• 妖精の里「アルダ」

    剣に生き、剣に斃れ… 無から生まれ、鉄塊を我が身として生きる。 そう生きる事が生きる意味だったはずなのに。 いつの日か、彼は守るべきもの、いや守りたいものを見つけてしまった。 剣は折れずとも、身は朽ちる。 その魂を自我に食い入る事で得た力も もうその身を支える力も失いかけていた。 「花吹雪く。小人達が住む里。そこにいけばあるいは。」 その里の名は「アルダ」 髭と眉毛で表情の見えぬ仙人は、そう言った

  • 海の仙人

    「汚い事はするな。ケチな人間にはなるな。」 そういうと、散らかった部屋の中心に、一際存在感のあるギターを持ち、私の知らない曲を歌いだす。 およそ海に似合わないその姿に、時代が止まったその空間。 海風はどこまでも爽やかで、人の営みを消し去ろうとするけれど。 海はどこまでも青く、そして穏やかで。