川柳のムラゴンブログ

  • 江戸川柳 色は匂へ 「お・を」の10 大飯 11 大屋 12 大社      13 大山 14 岡場所

    大 飯 (おおめし) ふるさと寒く大飯を喰いに出る     せめて腹いっぱい食べて。    参考 農閑期になると農民が江戸に出稼ぎに来る。越後からは米つきに、中でも信       濃からくる人は大食いになっている。 五十里余来て食ひ倒す江戸の飯    逞しく生きるぞ。 信濃者三ばい目から噛んで喰ひ    貧しいってこんなこと。 大 屋 (おおや) むつかしい大屋はたえず札を張り   家かわったよ。

  • 江戸川柳 色は匂へ 「り」の3 離縁 4 李太白 5 竜宮  6 両だめ 7 料理人

        離 縁(りえん)   離縁して半畳青くたんす跡      さみしいもんだね。もう帰らない。   御離縁のわけ琴爪のきずが出来    殿もいい加減にしな。   李太白(りたいはく)=唐の大詩人、李白は大酒飲み   李太白一合づつに詩をつくり     一斗詩百編なら割り算でいくと。   竜 宮(りゅうぐう)   竜宮はなんぞかみやげくれる所    玉手箱はいらねえな。粋な土産を。    竜宮の

  • 江戸川柳 色は匂へ 「ち」の5 近くの人 6 近道 7 地獄 8 千鳥足 9 地廻り

        近 く の 人     参考 遠くの親類より近くの他人(諺)   近くの他人だと大事をでからかし  遠くて近きは情がわく。   遠くの亭主より近くの他人     亭主の長旅には心して過ごせ。       近  道     近道を四五丁送る草のあん     街道のそばまで近道を案内致そう。   庵の戸へ尋ねましたと書て置    久しく人と逢ってないよ。逢いたかったなあ。    地  獄   

  • 江戸川柳 色は匂へ  「と」の5 毒断・毒立 6 道鏡 7 東西 8 唐人 9 どうづく

    5 毒 断・毒 立 (どくだち・どくだて)   参考 毒立=病気のときに害となるので禁じること。   毒立に鼻の先のは言ひにくし     一番の毒は鼻先に居る妻だが・・・   むだぼねを医者におらせる美しさ   美人妻は男の寿命を左右するよ。   毒だちの一ツは聞も言もせず     みんな納得ですから。 6 道 鏡   参考 道鏡=8世紀後半、孝謙天皇に取り入り太政大臣を経て法王にまで上り詰めた

  • 江戸川柳 色は匂へ  「へ」の5 平家 6 へちま 7 ヘド 8 べべ 9 弁当

    5 平 家    注進のたびに平家は後家がふえ    ワー、後家の大量生産だ。   参考 注進=事変を急いで知らせること。太平洋戦争では壇ノ浦どころじゃないぜ。   平家方末期の水の塩からさ      壇ノ浦の水はさぞ辛かろう。 6 へちま(絲瓜)   ふらついて月見に切れるへちま客   縁の切れ目が月見なり   参考 糸瓜=ぶらりと下がり食用にならないところから、無力、実用価値がない。吉    

  • 江戸川柳 色は匂へ  「ほ」の5 奉加帳 6 菷 7 棒組 8 法眼 9 鬼灯

     5 奉加帳 (ほうがちょう)   奉加帳御用内ぶところへ入れ   神仏へのピンハネもありか。   参考 奉加帳=神仏への寄進、転じて一般の寄付金を記録する帳面。      御用が、抜け参りに行くための費用なので主人に知れないよう      にいつも懐へ入れておく。  6 菷  (ほうき)   菷でも灸でもきかぬ居催促   借金返すまでは帰らねえぞ。   参考 菷を逆さに立てたり、下駄に灸をすえた

  • 江戸川柳 色は匂へ 「に」の4 煮えきらぬ 5 仁王 6 面皰 7 二十軒

    4 煮えきらぬ   にへきらぬつれは本来無一物      行くのか行かぬのか。はっきりしろ。   参考 本来無一物=仏教語で一切の執着を脱した心境。銭も無し。   煮へきらぬ娘を叔母へとまりがけ   これほどの男はそうはいないよ。 5 仁 王   仁王さま二人ならんであつ湯好    真っ赤な顔して大丈夫。   そのわけをかんでしまってぶっ付ける  また汚す。この野郎。   参考 紙を噛んで丸めて投

