ショートショートのムラゴンブログ

  • 『パパ、だいすき』

    先生「ハイ、今日は作文の発表ですよ。お父さんの作文、書いて来ましたか?」 児童一同「ハ~イ!」 先生「みんな、はりきっているわね。じゃあ、トップバッター、美穂ちゃん、お願いします」 『パパだいすき』 「ミホ、なんでへやをかたづけてないんだ?」 先月の夜、パパがわたしをおこりました。 テレビにむちゅう... 続きをみる

  • どっちが怖い?

    同じゼミのタカシとボクは久しぶりに居酒屋で飲むことにした。 発泡酒をビールと称して平気で出す学生相手の店で、ナンコツ唐揚げをツマミにグダグダ飲んでると、話題はなぜか怖い話へ。 「えっとカナシバリにあった時、あれ怖かったなぁ」 ボクからまず話した。 浪人生の夏、下宿の部屋で寝ていると、夜中に突然足首を... 続きをみる

  • お父さん、しっかり!

    「じゃお父さん、お忘れにならないでくださいね」 「そう何度も言わなくてもわかるさ。2時30分。一階中央コンコースだな。忘れやしないよ」 「もうこないだみたいなこと、勘弁してくださいよ」 「ああ、わかっている」 妻は十分に念を押してから3階の婦人服売り場に向かった。私の方はいつものように大型書店へ向か... 続きをみる

  • キャー!のび太さんのエッチー!

    あ~あ、退屈だなぁ。 ボクはどの教科も苦手なんだけど、算数なんてチンプンカンプンだよ。 眠い、眠い。昨晩はパパとママが寝た後、こっそり11PMを見てしまったからなぁ。 それにしても、新聞に「めくって、やぶって、ひとつき!」なんて書いてあったからドキドキ見てみたら、来年のカレンダーの紹介じゃん。 泣き... 続きをみる

  • 父さんのHappy New Year!

    大晦日、バイトを終えてアパートに帰ると紅白も終盤だった。 ひとり、年越しそばを食べていたら携帯が鳴った。父さんからだ。 「こんな時間までバイトか。大変だな」 「うん、割烹の仲居のバイトだもん、今が稼ぎ時なのよ。お正月は帰れないから」 「学校が始まるまで日にちがあるだろ」 「それじゃ旅費がもったいない... 続きをみる

  • アツアツ神社

    (これまた去年の書いたものをリライトすらせずにアップ。・・・リアップ?) 「ヒロシ君、行こうよ、初詣。近くにカワイイ神社があるんだ」 って、サトミちゃんが言うから、行ってみることにした。おそろいのマフラーを巻いて、手つないで。 お正月も終わった日曜の午後。石段の両わきに昨日の雪がガチガチになって残っ... 続きをみる

  • そんなエッチなお願いはNGです

    「じゃ、ちょっとコンビニ行ってくるから。サボらずにやっといてくれよ」 上司はそう言って職場を出て行った。 正月早々、部下を呼び出して仕事を手伝わせといて、コンビニ~?やってられないよ、まったく。 Excelに入力していると、上司が階段を下りる足音がここまで響いてきた。このビルで働いているのは僕だけ、... 続きをみる

  • スゴロク

    これもリライトです。お正月をリライトで乗りきるつもりでしょうか? →て目を閉じた。なんで?なんで目を閉じたんだっけ? ゆっくり目を開けるといつもどおりの安アパートのアタシの部屋。コタツでひとりぼっちのアタシ。TVではあいかわらず、新春特番のたれ流し。コタツの上にスゴロクが広がっている。頬の涙を両手で... 続きをみる

  • アンドロイドは初夢を見るか?

    皆様、あけましておめでとうございます。 今年も『虎犇秘宝館』をよろしくお願いいたします。 2011年矢菱虎犇の目標は『ペースダウン』です。去年はなんかペースが上がってコントロールができなくなったんで、今年はテキトーに休み休みやっていきたいと思います。みなさん、見捨てずによろしくお願いします。 という... 続きをみる

  • 今年もお世話になりました

    おっと!ついウトウトしてしまったようです。吹雪が唸りをあげる中、橇の上でサンタクロースは眠気をふり払いました。 携帯を開いてみると、なんとまあ12月31日。大晦日ってのに何をのんきな。 クリスマスは一週間前とうに終わり競作も終わったというのに、まったく鬼が泣きます。 なんでこんなに遅くなったかって?... 続きをみる

  • おべっか姫

    あるところに、おべっか姫という、どこにでもいそうな女子がいました。 おべっか姫は子どものころから周囲におべんちゃらを言って生きてきました。 「お姉ちゃん、コレ欲しくないなら食べてあげる」と弟が言えば、「そうなのよ、どうぞ」と食べてもらいました。 「牛乳は体にいいのよ」と担任の先生が言えば、大嫌いなく... 続きをみる

  • 【R18指定】アダルト福引抽選会

    アダルト福引?なんだそりゃあ? 「ウフフ、一年間の感謝をこめて、年に一度の大サービスよ。空くじなしの福引大抽選会でぇす!」 忘年会一次会で抜けて、行きつけのスナックバーのドアを開けると、店の雰囲気が変わっていてギョッとした。 店内、キラキラモールで飾りたてられ、ピンクの照明がいかがわしい。サックスの... 続きをみる

  • 笠地蔵は電気コタツの夢を見るか?

