からだに読み書きさせる
予定よりひと月遅れの読了となってしまった。 一部で評判の高い著書だったが,たしかにその通り,ずしんと手ごたえのある一冊だった。 『視写の教育 ~<からだ>に読み書きさせる』(池田久美子 東信堂) 視写は,乏しい自実践の中でも少しは腰を据えてかかった分野である。 ひとつは,青木幹勇先生に学んだ,読解の... 続きをみる
予定よりひと月遅れの読了となってしまった。 一部で評判の高い著書だったが,たしかにその通り,ずしんと手ごたえのある一冊だった。 『視写の教育 ~<からだ>に読み書きさせる』(池田久美子 東信堂) 視写は,乏しい自実践の中でも少しは腰を据えてかかった分野である。 ひとつは,青木幹勇先生に学んだ,読解の... 続きをみる
ブータンブーム?もあり,「幸福論」が流行っているようだ。 興味ある分野だが,単行本を揃えて読むほどではない。軽く雑誌で読み流す程度である。そんななかで,久しぶりに買った「プレジデント」誌の冒頭論文がなかなか面白かった。 奈良雅弘という方が「頭の中にひそむ『幸せ泥棒』撃退法」と題して記している。 そも... 続きをみる
光文社新書から出ている標題の本を読んだ。 めっきり飲む回数が少なくなっているので、『3回飲みに行くなら、勉強会に1万円払う』という行動をとっているかもしれない。この本は、若手向けの本なので、今年入社したばかりの新人なら、仰せの通り、勉強会にいく暇があったら、先輩や上司と飲みに行くべきだろう。 成果主... 続きをみる
『お父やんとオジさん』(伊集院静 講談社文庫 上下巻) 上下巻あわせて800ページを超す長編である。 解説の池上冬樹はこう書いている。 戦争小説、冒険小説、ミステリ、家族小説などあらゆるジャンルの魅力を内包していて、たっぷりとした読み応えをもつ。 まさしくその通りだと感じた一冊である。 例えば「戦争... 続きをみる
察するに「普通」の反対は特殊で、特殊なままでは人に伝わらないので、同意を得るべく別の「普通」に着地してしまうのだろうか。いずれにせよ「普通」には、意味を超えたブーメラン効果のような作用が潜んでおり、その対義語もやはり「普通」のような気がするのである。 高橋秀実~「とかなんとか言語学」(「波」の連載)... 続きをみる
(初心を思い出して…キニナルキ) どんな人間も幸せを追求します。小説を読むとき,登場人物一人ひとりの求めている幸せがわかったならば,その小説はほとんど理解できたといえるでしょう。 役づくりも同じです。役が与えられたら,まず役の人物が何を自分の幸せとしているか探してください。それがわかれば,役づくりは... 続きをみる
『恋する原発』(高橋源一郎 講談社) 読み始めるとすぐに,マッタクイッタイコレハナンナンダ,ナンデコンナモノヲ…と際限なく言いたくなってしまう冒頭部分(だけじゃなく,いろいろな箇所)がある小説である。 えっ高橋源一郎って一応純文学ではなかったか,そんなことはどうでもいいが,何の価値があってこのような... 続きをみる
予想通りに面白い本だった。 『「しがらみ」を科学する』(山岸俊男 ちくまプリマー新書) 副題として「高校生からの社会心理学入門」とある。私の知的レベルにはふさわしかったのかもしれない。 いくつかキーワードがある。 「心でっかち」 「頭でっかち」をもとにした著者の造語である。 理論を振り回す学者先生的... 続きをみる
『人生の作法』(鍵山秀三郎著 亀井民治編 PHP) ここまで徹底できるものかと、ある意味で圧倒される。 昨年、近くの市へいらして講演会が企画されたが、別に主催する会があったので参加が叶わなかった。この著を読み,ぜひ一度は拝聴したいという気持ちが一層高まった。 鍵山氏の名前は多くの人が知っているし、「... 続きをみる
読書が趣味の一つであっても肝心なのは読んでいるなかみだろうなと思う。 「どんな本を読んでいるの?」と訊かれて 「海外ミステリが好きだな」などと返答できるのは、少し格好いい。 けれど、当方全くそういう本には縁遠い。 そもそもミステリそのものにあまり興味ないのだけれど、ついつい新聞広告などに惹かれて、買... 続きをみる