  • 江戸川柳 色は匂へ  「は」の4 売色 5 蠅叩き 6 萩 7 羽子板

    4 売 色(ばいしょく)   売色を一割入れて札がおち    威張りはじめたら終わりだよ。   参考 売色=売春、売淫。札がおち=入札の結果、受注。係りの役人に一割ほどの遊        興費を上乗せすると札が落ちるのが常識。今も昔も「いばらせる、つかませ      る、だかせる。」の3セルが贈収賄の常套手段。 5 蠅叩き(はえたたき)   蠅たたきこれさいわいと嫁の尻   可愛いせくはらだね。

  • 江戸川柳 色は匂へ  「い」の8 いけたご 9 居酒屋 10 出雲 11 市 12 伊勢の留守

    8 いけたご (生け担篭)   いけたごへ小判を入れる珍しさ   いつの時代も馬鹿が居るのよ。   参考 いけたご=魚を生きたまま持ち運ぶ桶。小判で買うほど高値の     魚、初鰹。一尾2~3両したという。現代でも御祝儀相場と言っ          てとんでもない値をつけて商いが始まる。 9 居 酒 屋   居酒屋はもぢもぢするが気ざになり    目を離すな・・・       参考 気ざ=気がかり

  • ラジオが面白い

    こんにちは! インフルエンザでまだ隔離中です(やっと5日目の最終日です) インフルが厄介なのは感染しやすいですよね。 発症して5日間は感染力があるので今日までは我慢です。 さてその間ラジオを聞いていたのですが、これがどれも面白い♪ ラジオってこんなに面白いんだーとこの年になって知りました。 漫才から落語、俳句や川柳、音楽、アスリートや作家の方のお話とか 分かりやすくてホント楽しい♩ 漫才や川柳なん

  • 江戸川柳 色は匂へ  「す」の3 粋・帥 4 素壱歩 5 居風呂 6 すかし屁 7 すがれ

    3 粋・帥 (すい)   来ぬが粋ならば伊勢屋と国家老   つぶれちゃうよ。来てよね。   参考 伊勢屋=しまり屋の代名詞。国家老=融通の利かない頑固侍の代名詞。       吉原の名妓、四代目の高尾が曰く「粋じゃ粋じゃと言へど来ぬが粋なりと言え      り」行くタイミングだな。どういうタイミングで顔を出すか。粋だね。 4 素壱歩 (すいちぶ)   す壱分はげしなりませであんどする   余裕ない

  • 江戸川柳 色は匂へ  「せ」の3 施餓鬼 4 関取 5 女衒  6 咳払 7 仙人

    3 施餓鬼(せがき)   大施餓鬼してから後妻気が軽し     やっと落ち着くわ やれやれ   参考 施餓鬼=祖先をまとめて追善供養する寺の行事 4 関取 (せきとり)   関取は碁盤で消すが座敷芸       碁盤片手で蝋燭の火を扇ぎ消すのか   関取の悴おもひのほか小兵       悴(男根の異称)、意外とねえ 5 女衒 (ぜげん)   参考 女衒=婦女売買を斡旋するもの。   泣顔があのくら

  • 川柳

    老夫婦 老犬連れて 哀れだな 覗きこむ スマホの中に 未来無し 混雑時 汗水したる つり革に

  • 江戸川柳 色は匂へ  「も」の4 門番 5 物申 6 餅 7 もてる・もてぬ

    4 門 番(もんばん)   附けとどけせぬと門番こりゃどこへ    鼻薬効果てきめん   参考 門番=武家屋敷の門番、出入りの商人や屋敷の侍の夜遊びに「こりゃどこへ」                が付け届けには欠かせぬ。   門番は綱をゆるめて二百とり     夜遊びの相場は三百文だぞ   御門番酒の切手が物を言い      酒は効きますねえ   参考 切手(きって)=関所の通過や乗船などの際の

  • 江戸川柳 色は匂へ  「ひ」の4 姫始 5 日済貸(ひなしがし) 6 一人者 7 冷水 8 昼寝

      明けましておめでとうございます。本年もよろしくお願いします。 4 姫 始(ひめはじめ)   参考 姫始は暦の用語。正月2日に記された日柄(ひがら)の名。古来諸説があり、     意味不明で説が定着していない。①正月に姫飯(ひめいい)を初めて食べる日。     ②飛馬初めの意、乗馬始めの日。③姫糊始の意で、女が洗濯・張物などを初めて     する日。④新年に夫婦が初めて交合する日(好色一代男)

