• 小説 輝く月の夜に 5 (情熱を傾けて)

    聡史にオンナを紹介してもらった旭は断然、仕事にも力が入るし何にしても生きて行く活力を天に与えられた様に毎日に充実していた。 毎晩のようにノゾミと電話で他愛の無い話に花を咲かしてこれは恋愛だと恋の蜜の味に浸っていた。 ノゾミとの始めてのデートも無事に映画を観に行って、車はアサヒのアコードワゴンに乗って映画のあとは洒落たダイニングバーで食事を二人で取った。 旭はこのあとラブホテルにノゾミと行きたかった

  • 『気付いたんだけど。』02

     入学して間もなく、たまたまクラスで隣に座ったのが吉田で、目が合うとニコリとされた。 背格好は同じ位。くせ毛なのか寝癖なのか、あらゆる方向に跳ねた髪の毛は、まるでコントに出てくる人のよう。笑うに笑えない。だって、まだしゃべった事もないんだ。 ニコリとされて、どうしていいのか... 一応、愛想笑いだけしておくと、直ぐに前を向いて講師の話に集中した。 * * *  「ねえ、学食ってどっち行く?第二の方

  • 『気付いたんだけど。』01

    男に生まれて19年。 長いとは言えない人生の中で、オレ【大村 健】は、今日初めて気付いた事がある。 大学で同じ授業をとっている【吉田 聡】 癖のある黒髪が印象的な同級生が、今朝首に絆創膏を貼ってきた。 高校生の頃なら、直ぐに「キスマークかよ!」とひやかすところ。 でも、今朝のオレは違っていた。 それを目にして「あ、」っと思った瞬間、いいようのない焦燥感にかられ、喉が詰まるような感覚におそわれる。

  • 小説 輝く月の夜に 3 (誘い誘われ)

    どんな時代にもアウトローな生き方をする者には危険がつきまとう生活がある。 一匹狼で長距離トラックの運ちゃんにはシャブが無くてはやっていけない現実があったりする。 まあ、そのおかげで事故や居眠り運転からは無縁になってくる。 サービスエリアでトラックの運転手どうしがネタの売買のやり取りをしたりするのだ。 テツジは最近、トラックの長距離運転手の仕事をしていて、そんな世界に足を踏み込んでゆく事になる。 大

  • 小説 輝く月の夜に 2 (夢のある計画)

    シャバに帰って来た旭には仕事が無い。 先輩達から仕事の話を聞いても、夜のネオン街の客引き、キャバクラのボーイ、人材派遣の人夫、どれも光が射す内容の物の話は入って来なかった。 唯一、入管される前まで店の入れ替わりは多かったが長く続けられたペンキ塗りの仕事に戻ろうかと考えていた。 『もしもし、サトシ先輩?オレの事、サトシくんのペンキ屋んトコで使ってもらえないですか。』 と、旭は中学校の時の二つ上の上島

  • 小説 輝く月の夜に (始まりの日常)

    『カタン。担当さーん、官物の本を借りたいのですけど。』 奥田 旭 は 拘置所で司馬遼太郎の本を読んでいた。 司馬遼太郎全集の、燃えよ剣を拝読して交通事故の業務上過失と飲酒の刑罰の裁判を執行猶予待ちですごしていた。 そこでの服装はグレーの上下の生地の分厚い、なんか野暮ったい格好だった。 『おい、246番。この紙に下書きで薄く願い届けの内容をかいてやるから、しっかりと書き込めっ。』 担当官にも色々とあ

  • 悪役Nо.03 ラオモト・カン ~エンターテイメントにおける巨悪の極北~

    「ワシがこうして貴様と遊んでやる時間! こうして話してやっておる時間! こうしておる間に、ワシの貴重な才覚は一体どれだけ有意義なビジネスに活用できた事か。こんな面倒は本来堪え難いことだ 」 「一言で”悪い奴”といっても、大まかに二種類いる。それは巨悪と激安野郎である。」 これは、現代社会に唾を吐きかけるがごとき過激な作品を多く執筆した戸梶圭太の短編集、「トカジャンゴ」の一節である。 トカジャンゴ

  • Web作品一覧(3000字)

     QBOOKSで1,000字や3,000字の掌編を書いています。  3000字では主に連作掌編を書いてなんとか長くしようとしています。  以下、カテゴリー別リンクです。 ■青猫ロボットシリーズ  青い猫型ロボットが出てきて執拗に通販を迫る作品です。だいたいあってない 第01回「青猫ロボットの憂鬱」(2015.08) 第02回「青猫ロボットの増殖」(2015.09) 第05回「青猫ロボの不在」(20

  • Web作品一覧(1000字)

    QBOOKSで1,000字や3,000字の掌編を書いています。 昔はもっと賑わっていた時期もありましたが、だんだんと参加人口が減っている。 人口が減っている原因の一端を担っているかもしれないのでなんとかせねばならぬのです。  みなさんもどうですか(なんとかしようとしている)。  以下、リンクです。 1000字  第50回 「ヲニト」(掲載時タイトルミス)(2013.09)  第51回 「オッケーオ

