• つぶやき 126  サヨナラダケが・・・

     孫娘の声を聞くとことのほか元気になる家内。 「・・・。あなたの声を聞くと元気が出るのよ。忙しいのにありがとうね。じゃ、さようなら。」 「おばあちゃん。さようならって言わないで、またねと言って。」 「そうだね。じゃ、またね。」 「はい、またね。」  孫娘の一言で、それ以後、「さようなら。」の代わりに「またね。」と別れの挨拶を締めくくるようになった。 「さようなら。」は生活のほんの一部なのに井伏鱒二

  • 「厄除け詩集」井伏鱒二 講談社学芸文庫

    近代の小説家、井伏鱒二の唯一の詩集です。小説が書けなくなったときの厄除けに書いた詩群で、それで、「厄除け詩集」とつけたと言っていますが、その内容から見ても、井伏が詩人としても抜群の素質の持ち主であったことを窺わせます。漢詩を現代語訳した詩「この盃を承けてくれ、どうぞなみなみ注がせておくれ、花に嵐のたとえもあるぞ、サヨナラだけが人生だ」などは、みんなをあっと言わせたもので、当の漢詩よりも柔軟で豊かな

  • サヨナラだけが人生だ

     映画監督川島雄三の墓碑銘に刻まれた言葉、「サヨナラだけが人生だ」は井伏鱒二の『厄除け詩集』に収められています。  原典は于武陵(うぶりょう)の「勧酒」という詩です。五言絶句の後半二句は、  花發多風雨     花発(ひら)けば 風雨多し  人生足別離     人生別離足る  これを井伏鱒二が訳して、  ハナニアラシノタトヘモアルゾ  サヨナラダケガジンセイダ  となり、これを川島監督が好んでいま