  • 俳句なイチニチ

    私も一応100キロウォーカーなんでリピーターである 愛娘にどうしても「ナカジーうどん」を食べてもらいたく、マサ子さんと4人でウエストへ・・・そこで一句 ちゅるちゅるを 全力で噛み切る 4本歯 今週末、自宅でのクリスマス会を開催予定!親戚のプレゼントを娘に選んでもらう為、行きつけの西松屋へ ・・・そこで一句 婆の真似? 値札をつけて ちょこちょこと 誰の血だ? 呼んでも動かぬ ママの血だー! まぁ楽

  • 江戸川柳 色は匂へ  「え」の4 縁遠さ 5 夷講 6 江戸町

    4 縁 遠 さ (えんどおさ)   縁遠さ茶を飲みに行き行き      茶を飲みに行くだけ、期待すまい   参考 水茶屋=現代のカフエ。茶を飲みに行くたまり場でお見合いの場所によく使わ                れた。   やるあても無いに今年も暮て行    親の心配どこ吹く風、また歳を取った   あの男この男とて古くなり      めんくいだからなあ困ったもんだ 5 夷 講 (えびすこう)

  • 江戸川柳 色は匂へ  「し」の4 字 5 汐干 6 敷居

    4 字   よめぬ字を何(なに)といふ字によんで置き  これでいこう。   串といふ字を蒲焼と無筆よみ         味があるな。   林といふ字拍子木とよみもよみ        頭いい。 5 汐 干   品川に不二の影なき汐干狩       春霞で富士山が見えん。   ぱらりっと汐干は人をまいたやう    どれぐらい取れました。   汐干には舟の無いのが先キへにげ    ぼつぼつ、満ちてくるぞ

  • 江戸川柳 色は匂へ  「み」の4 三浦屋 5 三河 6 神酒徳利                7 水揚

    4 三浦屋   尻がちいさいと三浦屋まだ不足    もっと肉を喰わせておけば・・・   参考 三浦屋=吉原の妓楼。上級遊女高尾は三浦屋のお抱え。仙台侯が高尾の体重と     同じ重さの黄金で身請けした時、たぶんもっと尻が大きく体重が重ければと思っ     たことだろうと。 5 三 河   伊勢よりも三河は顔がのどかなり   いい年を迎えた。借りなしやで。   三河から暮の機嫌を来て直し     お

  • 江戸川柳 色は匂へ  「め」の4 女敵 5 目黒 6 飯焚 7 目見得

                 4 女 敵(めがたき)   めがたきはうつ方が憎ていなつら   どう見ても敵の方がいい男だな。   参考 女敵=自分の妻と密通した男。憎ていなつら=人相が悪い。 5 目 黒   畳をたたき立てどこの目ぐろだよ   焼くほど亭主持てやせんで。   参考 目黒=江戸の南郊、目黒不動は28日の縁日に参詣が多い。近くに品川があ      る。目黒と言って品川に直行する方もいる。

  • 江戸川柳 色は匂へ  「ゆ」の4 結納 5 夕顔 6 遊女 7 行平

    4 結 納   結納はしまっておいた心持    大切にお願いします。   参考 結納を取り交わしたからと言って当人同士は自由に付き合えるわけではない。              契約をしただけで親元で確かに預かってもらうということ。   急な駆落結納とすり違い     親不孝、お許しください。   参考 親の決めた契約に不満がある場合の抵抗。昭和の時代までその名残があった。     中条きよしの「

  • つぶやき 149 叩いたら叩き返せと祖母達者  山崎初栄

     この句に出会った時、母方の祖母を思い出した。かくしゃくとした祖母は生き方の手本であった。  天気が良いので座布団のカバーを外して屋根に干した。  取り入れる時、座布団を叩けば出るわ出るわ埃ほこり。冬用のカバーを取り付けて冬の準備を済ませた。  人も叩けば、どんな人もそれなりに埃が出る。埃だらけの人とほんの少しだけの人との差はあるが。  政治の世界では叩かれたら叩き返すのが常套である。  叩かれた

