卒寿小論 479 其方(そなた)次第とうちもたれ居る(前句)
元禄前句付け こそぐれば靨(えくぼ)ひづむ笑泣き 其方(そなた)次第とうちもたれ居る 参考 ひづむ=歪む この一句から推察するに、男は大きな商いの若旦那であろう。 女性は遊女になったばかりの乙女であろう。 一般庶民にとっては知らない世界であったと考えられる。 一般庶民の男女がこのような関係になれたの... 続きをみる
元禄前句付け こそぐれば靨(えくぼ)ひづむ笑泣き 其方(そなた)次第とうちもたれ居る 参考 ひづむ=歪む この一句から推察するに、男は大きな商いの若旦那であろう。 女性は遊女になったばかりの乙女であろう。 一般庶民にとっては知らない世界であったと考えられる。 一般庶民の男女がこのような関係になれたの... 続きをみる
元禄 前句付け「12」 (前句)もたれかゝれる人の右流左死(うるさし) 忍ぶ夜に女違ひのつくも髪(がみ) もたれかゝれる人の右流左死(うるさし) 参考 つくも髪=白髪 右流左死(うるさし)=もとは、人望のある人の意 ドジな後輩が忍んでいく部屋を間違えてとんでもない人違いの人のところへ入り込んでしまっ... 続きをみる
元禄 前句付け「11」 (前句)痛まぬほどにつめつめをする 乳(ち)をかめど子の歯の生(はゆ)る嬉しさよ 痛まぬほどにつめつめをする 何の解説もいらない現代にもそのまま通じる江戸川柳の一句である。 萬緑(ばんりょく)の中や吾子(あこ)の歯生え初(そ)むる 中村草田男 この一句を思い出す。 なんとも生... 続きをみる
元禄 前句付け「10」 (前句)とゞして居たる草むらの中 愛(あい)すかと母泣く顔に咲(え)む棄子(すてご) とゞして居たる草むらの中 参考 愛す=あやすに同じ。 棄子と同義に「みかん籠」が用いられた。江戸時代捨て子は「みかん籠」に入れて捨てるのが通例。 とゞ=すわる。座す。 母のなく顔を見てあやし... 続きをみる
元禄 前句付け「9」 雨だれ落(おつ)る窓の淋(さび)しさ 地女(ぢおんな)と遊女の文(ふみ)の部分(ぶわけ)せん 雨だれ落(おつ)る窓の淋(さび)しさ 参考 地女(ぢおんな)=遊女に対して素人女をいう。土地の女と流れの女の意。部分け=部を立てて分類すること。例 遊女の部、素人女の部とか。 五月雨の... 続きをみる
元禄文化 前句付け「8」 (前句)君に逢ふ夜は鐘も湯になれ 我息を殺さずいつか寝足(ねた)る程 君に逢ふ夜は鐘も湯になれ 参考 息を殺さず=息づかいもはばからず。寝足る=十分に共寝ができる。鐘も湯になれ=鐘よ鳴らないで溶けてしまえ。 夜明けのコヒーを一緒にのめる時代は幸せな時である。 夜明けの鐘に追... 続きをみる
元禄 前句付け「7」 (前句)まはりてつらし予(わ)が三重の帯 吹懸(ふきかくる)かゞみに弱る息の勢(せい) まはりてつらし予(わ)が三重の帯 参考 三重の帯=恋やつれの為に三度も回ると強調している。 許されぬ恋。やつれてやせ細った娘。親の心配は大変だな。母親も一緒になってやつれてしまうものだ。 も... 続きをみる
元禄 前句付け「6」 (前句)恋のひとつは分別の外 髪切れど鏡に切らぬ顔の艶 恋のひとつは分別の外 参考 髪を切る=尼の髪型。垂れ尼ともいう。肩のあたりに髪を切り揃える。 分別の外=恋は闇。恋は盲目。恋は思案の外。と同じ。 若すぎる。美しすぎる。未亡人。 夫がなくなると、髪を切るのが習慣で、髪を切っ... 続きをみる
元禄 前句付け「5」 (前句)移り香こぼす袖のほころび 奥様の爪紅(つまべに)残る下女が股(もも) 移り香こぼす袖のほころび 参考 爪紅=江戸時代のマニキュア 前句=男の移り香の残る袖のほころび 年季奉公にやって来る下女のなんとまあみずみずしい太股。 それだけでも憎いのに袖がほころぶほどの抵抗をして... 続きをみる
元禄 前句付け「4」 (前句)あまり淋しく文の徒書(むだがき) まだ若き法師に角(すみ)の跡有り あまり淋しく文の徒書 参考 角(すみ)=角前髪(済前髪)の略。今で言うなら、荒れた時代の中学生がしていた(剃り込み)のヘアースタイル。額の両角をそり上げるか、抜いて角ばらせた髪型。 文=一般には恋文のこ... 続きをみる
元禄 前句付け「3」 (前句)移り香たゝむあけぼのゝ蚊屋 来ぬ君の科(とが)を枕にいふは無理 移り香たゝむあけぼのゝ蚊屋 参考 君=男女共用、恋する男女の意味を持つ。科=咎められるべき行為。 移り香=物に移った匂い、その人特有の香り。 「なぜ、あなたは来なかったのですか。 私がこれほどにあなたのおい... 続きをみる
元禄 前句付け「2」 (前句)寝るほど寝ては心よきもの 百億の黄金も下戸はもち腐(ぐさり) 寝るほど寝ては心よきもの 参考 もち腐(ぐさり)=もちぐされに同じ 酒を飲めない人は酒のみの気持ちは理解しがたい。逆に酒飲みもまた下戸の気持ちを理解しがたい。 我が家の家系は、父方も母方も酒の飲める家系で私も... 続きをみる
赤花夕化粧 季節の花300より 元禄 前句付け「1」(前句)嬲(なぶ)り返して腹をいにけり あね様のをとこくささは誰(たが)匂ひ 嬲(なぶ)り返して腹をいにけり 参考 嬲る=人をもてあそぶ。からかう。腹を癒(い)る=腹を癒すこと。 周りの人々に大事に育てられた長女や長男。姉様は箱入り娘になりやすい。... 続きをみる
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