指導していく道筋は実に明快だった... 続きをみる
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「待ち合わせ」を見て妄想
新潮社の『波』誌で新しい連載が始まった。 「俳句と短歌の待ち合わせ」と題して、俳人の堀本裕樹(有名な人らしい)と歌人の穂村弘が1ページずつ受け持つ。 ひと月交代で兼題を出し合って、句と歌を作り、解説?を加えるスタイルらしい。 よし、素人なりの妄想イチャモンをつけみようと思い立った。 たまには俳句や短... 続きをみる
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トキタマ,猿に出会う人
「トキタマの意味はこれでいいのかな」…職員のつぶやきが聞こえた。何かのアンケートの選択肢としてその言葉がでているらしい。「『時々』より頻度が低い」という位置づけになっているとのこと。「時々」と「たまに」とが混ざっているのでそういう解釈だろうか。これは辞典を引いてみねば!追究が始まる。 広辞苑では「時... 続きをみる
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自分流に置き換えて,踏み出す
『小山薫堂 幸せの仕事術』(NHK出版) 究極のポジティブシンキングと評していいのかもしれない。 僕の人生において、本当の意味での失敗というのはない。常に最良の選択をしてきていまがあるのだと、自信を持って言えます。 こう堂々と書く著者も「幼い頃はむしろ真逆の性格でした」と、あとがきで振り返っている。... 続きをみる
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あの人が泣いていた訳
もはやグルメ漫画というジャンルとは呼べない『美味しんぼ』。最新巻を読んだら、あの人が泣いていた。海原雄山である。怒りや叱責の場面は多くあるにしても冷静沈着(初期は冷酷非情)であり、嘆き悲しみを顕わにするシーンなど今まであっただろうか。少なくとも涙を見せてはいない。それが今回登場する。 第110巻「福... 続きをみる
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レールにのっかって小説読み
上下巻ともに400ページ近い長編。上巻は先週土曜に一気に読み、下巻は日曜からちょぼちょぼ読み進めて、金曜朝に読了した。 『ユーラシアの双子(上・下)』(大崎善生 講談社文庫) 後半になって意識したのは、かつて読んだノンフィクション『ドナウよ、静かに流れよ』だった。この本は印象深い。読書記録をあたって... 続きをみる
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教える技術は,学びである
校内の実践研修会で模擬授業やら協議説明をする準備が半端なままだなあと思いつつも、注文しておいた書籍が届いたので、つい読み込んでしまった。 『いちばんやさしい教える技術』(向後千春 永岡書店) 200ページ弱の単行本で、新書でもいいのではと思わせられる質、量だった。しかしそれは不満ということではなく、... 続きをみる
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歴史タイプの幸せのスピード
もう一冊持ち込んだ文庫本は、これだった。 『浅草のおんな』(伊集院静 文春文庫) 「志万田」という小料理屋を切り盛りする女将、志万が主人公である。 志万をめぐる人生模様が浅草を舞台に綴られている。短編連作のような形ではあるが、きちんと筋はつながっている。 この感想はしごく簡単。 「志万田」の常連にな... 続きをみる
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幸せなスピードを想う
先週末からの旅行で、バッグに詰め込んだ文庫本の一つがこれ。 『いまを生きるための教室~今ここにいるということ』(角川文庫) もともと「中学生の教科書 今ここにいるということ」と題されて四谷ラウンドというところから発刊されたものらしい。 秋山仁、板倉聖亘などといった方々が、国語・体育・数学・芸術・理科... 続きをみる
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この男のナメ方の意味
『いまなんつった?』(宮藤官九郎 文春文庫) 宮藤官九郎の名前を知ったのはいつ頃だったのだろう。 たぶん新進の脚本家としてずいぶん以前からその名は聞いていたのだと思う。 はっきり、その顔と名前が一致した作品は今でも覚えている。 NHKのドラマ『蝉時雨』だった。2003年頃だろう。 主人公の友人島崎与... 続きをみる
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すみませんと言ってスミマセン
先日読んだ,鷲田・内田両氏の対談部分に,こんな会話がある。 鷲田 だから詫びるときに,「すまん」というのも,そういうことなんですかね。済まない。済んでいない。 内田 確かにそうですね。だから,詫びや陳謝が成就した場合は,「済んだ」わけです。 ここを読んで思い出したのが,愛読している「とかなんとか言語... 続きをみる
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大人のいない国の大人に学ぶ
『大人のいない国』(鷲田清一・内田樹 文春文庫) 知の巨人と称してもいい二人の対談や個々の論考に、何度もページの端を折ることになった。 改めてその箇所を読み返してみる。 心に響く部分を書き留めて、自分の足取りの向きを見つめ直してみたい。 1 ちょうど子育てや教育において、子どもをどのように育てるかで... 続きをみる
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学習用語の学習の問題
先月末の「学習用語」をテーマとした研究大会に出る前に、ほんのちょっぴり資料に目を通したが、その中で印象深いものを書きとめておきたい。 2005年に出版された『言語技術教育14』~特集 この言語技術を「この授業」で身につける~ が一番面白かった。 この本は、「鍛える国語」の柳谷直明氏が著書を出した翌年... 続きをみる
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〈あいだ〉を面白がる心
『教師をどう生きるか 堀裕嗣×石川晋』(学事出版) 勝手にこの本の読者層を予想してみれば、端的に二人への興味がある人たちだろう。自分もその一人で双方のブログを愛読している。長く読んできた経緯があるからか、本文中の呼称(さんづけ)がどうもしっくりとこない。石川さんもあとがきで触れている。この表記は結構... 続きをみる