  • 江戸川柳 色は匂へ 「き」の4 起請 5 木蔵 6 北 8 帰朝

    4 起 請(きしょう) 起請文の略   起請とははだかにしょうと言ふ事か    裸は覚悟の上   参考 起請=熊野牛王の誓紙と言う愛情を誓うための用紙。これを買って遊女と客が     取り交わす習慣がある。きしょうは、着セヨウと音が同じで、着しょうではなく     裸にされるのがおち。      また、起請誓紙には鳥が沢山印刷してあり、取り交わすたびに熊野の烏が一羽     死ぬといわれていた。

  • 江戸川柳 色は匂へ  「ま」の4 前垂 5 枕 6 負け

    4 前垂(まえだれ)   前だれをはづして内儀しいに出る  一段落して、おひとつどうぞ。ごゆっくり。と   前だれで手をふく下女の取回し    テキパキと気が利くねえ。働き者だね。   前だれはものゝ言ひよきすがた也   仕事。頼みやすいよ。 5 枕   ねてからのきき耳まくら二寸あげ   情景が目に浮かぶよ。   また一度手紙をひらく枕あて     昔の手紙だ。思い出すよ。   参考 枕あて=枕

  • 江戸川柳 色は匂へ  「や」の3 焼餅 4 屋形者 5 薬鑵(やかん)

    3 焼 餅   焼きもちは人に喰わせぬ工夫なり    そんな焼き方もあるのか   灰寄せに行くが女房の焼おさめ     灰寄せ(火葬の骨を拾うこと)   やきはしやせんと女房いぶす也     いぶす手もあるんだ   やく女房千人なみの下女をおき     千人なみでも油断はできない 4 屋形者(やかたもの)   けいせいのす顔であがるやかたもの   悲しい遊びの国侍、下級武士の定め   参考 屋形者

  • 江戸川柳 色は匂へ  「く」の4 国の母 5 釘をさす 6 公家

    4 国の母   国の母生まれた文を抱きあるき   母の愛。そのまま。   参考 生まれた文=娘の初産を知らせる手紙。親類や知人に見せるために懐に入れて          持ち歩く。   国の親手ごたえのする封をきり   何かあったのでは。緊張の一瞬。 5 釘をさす   明けておくよと夜遊びへ釘をさし  困ったなあ。戸締り気になるよ。   必といふ字心にくぎをさし     お見事。いい漢字だ。 6 

  • 江戸川柳 色は匂へ  「お・を」の6 追羽根(おいばね) 7 大江山   8 太 田  9 大門(おおもん)

    6 追羽根    なりふりにかまけ追羽根娘まけ   (1・2年前までは活発に走り回っていた子が、いい娘になって道行くイケメンが立    ち止まったりすると、もう大変。なりふりにかまけるわ。) 7 大江山   大江山美しいのを食ひのこし   (丹波の大江山で怪物酒呑童子が財宝を奪い人をさらうので、頼光が四天王と平井保    昌らを連れて、神変鬼毒酒に酔わせて討ち果たす。酒呑童子も美人は残していてお

  • 江戸川柳 色は匂へ  「の」3鋸(のこぎり) 4 覗機関(のぞきからくり) 5 後の妻 6 飲む

    3 鋸(のこぎり) いきが切れますとのこぎり貸してやり  のこ切れないよ。息は切れるよ。 鋸の刃を立てる内嫁隣         ギーコギーコとうるさくて暫くお隣りへ。 4 覗機関(のぞきからくり)   参考 覗機関(のぞきからくり)は屋台の腰に眼鏡をつけて子どもに説明入りの紙芝      居を見せる路上の見世物。 はなをよくかみなさいよとのぞき言ひ  あおっぱな拭いてからだよね。 かゝさんにねだっ

  • 江戸川柳 色は匂へ  「い・ゐ」の5 石打 6 石山 7 以上 

    5 石打(いしうち) 石打の先達にくるまたいとこ    石でも投げ込まないでいらりょうか。  参考 石打=婚礼の夜、近隣の青年たちがその家に石を投げ石習慣。地を打ち固める意     味の習俗。     先達=リーダー、ここではまた従兄弟がリーダー。 腹のたつ顔もまじって水あびせ    恋敵か水のかけかたが違うで。     習俗にことよせて自分の思いをぶちまけあきらめる。そんな意味も含む行事で   

  • 江戸川柳 色は匂へ  「う」の3 胡散(うさん) 4 牛方(うしかた) 5 丑の日(うしのひ)

