旅の記のムラゴンブログ

  • 初詣は一関 配志和神社

    令和になって最初の正月は、妻と義姉と一緒に平泉・一関で過ごした。 宿泊した宿は衣川の高台にあったので、元日の朝、中尊寺・金色堂のある丘陵、金鶏山、義経堂のある高館(たかだち)など、初日に輝く世界遺産平泉の中心域が一望できた。 平泉・一関地方は江戸時代から続く「もち食文化」の地で知られる。道の駅厳美渓のレストランで、お正月らしくお餅を食べることに。ごま、沼えび、ずんだ、餡など8種類の餅が味わえる「和

  • 松本で出会った下北

    2019年もあと2日を残すばかりとなった。 「日めくりカレンダー2019年版」(作画:伊藤佳美)より 上の写真のカレンダーは昨年の12月、信州松本に滞在した時に「栞日(sioribi)https://sioribi.jp/」という喫茶店兼本屋兼ギャラリーのようなところで買い求めたものだ。松本の街をぶらぶら歩いて深志神社に詣でた後、その界隈で見つけた「栞日」に入ったら、「日めくりカレンダー」原画展を

  • 奈良井宿を歩く

    前にこのブログで紹介したRambalac(ラムバラック)さんのYouTubeチャンネルに、奈良井宿(長野県塩尻市)がアップロードされていた。ちょうど1年前、私も同じ季節に同じコース(下町から上町まで)でこの宿場町を歩いたので、再びその場に舞い戻ったような心持になった。 奈良井宿は江戸時代の5街道のひとつ中山道のほぼ中間、江戸から数えて34番目の宿場町であった。南に鳥居峠という難所を控え、峠越えに備

  • 福島の桜を訪ねて

    〈Toshibon's Blog Archive  2010年 04月 29日 「旅の記」から〉 桜を求めて福島に出かけた。福島県の浜通り~中通り地方はちょうど満開だったが、会津はまだつぼみ~3分咲きだった。 福島市の花見山(↑)。花木の生産農家が農地(私有地)を善意により無料で開放している花の公園。そのため、他の一般的な公園と違って宴会などはできず、順路に従ってめぐるウォーキングスタイルの花見と

  • 年の初めに盛岡へ

    この年末年始、宮城県鳴子温泉で過ごしてから久しぶりに盛岡を訪れ、新しい年を迎えた街を歩いた。 盛岡八幡宮 ここへお詣りするのは、今から20数年前の初夏、「チャグチャク馬コ」を見たとき以来だ。正月も3日だというのに広い境内は初詣の人であふれ、拝殿が遠い。並ぶのが嫌な性分なので、大通りまで歩いて本屋(さわや書店)で時間をつぶし、そば屋でお銚子2本でいい気持になって、日が暮れてから再度詣でた。夜になって

  • 真冬の加茂水族館

    山形県庄内にある鶴岡市立加茂水族館に行ってきた。地域資源の活性に参考となる庄内地方の視察というのが名目で、道の駅、海鮮市場、物産館、産直などをまわる総勢6名の日帰り旅行。真冬の季節ということもあり、屋内施設ばかりなのは仕方がない。 この水族館の歴史を調べると、その軌跡(奇跡?)が波乱万丈というか、ほんとに面白い。誕生したのは1930年(昭和5年)というから、90年に及ぶ結構な歴史を有する。戦中は他

  • 黒石よされ

    津軽の黒石で16日夜に「黒石よされ」を見た。 盆踊りの多くは1か所で輪になって踊るのが普通だが、「黒石よされ」はメイン会場の御幸公園を出発した踊り組(いわゆる「連」のようなもの)が、町の通りを流しながら踊るのが特徴だ。   お囃子の屋台も踊りの列と一緒に運行し、「黒石よされ」をはじめとする津軽民謡を奏でる。  中町の「こみせ」通り。   「流し踊り」のほかに、要所で手踊りを披露する「組踊り」、円を

  • 盛岡でぶらぶら

    毎年、1回~2回は盛岡へ行き、街をぶらついたり、喫茶店や蕎麦屋でボーッとしたりしている。が、今回は、これまで行こう行こうと思いながら機会を逸していた「みかんや」という店で一杯飲ろうと思い立ちやって来た。 「みかんや」のオーナーであるHさんとは数年前に岩手県の温泉ガイドブックを一緒に書いたライター仲間でもあるのだが、東京で学生生活を送っていた40年前、よく通っていたロックバーで彼女がアルバイトをして

  • 石ころ屋

    残暑が厳しかった今年の夏の終わり、山陰ジオパークの視察旅行の帰りに富山に立ち寄った。宿泊したホテルの近くにある「丸一」という居酒屋に行く途中、「石ころ屋」という看板のお店があった。石ころを売る店…といって、すぐに連想したのは、つげ義春の『無能の人』シリーズ第一作目の「石を売る」。多摩川の河原から石を拾ってきて、川べりの掘っ立て小屋でその石を売る男の話。商品は何の変哲もないそこらにころがっている石。

