• 春夜喜雨(春夜 雨を喜ぶ 盛唐: 杜甫)

     今年は、2月19日から3月5日までが二十四節気の「雨水」つまり「雪が雨に変わり、草木が芽吹き始める」時季にあたります。  この二十四節気を更に3分割した七十二候では、3月1日から3月5日までが「雨水」の末候の「草木萠動」(そうもくほうどう:そうもくめばえいずる)で「草木が芽吹き始める」頃とされています。  なお、その次の節気は「啓蟄」で「冬籠りの虫が這い出る」時季で、候は「桃始花」が初候で「桃の

  • 春夢(唐詩:岑參作)

     立春の日にあたり、春に因んだ漢詩を一首ご紹介します。  今回ご紹介する「春夢」は、盛唐の詩人岑參(しん じん、715年 - 770年)の作品です。  この詩には複数の意味を持つ詩語が盛り込まれており、様々な解釈が可能な含蓄のある作品です。  まず、詩題に見える「春夢」とは一般的には文字通りに春に見る夢ですが、日本語でも春画とか思春期とかの用法があるように、かなり艶めかしい意味合いを表わすこともあ

  • 漢詩の美を伝える現代の歌声(後編)

    漢詩の美を伝える現代の歌声(後編) 2019-01-18 15:54 CRI  CCTV中央電視台の音楽番組「古代名詩を歌い継ぐ」は2018年から始まり、中高年をはじめ、若者の間でも話題となり、高い視聴率を誇っています。さらにこの番組をきっかけにして、中国全土で漢詩ブームを巻き起こしました。今回の中国メロディーは引き続き、テレビ番組「古代名詩を歌い継ぐ」に登場した音楽作品をお送りします。 千年にわ

  • 玉關寄長安李主簿 (盛唐:岑參)

     大晦日を明日に控え、盛唐の詩人岑參(しんじん、西暦715年ー770年)が、約1300年前の陰暦12月30日に詠んだ詩を1首ご紹介します。  岑參(しんじん)は、十数年間に亘り支那西方防衛の為の軍隊に派遣されており、その際の経験を踏まえた「辺塞詩」を多く残した人です。  この詩の題の「玉關寄長安李主簿」に見える「玉關」とは当時の西方防衛の最前線基地であった玉門關のことで、「李主簿」とは李という名の

  • ユリと訪問者

     【高砂百合と蜜蜂】  立冬を過ぎましたが、季節外れの陽気に誘われて、伊賀山人庭園ではユリが一輪咲きました。  花の蜜を求めて冬支度に忙しい蜜蜂も遊びに来ました。  このユリは、テッポウユリ(鉄砲百合、学名 Lilium longiflorum)によく似ていますが、台灣原産のタカサゴユリ(高砂百合:学名Lilium formosanum)です。  タカサゴユリは、花弁の根本の方に赤紫色の線が見える

  • 生日快樂歌

    生日快樂歌 祝妳生日快樂, 祝妳生日快樂, 祝妳生日快樂, 祝妳永遠快樂。 Happy birthday to you, Happy birthday to you, Happy birthday, dear moli, Happy birthday to you.  八音盒版↓ お誕生日の歌 Happy birthday to you「ハッピーバースデートゥユー」オルゴール バージョン  立冬祝

  • 川の流れのように(鄧麗君版)

     【台灣新竹縣關西鎭を流れる牛欄河と、親水公園に架かる1927年に造られた東安古橋】  「川の流れのように」は、日本の歌手美空 ひばり(みそら ひばり、1937年(昭和12年)5月29日 - 1989年(平成元年)6月24日)が1988年12月に発売したアルバム『川の流れのように〜不死鳥パートII』に収録されているこのアルバムを代表する表題曲です。  この楽曲は、翌1989年1月11日にシングルカ

  • 今朝の伊賀山人コスモス園

     〔コスモス園全景〕  今年は、種を蒔いたわけではありませんが、去年の花の種が散乱して芝生広場がコスモス園になってしまいました。  今朝は久しぶりに雲の切れ間から降り注ぐ陽光に誘われて、思いがけぬ来訪者もありました。    〔来訪者其の一〕  季節外れの揚羽蝶です。  〔来訪者其の二〕  これも季節外れの蜜蜂です。  〔去年の花の種から自然に咲いた秋櫻花(コスモス)〕  伊賀山居波斯菊歌    今

  • 獨上西樓(独り西楼に上れば)

     「獨上西樓」は、東洋の歌姫と称された台灣の歌手鄧麗君〈デン・リージュン:テレサ・テン〉(1953年1月29日 - 1995年5月8日)が1983年に発表したアルバム「淡淡幽情」に収録されている楽曲です。  このアルバムは、今から約1000年前の宋代の詞(し:ツー)12篇に現代のメロディを付けて演唱したものを収録しています。  この「獨上西樓」には、台灣の作詞・作曲家の劉家昌(1940年4月13日

  • 迢迢牽牛星(迢迢たる牽牛星)

     本日は、旧暦7月7日で日本の国立天文台が定める「伝統的七夕の日」です。  七夕(たなばた)の日における織女と牽牛の伝説が、いつ始まったかについてはよく分かっていませんが、南朝梁の昭明太子によって編纂された詩文集『文選(もんぜん)』の中に収録されている漢の時代(今から約2000年前)に詠まれた「古詩十九首」が文献としては伝説の初出とされています。  「古詩十九首」とは、19首の五言詩の総称で、各詩

