• 第三回お題SS 戦慄、告白、ネコバス

     暖かな室内、座り心地のいい毛皮に覆われた椅子。 今はどんなに速い乗り物でも、このバスの価値には負けるだろう。 産業革命は過ぎ、人間の作った機械が人間の脳を超え、新たな技術を日々生み出している。 動物での遺伝子操作、いわゆるキメラ研究もそのひとつである。 もちろん人道的、倫理的観点からの批判は少なくなかったが、研究で得られたものは、人間の想像より遥かに大きいものだった。 異形の姿をした動物に、人々

  • 第二回お題SS 万年筆、砂糖、飛行機

     小さな窓から見える町並みは私にとって忌々しい過去だった。 煙を吐く建物たちも、萌える緑も、もうすぐ雲の下に隠れ消える。 清々しく、生まれ変わる時の気分、いや、脱皮する生き物の気持ちが近いだろうか。 ひとりくだらないことを考えながら、思わず口元が緩んでしまう。 「行き先に恋人でも?」 静かに発せられた声に不意を突かれ驚く。隣席の男か。眠っているものだと思い込んでいた。 面倒だが、怪しまれてはまずい

  • ボロボロでございます。

    こんにちは。 年明けたら写真たくさんで更新するよ(`・v・´)ドヤ と胸はって言っていた私です。 そんな私、風邪をひきまして市販の薬を飲んでいました。 そしてその後、その市販の薬でアレルギー発症し病院へ。 激しい痒みをともなった湿疹が胸から上にバーっと。 目なんてお岩さん状態。 喉の風邪も本当に辛く、食べるのも飲むのもやっとで、体重2キロ減って豚が子豚になりました。 喉と頭の痛さで夜もほぼ眠れな

  • 【ittiイッチのビーエル日記】その19

    寒い〰ーー 静岡県は温暖な地域で、私の住むところは雪とか降ることもなく、のほほんと暮らしております。でも、風が強くて‼ 飛ばされそうです〰ッ( ´△`) 今日は、ちょっとワクワクする事があって、早く夜にならないかと🎵 人の恋路を応援するって・・・される側は鬱陶しいでしょうが、とても華やいだ気持ちになります。 どうか、この恋を良い方向に~~😆とか、幸せな気持ちになってくれたらいいな💓とか。 そ

  • 完全版ガリバー旅行記

    土日祝のパート駐車場警備員です。 私は趣味で小説を書いています。これは超短編です。 -------------------------------------------------------------------------------------------------- ・・・本屋でも行くか。 賢介は来週の新年会で幹事から一発芸をやるように指名された。歌は下手、漫談も出来ないし、手品もだ

  • 山流

     群れをなし、生の限りを尽くさんとする魚たち。互いに身体をぶつけながら上へ上へと押し合い、高みへゆく。 その傍らには、枝から落ちた青い若葉が、水の流れに身をまかせ漂い下ってゆく。 遠くでは鳥たちが賑やかに鳴いている。風の中を、木々のざわめきの中を、はばたきながら空に溶けてゆく。 風が一鳴りすると、木の葉たちはいっせいにその身を夕に染める。 水面から浮き出る鱗はきらきらと紅を映し出し、水に漂う葉も面

  • さらばオクトパス 01

     いつもと同じように、虫が鳴いている。硝子越しに夜空を見つめるが、星は見えない。小雨が降ってきたらしく、虫の声もしだいに止んでいった。気持ちをはやらせないよう、雨音に耳を傾ける。今が過ぎ去ることを待つしかない自分に不甲斐なさを感じながら。 ドン、ドンドン 鈍く湿った音が雨音を遮る。嫌な予感が一瞬にして現実になる、覚悟はしていたが、この扉を開けることが今はただただ恐ろしかった。 「…すまない」 扉が

  • 第一回お題SS 弓、星、黄泉の国

     その国には、生が無かった。 全てが死から始まり、 見渡すかぎりの絶望と終焉だけがこの国の礎であった。 「空というのは、一体どこまで続いているのですか?」 光のない瞳を真っすぐに向けながら、少年は私に問いかける。 闇に覆われた空の下、彼の栗色の髪は淀みなく風になびいていた。 「どんな暗闇にも始まりがあるでしょう。君が"それ"を見たいを望めば、きっと。」 私の答えに不満げな顔を浮かべ、彼は空を見上げ

  • 『気づいたんだけど』05

     人の気も知らないで、吉田は晩御飯を一緒に食べたあと、帰る事なくオレの部屋に泊まった。 前は、セミダブルのベッドの上で窮屈そうにくっついて寝たが、流石に今夜は気持ちが持たない。きっとオレの「好き」がダダ漏れてしまいそうで、とにかく離れて寝なくては、と思った。 ベッドの横に寝袋を置く。 客用の布団なんて家には無くて、大抵友達とはベッドで寝るし、夏は床にタオルケットを敷いただけでごろ寝。 案の定、吉田

  • 缶コーヒー(小説)

    母さんが泣いてた ある冬のことだ とても寒い冬だ 小さなストーブでは窓も曇らないほどの寒い冬 僕は携帯をとり 電話をかけたんだ 僕は母さんに「なぜ僕を産んだの?」 僕は母さんに「僕なんか産まれて来なければよかったのに」 母さんは泣いてたよ いつもタバコをふかしてデミタスの缶コーヒーを母は飲むのだが、 その日は母さんは静かに泣いてたよ 嗚咽が漏れそうになるのを我慢しながら 鼻をすすると、空になった缶