    目も開けておられぬ吹雪の彼方に、何やら立っているモノがあります。 ザック、ザックと雪踏みしめて近づくと、なんとお地蔵様じゃないですか。 「お地蔵様、お地蔵様。どうか助けてください。このままじゃ年も越せません。死んじゃいます」 お地蔵様はアルカイックスマイルを浮かべたまんま地蔵みたいに動きゃしません。... 続きをみる

  • インセプション!

    「奈々子?奈々子じゃないのか?」 父さんの声だ。携帯を握りしめてあたしは嗚咽した。 父さんはなんでもわかってくれる。大好きだよ、父さん。 「事情は言わなくていい。帰って来なさい」 帰りたい。帰りたいよ、できることなら。 玄関引き戸のガラガラという音。慌てて携帯を切る。 亭主のタダシだ。怒鳴り散らす声... 続きをみる

  • 3分間刑事

    (2008年12月10日初出) (2010年12月17日「ばか言わシアター」で朗読していただきました) なんと2年前、ショートショートらしきものを書き始めて2ヶ月めの文章です。 3分で終わらせる強引さを狙って、敢えて伏線もなんにもなしの唐突なオチ! すっかり筋書きを忘れていてラジオを聴いたので、最後... 続きをみる

  • # ショートショート
  • サンタが今年もやってくる

    イブの朝食の食卓、顔を紅潮させた息子が叫ぶ。 「パパ、今年もサンタさん、来てくれるよね!」 うるさい。キンキン声が頭に響く。 「僕にもプレゼントもってきてくれるよね!」 黙ってくれ。トーストを一口かじって息子を睨み首を振る。 「いいや。おまえが寝てからパパがプレゼントを置いてるんだ。毎年、毎年」 息... 続きをみる

  • クリスマスについのべをゴジラ編

    海上に眩い光が走り、沸き上がった波間からゴジラが出現!漁船を噛み砕き、尾でタンカーを真っ二つ。上陸しては放射能光線を市街地に吐き散らかし、自衛隊の戦車を溶かしの大暴れだぁ。恐るべし!恐るべしなんだけど、兇暴なくせに時節がらサンタ帽を被っているのはいかがなものか?

  • クリスマスについのべをパンドラの箱

    ホールに飾ったツリーに靴下をさげた。何てお願いしたの?大人から聞かれたけど答えなかった。ホントは『この世界がもっともっと面白くなりますように』ってお願いしたんだ。翌朝、靴下いっぱいに黒い箱が入っていた。大人が真っ青になって止めたが、僕はもう箱を開けていた。

  • クリスマスについのべを50

    「あ、降ってきたよ」真っ暗な冬空に彼女が両の掌を捧げ上げて回った。「ホワイトクリスマスね」眼を閉じたまま彼女が微笑む。微笑みが温かさとなって僕に伝わる。「本当だ。降ってきたね」僕もまた雪を見るために目を閉じた。僕たちを祝福して白い妖精が次々舞い降りる。

  • クリスマスについのべを49

    「ママ、今年も来てるよ。おばあさん、元気みたい」いつからだろう、身寄りのないおばあさんからクリスマスカードが届くようになった。最初は送り先を間違っていますよと電話で伝えた。それでも毎年送ってくる。相手は誰でもいいのかもしれない。私は娘と返事のカードを書き始める。

  • クリスマスについのべを48

    「イブの夜って御馳走食べてお酒を飲んで、すっごいロマンチック。でもクリスマス当日って残りもののボソボソしたケーキみたい。当のクリスマスが味気ないってなんかヘンだよね」ベッドに腰掛けた僕が呟く。枕に顔を埋めていた愛人が僕を見てクスリと笑った。「結婚と一緒よ」

  • クリスマスについのべを47

    イブの夜、太平洋上空を飛行する未確認飛行物体が撃墜された。米太平洋艦隊によって捜索がおこなわれたがその行方は杳として知れなかった。それから一週間ほど過ぎた元旦、ご来光を背負いザブザブ波をかきわけて宝船がやってきた。オヤ、七福神、ひとり数が多いんじゃないか?

  • クリスマスについのべを46

    まったく解せぬ。年の離れた若妻の出産予定日9月19日が迫っていた。しかし私は無精子症である。では誰が妻を?人を雇って調査したが浮気の気配はない。まさか処女懐胎?やがて妻が出産した。丸々とした赤ん坊は赤ら顔に白髭、ホウホウホウと産声をあげた。父親はあいつだ。

  • クリスマスについのべを45

    明かりを点けると白い部屋の真ん中にツリーが飾られ、赤い服の老人がそっと長方形の箱を立て掛けている。まさか!夢だ、夢にちがいない!そう思った途端、目が覚めた。ああ、やっぱり。しかし一体今のは何だったのか?長方形の黒い石板を見上げて、骨を握った猿人は首をかしげた。