  • 白楽天(白居易)の知ってるつもり

     白楽天(白居易)は昭和40年代までは李白杜甫より人気があったのではないか?  白楽天は772年生まれで、空海は774年生まれ。2歳違い。空海が遣唐使で中国に渡ったときにすれ違ったかもしれない。  夢枕獏の小説では柳宗元(773年生まれ)や韓愈と会ってしゃべっている場面がある。フィクションだろうから当てにはならない。  司馬遼太郎のほうは読んだのは10年以上前だから柳宗元も韓愈も知らなかったので覚

  • 蒹葭(けんか:詩經-風-秦風)

     「蒹葭(けんか)」は、支那最古の詩集である「詩経」に収録されている詩の一つです。  「詩経」は、紀元前11世紀から紀元前7世紀にかけての詩を収めたもので、伝承によれば,孔子(こうし、紀元前552年9月28日‐紀元前479年3月9日)が門人の教育のために、当初3000篇あった膨大な詩篇を311篇(うち6篇は題名のみ現存)に編成しなおしたとされています。  「詩経」は、周代(紀元前1046年頃 -

  • 『可愛い緑のとまと』の絵を観る

    【『可愛い緑のとまと』ポケベル美術館収蔵彩色画 】(2018/07/01ⓒ id:ike3022)  ポケベル画伯の感動的な大作に接し、一首賦してみました。  なお、呼叫器(コキョウキ)とはポケベル、番茄(バンカ)とはトマトの意です。 (白文) 觀呼叫器大畫家番茄圖                伊賀山人作七言古詩平水韻下平聲五歌 蒼天緑珠黃金花 動人夏色不須多 畫家恩情似慈雨 早晩當見紅番茄 (

  • 在水一方(水の一方に在り)

     《在水一方》は、1975年に公開された同名の台灣映画の主題歌として、台灣の女歌手の江蕾(コウ ライ 1952年-)が演唱した楽曲で、作曲は林家慶(リン カケイ1934年4月17日-)、作詞はこの映画の原作となる小説を書いた女流恋愛小説家の瓊瑤(ケイ ヨウ1938年4月20日-)が担当しています。  なお、瓊瑤は1976年に小説《我是一片雲》を書き下ろし、それが翌年映画化された時にも同名の主題歌の

  • 幾多愁 【虞美人】

     「幾多愁」は、鄧麗君〈デン・リージュン:テレサ・テン〉(1953年1月29日 - 1995年5月8日)が1983年に発表したアルバム「淡淡幽情」に収録されている楽曲です。  このアルバムは、宋代の詞(し:ツー)12篇に現代のメロディを付けて演唱したものです。  「幾多愁」には台灣のシンガーソングライターの譚健常が曲を付けています。  詞(し:ツー)とは、宋代に隆盛を見た韻文詞で、1首の中の各句の

  • 風樹の嘆 (フウジュノタン):樹欲靜而風不止,子欲養而親不待。

     「風樹の嘆 (フウジュノタン)」とは、故事成語の一つで、「親に孝養をつくそうと思うときにはすでに親が死んでしまっていて、子供の思いをつくすことができない」という嘆きを表わしたもので、「風樹の悲しみ」「風木の嘆」「風木の悲しみ」ともいわれています。  「風樹」と「親孝行」との関連性が分かりにくいため、現在、日本では殆ど使われず、「親孝行したいときには親はなし」という諺に取って変わられています。  

  • 本のある小さな喫茶店 「うのん」

     【大池からみた薬師寺両塔・金堂と若草山(現在右側の東塔は解体修理中)】  奈良県奈良市西ノ京町に奈良時代から約1300年の歴史を誇る名刹:薬師寺(やくしじ)があります。  今回ご紹介する本のある喫茶店「うのん」は、薬師寺の西南方向約500メートルの「大池」の近くにあります。上掲画像からは外れていますが、更に右方向です。  【「うのん」の小さな看板】  「うのん」は、奈良市の歴史的景観形成重点地区

  • 唐詩「春曉(しゅんぎょう)」の音読み

     春曉            盛唐 孟浩然  春眠不覺曉,  處處聞啼鳥。  夜來風雨聲,  花落知多少。  「春曉」とは、盛唐の詩人孟浩然(もう こうねん/もう こうぜん、モン ハオラン、689年 - 740年)作の五言絶句で近体詩に分類されるものです。  漢詩の中でも、唐代に完成した近体詩と言われるものは、一首の中の句数や一句の中の漢字数とその平仄(声調:アクセント)の配置や韻の踏み方など、厳

  • 陋室銘(ろうしつのめい)

    【『山おくのおうち』ポケベル美術館所蔵彩色画(2018/02/21 ⓒポケベルike3022)】  (注:『山おくのおうち』とは、伊賀山人の山居のことです。)  「陋室銘(ろうしつのめい)」とは、中唐の政治家であり詩人であった劉禹錫(りゅう うしゃく、772年 - 842年)が書いた韻文です。  「陋室」とは、狭くて粗末な部屋のことで、「銘」とは、心に刻む指標即ちモットーのことです。  劉禹錫は、

  • 彘肩詞     仲雄王

     仲雄王(なかをわう)は元皇族と思われるが、生没年は不詳。『文華秀麗集』の撰上に関わる。序文を作る。  彘肩(ていけん)は豚の肩肉(ロース)のこと。  詞は字数の一定しない雑言体を差す。    彘肩詞       仲雄王(なかをわう)  彘肩肉赤凝脂白    彘肩(ていけん)肉赤く 凝脂(ぎょうし)白し、  登俎更待庖丁手    俎に登りて 更に待つ庖丁(はうてい)が手を。  鑾刀磨石刃如霜   

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