自由詩のムラゴンブログ

  • 八重桜

    何重にも重ねて 彩りを深くして 可憐に咲いている 春の終わりと初夏を匂わせ 今日も季節は移ろいゆく 綺麗だなと思って 撮影した あの時の私の心は もう既にいなくて どんよりとした 部屋の片隅で 少しでも 華やかになればいいと思って 無理くり載せた 初夏の訪れ深くなる今 今日も私は虚ろいゆく

  • 君を愛すること

    薔薇の花束を贈るよりも 君の好きなキンセンカを庭に植えたかった。 君の手を引いて イルミネーションを見つめるよりも ソファで居眠りする君に そっと毛布をかけてあげたかった。 凝ったデートプランなんて破り捨てて 生まれ故郷の町で 一緒に迷子になりたかった。 使い古された「愛してる」の言葉を 君に伝えな... 続きをみる

  • クズな私

    人より気の多い飽きっぽい私を君は諦めて 他人の温もりが残ったままの私の左手をそっと離した 後悔している君の横顔を見て 次の信号で別れようと広がる歩幅 ここから先は言葉ではどうにもならないね 傷ついた君に胸を痛めたフリをして手を振った 君のいない穴は誰かが埋めてくれるよ ピッタリはまるピースではないか... 続きをみる

  • さみしさ

    こころのさみしさは お金で埋めるんだよ だから 働くんだ こころのさみしさは お金で埋めるんだよ だから 使うんだ こころのさみしさが 多すぎて お金が足りないよ お金じゃ満たされない でも お金でしか満たされないような さみしいこころが 増えているんだよ わたしもそうだよ さみしいからお金を つか... 続きをみる

  • 火葬の朝

    かつての人が煙になって空を燻らす頃 しとしと、と 雨が降る 弱くて 優しく しとしと、と あの人が 流せなかった代わりに 泣いてくれているのだろうか 緑の匂い立ち込めた 静かな 雨の音 しとしと、と。

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