  • クリスマスについのべを44

    「クリスマスが近づいたなぁって感じるのはどんな時?」「そうだなぁ、そりゃやっぱり店先がディスプレイされたり、通りがイルミネーションで彩られたり、クリスマスミュージックが流れたり」「僕は、毎日クリスマスの準備をしているYahoo!のロゴを見るときかなぁ」

  • クリスマスについのべを32薬増す

    やれ忘年会だ、クリスマス会だってんで食生活が乱れて胃が悪い。病院に行くと、胃腸はもちろん肝臓やら血圧やら尿酸値やらことごとく要注意マークを付けられた。予想外に悪いテストが返ってきたときの屈辱感。山ほど薬を出された。これじゃクリスマスじゃなくてクスリマスだな。

  • クリスマスについのべを33高気密

    高気密・高断熱の邸宅の門に立った。オール電化だからもちろん煙突もない。窓も二重ガラスで密閉、ヘタに手を出せば警備会社が駆けつけるだろう。TV付きドアホンのボタンを押すか、押すまいか。結局、サンタクロースは宅配業者に出向きプレゼントの箱にお歳暮と書いて預けた。

  • クリスマスについのべを36ゴメナサイ

    「ちょっと待ったぁ!」サンタの背中が震え上がった。「僕がほしいのはこれじゃあないよ!これ、正規品じゃないし!」サンタの顔前にプレゼントを突きつけた。「ほらぁ、これワケありだよ。ダメじゃん!」「ゴメナサイ」中近東系のサンタがウルウル目で謝る。あんたもワケありか。

  • クリスマスについのべを39芋虫

    「小鳥の子どものクリスマスプレゼントは美味しい芋虫。芋虫の子には美味しい植物の葉。食物連鎖という偉大なる摂理なのだよ。さあプレゼントをどうぞ」父親が指さす先をじっと見つめて坊やは真っ青だ。ツリーに吊るした赤い靴下ははちきれそうで中身がモゾモゾと蠢いている。

  • クリスマスについのべを52タイムマシン

    ついにタイムマシンを完成した。僕は三十年前の自分の部屋にプレゼントを抱えて戻る。親からかまわれず孤独だった僕のために。部屋から僕の声。「大人になったら絶対にタイムマシンを作ってやる。僕がサンタになって戻るんだ」がんばれよ。僕は晴れやかな気持ちで現在に帰った。

  • クリスマスについのべを43

    「僕はサンタブーツミニ、隣の子はサンタブーツデラックス。パパ、どうしてサンタさんは差別をするの?」「いい質問だ。大人になったらよ~くわかるとだけ言っておこう。俺も子どもの頃、父に同じ質問をしたことがある。大人になったらその理由がよ~くわかるんだ」

  • クリスマスについのべを42

    【問題】サンタさんがクリスマスケーキ3000円を3割引、シャンペン1000円を半額、サンタブーツ1200円を2割引で購入しました。合計いくらでしょう?算数テストでこんな問題が出された。僕は「サンタクロースは存在しないので購入不可能」と解答欄に書きこんだ。

  • クリスマスについのべを41

    「先生、例の患者さんがみえました」「ああ、自分のことをサンタクロースだと思いこんでいる患者だな。まったく話にならん。通してくれ」「どうぞこちらに掛けて。何度言ったらわかってもらえるかな、君はサンタクロースじゃない。サンタは僕で、君はトナカイのルドルフなんだよ」

  • クリスマスについのべを40

    夫婦水入らずである。カルパッチョとローストチキン、辛口ワインを味わう。お笑いタレント総出演のダラダラした特番を見ながらブッシュドノエルと紅茶を楽しんだ。私「ごちそうさま」妻「お口に召しましたか?」私「うむ。難を言わせてもらえば元日の朝にはふさわしくないな」

  • クリスマスについのべを39

    箱を剥がすと純白のクリスマスケーキが思い描いたままの全身を露わにした。辛抱たまらず僕はナイフを突き立てる。躊躇うように凹んだクリームにゆっくりと刃先が沈み込んでいく。「大丈夫、大丈夫だから」根拠のない言葉を繰り返し僕はさらに律動を繰り返し、むりむり切り分けていく。

  • クリスマスについのべを38

    無機質な狭い尋問室に老人は拘束されていた。取調官が不敵に笑う。「おまえが本物のサンタかどうかすぐにわかるさ。見ろ、これは嘘発見器だ。おれの質問に必ずハイと答えろ。おまえの答えが嘘なら嘘発見器が感知してブザーが鳴る仕組みだ」その言葉に嘘発見器のブザーが鳴った。

  • クリスマスについのべを37

    玄関チャイムの音。ドアを開くとサンタがにこやかに登場、息子に大きなプレゼントの箱を手渡した。息子は目を輝かせて大喜び。配達オプションにサンタバージョンを加えるとは粋なサービスを始めたものだ。ただし箱に大きく書かれたAmazonのロゴは来年からやめてほしい。

  • クリスマスについのべを36

    「死者の丘」を発掘していた調査団が神殿の門に書かれたギリシャ文字を解読した。『メリークリスマス』。神殿の柱周辺の土壌を調査すると、炭化した柊や石化した蝋燭まで見つかった。古代ギリシャ人もクリスマスを祝っていたとは。世紀の発見に世界が驚いた。一体誰の誕生日なんだ?