Read books/「謎の香りはパン屋から2」を読みました
「あまたん」のその後。
プチ感想・レビュー#444【さむわんへるつ】3巻
ご当地キャラと『嫁はフランス人』【読書感想】
初ガツオと中崎タツヤさん
『現代思想入門』要約・書評
【読書】恩田陸『夜のピクニック』
着物で女子会展覧会
【読了】境遇 湊かなえ
【書評】どちらかが彼女を殺した ネタバレ含む
三姉妹探偵団5 復讐篇(講談社)
高齢者としての危機管理意識をしっかり身につけるために
冨原眞弓『ムーミン谷のひみつ』を読んだ感想
【まとめ】週刊プチ感想・レビュー#201~210【ぷにるはかわいいスライム】
イヴァン・イリッチ『脱学校の社会』を読んだ感想
柄にもなく恋愛小説などを手にとった訳の一つには,この題名がある。 『切羽へ』(井上荒野 新潮文庫) 「切羽」は知らない言葉だ。ふだんならすぐ辞書となるのだが,そのまま読み進め,どこで出てくるか楽しみにしようと思った。 その言葉に行き着く前に,もう一つ面白い言葉と出合う。 「ミシルシ」 これは時代劇な... 続きをみる
教員に薦めたい本である。 いわゆる教育書ではないが、これは読んでおいて損はないだろう。 『でっちあげ ~福岡「殺人教師」事件の真相~』(福田ますみ 新潮文庫) かすかにそんな事があったかなと頭の隅で思ったぐらいだった。 もしかしたら,教育界ではかなり有名なことなのかもしれない。 新聞でも週刊誌でもワ... 続きをみる
『「あの日」からぼくが考えている「正しさ」について』(高橋源一郎 河出書房新社) 高橋源一郎の本は読んだことがなかった。 「詩のボクシング」の解説者,古くは競馬番組の司会?などのイメージしかないのだが,まあ相当な?小説家らしいということは,なんとなくわかっていた。 この本は,前半がツイッタ―上にアッ... 続きをみる
『しぐさに隠された大人の本音』(齊藤勇 蒼竜社) 時間のかかる移動のときは文庫本や新書を持参するのが常だったが,どういうわけか今回はバッグに詰め込まず,旅先のコンビニでやむなく手にした本だ。 期待していたわけではなく,予想通りのあまり新味のない内容だった。 ただ一つ,へええぇぇぇっと思ったのが,この... 続きをみる
家本芳郎先生の著書『子どもと生きる 教師の一日』(高文研)の中に,こういう項目があった。 <捨て目>を使う教師になりたい 恥ずかしながら「捨て目」について,初めて知った。 捨て目というのは,見ようとして見るのではなく,行住坐臥,目にうつるものやできごとを目の端にとらえ,心覚えしておくことをいう。 う... 続きをみる
『橋本治と内田樹』(ちくま文庫) 「二大巨人」という形容詞はふさわしくないのだろうか。 いずれ,自分はこの対談集の大部分読みとれなかったので,到底立ち向かえない相手という意味で正しいと思っている。 もう第一章から駄目でついていけなかった。 橋本治という不可解極まりない?存在のことばに,さすがの内田教... 続きをみる
『ひなた』(吉田修一 光文社文庫) 帯には「隠れた傑作」というコピー。 本当にそういう作品ってあるものかなあと思うが,ファンの一人としては,文庫になっていればすぐ手が出てしまう。 読み終わって感じるのは,これも帯にあるとおり「ありふれたおはなし」,確かにその通りだと思う。 「どうしてこうも心揺さぶら... 続きをみる
ドリアン助川が,以前『ダ・カーポ』という雑誌で,たしか「自分相談」と題したコーナーを持っていて,自作自演?の人生相談をしていたことがあった。これが本当に面白く,フィットするなあと楽しみにしていたことを思い出す。 ドリアンは,ラジオや新聞などでも人生相談的なコーナーを持っているらしく,もはやその道のプ... 続きをみる
