• 江戸川柳 色は匂へ  「や」の3 焼餅 4 屋形者 5 薬鑵(やかん)

    3 焼 餅   焼きもちは人に喰わせぬ工夫なり    そんな焼き方もあるのか   灰寄せに行くが女房の焼おさめ     灰寄せ(火葬の骨を拾うこと)   やきはしやせんと女房いぶす也     いぶす手もあるんだ   やく女房千人なみの下女をおき     千人なみでも油断はできない 4 屋形者(やかたもの)   けいせいのす顔であがるやかたもの   悲しい遊びの国侍、下級武士の定め   参考 屋形者

  • 江戸川柳 色は匂へ  「く」の4 国の母 5 釘をさす 6 公家

    4 国の母   国の母生まれた文を抱きあるき   母の愛。そのまま。   参考 生まれた文=娘の初産を知らせる手紙。親類や知人に見せるために懐に入れて          持ち歩く。   国の親手ごたえのする封をきり   何かあったのでは。緊張の一瞬。 5 釘をさす   明けておくよと夜遊びへ釘をさし  困ったなあ。戸締り気になるよ。   必といふ字心にくぎをさし     お見事。いい漢字だ。 6 

  • 江戸川柳 色は匂へ  「お・を」の6 追羽根(おいばね) 7 大江山   8 太 田  9 大門(おおもん)

    6 追羽根    なりふりにかまけ追羽根娘まけ   (1・2年前までは活発に走り回っていた子が、いい娘になって道行くイケメンが立    ち止まったりすると、もう大変。なりふりにかまけるわ。) 7 大江山   大江山美しいのを食ひのこし   (丹波の大江山で怪物酒呑童子が財宝を奪い人をさらうので、頼光が四天王と平井保    昌らを連れて、神変鬼毒酒に酔わせて討ち果たす。酒呑童子も美人は残していてお

  • 江戸川柳 色は匂へ  「の」3鋸(のこぎり) 4 覗機関(のぞきからくり) 5 後の妻 6 飲む

    3 鋸(のこぎり) いきが切れますとのこぎり貸してやり  のこ切れないよ。息は切れるよ。 鋸の刃を立てる内嫁隣         ギーコギーコとうるさくて暫くお隣りへ。 4 覗機関(のぞきからくり)   参考 覗機関(のぞきからくり)は屋台の腰に眼鏡をつけて子どもに説明入りの紙芝      居を見せる路上の見世物。 はなをよくかみなさいよとのぞき言ひ  あおっぱな拭いてからだよね。 かゝさんにねだっ

  • 江戸川柳 色は匂へ  「い・ゐ」の5 石打 6 石山 7 以上 

    5 石打(いしうち) 石打の先達にくるまたいとこ    石でも投げ込まないでいらりょうか。  参考 石打=婚礼の夜、近隣の青年たちがその家に石を投げ石習慣。地を打ち固める意     味の習俗。     先達=リーダー、ここではまた従兄弟がリーダー。 腹のたつ顔もまじって水あびせ    恋敵か水のかけかたが違うで。     習俗にことよせて自分の思いをぶちまけあきらめる。そんな意味も含む行事で   

  • 江戸川柳 色は匂へ  「う」の3 胡散(うさん) 4 牛方(牛方) 5 丑の日(うしのひ)

     3 胡 散 うさんといふにほひ女房かぎ出し   女房が嗅ぎつける恐るべき能力。第六感。  参考 胡散=うさん臭い、疑い怪しむべきこと。 三味線がばったりやむとうさん也   ひっそりと、なんだ、どうした。あのやろう。  4 牛 方 牛方のあきらめて行くにわか雨    牛のテンポにあわせて、濡れて行くか。  参考 牛方=牛を使って運搬する職業。 絵になる風景だね。  5 丑の日 丑の日にかごでのり込

  • 江戸川柳 色は匂へ  「む」の3 麦 4 聟(むこ)

    いろりにてくどきおとして麦の中    麦畑は田舎のパラダイスだ。  参考 冬は囲炉裏端で話がはずみ良い仲になる男女が多い。しかし、田舎のこと人目を    忍ぶのは麦が成長するまで待たねばならない。田舎事情があった。 まだのびもせぬにもう來る麦ばたけ   辛抱がたりねえな。 麦ばたけざわざわざわと二人にげ    野暮なやつか。恋敵か。 4 聟(むこ) 聟えらみする内柳臼になり     えり好みをして