  • クリスマスについのべを35

    医者が顔をしかめる。「この腹回り!このボコボコのむくみがセルライトですよ。まさにメタボリックシンドローム。悪いことは言わない。死にたくなかったら即、ダイエットなさい」白い髭を撫でながら老人は悲しい表情を浮かべる。ダイエットしたらこの仕事、サマにならねぇ。

  • クリスマスについのべを34

    ♪恋人がサンタクロース♪背の高いサンタクロース♪私の家に来る♪・・・絵本から出てきたような、丸々したサンタのおじいさんが肩をすくめました。「おいおい、婆さん、その歌はやめてくれい。結婚して何十年になると思っとるんじゃ?恥ずかしくって体がかゆくなってくるわい」

  • クリスマスについのべを33

    朝のミーティングで忘年会幹事が挙手。「えっとご高齢の社員の皆さんの事情はわかっているつもりです。でもね、忘年会の出席がゼロなんて聞いたことありませんよ。つきあいも仕事のうちでしょ」恰幅のいい白髭の社員全員、赤ら顔を曇らせる。24日はまずいよ、幹事さん。

  • クリスマスについのべを32

    中央広場に人だかりが。事故か?タンクローリーが街路樹をなぎ倒し噴水に乗り上げている。ア!赤い点滅に照らされる横転した橇。トナカイたちがうなだれている。まさか。橇の下から這い出してきたのはサンタクロース!手には『新装開店』のプラカード。なぁんだ、新手の広告か。

  • クリスマスについのべを31

    夜中に目が覚めて居間の電気を点けました。おや!ツリーの前に箱を抱えた白髭のおじいさんがしゃがんでいるではありませんか。まちがいありません。「おじいさんは本物の?」「ああ、この箱を開けたら白い煙がモ~クモク、おじいさんになってしもうたのじゃ」ほぅら、やっぱり!

  • クリスマスについのべを30

    街頭で看板を掲げるサンタ、この時期ありがちだ。本物じゃなきゃ誰も見向きもしないさ。あれ?サンタ帽の後ろにジッパーのツマミ!ジッパーが後頭部、上着、ズボンを一直線に貫いている。ってことは全身着ぐるみサンタ?中身は一体?本物のサンタよりも気になってきた。

  • クリスマスについのべを29

    橇から降りると、疲れきった重い体に引きずるように家の中へ。ガウン姿の妻が眠そうな目で睨んだ。「まったく今何時だと思っているんだい。もう夜が明けちまったじゃないか。毎年毎年どこをほっつき歩いてるんだか」言葉とは裏腹に差し出された熱いスープが心の中まで満たしていく。

  • クリスマスについのべを28

    イブの夜にチャイムが鳴る。ドアを開けるとミニスカサンタの美少女が立っていた。やった!ついに願いがかなった!「外は寒いでしょ、さ、入って入って」招き入れた女の子、サンタの衣裳に合わせて白髭までつけている。「アハハハ、これは蛇足ってもんだよ」「、痛!何しやがる!」

  • クリスマスについのべを27

    風邪をひいてしまったサンタが無理して橇に乗ろうとすると、サンタの妻がトナカイの毛皮コートをかけてくれた。「おお、これは温かい。ありがとう」8頭のトナカイが一斉に振り向く。そしてサンタにフレーメン。8頭の鼻息が荒い。待て、待ってくれ!わしは牝トナカイじゃない!

  • クリスマスについのべを26

    弾丸は十数センチと迫っていた。ゴルゴル13の目に空港ロビーをスタスタ歩くサンタが映る。なるほどそれで一晩のうちに世界を回れるわけだ。サンタがゴルゴルの視線に気づき微笑みかける。メリークリスマス!サンタはゴルゴルの身体をよいしょと抱え横に移動、弾道からずらした。

  • クリスマスについのべを25

    「クリスマスパーティーにどうぞ」宇宙からメッセージが届いた。人類こぞって宇宙船でその惑星をめざす。到着すると宇宙人たちが盛大に歓迎してくれた。なんだか醜い。七面鳥にそっくりだ。「さ、人類の皆さん、お風呂にどうぞ、それからこちらのガーリックパウダーを全身に」

  • クリスマスについのべを24

    イブの夜ひとりツイッター、タイムラインをながめる。「濡れちゃったなう」「挿れるなう」「イクなう」「再突入なう」けしからん!まったく何をやっておる?twitter するかアレするか、どっちかにせんか!画面を閉じようとマウスを握ろうと思ったら別のものを握りしめていた。

  • クリスマスについのべを23

    「パパ、サンタさんいないんでしょ?だって世界中の子どもにプレゼントを配るなんて無理だもの」ここは父親の見せ所。「実はサンタにはサンタクローンがたくさんいるんだ」息子の目が輝く。「ママも言ってた!パパの出張中に来るオジサンはパパクローンなんだって。でも似てないなぁ」

  • クリスマスについのべを22

    「ホ~ホゥホゥホゥ!メリークリスマス。わしがサソタクロースじゃよ。さ、プレゼントだよ」「わぁ~い、ありがとう!リラックマだぁ・・・・・・ちょっと待った!これ、リラックマじゃないよ、イラックマだよ!」「それでよいのじゃ。なにせわしはサンタじゃなくてサソタなんだから」