『遺品整理屋は見た!!』(吉田太一 幻冬舎文庫) こういう職業があることは以前から知っていた。 かなり独特な視点で人間の生活を捉えるのではないかと漠然とした興味が湧いたので、手にとってみた。 が、まず読み始めて、少し辟易してしまう。 腐乱死体や強烈な死臭の描写、ゴミ屋敷から発生する巨大なハエ…ある意... 続きをみる
以前「感情労働者としての教師」という言葉に触発されて,このブログにメモしたことがある。 http://blog.goo.ne.jp/spring25-4/e/895f968e709d0d175d9dc2695dc1726b 『教師のためのパフォーマンス術』(上條晴夫 金子書房)の第五章「プロは感情に... 続きをみる
『困ってるひと』(大野更紗 ポプラ社) 去年の夏ごろ,何かの書籍紹介で目にした。その時から若干気にかかっていた。 先日ポプラ社の「asta」という月刊誌1月号を読んでいたら,筆者と糸井重里との対談が載っていて,それでは読んでみなくてはとアマゾンへ注文した。 「エンタメ闘病記」という新ジャンルだそうで... 続きをみる
『教師のためのパフォーマンス術』(上條晴夫 金子書房) 上條先生と金子書房の組み合わせ,面白いだろうと思って手に取った。教育現場のパフォーマンスに関わってかなり濃厚にまとめられている。 これは単なる感想でなく,じっくりと読みこみたい,つまり自分の考えと照らし合わせてみたいという気にさせられた。 断続... 続きをみる
『1950年のバックトス』(北村薫 新潮文庫) この作家を一冊の本として読むのは初めてである。 短編集となっているが,全部で23あるそのなかには「掌編」ほどの長さのものもいくつかある。 実に多彩なというか様々な文体を駆使していて,一言でいうと「達者」な書き手という印象だ。 直木賞作家でもあるし,多く... 続きをみる
「冗長率」という言葉を知った。 冗長の意味は知っていたが、「率」がつくとなると??である。 ネット検索でいくつか引っかかるが、言葉の意味を直接表したものはない。 平田オリザ氏の雑誌連載に登場していて、次のように説明されている。 一つの段落、一つの文章に、どれくらい意味伝達とは関係のない言葉が含まれて... 続きをみる
題名から「ああ,あの事件だな」と思ったし,著者の名前にも惹かれた。 『37日間漂流船長』(石川拓治 幻冬舎文庫) 2001年のことというから,あの事件からもう十年以上経ったのか,ひと月以上一人で漂流して助けられたニュースがテレビで頻繁に流れ,飄々?とした容貌,語り口をしていたような印象も記憶に残って... 続きをみる
「ジュヴィナイル」というと競馬ぐらいしか思いつかないが、「若年期」という意味らしい。 小学校時報という小冊子に載っていた対談で、人類学者である長谷川真理子教授が語っていたことに目が留まった。 人間の本来の生き方である狩猟採集生活の子どもたちは、七歳から十二歳は、下の子どもの面倒を見たり、親の手伝いを... 続きをみる
「すべて真夜中の恋人たち」という小説を読みました。 著者の川上未映子は、 小説家には珍しく整った顔立ちをしています、 椎名林檎にちょっと似ています。 あらすじ 入江冬子(フユコ)、34歳のフリー校閲者。 人づきあいが苦手な彼女の唯一の趣味は、誕生日に真夜中の街を散歩すること。 友人といえるのは、仕事... 続きをみる
「すべて真夜中の恋人たち」という小説を読みました。 著者の川上未映子は、 小説家には珍しく整った顔立ちをしています、 椎名林檎にちょっと似ています。 あらすじ 入江冬子(フユコ)、34歳のフリー校閲者。 人づきあいが苦手な彼女の唯一の趣味は、誕生日に真夜中の街を散歩すること。 友人といえるのは、仕事... 続きをみる
『続 閑人生生』(高村薫 朝日文庫) 朝日の「AERA」連載がまとめられた文庫である。2009年の夏から2011年4月までの文章なので,当然東日本大震災のことが最終の部分を多く占めている。 時系列で並べられている時事評論ではあるが,冒頭のあたりで心に留まる文章は,まるでこの災害に向けられて語られたよ... 続きをみる