  • 小説「ジェノサイド」感想

    ジェノサイド 上 (角川文庫) KADOKAWA/角川書店 2013-12-25 本 ジェノサイド 下 (角川文庫) KADOKAWA/角川書店 2013-12-25 本 内容(「BOOK」データベースより) イラクで戦うアメリカ人傭兵と、日本で薬学を専攻する大学院生。まったく無関係だった二人の運命が交錯する時、全世界を舞台にした大冒険の幕が開く。アメリカの情報機関が察知した人類絶滅の危機とは何か

  • 小説「東京ダンジョン」感想

    東京ダンジョン PHP研究所 本 内容(「BOOK」データベースより) 地下鉄の新線開業を間近に控えたある日、保線作業員の的場哲也は、勤務中にトンネルの中で怪しげな人影を見つける。またインターネット上でも、東京の地下に「地底人」が出現するという噂が飛び交っていた。そんな中、的場は母から、弟の洋次が鬼童征夫なる経済学者が主宰する怪しげな勉強会に通っていると相談を受ける。事情を探るために鬼童の講演会に

  • 図書館の魔女

    文庫版図書館の魔女を読破しました。 2回目でしたがやはりこの作品の面白さは桁違いです。 大陸の覇権を握る一の谷と海峡を挟んで対峙するニザマの政治闘争といえばそれまでなのですが、国内での諜報戦から国同士のそれぞれの利益や思惑が絡んだ戦争まですべてを言葉ひとつを頼りに見事なまでに操っていってしまうマツリカの手腕とそれを支えるキリヒトと司書たちのチームワークが読み応えがあり本当に面白い。 また登場人物一

  • 祝2000pv突破

    前略 つまらない記事だらけなのに、根気強く応援して下さった方々、本当にありがとうございます。 これからもテキトーに頑張ります。 そういえばこの前、小説のコンクールに応募しました。金賞100万。 頼むーーーーーーーーーー(^^)/                            草々

  • ブログ名変えました!

    こんばんは!カイゼルです。 今回、ブログ名変えるまでに至った経緯としては今の彼女(人生初の彼女ですよ(笑))との結婚が現実になりそうだと言う事で、ちょっと記録を残したいと思ったからです! このブログでは、趣味(ゲーム、ギャンブル、小説など)とか日常生活での事とかを公開していこうかと考えてます! さて、まず自己紹介したいと思います。 23歳、男です。 仕事は病院で介護助手をやってます。 最近やってる

  • 【事務連絡】最近の活動について

     MacBookProを買っちゃいました。梅雨でも相変わらずの私です。 えーーとお久しぶりです(;^_^A  この間何をやっていたかというと【小説】書いてました。何故小説書いてたかというと気分転換ってやつです。またマンガへの意欲が戻り次第制作へと取り掛かる予定です。 気になる(?)内容ですがタイトルは【日本人消失】読んで字のごとく一瞬で消えた日本人のお話。しばらくはこちらのほうに力を入れていくつも

  • 回顧録における遭遇(であい)

     フィクションを読んでその中に出てくる魅力的な人物に感情移入し、それが高じて強い共感をそのキャラクターに対し抱いてしまうことは珍しくない。  これはあるいはそれに似た経験なのかも知れない。  すなわちぼくはある回顧録を読んでいて、著者が思い起こし描いている人物に常軌を逸した共感を持ってしまったのである。それには著者のすぐれた筆力が多分に影響していることは違いのだが、それ以上に強力に働いた原因は、そ

  • 小説Ⅲ

    モアです。  今回は一時間で書き上げた見直しもしてないような小説を貼ります。そうですね、リクエストに恋愛ものとあったのでそうしたつもりですが、あまり恋愛ものになりませんでした。今回は主人公が語りです。その他の登場人物は極端に少なく発言が一度しかありません。それではstart!  僕の名は瓏。只の旅人。今はとある町の宿に宿泊中だ。ここには僕にやさしくしてくれる子がいるんだ。よくここの食堂でお話しする

  • 良書との出合、他書との決別。

     今日もいい天気でした。がしかし、若干昨日より蒸し暑い。  唐突ですが、今日および昨日目にした花の名前をメモに挙げると、 ・キショウブ ・ゼニアオイ ・ツツジ ・アヤメ  と、だいたいこんな感じ。  ほとんどメジャーな花ですね。いやもっと他にも咲いてただろうという突っ込みがあるでしょうが、今思い出せる花の内その名を知っているのは上記のみです、すみません。みんな綺麗でした。  しかし何か物忘れがひど

  • 夏目漱石著『坊っちゃん』ブクログレビュー

    坊っちゃん 著者 : 夏目漱石 発売日 : 2012-09-27 ブクログでレビューを見る»  軽い気持ちですらすら読めた。  流麗無礙なその文章は同人の作『こころ』とはかなり印象が違う。  この物語には何か明確なコンセプトがあるのか、と聞かれたらよく分からない。  学校という狭い世界のこと、豪胆さと小心さや、実直と狡猾の対照など、色々あるかと思う。  ただ、巻末の解説にもあるように、故郷やだいな

  • リルケ著『マルテの手記』ブクログレビュー

    マルテの手記 (岩波文庫) 著者 : リルケ 岩波書店 発売日 : 1973-01 ブクログでレビューを見る»  一週間くらいかけてようやく読了。  大詩人の小説なのにどうも没頭できず、ページをくる手がにぶかった。  本書中物語が占めるのは250ページくらいだろうが、その内すらすらと内容の入ってくるのは20ページもなかったかと思う。  恐らくそれは、この小説の内容がわたしにとって近しいものじゃなく

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