  • 江戸川柳 色は匂へ  「な」の3 名(な) 4 中の町(ちょう)

    なくっても事のかけない女房の名   オイだけで済ましちゃう。 名も呼ばずモシとも言はぬ内が花   アノ、アノ 新妻のういういしさ。 親の名の次第に似合ふ三回忌     若旦那、貫禄できたね。よお、いい男。 親の名がついて母親呼かねる     なんて呼ぼう。呼び捨てもできないし。 内ぢうの名をいってよぶせわしなさ  あるある。上から順に全部呼ぶ。 4 中の町(なかのちょう) 中の町さいたが通る見とも

  • 江戸川柳 色は匂へ  「ね」の3 年明(ねんあき・ねんあけ) 4 ねんごろぶり(念比ぶり)

    年明キの古郷へにしき脱いで來る  きびしい老後が待っている。  参考 年明=奉公の年季が終わること。遊女の年明は27歳ころ。古郷へ錦=諺、故郷    へ 錦を飾る。錦を着て故郷へ帰ること。遊女の年明きは勤めできた立派な衣装を    脱いで粗末な衣装で帰郷する。 運のない年明き茅屋へもどり    運よく玉の輿に乗る人もいる。 年明ケの女らしいも二三年     二三年が勝負ね。がんばらなくっちゃ。 案

  • 江戸川柳 色は匂へ  「つ」の3 通詞(つうじ・通事) 4 塚

     ほれたのを通詞壱人がおかしがり   因果な役目でござる。  参考 通詞=通訳官、長崎に住み唐通詞、おらんだ通詞がある。長崎丸山の遊女に惚れての問答を通訳する。通詞はおかしくもあり馬鹿馬鹿しくもある。  通詞さへ口舌の時はあきれはて    いい加減にしてよ。うんざり。       口舌(くぜつ)=痴話げんか。  来朝に通詞もいらぬ雪の峯    この美しさ。通訳いらない。最高。    来朝=外国の使

  • 江戸川柳 色は匂へ  「そ」の3惣仕舞(そうしまい) 4杣(そま)

     惣仕廻けっきの勇と茶屋はとめ  (取りつかれるとこんなことになる。)  参考 惣仕舞=一軒の妓楼の遊女を全部買い切ること。妓楼=女郎屋、遊女屋、青楼。    遊びなれない男は見栄を張って一人の遊女のために総あげ惣仕舞をするような馬鹿    なことやってしまう。妓楼は儲かるが茶屋は儲けにならないシステムになってい    る。だから茶屋の人は本音を言う。  御茶ひきも煎じ出さるる総仕舞  (全員集合

  • 江戸川柳 色は匂へ  「た」の3 鯛 4 大伽藍(だいがらん)

    ひだを直しながら鯛の先へ立ち    威儀を正して進物にする鯛。  江戸時代の鯛は、めでたい魚とされ祝に送る習慣があった。特別の魚である。 まだうごく尾へ奉書の紙をかけ    祝いの儀式、ありがたく頂戴。  奉書=上意を奉じて侍臣・右筆(ゆうひつ)らが下す命令の文書。 鯛ぐらいただうんうんと御あいさつ  賄賂流行時代、鯛ではねえ。うんうん。 鯛肩身釣るまで待つと夫人なり    女の実利主義、まつわ、

  • 江戸川柳 色は匂へ  「よ」の3 吉野山 4 吉原(よしわら)

    吉野山十七文字ではほめたらず   字余りで褒めたんだ。  参考 貞室の俳句「これはこれはとばかり花の吉野山」は一字多い字余りの句である。 吉野山むだ花の咲く四十年   南北朝の戦で花見どころではなかった。 4 吉 原 吉原の方へ死んでも枕をし    北枕のこじつけ、男の性か。  参考 江戸で唯一の官許の吉原は、男の社交場でもあった。男の関心は常に北(吉原の異称)にあり、死んでも北枕になって吉原の方