  • クリスマスについのべを21

    昔のクリスマスはよかった。バイメタル電球の目を刺す点滅。ぼそぼそしたスポンジにバタークリームを塗たくったケーキ。まったりと鼻をつく蝋燭の焦げた匂い。懐かしい!今どきのクリスマスなんてダメダメじゃん!彼女がいてくれたら違うのに。彼女さえここにいたら最高なんだけど。

  • クリスマスについのべを20

    小3のクリスマス会。きよしこの夜を歌いながらプレゼントを回す。ちょうど奈々子の箱が回ってくる!はずだったのに、右隣のタカシのヤツ、奈々子の箱を渡さなかった。高校に入って奈々子と再会した。タカシとは別れたそうだ。その晩、奈々子からメールが届いた。「お待たせ」

  • クリスマスについのべを19

    僕が降り立った惑星は毎日が地球で言うところのカーニバルだった。胸弾むリズム、嬌声、汗、炎。強い酒を回し呷る。羽飾りの美女は僕の上でも踊り狂った。もうすぐクリスマスだという。平日でこうならどんなスゴイことに?その日がやってきた。静かな朝、人々は黙々と仕事に向かう。

  • クリスマスについのべを18

    イブの深夜、パトロール中の警官が大きな袋を背負った赤い服の不審者を呼びとめて職務質問した。「その袋を見せなさい」「これは子どもたちのための」警官が袋の中を懐中電灯で照らす。見るもおぞましい肉片の山。「なんだこれは?」「だからうちのピラニアの子どもたちのための」

  • クリスマスについのべを17

    サンタコスチュームのAKB48がシャンペンを抜く。AKBと俺だけの酒池肉林パーティー!のはずが、互いの話題について行けず気まずくなるばかり。俺は契約の1時間にもならぬうちにバーチャルブースを出た。そして杜子春のラストみたいに晴れやかな気持ちで妻の待つ家路についた。

  • クリスマスについのべを16

    新聞下の広告欄、尋ね犬の隣に尋ねトナカイの広告が出ていた。『スバルビル前でいなくなりました。特徴は赤い鼻です。ルドルフと呼ぶといななきます。見つけた方にはお礼にプレゼントを差し上げます。連絡先333-3964』どこの電話番号だ?フィンランドじゃないのかよ!

  • クリスマスについのべを15

    クリスマス前はしゃぐ友だちに腹が立った。だって両親、姉、僕、家族四人みんな誕生日が12月25日はないだろ。ケーキは一年一回きり。神様、お願いです。僕の誕生日を変えてください。翌日、産院から謝罪電話。「赤ちゃんの取り違えミスがありまして」いや、そうじゃなくって。

  • クリスマスについのべを14

    寒い寒い夜更け、窓の外を赤い何ががよぎったがど思うど、そいつが入ってきだ。今晩来るかもしんねと童子がドキドキしでだそいつが。「何しに来だ?」「ホウホウホウ、ヨイ子タチニぷれぜんと持ッテ来マシタ」「泣がないよい子に?ははぁん、ぬしは洋モンのナマハゲだべな!」

  • クリスマスについのべを13

    イブの夕方、祖父さんがいなくなった。ちょっとボケてきたかな。翌朝になっても戻らない。まさか祖父さんは。翌々日、自宅の電話が鳴った。「お宅のお祖父さんを保護しています」やっぱ徘徊か。心配かけて。「すぐ迎えに行きます。場所はどちらです?」「フィンランド日本大使館です」

  • クリスマスについのべを12

    「サンタクロースを殺ってくれ」ゴルゴル13は依頼を受け入れた。イブの夜空に銃声が響いた。「残りの報酬をいただこう」「本当に殺ったのか?これでクリスマスはなくなるのか?」「いや。たとえサンタを殺ったとしても、世界中の子どもたちの、心の中のサンタを殺すことはできない」

  • クリスマスについのべを11

    『矢追純一スペシャル~宇宙人は見た!』だって?懐かしいなぁ。にしても、「宇宙人は」?「宇宙人を」の間違いでは?その晩TVを視聴した。金色の金星人が声優の声で語る。「地球ヲ偵察飛行中、ワレワレハ橇デ飛ブ老人ヲ目撃シタ」大槻教授いつになく不機嫌だ。どこに引っ掛かっている?

  • クリスマスについのべを10

    続いてのニュースです。クリスマスを前にサンタクロースとトナカイの労使間交渉が決裂、トナカイは全面ストライキに突入しました。クリスマス中止も危ぶまれる中、サンタ側は対抗措置として奈良の鹿を雇ったもようです。奴ら、集団で子どもを襲うので気をつけてください。

  • クリスマスについのべを9

    小学五年生のクリスマス、父はサンタクロースに死刑宣告をした。「おまえももうわかっていると思う。ほしい物は自分で選んだほうがいいだろ。一緒に買いに行くぞ」その瞬間、近年次第に影が薄くなっていたサンタは完全に消滅した。わかっていた。わかっていたんだけどせつなかった。

  • クリスマスについのべを8

    雑踏の中、街角に立ち微笑む老人。本物のサンタクロース?「オジサンにも見えるんだね」いつのまにか隣に少年が立っていた。「いるんだよね、大人になっても見える人」どうやら俺は選ばれし人らしい。「あのお爺さん、あそこでバイト中、暴走トラックが突っ込んできて」そっちかよ!!