  • 房総の旅⑵ 千倉~九十九里浜

    勝浦から房総半島の南端をぐるっとまわって房州・館山へ。途中、千倉の海岸線の広い範囲にわたって、岸から沖へ屏風を立てたような岩の群がみられた。 地元では、屏風岩と呼んでいる奇岩で、およそ1000万年前、太平洋プレートの力で圧曲され海面上に姿を現した海底の地層が、長い年月のうちに波や風雨に削られて、凝灰岩の部分だけが残ったものという。 昨年から男鹿半島のジオパーク構想に関わりを持つようになったので、男

  • 房総の旅⑴ 銚子~勝浦

    先週、5日ばかり、食文化(魚醤)調査の仕事で千葉県の房総半島を旅した。銚子から九十九里、外房をめぐって再び銚子に戻るというルートで、移動にはレンタカーを利用した。 寒いのが苦手で海が好き、というヒヤミコキな私は、以前から老後は温暖な房総半島か伊豆半島の海のそばで暮らしたいと夢想し続けていて、妻や友人たちから呆れられているのだが、その割には房総半島とは縁が薄く、これまで2回しか行ったことがない。1回

  • 徒歩旅行の若者

    今、食文化(魚醤)調査で青森の五所川原に来ている。ここは2006年夏に立佞武多(たちねぷた)を見たとき以来だからちょうど4年ぶり。昨日は深浦に泊ったのだが、その手前の秋田・青森県境付近で五能線の風景写真を撮っていたら、「何を撮っているんですか」と声をかける人がいた。 ふり向くと、大きなリュックを背負い日焼けした若者が、一段高い道路からこちらを見ている。聞けば、ずっと徒歩の旅をしているらしい。故郷の

  • 旅で眠りたい

    また下北に来ている。本格的な冬到来の前に、先月の取材で悪天候のため撮り残したところを再撮影しようと思って来たのだが…今日は朝から吹雪という最悪の天気。とことんついてない。 下北がらみでついてないといえば、下の記事に書いているように前回来たときにスピード違反で捕まったのだが、その後日談がひとつ。なんと、違反の罰金を納めに行った銀行の駐車場で車をぶつけられてしまったのだ! 駐車している私の車に全く後ろ

  • 18年ぶりの西馬音内盆踊り

    1991年(平成3年)以来、18年ぶりに見た西馬音内盆踊りは随分様変わりしていた。見物人の多さは予想の範囲内だったが、何より踊り子が多いのには驚いた。最終日の18日、盆踊りが佳境に入るころは数百人にもなり、しかもその半数が町外の人だというからさらに驚いた。平成8年に5万6千人だった観光客が平成15年には約3倍の16万人(羽後町の人口の約8倍)に膨れあがったというが、同時に踊り子の数も一気に増えたよ

  • 蛇に会う

    このところ、行く先々で蛇によく出会う。 以前はそうでもなかったのだが、歳をとるにつれて蛇がニガ手になってきた。不思議なもので会うと嫌だなと思うようになってから、かえって遭遇率が高くなったような気がする。これは《会いたくない人に限って目の前に現れる法則》(と私が勝手に命名)と同じ現象であろうか。 今月初めに山形県高畠町にある安久津八幡神社を参拝した時、奥殿に通じる山道で出会ったシマヘビ。道を塞いでな

  • 上山の「アトリエ・コロボックルの森」

    仙台から蔵王経由で山形県の上山(かみのやま)に立ち寄った。 上山は市内に6軒もの共同浴場がある湯の町で、昨年の今ごろも温泉取材で訪れ2泊している。今回寄ったのは温泉がらみではなく、「アトリエ・コロボックルの森」という工房(茶処)に行きたかったから。 民家を改装した工房内にはオーナーの猪股美喜子さんが創作した球体関節人形が展示されており、ここで創作人形教室も開いている。昨年、上山の町を探索していた時

  • 菅江真澄in仙台

    3日前から仙台に来ている。昨年の1回目に続き2回目となる「菅江真澄の足跡・写真コンテスト」入賞作品展の会場係員として。昨年の開催はようやく桜が咲き始めるころだったが、今年は5月末。街はもう初夏の装いで、ケヤキをはじめとする街路樹の緑が目にまぶしい。 考えてみれば、昨年の12月にも訪れて、ケヤキ並木を数十万個のイルミネーションで彩る「SENDAI光のページェント」を見ている。結構、この街が好きなのか

  • 一戸町の御所野遺跡

    奥州街道に関わる資料づくりのために岩手県北部の一戸町へ。泊まりがけの仕事だったので、ついでに一戸町にある御所野遺跡に立ち寄ってみた。というのも、JR東日本の広報誌「トランヴェール」の最新号に高橋克彦氏が次のように書いていたのを、一戸へ行く前にたまたま読んだから。 「三内丸山は縄文時代の巨大なテーマパークのようであり、大湯ストーンサークルは美しい自然公園のように感じられるが、御所野は縄文時代そのもの