『アイム・ファイン!』(浅田次郎 小学館文庫) 旅の友として選んだ文庫本は,浅田次郎のエッセイ集。それも某航空会社が航空機に常備している冊子の連載をまとめたものだ。 そんなわけで実に気軽に読める内容だったが,さすがに中国に造詣の深い作者であり,文字や漢字についての知識がぽんぽん出てきて興味深かった。... 続きをみる
先日読んだ『「教育」の常識・非常識』(安彦忠彦 学文社)のなかに,学校の教育目的について論じられている箇所がある。 究極的には「人格形成」が目的であることは法に定められた通りであり,それは学校においても間違いないと踏まえながら,著者はこう記していた。 学校ないし教師の固有の目的は「学力形成」にありま... 続きをみる
『「教育」の常識・非常識』(安彦忠彦 学文社) この題名だけをみると,細かい教育法規のことや世間一般に蔓延っている教育界ネタのことが話題になっているのでは,と想像する人がいるかもしれない。 しかし,この著は副題に掲げられているそこから斬りこまれている。 公教育と私教育をめぐって この副題の「公教育」... 続きをみる
買ってはいたが広げずじまいの本を読むことから、新年読書は始まった。 『14歳の君へ』(池田晶子 毎日新聞社) 半分が「毎日中学生新聞」に連載された文章だという。彼女の死のわずか三ヶ月前の発刊だった。 中学生向けの文章とはされているが、さすがに十分読み応えがある。 例えば「個性」という章だ。 「自ら」... 続きをみる
先週、漫才の番組に出たスリムクラブのネタの一つ。真栄田があの独特の声と間で(だいたい)こんなことを言った。 「人と人とがつながりあって…そこに、何が生まれるでしょう………宗教です!」 客席爆笑。 日本人の多くが持つ宗教についての認識をよく表していると思う。 まったく同列とは言えないが、祈りや供養とい... 続きをみる
連れと待ち合わせる時刻まで30分あったので、ちょいと秋田駅前のJ書店に入った。 エスカレーターから書店入口にいくとすぐ新刊本のコーナーがあり、目に入ってきたのは『原発と祈り』という内田×名越の対談集。すぐ一冊とって教育書コーナーへ向かおうとすると、「当店の今週のランキング」が掲示されている。その1位... 続きをみる
『灘校・伝説の国語授業』(橋本武 宝島社) 6月に取り上げた雑誌記事 8月に取り上げた著書 これらの経緯から、この本はやはり手にとってみなければならない。 宝島社が主たる購買層をどこにおいて発刊したが分からぬが、自分にとっては興味深い。 内容のアウトラインは『奇跡の教室 ~エチ先生と「銀の匙」の子ど... 続きをみる
先日,同人誌をいただいた。 知人が執筆した小説の題名が「ゆりかごの唄」。 直接ゆりかごが登場する場面もなく,何かの象徴なのだろうか,とあれこれ考えてみたがぼんやりしたままで見えてこない。 小説は続編がある形なので,いずれどこかで発見できたらいいなあ と,そんなことを思っていて… 北海道の石川晋さんが... 続きをみる
新潮社の『波』12月号に連載されている、中村うさぎと池谷裕二の対談が妙に面白かった。 脳の発達と絡めて「『大器晩成』は正しい」の根拠?が示されたり、ネット検索と記憶力の関係から文字の発明の影響に話が及んだり、実に知的話題が満載である。 「欲望の暴走列車」(私が勝手に抱いているイメージ)のような作家と... 続きをみる
入手困難でアマゾン古書では2万を越す価格になっている本を、知り合いより貸していただいた。 『校長の応援歌 ~現代っ子とともに』(青木剛順 ツルヤ) かなり以前に野口芳宏先生の講座で紹介があったように思うが、そのまま失念していたままだった。 第一部「中学校よ、甦れ」は、冒頭から引き込まれる様に読み耽っ... 続きをみる
先月末に花巻へ出かけたとき、ホテルのフロントに並べられていた一冊。 『被災地の本当の話をしよう』(戸羽太 ワニブックスPLUS新書) 週末に行きつけの書店のコーナーで見つけた一冊。 『官僚の責任』(古賀茂明 PHP新書) どちらの新書もこの夏に発刊され、版を重ねている。 話題になっている人物の著書で... 続きをみる