     3 胡 散  うさんといふにほひ女房かぎ出し   女房が嗅ぎつける恐るべき能力。第六感。  参考 胡散=うさん臭い、疑い怪しむべきこと。  三味線がばったりやむとうさん也   ひっそりと、なんだ、どうした。あのやろう。  4 牛 方  牛方のあきらめて行くにわか雨    牛のテンポにあわせて、濡れて行くか。  参考 牛方=牛を使って運搬する職業。 絵になる風景だね。  5 丑の日  丑の日にかご

  • 江戸川柳 色は匂へ  「む」の3 麦 4 聟(むこ)

    いろりにてくどきおとして麦の中    麦畑は田舎のパラダイスだ。  参考 冬は囲炉裏端で話がはずみ良い仲になる男女が多い。しかし、田舎のこと人目を    忍ぶのは麦が成長するまで待たねばならない。田舎事情があった。 まだのびもせぬにもう來る麦ばたけ   辛抱がたりねえな。 麦ばたけざわざわざわと二人にげ    野暮なやつか。恋敵か。 4 聟(むこ) 聟えらみする内柳臼になり     えり好みをして

  • 江戸川柳 色は匂へ  「な」の3 名(な) 4 中の町(ちょう)

    なくっても事のかけない女房の名   オイだけで済ましちゃう。 名も呼ばずモシとも言はぬ内が花   アノ、アノ 新妻のういういしさ。 親の名の次第に似合ふ三回忌     若旦那、貫禄できたね。よお、いい男。 親の名がついて母親呼かねる     なんて呼ぼう。呼び捨てもできないし。 内ぢうの名をいってよぶせわしなさ  あるある。上から順に全部呼ぶ。 4 中の町(なかのちょう) 中の町さいたが通る見とも

  • 江戸川柳 色は匂へ  「ね」の3 年明(ねんあき・ねんあけ) 4 ねんごろぶり(念比ぶり)

    年明キの古郷へにしき脱いで來る  きびしい老後が待っている。  参考 年明=奉公の年季が終わること。遊女の年明は27歳ころ。古郷へ錦=諺、故郷    へ 錦を飾る。錦を着て故郷へ帰ること。遊女の年明きは勤めできた立派な衣装を    脱いで粗末な衣装で帰郷する。 運のない年明き茅屋へもどり    運よく玉の輿に乗る人もいる。 年明ケの女らしいも二三年     二三年が勝負ね。がんばらなくっちゃ。 案

  • 江戸川柳 色は匂へ  「つ」の3 通詞(つうじ・通事) 4 塚

     ほれたのを通詞壱人がおかしがり   因果な役目でござる。  参考 通詞=通訳官、長崎に住み唐通詞、おらんだ通詞がある。長崎丸山の遊女に惚れての問答を通訳する。通詞はおかしくもあり馬鹿馬鹿しくもある。  通詞さへ口舌の時はあきれはて    いい加減にしてよ。うんざり。       口舌(くぜつ)=痴話げんか。  来朝に通詞もいらぬ雪の峯    この美しさ。通訳いらない。最高。    来朝=外国の使

  • 江戸川柳 色は匂へ  「そ」の3惣仕舞(そうしまい) 4杣(そま)

     惣仕廻けっきの勇と茶屋はとめ  (取りつかれるとこんなことになる。)  参考 惣仕舞=一軒の妓楼の遊女を全部買い切ること。妓楼=女郎屋、遊女屋、青楼。    遊びなれない男は見栄を張って一人の遊女のために総あげ惣仕舞をするような馬鹿    なことやってしまう。妓楼は儲かるが茶屋は儲けにならないシステムになってい    る。だから茶屋の人は本音を言う。  御茶ひきも煎じ出さるる総仕舞  (全員集合

  • 江戸川柳 色は匂へ  「た」の3 鯛 4 大伽藍(だいがらん)

    ひだを直しながら鯛の先へ立ち    威儀を正して進物にする鯛。  江戸時代の鯛は、めでたい魚とされ祝に送る習慣があった。特別の魚である。 まだうごく尾へ奉書の紙をかけ    祝いの儀式、ありがたく頂戴。  奉書=上意を奉じて侍臣・右筆(ゆうひつ)らが下す命令の文書。 鯛ぐらいただうんうんと御あいさつ  賄賂流行時代、鯛ではねえ。うんうん。 鯛肩身釣るまで待つと夫人なり    女の実利主義、まつわ、

