• 江戸川柳 色は匂へ  「し」の4 字 5 汐干 6 敷居

    4 字   よめぬ字を何(なに)といふ字によんで置き  これでいこう。   串といふ字を蒲焼と無筆よみ         味があるな。   林といふ字拍子木とよみもよみ        頭いい。 5 汐 干   品川に不二の影なき汐干狩       春霞で富士山が見えん。   ぱらりっと汐干は人をまいたやう    どれぐらい取れました。   汐干には舟の無いのが先キへにげ    ぼつぼつ、満ちてくるぞ

  • 江戸川柳 色は匂へ  「み」の4 三浦屋 5 三河 6 神酒徳利                7 水揚

    4 三浦屋   尻がちいさいと三浦屋まだ不足    もっと肉を喰わせておけば・・・   参考 三浦屋=吉原の妓楼。上級遊女高尾は三浦屋のお抱え。仙台侯が高尾の体重と     同じ重さの黄金で身請けした時、たぶんもっと尻が大きく体重が重ければと思っ     たことだろうと。 5 三 河   伊勢よりも三河は顔がのどかなり   いい年を迎えた。借りなしやで。   三河から暮の機嫌を来て直し     お

  • 江戸川柳 色は匂へ  「め」の4 女敵 5 目黒 6 飯焚 7 目見得

                 4 女 敵(めがたき)   めがたきはうつ方が憎ていなつら   どう見ても敵の方がいい男だな。   参考 女敵=自分の妻と密通した男。憎ていなつら=人相が悪い。 5 目 黒   畳をたたき立てどこの目ぐろだよ   焼くほど亭主持てやせんで。   参考 目黒=江戸の南郊、目黒不動は28日の縁日に参詣が多い。近くに品川があ      る。目黒と言って品川に直行する方もいる。

  • 江戸川柳 色は匂へ  「ゆ」の4 結納 5 夕顔 6 遊女 7 行平

    4 結 納   結納はしまっておいた心持    大切にお願いします。   参考 結納を取り交わしたからと言って当人同士は自由に付き合えるわけではない。              契約をしただけで親元で確かに預かってもらうということ。   急な駆落結納とすり違い     親不孝、お許しください。   参考 親の決めた契約に不満がある場合の抵抗。昭和の時代までその名残があった。     中条きよしの「

  • つぶやき 149 叩いたら叩き返せと祖母達者  山崎初栄

     この句に出会った時、母方の祖母を思い出した。かくしゃくとした祖母は生き方の手本であった。  天気が良いので座布団のカバーを外して屋根に干した。  取り入れる時、座布団を叩けば出るわ出るわ埃ほこり。冬用のカバーを取り付けて冬の準備を済ませた。  人も叩けば、どんな人もそれなりに埃が出る。埃だらけの人とほんの少しだけの人との差はあるが。  政治の世界では叩かれたら叩き返すのが常套である。  叩かれた

  • 江戸川柳 色は匂へ 「き」の4 起請 5 木蔵 6 北 8 帰朝

    4 起 請(きしょう) 起請文の略   起請とははだかにしょうと言ふ事か    裸は覚悟の上   参考 起請=熊野牛王の誓紙と言う愛情を誓うための用紙。これを買って遊女と客が     取り交わす習慣がある。きしょうは、着セヨウと音が同じで、着しょうではなく     裸にされるのがおち。      また、起請誓紙には鳥が沢山印刷してあり、取り交わすたびに熊野の烏が一羽     死ぬといわれていた。

  • 江戸川柳 色は匂へ  「ま」の4 前垂 5 枕 6 負け

    4 前垂(まえだれ)   前だれをはづして内儀しいに出る  一段落して、おひとつどうぞ。ごゆっくり。と   前だれで手をふく下女の取回し    テキパキと気が利くねえ。働き者だね。   前だれはものゝ言ひよきすがた也   仕事。頼みやすいよ。 5 枕   ねてからのきき耳まくら二寸あげ   情景が目に浮かぶよ。   また一度手紙をひらく枕あて     昔の手紙だ。思い出すよ。   参考 枕あて=枕