知り合いの先生から、質問メールが届いた。 曰く 「気持ち」と「心情」はどう違うのか。 学習指導要領の「文学的文章」に関わる文面が校内で話題になったらしい。 第3・4学年 ウ 場面の移り変わりに注意しながら、登場人物の性格や気持ちの変化、情景などについて、叙述を基に想像して読むこと。 第5・6学年 エ... 続きをみる
一時期、「システムとレパートリー」が実践上のキーワードだった。 学級の中にシステムを作ることを当然と思い、それは今も変わってはいない。スムーズに動く仕掛けと言い換えてもいいかもしれない。そのこと自体に疑問はない。 しかしこの「システム」が大きい規模をもつ時、そこに自分がいることの(きっと様々なシステ... 続きをみる
文庫本になった上下二巻の『モダンタイムス』(伊坂幸太郎 講談社文庫)を買い、読み進めている。 上巻の半分過ぎまで読んだが、なるほどの伊坂ワールドだなと思う。通読後に感想メモするのが常だが、長くかかりそうだし、ここで書き留めたいと思ったことがある。 この小説には「井坂好太郎」という小説家が登場する。主... 続きをみる
『武器としての決断思考』(瀧本哲史 星海社新書) 先週の休日、大会応援の隙間時間に立ち寄った書店の新書コーナーでたまたま見つけた。複数の方々がネット上で紹介していたので、さてどんなものやらと買い求めてみた。 「ディベート=意思決定のための具体的方法」ととらえて、詳しく論を進めている。非常に実際的でわ... 続きをみる
○推理小説界の最長老、土屋隆夫さん死去 推理小説界の最長老で作家の土屋隆夫(つちや・たかお)さんが14日午前1時35分、心不全のため死去した。 94歳だった。告別式は16日午後零時30分、長野県佐久市協和2361の1カームしらかば。喪主は長男、哲夫氏。 中学校教諭だった1949年、短編「『罪ふかき死... 続きをみる
『佐藤可士和の超整理術』(日経ビジネス人文庫) http://www.nikkeibook.com/detail.php?class_code=16594 超のつくほど有名なデザイナー(アートディレクターと書かれてある)である。 デザインに関心はあるほうだが、造詣が深いわけではない。 ただ自分の興味... 続きをみる
『ただ一人の個性を創るために』(曽野綾子 PHP文庫) この著の要諦を一言で表すとすれば、「文庫版まえがき」に記された、この箇所を挙げたい。 自分で自分を教育するほど、楽しいことはない。 しかしそれは同時に厳しいことであり、それを受けとめる覚悟をつくることを「教育」というのかもしれない。 この本にも... 続きをみる
連休に心躍らせたわけではないが、三時半頃に目が冴えてしまって起き出す。 日曜日夜に昨年話題となった『悪人』の映画がテレビ放送されるとあったので、もう一回あの小説を読んでみようと思った。 4時頃から読み出し途中少し休みつつも10時前に読了した。やはり面白い。 単行本が発刊されたときに話題になっていたの... 続きをみる
初めて新幹線の車内誌を家へ持ち帰った。 「ご自由にお持ち帰りください」と記されているが、今までそんなことをしたことはなく、いつもペラペラとめくりながらそのままだった。大抵の人がそうだと思う。 今回は持っていった新書などを読みふけていて、手をのばさなかったこともあるのだが、表紙の特集名に惹かれた。 『... 続きをみる
『希望は絶望のど真ん中に』(むのたけじ 岩波新書) 学習あるいは教育という行為の本質は開拓、開墾であり、創造だと私は思っている。 そう言い切る著者は、学習への取組みについて二つの思いを提示する。 まず、グループの学習会では車座を組むことだ。 車座は、一揆を起こしす百姓たちの座り方が原形だという。首謀... 続きをみる
読んでいて思わず背筋が伸びる本はめったにないものである。 言葉に力がこもっている。文章を貫くぴしっとした芯のようなものに身体が反応するのだと思う。 『言い残された言葉』(曽野綾子 光文社文庫) なんといっても、アフリカを初めとした発展途上国への訪問経験から語られる事実が新鮮であり、強烈だ。一般にはあ... 続きをみる
