久方ぶり 夏夕刻の空に鈍く転がる 豪大な重低音 せなせな と寂しげに下る蜩の声は 次第 仄明る 薄帷の向こうで 人気ない通りに 浮かび始めた 細かな雨脚の響くなか 遅れ拍子で 地面に打ち弾ける 甲高い雨垂れに また一瞬 手品のように隠されては か弱く零れる 耳を澄ませば 嬉しそな かわずの遠鳴き届き... 続きをみる
久方ぶり 夏夕刻の空に鈍く転がる 豪大な重低音 せなせな と寂しげに下る蜩の声は 次第 仄明る 薄帷の向こうで 人気ない通りに 浮かび始めた 細かな雨脚の響くなか 遅れ拍子で 地面に打ち弾ける 甲高い雨垂れに また一瞬 手品のように隠されては か弱く零れる 耳を澄ませば 嬉しそな かわずの遠鳴き届き... 続きをみる
真夏の8月5日だが、7日はもう立秋。 6月に満開だったあじさいの花が、まだ残っていた。 各地に暴雨をもたらす台風に恐れを抱きながら、 季節は梅雨から真夏、そして秋へと、 グラデーションのように移りゆく。 蜩の声に秋を感じるこの時期、 まもなく西風が吹いて、ふと感じる秋の気配。