• 真紅のカーテン バルベードールヴィイ

     バルベードールヴィイは80年代後半に読んだ記憶がある。当時はバルベーが名前でドールヴィイが苗字と認識していたが、最近のwikipediaを見るとジュール・アメデ・バルベードールヴィイが正式な姓名なのでバルベードールヴィイが苗字とする、のが通説になっている。  『真紅のカーテン』バルベー・ドールヴィリー 生田耕作訳 奢灞都館  87年に奢灞都館から刊行された生田耕作訳の本はバルベー・ドールヴィリー

  • ピエール・ルイス ③ ビリチスの歌

     鈴木信太郎訳で「女くらべ」という『ビリチスの歌』第一部パンフィリイの牧歌の中に所収されている詩を紹介します。      女くらべ  キプリスの小鳥、鶺鴒(せきれい)よ、萌え出でる妾(わたし)たちの欲望に 合せて  歌を唄っておくれ。乙女の肉体は瑞々(みづみづ)しく、地面のやうに花に覆はれる。  妾たちのあらゆる夢に、夜は近づき 妾たち みなひそやかにそれを語らふ。  時折は、かほどまで互に違った

  • ピエール・ルイス ②  鈴木信太郎  生田耕作

     ピエール・ルイスの『ビリチスの歌』の翻訳の違いを比べてみます。  鈴木信太郎と生田耕作です。  『ビリチスの歌』ピエエル・ルイス、鈴木信太郎訳  「骨牌遊び(オスレ)の勝負」  二人とも あの人が好きだったから、互ひに骨牌遊び(オスレ)で賭けをした。勝負の話が拡まって、大勢の若い娘が立会った。  相手の女(ひと)は、真先きにキクロオプで攻めて来た。妾(わたし)はソオロンで立ち向った。けれど相手は

  • ピエール・ルイス ①

     昭和59年ごろ、書店でピエール・ルイスの『女と人形』(生田耕作訳)を見つけました。サバト(奢覇都)館刊行の箱入りの本でした。箱の模様のデザインがきれいで、本の紙質や綴じ方がフランス風で優雅でした。  こんなきれいな本は買ったことがありませんでしたので、書店に何回か通って買いました。当時としてはマンディアルグ短編集やユイスマンスの本に並んで思いきった買物でした。  人形が好きな女の物語ぐらいに想像