  • クリスマスについのべを7

    「今年はひとりぼっちのクリスマスにさよならできますように」僕は祈った。だが結局、誰も現れず、さびしく床に就いた。深夜、僕のフトンにすべり込む白い肉体。きめ細かい肌の温もり。夢中で豊満な乳房を揉みしだく。乳首を舐め、首筋をたどって唇へ。え?白い髭がこそばゆい。

  • クリスマスについのべを6

    ついに本物のサンタクロースが発見された!「サンタさんの絵を描こうとおじいさんいっぱい集めたら、その中に本物のサンタさんがいたんです。ギョギョッビックリでしたぁ~」発見したのは、絶滅したはずのクニマスを発見した、あのさかなクンでした。さかなクン、おてがら!!

  • クリスマスについのべを5

    25日の朝。「やったぁ!スピノサウルスのフィギュアだ!」「あたしのは夢ねこビーナスだわ!」兄妹二人とも大はしゃぎです。サンタさんにお礼の手紙を書くと言ってききません。「そうね、サンタさんだからフィンランドかな?」「ママ、サンタさん中国だよ。両方ともメイド・イン・チャイナだもん!」

  • クリスマスについのべを4

    イブイブ深夜、酔って帰った父は夫婦喧嘩の末、テレビを壊してしまった。その年の僕のクリスマスプレゼントはおあずけ。でも25日の朝、両親はなぜか仲よしに戻っていたんだ。テレビなしの一日、喋って笑って過ごした。あれから何年経つだろう、あのクリスマスだけは忘れられない。

  • クリスマスについのべを3

    イブの夜。贅沢坊や「サンタさん、僕は2台めのPCでいいや、最高スペックならね。あ、無線LANは当たり前だかんね」神の御心は生きとし生けるものに降り注ぐ。フンコロガシの子「××をください」翌25日朝、サンタクロースの故意の配達ミスによってお屋敷から悲鳴があがった。

  • クリスマスについのべを2

    「明日食べるものにさえ苦労しています。サンタさん、たらふく食えるようにして!」失職中の独身男が震える手を組んで祈る。サンタクロースは彼の願いを聞き届けた。翌25日、目覚めた男の枕元には、朝食・昼食・夕食、一つ星高級レストランのお食事券3枚が揃って置かれていた。

  • クリスマスについのべを1

    子どものほしい物が何でも見える男がいた。男は一年に一度、それを世界中の子どもに配っている。だがそれが見えない子が一人だけいた。配り終えた男はその子に尋ねる。「おまえのほしいものを教えてくれるかい?」子どもは男に飛びつき白髭に頬ずりした。「サンタさんに会うこと!」

  • 【twitterショート140字×3】ネタの使い回し大作戦

    「セブンイレブンのロゴ、見たことある?」 「数字の7にELEVENだろ」 「ELEVENの最後のNが小文字なのはナ~ゼだ?」 「あ、ホントだ。ELEVEnになってる。なんでなんで?」 「セブンイレブンの社長がひどい痔持ちで、少しでも『オシリのヂが小さくなりますように』って」 女の子ひとりなんて決めら... 続きをみる

  • ニョロウィルス、東へ

    「とうとうウチの社でも出たな」 総務課の高橋さんがサージカルマスクで覆った顎をしゃくった。 黄色テープのクロスで通路が遮断され、防護服に身を包んだ男たちがそこかしこに消毒液を噴霧している。 「ニョロか?」 マスクでくぐもった声の僕が尋ねると高橋さんは無言でうなずいた。 ヤバいな。終息したと思っていた... 続きをみる

  • キャベ人

    (2009年12月28日初出) (2010年12月3日「バカ言わシアター」で朗読していただきました) 僕はキャベツが好きだ。 塩コショウだけで炒めたキャベツも最高。 シャキシャキの千切りにオタフクソースをからめても美味。 ロールキャベツに、ポトフに、鍋に、お好み焼きに、サラダに、ピクルスに。 恐るべ... 続きをみる

  • 鏡の精は電気ウサギの夢を見るか?