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自らの質を自らの文で
ある本を読んでいたら論語の一節があり、その訳がちょっと気になった。 「質がよくても文(あや)がなければ一個の野人に過ぎないし、文は十分でも、質がわるければ、気のきいた実務家以上にはなれない」 しらべてみたら、次の原文があった。 子曰、質勝文勝質則史、文質彬彬、然後君子、 気になったのは「文」である。... 続きをみる
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「H&D問題」対応から考える
「H&D問題」と書くと、何か話題のTPPにでも関係するのかと思われそうだが…。 久しぶりに買ったビジネス誌は健康がテーマだった。 「死んでもいいから、健康でいたい」というほどの健康オタクではないが、自称書斎派健康人(笑)として知識は仕入れたい。 その雑誌に、楠木建さんという大学教授が「我、H&D問題... 続きをみる
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物語の発想を当てはめれば
『オー! ファーザー』(伊坂幸太郎 新潮文庫) ずいぶん前に新聞連載された作品らしい。 10年に単行本,そして先月文庫化された。 物語は「4人」の父親と一緒に住んでいる高校生が主人公。この設定も,会話のこ洒落た感も,読みだしてすぐ「ああ,伊坂だなあ」と思うが,最初は会話文の連続が多い気がして,正直若... 続きをみる
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「アカンヤンカ」で風を
佐藤可士和×小山薫堂の対談を見終わって,ふと思い出したことがあった。 以前,NHKのプロフェッショナル仕事の流儀に登場した高知のデザイナー,梅原真のことだ。 このブログにも感想を書いている。 http://blog.goo.ne.jp/spring25-4/s/%C7%DF%B8%B6%BF%BF ... 続きをみる
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「もったいない」と働きかける
録りためておいた番組のなかに,NHK「switch インタビュー 達人達」があって,注目している佐藤可士和と小山薫堂が対談する回を興味深く見た。 佐藤可士和の『超整理術』を読んだ時には,頷きとため息ばかりが出たのを覚えている。番組後半にその仕事場が撮影場所になっていて,写真でみていたその通りであった... 続きをみる
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鈍感ではいけない,慌ててはいけない
『みんなで考えよう 世界を見る目が変わる50の事実』(ジェシカ・ウィリアムズ 草思社) 著者はイギリスのジャーナリスト。各種のデータをもとに世界の現状を若者向けに紹介しているものだ。 扉の裏には「明るい話題から深刻な話題まで」と書いているが、編集者?は50項目のどれを明るいと形容しているのか、わから... 続きをみる
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歌のしたたかないのち
『大人のための 教科書の歌』(川崎 洋 いそっぷ社) ちょっと驚いてしまった。 この本には戦後の音楽教科書に掲載された歌の中から66編が紹介されている。 その66編全曲を自分が口ずさめるということは意外だった。 教科書で習ったのだから当然ではないか、とも思えるが、三社の音楽教科書から選ばれているもの... 続きをみる
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40字で多面体を言いきる
『上杉隆の40字で答えなさい』(上杉隆 大和書房) こんな副題が小さく表紙に書かれている。 きわめて非教科書的な「政治と社会の教科書」 政治やメディアに関するフリージャナリストとして有名な著者、結構過激なことを書いているなあという印象を持っていた。しかし雑誌記事などを読んだだけの印象なので、単著では... 続きをみる
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スタートラインを思い出す
もう一つ『滝山コミューン一九七四』(原武史 講談社文庫)から 読み終わってふと思い出したことがあった。 この頃、そんな質問をうけることはめったにないが、以前は「なぜ、学校の先生になったんですか?」などと訊かれたことがあった。 その時、多少のバリェーションはあるにしろ、こんな言い方をしていた。 「子ど... 続きをみる
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見過ごしてきた自分に
『滝山コミューン一九七四』(原武史 講談社文庫) この著者の名前には見覚えがあった。講談社の雑誌『本』で「鉄道ひとつばなし」という連載を続けている。なんとなくその方面の専門家かと思っていたが、今月号を改めて読むと専門が「政治思想史」とあるではないか。毎月見てはいたのだろうが、関心がないと目は向かない... 続きをみる
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半読者は怖れ,居直る
『自分の頭で考える』(外山滋比古 中公文庫) 一応、読書をメインにしてブログを続けている者にとっては手痛い言葉と出会ってしまった。 半読者 著者の造語である。 セミ・リテラシー(読み書き能力の半分)しか身につけていない読者を指す。文字は読めているのだが、その先は…という状態にあることだ。 著者はこう... 続きをみる
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指させる星がいくつあるのか
『眺めのいい人』(伊集院静 文春文庫) 途中から、なんだかこの本は読んだ気がするなあと思い始めた。 週刊誌の連載でありそれを目にしたのかなと考えたが、手を伸ばす分野のものでもないので…改めて後付けに目を通すと、たしかに「文春文庫」としては初だが、「ゴマブックスの二次文庫です」という但し書きがついてい... 続きをみる
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警句を吹き込む「大人」の著
『清らかな厭世 言葉を失くした日本人へ』(阿久悠 新潮社) 著者は「はじめに」をこう締めくくる。 ぼくら民族の子どもたちは替えられない。とすると虚無の心に警句を吹き込む努力は全大人がすべきである。 この著は、平成16年4月から亡くなる直前の19年6月まで産経新聞に連載された文章が再構成されている。 ... 続きをみる
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