『フィンランド・メソッド入門』(北川達夫 経済界) 5年ぶりに読み直してみた。 買ったときには、こんなメモを残していた。 http://blog.goo.ne.jp/spring25-4/e/f432a5229cca57173ec534dc579847bc その後、北川氏の別の著書も読んだし、講演も... 続きをみる
『不思議なノート法』(きこ書房)と題された本を見てみたら、それは「マインド・マップ」のことについて書かれたものだった。 なんとなく名前だけは知っていたが、実際に自分で試したりしたことはなかった。 以前、「ウェビング」という手法もあったなあ、どう違うんだろう…などとぼんやり考えていて、研修や授業に使え... 続きをみる
けして都会に住みたいと考えているわけではないが、都会生活者が羨ましいと思うときが何度かある。 その一つは、東京辺りに住んでいたら演劇や落語をいつでも気軽に観られるだろうなあという思い(幻想かもしれないが)が湧いてくるときだ。 『名セリフ!』(鴻上尚史 ちくま文庫) その思いが益々つのってしまうような... 続きをみる
本県教育の今年度の重点『「問い」を発する子ども』については、以前から書いてきた。 http://blog.goo.ne.jp/spring25-4/s/%CC%E4%A4%A4%A4%F2%C8%AF%A4%B9%A4%EB%BB%D2%A4%C9%A4%E2 この言葉を初めに見たとき、思い浮かんだ... 続きをみる
ちょっと書き留めておきたい言葉シリーズ。 新潮社の『波』に連載されている「高峰秀子の言葉」がなかなか面白い。養子である斎藤明美という人が書いている。 高峰秀子は某週刊誌が企画した「昭和の名花」という女優でトップを飾ったが、やはり知性的なイメージが深く見せるのではないか。 紹介されたこの言葉は、うーん... 続きをみる
『響きあう脳と身体』(甲野善紀・茂木健一郎 新潮文庫) この本からもう一回書き留めておきたい。 第三章は「身体を通した教育」。 最初のキーワードは「感化」だが、これもなるほどと深く納得できる文章で出合った。 研修の場で何度か聴き馴染んだ「感化」という言葉であり、そして自分も、何人かの先達に感化されて... 続きをみる
この頃あまり「対談本」は読んでいない気がする。 久しぶりに手にとったこの文庫は、実に刺激的だった。 『響きあう脳と身体』(甲野善紀・茂木健一郎 新潮文庫) 甲野の話す武術における型稽古の意義は、今まで自分が考えていた「型」ということを根底から覆す一言だった。 「型」の重要性は、教育の分野においても強... 続きをみる
コミュニケーションの「量の減少」という問いから少し横道にそれるような気がするが、周辺の勉強という意味で書き留めておきたい。 文科省のコミュニケーション推進会議の座長を務めている劇作家平田オリザ氏が、講談社『本』で連載を始めた。 「分かり合えないことから」と題した連載の一回目のタイトル。 コミュニケー... 続きをみる
今となってはなつかしいNHK『プロジェクトX』。 何篇か印象深い内容があったが、その中に医師須磨久善を取り上げた回がある。 後継番組といってもいい『プロフェショナル仕事の流儀』でも、よく医師は取り上げられ、それなりに皆魅力的だが、須磨のときは人間としての深みがより強く感じられたように記憶している。 ... 続きをみる
昨日は振替で休み。朝に「ナマハゲ」のことをブログにアップしてから、朝風呂に入って読みかけの宮部みゆきの短編集を楽しむことにした。 『我らが隣人の犯罪』(文春文庫) その三篇目「サボテンの花」は教師と六年生が登場してくる物語だが、その主人公である権藤教頭を、子どもたちは「ナマハゲ」というあだ名をつけて... 続きをみる