  • 『気づいたんだけど』04

     どういう訳か、吉田はオレのアパートに来るとまるで自分の家のようにくつろぎだす。 オレは、吉田の彼女の事とか聞きたくもないってのに。 同じ空間に居たら、空気が薄くて呼吸が苦しくなりそう・・・。 っていうか、多分オレの周りだけ空気が薄くなっていると思う。 吉田はいつも通りだし、人のベッドの上で何をするでもなく、ぼんやりしているだけ。 ホント、頭にくる・・・・・。 オレが、お前を襲えないって思ってるん

  • 君の膵臓をたべたい

    君の膵臓をたべたい 今年、初めて小説を読んで感動してしまいました。 ものすごーくおすすめしたい一冊ですね。 と、いうのも最後の最後で『え!まさかそういう終わり方なの!?』 という驚きがあったから。 最後の最後で、驚かされる小説、大好きです。 大体予想がつく小説も好きといえば好きですが、大抵そういうものは時間が経つと忘れてしまいます。 メルカリで買って、新鮮なうちにまたメルカリで売ったので、もう手元

  • エリート妻の誤算

    彼女が夫婦生活10年待たずして夫は別の女性の元へと旅立って行った 国立大主席卒のエリートでした 学友は 外務省務めが多く  海外旅行の時は重宝したらしい。 頭の斬れた彼は、大学受験は漫画読みながら楽に合格と周囲にさりげなく話す  彼に教える塾講師など 地方都市にはいるはずもありません。 披露宴の時 彼の学友達が列席者の前でスピーチして 式場内がどよめきました。 式場内に居合わせた未婚女性の誰もが彼

  • 赤い糸

    偶然が重なり僕らは結婚した 彼女の知人の女性にあなた達は赤い糸で結ばれたのね 不幸にも最初の男女の契りの儀式から足を踏み外されたばかりの 女性の言葉は何処となく妙に重みがあった。 女性に慰めの言葉かけるなんて僕らには出来なかった 妻の家族は兄二人姉一人妹一人と未亡人 妻の父は妻が幼いころ海外赴任中に突然家族の元から旅立つ 未亡人は35歳 30過ぎの後家は誰にでも付くと言う諺は未亡人には当て嵌まらな

  • 長身の三女

    彼女は山形の酒屋職人の三女として生まれた 父も母もいたって夫婦仲が良くこれと言った喧嘩もせず家族皆が幸福に暮らしていた 彼女は幼い時から姉妹の中でもずば抜けて美形で、見る大人たちを魅了させていた 誰もが彼女は村一番の別嬪に育つと噂していた。 月日は流れ彼女も適齢期 世の中皮肉なものである 数奇な運命が彼女を待ち受けているのである。 彼女は色白で可愛さが大人になるにつれ女特有の妖艶さも兼ね備えていた

  • 山形美人

    美人と言えば秋田美人が有名です 秋田は佐竹義宣公が家康に領内の美人やりたくないため 水戸から連れてきたのが秋田美人の始まりとか言う逸話があるそうです。 秋田に負けず山形にも美人が多いのにびっくりします、 雪が深くて水が清いところに美人が育つ 昔のお爺さんが言っていました それと日本海と接しているのでロシアとの接触が伺われます 船で来たロシアの船員さんと日本の女性の恋の落とし子達の末裔かもしれません

  • 甲子園 4

    彼と女医夫婦は再婚のせいか 不倫していたのが長いせいか 傍からこの夫婦を見ていると 誰しも長年連れ添った夫婦と思ってしまう 妻が今年の夏季休暇はあなたの親戚めぐりするから予定組んでと彼に催促する 彼は旅行代理店に出向き 子供の休み期間に合わせてチケットの手配をする 妻は威風堂々と夫の親戚尋ねる 前妻への気兼ねなどみじんもない振る舞いに 親戚たちは圧倒された  医者の貫禄かもしれない  田舎では医者

  • 夢を買い続ける妻

    恋愛結婚してもう10年の月日が流れた共働きの夫婦である、 子供はいないが夫婦仲が特別悪いわけでない。 朝の食事の用意は夫の担当である、 朝彼が起きて台所に行くとゴキブリが俳諧している安アパートである こんなボロ家早く出なくては思う夫だが 二人には家を買うお金もない 妻は必ず宝くじを買い続けるのが日課の一部になっている  いつか大金当ててマイホーム おりしも安倍内閣誕生である 夫は直感した  今年は

  • 『気付いたんだけど。』03

     - ホント、頭にくる・・・ 昨日まで、吉田がどこの女と遊ぼうと気にも留めなかったのに・・・。 っていうか、彼女がいるなんて聞いてないし、バイトのない日はほとんど一緒に遊んでいるのに、なんでオレが知らない訳?! 普通は彼女とデートするんじゃないの?せっかくの休みを男友達優先するって、どうよ。 てっきり彼女がいないと思うだろ!! こんな事なら、オレだって女の子と遊びに行っときゃよかったよ。 そうした

  • 小説1

    1,魔法の曲とともに 駅ではシンデレラの曲が流れてる…クリスマスに向けて企画かな…? 白井俊介はそんなことを考えながら、明るく照らされた大通りを歩いて行った… 大通りもいよいよ終わりになると、俊介は坂を登り家へ入った。 その瞬間、もわっと暖かい空気が漏れ出し、急いで着ていた上着を脱ぎ、 リビングへ行った。丁度会社から帰って来た母は、こちらを向き[おかえり]とそっけなく言い残し、寝室へ行った。 その

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