  • 江戸川柳 色は匂へ  「や」の3 焼餅 4 屋形者 5 薬鑵(やかん)

    3 焼 餅   焼きもちは人に喰わせぬ工夫なり    そんな焼き方もあるのか   灰寄せに行くが女房の焼おさめ     灰寄せ(火葬の骨を拾うこと)   やきはしやせんと女房いぶす也     いぶす手もあるんだ   やく女房千人なみの下女をおき     千人なみでも油断はできない 4 屋形者(やかたもの)   けいせいのす顔であがるやかたもの   悲しい遊びの国侍、下級武士の定め   参考 屋形者

  • 江戸川柳 色は匂へ  「く」の4 国の母 5 釘をさす 6 公家

    4 国の母   国の母生まれた文を抱きあるき   母の愛。そのまま。   参考 生まれた文=娘の初産を知らせる手紙。親類や知人に見せるために懐に入れて          持ち歩く。   国の親手ごたえのする封をきり   何かあったのでは。緊張の一瞬。 5 釘をさす   明けておくよと夜遊びへ釘をさし  困ったなあ。戸締り気になるよ。   必といふ字心にくぎをさし     お見事。いい漢字だ。 6 

  • 江戸川柳 色は匂へ  「お・を」の6 追羽根(おいばね) 7 大江山   8 太 田  9 大門(おおもん)

    6 追羽根    なりふりにかまけ追羽根娘まけ   (1・2年前までは活発に走り回っていた子が、いい娘になって道行くイケメンが立    ち止まったりすると、もう大変。なりふりにかまけるわ。) 7 大江山   大江山美しいのを食ひのこし   (丹波の大江山で怪物酒呑童子が財宝を奪い人をさらうので、頼光が四天王と平井保    昌らを連れて、神変鬼毒酒に酔わせて討ち果たす。酒呑童子も美人は残していてお

  • 江戸川柳 色は匂へ  「の」3鋸(のこぎり) 4 覗機関(のぞきからくり) 5 後の妻 6 飲む

    3 鋸(のこぎり) いきが切れますとのこぎり貸してやり  のこ切れないよ。息は切れるよ。 鋸の刃を立てる内嫁隣         ギーコギーコとうるさくて暫くお隣りへ。 4 覗機関(のぞきからくり)   参考 覗機関(のぞきからくり)は屋台の腰に眼鏡をつけて子どもに説明入りの紙芝      居を見せる路上の見世物。 はなをよくかみなさいよとのぞき言ひ  あおっぱな拭いてからだよね。 かゝさんにねだっ

  • 江戸川柳 色は匂へ  「い・ゐ」の5 石打 6 石山 7 以上 

    5 石打(いしうち) 石打の先達にくるまたいとこ    石でも投げ込まないでいらりょうか。  参考 石打=婚礼の夜、近隣の青年たちがその家に石を投げ石習慣。地を打ち固める意     味の習俗。     先達=リーダー、ここではまた従兄弟がリーダー。 腹のたつ顔もまじって水あびせ    恋敵か水のかけかたが違うで。     習俗にことよせて自分の思いをぶちまけあきらめる。そんな意味も含む行事で   

  • 江戸川柳 色は匂へ  「う」の3 胡散(うさん) 4 牛方(牛方) 5 丑の日(うしのひ)

     3 胡 散  うさんといふにほひ女房かぎ出し   女房が嗅ぎつける恐るべき能力。第六感。  参考 胡散=うさん臭い、疑い怪しむべきこと。  三味線がばったりやむとうさん也   ひっそりと、なんだ、どうした。あのやろう。  4 牛 方  牛方のあきらめて行くにわか雨    牛のテンポにあわせて、濡れて行くか。  参考 牛方=牛を使って運搬する職業。 絵になる風景だね。  5 丑の日  丑の日にかご

  • 江戸川柳 色は匂へ  「む」の3 麦 4 聟(むこ)

    いろりにてくどきおとして麦の中    麦畑は田舎のパラダイスだ。  参考 冬は囲炉裏端で話がはずみ良い仲になる男女が多い。しかし、田舎のこと人目を    忍ぶのは麦が成長するまで待たねばならない。田舎事情があった。 まだのびもせぬにもう來る麦ばたけ   辛抱がたりねえな。 麦ばたけざわざわざわと二人にげ    野暮なやつか。恋敵か。 4 聟(むこ) 聟えらみする内柳臼になり     えり好みをして