全国学力調査が初めて行われた年の秋、秋田県がトップという結果についていろいろ報道されるなかで、やや冗談めかしてではあるが「ナマハゲ」という言葉が出てきたことがある。 報道の中で見聞きしたこともあるし、ある方から直接聞いたこともある。このブログの中にも少し触れてあった。 http://blog.goo... 続きをみる
以前『渋滞学』という新書があるのを、書籍紹介などで見かけて、世の中には様々なことを研究する人がいるものだなあと、妙にその命名が気になっていた。 でもなあちょっと難しそうだし…と進んで手を出すことはなかったが、先日書店で「知りたい!サイエンス」シリーズと銘打って、次のような本を見かけたので、これならと... 続きをみる
鳥獣戯画という素敵な絵を社会科の教科書で見たことがあります。 『風葬の教室』(山田詠美 河出書房新社)は、そんな一文から始まっている。 それはどんな意味があるのだろう、と思い巡らすことになった。 というのも、昨日は午前中に所属している研究会で、来月の授業研究会に向けて指導案検討が行われ、そこで取り上... 続きをみる
『授業からの解放~フレネ教育運動の試み』と関わって、もう二つばかり書きとめておきたい。 フレネ教育に限らず、伝統的な教育からの脱皮、革新を目指した動きが、この国全体に拡がらなかったのは何故だろうか。 この件に関して教育学や教育史学等での検討、研究はあるだろうと思う。 全くそういう知識なしに、自分の感... 続きをみる
再び『授業からの解放~フレネ教育運動の試み』から。 書名となっている最終章の「3 授業からの解放」は読みごたえがあった。 北海道教組の教研集会での講演がもとになっている文章である。 冒頭のところの、この問いかけに考えさせられた。 今、日本の学校の授業で、この「導入」をたいせつにしようという風潮がどの... 続きをみる
先月末に上條晴夫先生がブログで取り上げていて、 http://ameblo.jp/gbc02527/entry-10966310374.html 前から少し気になっていたので、取り寄せて読んでみた。 『授業からの解放~フレネ教育運動の試み』(村田栄一 雲母書房) 教育潮流という表現があるが、当時(大... 続きをみる
『復興の精神』(新潮新書) いわゆる識者と称される方々だろう、九名それぞれが今回の震災について、震災以降の生き方について、考えや思いを述べている。 養老孟司、茂木健一…最後の阿川弘之まで、いずれもビックネームなのだと思うが、存じ上げない方(文章は読んでいるのかもしれないが記憶がないという意味で)も混... 続きをみる
宅配用の覆われている黄緑色のビニールを破り、その特集名を見たときに、ふっと違和感を覚えた。 『国語教育』(明治図書)の2011.9号である。 特集名は「好かれる国語教師の条件」。 中味を見ずに机上に置いたままだったが、昨日、石川晋先生のブログで触れられていたので、改めてページをめくってみることにした... 続きをみる
六月にある雑誌記事を読んで「98歳の立ち姿から教えられる」とこのブログに書いた。 http://blog.goo.ne.jp/spring25-4/e/3526519b01ad511a61742fed02509563 過日、単行本が出ていたので買い求める。その翌日一気に読了した。久々である。その本は... 続きをみる
「最短で憧れの学歴を手に入れる方法」と書かれたこの本。 そもそも、私は「学歴ロンダリング」という言葉が大嫌いである。学歴はあくまで自己責任の結果である。家庭の事情や、特別な要因で思い通りの学歴が取得できなかった人もいるかもしれない。しかし、今では通信制大学や夜間大学院もある。奨学金制度も充実している... 続きをみる
“「問い」を発する子ども”を育てるには、“「問い」を発する教師”の存在が必要である。 口幅ったい言い方だが、開会で挨拶させてもらった。講師のお一方の資料にも同様の言葉が記されていた。 時間を長めにとったにも関わらず、わずか三名の質疑・感想しか出なかったことは主催者として大いに反省しているし、今後運営... 続きをみる