    城の最上階、妃の間の一番奥の壁。青いビロードをめくると丸鏡が現れます。 「鏡よ鏡、この王国で一番美しいのはだぁれ」 「はい、それはもうお后様でございます」 毎日毎日、朝な夕な、お后様は鏡に問いかけます。鏡の答えはいつも同じです。 ところがある日のこと、お后様が問いかけると、 「あ、えっと、そりゃもう... 続きをみる

  • 【ゴルゴル13絶体絶命・後編】

    単行本150冊を超える不死身のスーパースナイパー、ゴルゴル13。彼の身に、未だかつてこんな絶体絶命の危機があったろうか。 空港ロビーを歩くゴルゴル13を偶然見つけた殺し屋が拳銃を発砲、偶然だからこそ防ぎようもなかったのだ。 いかに敏捷なゴルゴルといえども、銃弾を避けることなど不可能である。 今、無防... 続きをみる

  • て果の作競スマスリク

    競作に参加してくださった皆さん、応援してくださった皆さんへ (矢菱虎犇) 2010-12-26 07:04:33 ついにクリスマスも終わってしまいました。 競作に参加してくださった皆さん、応援してくださった皆さん、本当にありがとうございました。 思い起こせば1ヶ月前、競作ブログ企画を立ち上げたときに... 続きをみる

  • ラジャラジャマハラジャ

    電車が郊外へと進むにしたがって、窓の外はビル街から住宅地、そして田園風景へと変化してゆく。 平日の昼下がり、車内は人もまばらだ。 新聞の競馬欄に何やら書き込む労務者、メールに夢中の若い女、文庫本を読む年配の男。何の変哲もない日常。 規則的な走行音、吊り広告の軋む音、ふくらはぎに伝わる暖房の熱、ああ、... 続きをみる

  • 今日のお昼はカレーですか

    熱海の海岸でずぶ濡れの男が発見された。 熱海警察に保護されたその青年は日本語が話せなかったし、世界のどの言語も解さなかった。 ピアノマンの再来か?というわけで、楽器を与えてみたが反応なし。 日本中、このミステリアスな男の話題でもちきりとなった。 何といってもこの男、イケメンというか、とにかく容貌が少... 続きをみる

  • 犬以下

    群馬の伯母から電話があった。伯父がしばらく入院することになったので、飼い犬を譲りたいと言う。 妻も娘も大賛成だったので譲り受けることにした。 数日後、業者が犬を運んできた。 なんだ、この犬? 僕よりもはるかに大きい肉のカタマリ、全身皮が弛んでいる。荒い息を吐き、玄関ポーチを涎で点々と濡らす。 「お祖... 続きをみる

  • お幸せなあの人に今年一番幸せだったことをインタビュー

    「どうでした?今年」 「幸せな一年でしたねぇ」 「そんな幸せな一年を過ごした矢菱さんの今年一番幸せだったことをおしえてください」 「え~!一番?そうだなぁ、正月に占ってもらったんですよ。そしたら占い師が今年は幸せな一年になりますよって。あれが一番幸せだったなぁ」 「わ~!お幸せな方」 (最後まで読ん... 続きをみる

  • 肉まんデラックス

    りんさんの「肉まん事件簿」を読んで、僕も肉まんのお話を書きましたぁ。 この季節、ちょっと小腹が空いてコンビニに行ったら、やっぱり僕は肉まんだな。 アッツアツの肉まんをヤケドしないようにお手玉みたいにポンポンしながら、ホフホフ頬ばる。 皮はフワフワほのかに甘く、そのうち甘辛い具がジュワッと出てくるコン... 続きをみる

  • トラビシアン料理をあなたに

    あ、降り出した。 粉雪がチラチラと舞いはじめた。まいったなぁ。 来週はクリスマスイブだっていうのに、彼女と食事の約束をとりつけたというのに。店が決まらない。 僕はもう2時間近く表参道周辺を探し回っている。めぼしい店は予約でいっぱい。そりゃそうだよなぁ。 ♪キンコンカンコン♪どこからか優しいメロディが... 続きをみる

  • ホーリー・ナイト

    某チェーン店本社ビルを直人は見上げる。 ハンチングにもトレンチコートにも粉雪がまとわりつく。直人の手で飛び出しナイフが冷たく光る。 虎の穴の刺客たちの反則には反則で応えてきた。それが俺の生き方だ。 ちびっこから笑顔を奪ったこの店を俺は許さない。 子どもたちの青ざめた顔がよぎる。ナイフの柄を握る拳に力... 続きをみる

  • サイレント・ナイト

    直人の赤いスポーツカーがちびっこハウスの前に土ぼこりをあげて停まる。 子どもたちがスポーツカーに駆け寄る。そしてスポーツカーの後ろに山盛りになった唐揚げを見て嬌声をあげる。 今宵はクリスマス。直人はハウスの子どもたちのために、新進某チェーン店の唐揚げスペシャルを注文したのだ。 直人は若月先生やルリ子... 続きをみる

  • フェイント昔話「ゾウのおんがえし」

    昔々ある山里に、若い男がひとりで暮らしておりました。 男は、山で薪を切り、町に運んで売って細々と暮らしを立てておりました。 初めて山里に雪が降りつもった日のことです。 男がいつものように薪を背負って町まで向かっておりますと、目の前でゾウがドウと倒れたではありませんか。 駆け寄ると、ゾウの背中には密猟... 続きをみる

  • 出口のない部屋

    いやなんか変だとは目が覚めたときからうすうす感じていたんだけど、 この部屋、出口がないじゃないか。 安ホテルの配置はいつもと一緒、頑丈そうな窓、ごわごわしたベッド、スタンド、湯沸かしポット、テレビ。 ユニットバス&トイレ前の狭い通路の向こう、いつもならドアがありそうな辺りをじっと見る。 だが、突き当... 続きをみる