  • 江戸川柳 色は匂へ  「か」の3 鏡 4 学問

    おはぐろが喰いつくやうに鏡を見   真剣勝負の顔だ。怖いぞ。 参考 おはぐろ液を口の中に垂らすと異様な味がするので慎重を要する。 月食に向って下女はぬり立る     曇りかがみを手で拭いて・・・ 鏡へむかい鼻など下女つまみ     つまんでもたこうはならんで 鼻息で近目鏡をくもらせる      まったく、メガネがくもる。 4 学 問 学問とはしごは飛んでのぼられず   すべてが継続の力に欠ける時代

  • 江戸川柳 色は匂へ  「わ」の3 若旦那 4 わっち(私)

    若旦那夜はおがんで昼しかり     昼主人、夜家来 たいへんですね。 いふ事を夜きく下女は昼きかず    頭上がらないな、まあいいか。 若旦那さまと書いたを下女おとし   親父に拾われたら大変だぞ。 4 わっち みづからをすててわっちをご寵愛   わっちの方がおもしろいや。  参考、みづから=身分ある女の自称 わっち=中以下の町家の女の自称 屋しき中わっちが思ふやうにする   あやつられるバカ殿様

  • つぶやき 114  捨てることも拾うことも難しい

     蔵書の整理をしようとしたのであるが自分が気に入って買った本はそう簡単に捨てることはできない。  手にするとついつい残してしまう。  そこで、娘に頼んで蔵書の整理をしてもらった。  娘は思い切りよく捨てる捨てる。あっという間に本箱2つ分4割がた整理してしまった。  まあ、スッキリしましたね。自分ではできない整理です。  流石にノートやメモは、もうしばらく手元に置いておくことにした。  ノートを手に

  • 江戸川柳 色は匂へ  「お・を」の5 大三十日(おおみそか)

    大晦日首でも取って来る気也    いざ出陣、無事のお帰りを。  参考、江戸時代の大晦日の意味を知らないと落語の鑑賞はできない。庶民の支払いは盆と暮れの二期払いか、年4度の支払いとなっており、決済の時期が長かった。  だから、掛け売り代金を取り立てる方も代金を支払う方も、首を取るか取られるかの真剣勝負であった。井原西鶴の世間胸算用「掛け取り上手の五郎左衛門」や町人の生活の悲喜哀歓が伝わってこない。

  • 江戸川柳 色は匂へ  「ぬ」の3 抜身 4 濡れの幕

    抜身の中へ飛込むは湯番也     湯屋での喧嘩はつい笑っちゃうね。  抜身=抜いた刀。転じていわゆるふりちん。 義朝はぬき身をさげてうち死し   侍や暴力団員の抜き身は命がけ。 4 濡れの幕   ぬれの幕=濡れは情事の意。歌舞伎で男女の痴態を演じる場面。 ぬれの幕などで仲人返事させ    仲人の作戦。にくいね。 ぬれの幕下女のび上り叱られる   夢中になってしまったわ。 元禄前句附 15 (前句)

  • 江戸川柳 色は匂へ  「ち」の3 地女(ぢおんな)4 乳

    地女にびれつくむす子高がしれ   大胆に金を使えよ。色道を極めれ。 参考 地女=素人女、地ものともいう。びれつく=色気を出す。でれでれする。 「ち」の4 乳 かりた子に乳(ち)さがされてちぢむなり  かあさんじゃない。姉さんだよ。くすぐっ                      たあ。 乳の黒み夫に見せて旅立たせ      分かりましたか。了解。 いい縮み嫁の乳首がすいて見へ     大胆な嫁だ

  • 江戸川柳 色は匂へ  「と」の3 湯治 4 富

    一チ弐もく湯治がえりはつよく成り   退屈は碁を強くする。 湯治場で何にも知らぬ残念さ      勝負事・芸・博打、知らないよ。 湯治から帰ってわるい芸がふえ     花札も強くなったぜ。 「と」の4 富 一の富どこかの者が取りは取り    誰かが取っているはずだからなあ。  参考=一の富は寺社で行う富突と称する富くじの第一の当たり。富札は壱歩で、百両富・千両富などがある。政治が大衆一般を動かす手

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