  • 「天国」の日々

    およそ30年前、20代半ばに四国の高知市に1年あまり棲んだ。その時にとてもお世話になったOさんから「天国のおばちゃんに会った」と電話があった。そのことばだけ聞くと、亡くなった人に会ったと言っているみたいだが、そうではない。「天国」は高知の繁華街にあった酒場の名前で、その酒場のオーナーであったおばちゃんに会ったと言っているのだ。 普通、おばちゃんがやっている酒場といえば客層の年齢が高いのが普通だが、

  • 盛岡 Loomの想い出

    北東北の活性化に関わるある事業の会合に出席するため、盛岡の「アイーナ」に日帰りで行ってきた。「アイーナ」は盛岡駅の西口に数年前にできた複合施設で、正式名称は「いわて県民情報交流センター」。県立図書館を核として、県立大学やNPO関係などいろんな施設が入っている。 会合の開始時間より早めに着いたので時間つぶしのため館内のギャラリーをのぞいてみたら、盛岡スコーレ高校の美術工芸作品展が行われていた。 生徒

  • 旅に倦む日々

     6月の中ごろに温泉取材の旅に出て、気がつけば今日から7月。山形県の村山・置賜から福島県の会津をぐるりとまわり、栃木県の塩原・那須を経て再び福島県の浜通りに入り、北上して今、郡山にいる。そろそろ山の中の温泉も飽きてきたので、賑やかな街が恋しくなり郡山のビジネスホテルに投宿し、久しぶりにネットに繋いでいるところ。 携帯も圏外という山間の湯治宿ばかりに泊まっていると、新聞も読まず、TVもほとんど見ない

  • 雨の仙台

    今、仙台に来ている。第1回「菅江真澄の足跡・写真コンテスト」の入賞作品の巡回展を仙台で開催中なので、その会場係員として。 仙台に宿泊するのは3年ぶりだが、けっこうな都会だなあ、と思ってしまう。仙台市の人口は現在約103万人。人口30万人に届くか届かないかという東北の県庁所在地のほとんどが、市街地の空洞化がすすみ活力が失われつつある中で、仙台が一人勝ちといったところだろうか。街を歩いていると、やたら

  • 五所川原 立佞武多

    今、津軽の弘前に来ている。この時期、津軽はねぷた(ねぶた)祭り一色。実はそのことをすっかり忘れていて、ホテルに予約を入れたらどこも満杯。やっと空いているところを見つけたら、ねぷた料金で2割増だった。で、せっかくの機会ということで、仕事は昼の間に済ませ、夜は各地のねぷたを見て回った。 昨日は五所川原の立佞武多(たちねぷた)を見た。五所川原では明治のころに高さを競い合って巨大化したねぷたが造られていた

  • 足助を訪ねて

    三河・尾張の旅で、「中馬(ちゅうま)のおひなさん」のまつりで賑わっている足助(あすけ)に、柄澤照文さんを訪ねた。柄澤さんは菅江真澄や松浦武四郎の足跡をたどるスケッチ旅をしたり、全国各地の町並や農村風景などを描いている岡崎(愛知県)在住のペン画家。 柄澤さんと初めて会ったのは今から20年ほど前のこと。柄澤さんが菅江真澄の足跡をたどるスケッチ旅の途中に秋田に立ち寄った際、取材した地元新聞社の記者がたま

  • 山中湖の旅

    2週間ほど前、山中湖(山梨県)に行ってきた。妻の友人2人が、私を彼女たちが常宿にしているという山中湖畔のペンションに招待してくれたのだ。 山中湖を訪れたのは、学生時代に富士五湖をめぐり歩いて以来30数年ぶり。宿泊した「ペンション・モーツァルト」は、標高約1000mの新緑の森の中にあった。 オーナーのNさんはスピリチュアルな雰囲気を持つ芸術家肌の人。私たちが館内に入り、リビングルームに腰を落ち着ける

  • 会津再訪

    先週から今週にかけて福島県の会津地方に行ってきた。メンバーは私のほかに無明舎出版のAさん、ライター仲間のFさん、S社の編集者Rさんの総勢4人。Aさん、Fさんが会員となっている「とうほく街道会議」が主催する旧街道のウォーキングに参加がてら、会津で一杯やるという硬軟まぜた小旅行だった。 「とうほく街道会議」とは、街道や宿場を町おこしに活用したり、街道歩きをしてかつての道沿いの様子を考えたりするグループ

  • 伊豆沼の渡り鳥

    先日の東鳴子温泉ミニ湯治の帰途、伊豆沼に立ち寄ってみた。 伊豆沼、それに隣り合う内沼は、冬鳥の飛来地として国際的に重要であるため、北海道の釧路湿原に次いで日本で2番目にラムサール条約の登録湿地に指定されたところ。宮城県のみならず、国内のバード・ウォッチャーの聖域(サンクチュアリ)のような場所なので、前から一度行ってみたいと思っていた。 冬になると伊豆沼・内沼に飛来するのは、夏の繁殖地(シベリア・北