  • 江戸川柳 色は匂へ  「よ」の3 吉野山 4 吉原(よしわら)

    吉野山十七文字ではほめたらず   字余りで褒めたんだ。  参考 貞室の俳句「これはこれはとばかり花の吉野山」は一字多い字余りの句である。 吉野山むだ花の咲く四十年   南北朝の戦で花見どころではなかった。 4 吉 原 吉原の方へ死んでも枕をし    北枕のこじつけ、男の性か。  参考 江戸で唯一の官許の吉原は、男の社交場でもあった。男の関心は常に北(吉原の異称)にあり、死んでも北枕になって吉原の方

  • 江戸川柳 色は匂へ  「か」の3 鏡 4 学問

    おはぐろが喰いつくやうに鏡を見   真剣勝負の顔だ。怖いぞ。 参考 おはぐろ液を口の中に垂らすと異様な味がするので慎重を要する。 月食に向って下女はぬり立る     曇りかがみを手で拭いて・・・ 鏡へむかい鼻など下女つまみ     つまんでもたこうはならんで 鼻息で近目鏡をくもらせる      まったく、メガネがくもる。 4 学 問 学問とはしごは飛んでのぼられず   すべてが継続の力に欠ける時代

  • 江戸川柳 色は匂へ  「わ」の3 若旦那 4 わっち(私)

    若旦那夜はおがんで昼しかり     昼主人、夜家来 たいへんですね。 いふ事を夜きく下女は昼きかず    頭上がらないな、まあいいか。 若旦那さまと書いたを下女おとし   親父に拾われたら大変だぞ。 4 わっち みづからをすててわっちをご寵愛   わっちの方がおもしろいや。  参考、みづから=身分ある女の自称 わっち=中以下の町家の女の自称 屋しき中わっちが思ふやうにする   あやつられるバカ殿様

  • 江戸川柳 色は匂へ  「お・を」の5 大三十日(おおみそか)

    大晦日首でも取って来る気也    いざ出陣、無事のお帰りを。  参考、江戸時代の大晦日の意味を知らないと落語の鑑賞はできない。庶民の支払いは盆と暮れの二期払いか、年4度の支払いとなっており、決済の時期が長かった。  だから、掛け売り代金を取り立てる方も代金を支払う方も、首を取るか取られるかの真剣勝負であった。井原西鶴の世間胸算用「掛け取り上手の五郎左衛門」や町人の生活の悲喜哀歓が伝わってこない。

  • 江戸川柳 色は匂へ  「ぬ」の3 抜身 4 濡れの幕

    抜身の中へ飛込むは湯番也     湯屋での喧嘩はつい笑っちゃうね。  抜身=抜いた刀。転じていわゆるふりちん。 義朝はぬき身をさげてうち死し   侍や暴力団員の抜き身は命がけ。 4 濡れの幕   ぬれの幕=濡れは情事の意。歌舞伎で男女の痴態を演じる場面。 ぬれの幕などで仲人返事させ    仲人の作戦。にくいね。 ぬれの幕下女のび上り叱られる   夢中になってしまったわ。 元禄前句附 15 (前句)

  • 江戸川柳 色は匂へ  「ち」の3 地女(ぢおんな)4 乳

    地女にびれつくむす子高がしれ   大胆に金を使えよ。色道を極めれ。 参考 地女=素人女、地ものともいう。びれつく=色気を出す。でれでれする。 「ち」の4 乳 かりた子に乳(ち)さがされてちぢむなり  かあさんじゃない。姉さんだよ。くすぐっ                      たあ。 乳の黒み夫に見せて旅立たせ      分かりましたか。了解。 いい縮み嫁の乳首がすいて見へ     大胆な嫁だ

  • 江戸川柳 色は匂へ  「と」の3 湯治 4 富

    一チ弐もく湯治がえりはつよく成り   退屈は碁を強くする。 湯治場で何にも知らぬ残念さ      勝負事・芸・博打、知らないよ。 湯治から帰ってわるい芸がふえ     花札も強くなったぜ。 「と」の4 富 一の富どこかの者が取りは取り    誰かが取っているはずだからなあ。  参考=一の富は寺社で行う富突と称する富くじの第一の当たり。富札は壱歩で、百両富・千両富などがある。政治が大衆一般を動かす手