  • ギリギリモザイク

    例えばの話である。 『絶倫受験生/真夜中のレッスン』という日活映画を見に行ったとしよう。 女優①は、下宿の管理人、熟れ熟れの未亡人おばちゃん。女優②は、その娘でいかにも遊びまくってる感じのイケイケお姉さん。 女優③は、新人看板女優演ずるところの、主人公のお目当て、いかにも優等生タイプのピチピチ高校生... 続きをみる

  • なんて素敵にエンバーミング

    明日、夫が帰って来る! ああ、待ち遠しい。夫の端正な顔立ちや長い指先を思い出して私は思わずため息をついた。大好きよ、あなた。ずっと、ずっと。 三ヶ月前、興信所の調査で夫の浮気を知った。ソバージュの若い娘の肩を抱いてホテルに入る写真を、夫に突きつけた。 「半年以上、この女と関係しているでしょう?ごまか... 続きをみる

  • 最高級のプレゼント

    地元じゃ人気のイタリアン・レストラン『Malinteso』の予約席。 洒落たクロスに載った手作りキャンドルの灯火が、シックなドレスをまとった奈々子を最高に演出してくれる。 華奢な指先をグラスネックに絡ませて赤ワインをたしなむ奈々子はもうすっかり大人の女だ。 今宵、奈々子の20回めの誕生日。 彼女に初... 続きをみる

  • 鉄道関係者は電車に飛びこまない

    「なぁ、すまない。ミンチだ。T駅。すぐ来られるか?」 非番の日、昼食後うとうとしていると、村上さんから連絡が入った。 飛びこみか。しかも非番の僕にまで召集がかかるってことは。 「イヤなら断ってもいいぞ。ヒドイらしい」 「大丈夫っすよ。T駅ですね。今から行きます」 「お、助かるわ。じゃ駅で待ってっから... 続きをみる

  • あなたも泣ける、母からの手紙

    問屋奉公していた息子の元に、はるか遠い故郷で暮らす母親から何年ぶりかで手紙が届きました。 旦那から手紙を受けとるやいなや、息子は路傍で封を開けました。 しばし手紙を見つめ、みるみる大粒の涙を目にためると泣き出しました。 「おいおい、いかがなされた」 道端で泣きじゃくる姿を見るに見かねて、お侍が声をか... 続きをみる

  • ケンカしないで上手に分けなさい

    「あ、兄ちゃんのほうがおっきいや、俺もこっちがいい!」 「おまえのぶんにはイチゴがのってるだろ」 「じゃ替えてよう」 「いやだ!俺もこっちがいいんだ」 一郎と二郎が今日も兄弟ゲンカをおっぱじめました。母さんが腹を立てます。 「うるさい!ケーキくらいケンカせずに食え。ケンカするくらいならこうしてやる!... 続きをみる

  • ねぇこれって何のタマゴ?

    アパートの駐車場でタマゴを拾った。 窓辺にそっと置く。 ウズラのタマゴくらいの小さなタマゴで真っ白、カタチが実にいい。タマゴ型の原型ってくらい。 小鳥のタマゴかな?それとも爬虫類の?何がかえるんだろう? ワクワクしながら、編みカゴにシュレッダー屑を入れて真ん中にそっと置いた。 三日もすると、タマゴが... 続きをみる

  • 最後の一葉&夏彦のバカ

    最後の一葉 「当時、この界隈は美術学校の生徒やら絵描きやらがたくさん下宿しておった。ほら、その煉瓦塀の向こうのアパート。画家志望の娘二人が暮らしておった」 「ひとりの娘が病気だったのでは?」 「うむ。危なかった。だが、問題は貧しさのあまり彼女が生きる気力を失っていたことじゃ。わしは何とか生きる力を与... 続きをみる

  • クマに襲われたとき読む話

    クマだ!クマが出た! 岩場をこっちに向かってくる黒い影は、まちがいない、ツキノワグマだわ。 午前中、登山中に見かけたクマにちがいない。後ずさりして逃げたのだが、私たちを追いかけてきていたのだ。 私は沢の岩場で飯ごう炊さんの真っ最中。おまけにタカシは下流に川魚を釣りに出かけている。 どうする?私。 そ... 続きをみる

  • おのれのリングで散れ

    「ねぇ、刑事さん、刑事さんは勤めて長いの?」 隣から大泉滉そっくりの祈祷師に声をかけられた蟹江敬三そっくりの男は眠っているふりをした。 「刑事さんくらいの年だと、『太陽にほえろ!』とかの刑事ドラマに憧れて、その仕事を選んだんだろうねぇ」 刑事は不愉快そうに寝返りを打つふりをして窓側を向いた。 「やっ... 続きをみる

  • 【R指定】すりこみ(宇能鴻一郎風)

    「わぁ、見て見て!カルガモの親子。お母さんの後ろに子ガモがくっついてヨチヨチ。かぁわぁい~い!」 あたし、感激してるふりしてヒロシ君の腕、つかんじゃったんです。 「よ、陽子ちゃん、カルガモはね、タマゴから孵って最初に見た動くものをお母さんだと思ってしまうんだよ。イギリスのローレンツが紹介して有名にな... 続きをみる

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