  • 江戸川柳 色は匂へ  「な」の3 名(な) 4 中の町(ちょう)

    なくっても事のかけない女房の名   オイだけで済ましちゃう。 名も呼ばずモシとも言はぬ内が花   アノ、アノ 新妻のういういしさ。 親の名の次第に似合ふ三回忌     若旦那、貫禄できたね。よお、いい男。 親の名がついて母親呼かねる     なんて呼ぼう。呼び捨てもできないし。 内ぢうの名をいってよぶせわしなさ  あるある。上から順に全部呼ぶ。 4 中の町(なかのちょう) 中の町さいたが通る見とも

  • 江戸川柳 色は匂へ  「ね」の3 年明(ねんあき・ねんあけ) 4 ねんごろぶり(念比ぶり)

    年明キの古郷へにしき脱いで來る  きびしい老後が待っている。  参考 年明=奉公の年季が終わること。遊女の年明は27歳ころ。古郷へ錦=諺、故郷    へ 錦を飾る。錦を着て故郷へ帰ること。遊女の年明きは勤めできた立派な衣装を    脱いで粗末な衣装で帰郷する。 運のない年明き茅屋へもどり    運よく玉の輿に乗る人もいる。 年明ケの女らしいも二三年     二三年が勝負ね。がんばらなくっちゃ。 案

  • 江戸川柳 色は匂へ  「つ」の3 通詞(つうじ・通事) 4 塚

     ほれたのを通詞壱人がおかしがり   因果な役目でござる。  参考 通詞=通訳官、長崎に住み唐通詞、おらんだ通詞がある。長崎丸山の遊女に惚れての問答を通訳する。通詞はおかしくもあり馬鹿馬鹿しくもある。  通詞さへ口舌の時はあきれはて    いい加減にしてよ。うんざり。       口舌(くぜつ)=痴話げんか。  来朝に通詞もいらぬ雪の峯    この美しさ。通訳いらない。最高。    来朝=外国の使

  • 江戸川柳 色は匂へ  「そ」の3惣仕舞(そうしまい) 4杣(そま)

     惣仕廻けっきの勇と茶屋はとめ  (取りつかれるとこんなことになる。)  参考 惣仕舞=一軒の妓楼の遊女を全部買い切ること。妓楼=女郎屋、遊女屋、青楼。    遊びなれない男は見栄を張って一人の遊女のために総あげ惣仕舞をするような馬鹿    なことやってしまう。妓楼は儲かるが茶屋は儲けにならないシステムになってい    る。だから茶屋の人は本音を言う。  御茶ひきも煎じ出さるる総仕舞  (全員集合

  • 江戸川柳 色は匂へ  「た」の3 鯛 4 大伽藍(だいがらん)

    ひだを直しながら鯛の先へ立ち    威儀を正して進物にする鯛。  江戸時代の鯛は、めでたい魚とされ祝に送る習慣があった。特別の魚である。 まだうごく尾へ奉書の紙をかけ    祝いの儀式、ありがたく頂戴。  奉書=上意を奉じて侍臣・右筆(ゆうひつ)らが下す命令の文書。 鯛ぐらいただうんうんと御あいさつ  賄賂流行時代、鯛ではねえ。うんうん。 鯛肩身釣るまで待つと夫人なり    女の実利主義、まつわ、

  • 江戸川柳 色は匂へ  「よ」の3 吉野山 4 吉原(よしわら)

    吉野山十七文字ではほめたらず   字余りで褒めたんだ。  参考 貞室の俳句「これはこれはとばかり花の吉野山」は一字多い字余りの句である。 吉野山むだ花の咲く四十年   南北朝の戦で花見どころではなかった。 4 吉 原 吉原の方へ死んでも枕をし    北枕のこじつけ、男の性か。  参考 江戸で唯一の官許の吉原は、男の社交場でもあった。男の関心は常に北(吉原の異称)にあり、死んでも北枕になって吉原の方

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