  • 江戸川柳 色は匂へ 「へ」の3 下手(へた) 4 部屋持

    下手将棋袖を引かれてねめまわし    えっ。いい手、それともあぶない手。 生きかわり死にかわり出る下手役者   役が多くて、目が回るよ。 4 部屋持 部屋持の細い日なたに桜草    桜草の鉢植えとはいじらしいねえ。  参考=部屋持とは個室を一つ持つ遊女。座敷持より場所が悪く日当たりもよくない。斜めにやっと差し込む出窓に桜草の鉢植えを置くのが吉原で流行した。 元禄前句附 10 (前句)痛まぬほどにつ

  • 江戸川柳 色は匂へ  「ほ」の3 ほころび 4 牡丹餅(ぼたもち)

    ほころびを笑ふは内儀ぬふ気なり   縫ってくれるんだ。ありがとう。 ほころびと子をとりかへる壱人者   子守りたのむよ。はあーい。 4 牡丹餅 ぼたもちをいさぎよく喰ふ嫁の里    つきもの(姑)が落ちたのかな。 ぼた餅も砂糖しだいで息子喰い     実利主義者。うまくいけばそれもよし。   参考=ぼた餅は醜婦の異名。砂糖は持参金。 ぼたもちとぬかしたと下女いきどおり  愛しさの裏かも。難しいぞ。

  • 江戸川柳 色は匂へ  「に」の3 二十七(にじゅうしち)

    功成り名とげて身退く二十七     よくがんばったね。これからが大変だよ。  参考=老子「功成リ名遂ゲ身退クハ天ノ道ナリ」 二十七歳は遊女の年季の明ける歳。  親の苦境を救う目的を立派に果たして勇退していく、若い時は玉の輿に乗るチャンスもあるがそんなことはめったにない。二十七歳の意味を知らないと分からない川柳が多い。 仕合さ年を四五年置て行き       22・3で身請けされたのね。 二十八歳無沙

  • 江戸川柳 色は匂へ  「は」 はずかしさ

    恥しさ知って女の苦のはじめ      江戸封建の女の定め。男尊女卑。 物の味一日知れぬはづかしさ      初めてのお歯黒の日です。 あごばかり出してゐてさえ恥かしい   婚礼の丸綿緊張しますわ。 恥しさつい三月たち四月たち      はやく公開して祝ってもらえると。 元禄前句附 4 (前句)あまり淋しく文の徒書(むだがき) まだ若き法師に角(すみ)の跡有て あまり淋しく文の徒書   角=角前髪の

  • 江戸川柳 色は匂へ  「い」の4 意見

    わがどらを先へ話していけん也   わしもわかいときはなあ・・・      どら=無軌道な金使い、とくに遊里での乱費をどらを打つと言う。 来るとまづ異見巧者は蔵へ呼び   さすが、誰にも見られないように。 長意見小便ひまをもらって出    あのう、あのう、でそうなんです。 人に言ふ異見を聞いちゃ一人前   江戸にも寅さんが居たんだ。 むりな意見は魂を入れかへろ    仙人でも無理じゃない。器用なこと

  • 江戸川柳 色は匂へ  「す」の2 捨 子

    今すてる子にありたけの乳をのませ    親心。せつない。 泣くよりもあわれ捨子のわらひ顔     泣けるなあ。貧しいこととは。 拾はるゝ親はやみから手をあはせ     江戸の貧富の格差だ。 元禄前句附 1 (前句)寝るほど寝ては心よきもの 百億の黄金も下戸はもち腐(ぐさり) (前句)寝るほど・・・  どんなに財産を持っていても酒が飲めないやつは可哀そうだよ。酔ってぐっすり寝て、気持ちよく目覚めるこ

  • 江戸川柳 色は匂へ  「せ」の2 蟬

    つかまると蟬は地声で鳴ている     あれが地か。 蟬のなく下に子供が二三人       よく見かけた昭和。 蟬がなき出すとお世話になりました   通り雨、もう大丈夫だ。 江戸川柳  前句附  冠附(上五) 沓附(下五)  江戸川柳を鑑賞するときはその表現形式を知っておくとよいようである。中でも代表的なのが前句附である。点者(選者)がお題を出し、それに対して五七五の十七文字で応える。読み上げる時は

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