• 江戸川柳 色は匂へ  「へ」の2 臍(へそ)

    かたいやつ臍をほしがる門から出    意志が固いのかいくじがないのか  臍を欲しがる門=雷門のこと  雷門の裏門は、吉原に通じる よい思案雷門を二度通り        よくよく考えてやっぱり 恋しさは親父の臑(すね)に母の臍   かじれるものはかじるがいい  すねをかじり、臍くりをあてにして生きた若旦那か。結構いい親父さんになっているもんだよ。

  • 江戸川柳 色は匂へ  「ほ」 棒

    棒の手を見せるが客へちそうなり   見事な麺棒さばき  家の親父さんは手打ちうどんや手打ちそばはプロ並みであった。地方公務員にしておくのはもったいない腕を持っていたが腕を生かさないままに終わった。それもいいか。 そばを打つ音もちそうの数に入り   音がちそうになるのは少ない。 棒の中めんぼくもなく酔は醒め    辻番や自身番の棒ではね。 棒ほどの事針ほどに母かばひ     棒大針小の母心、いいね。

  • 江戸川柳 色は匂へ  「に」の2 二 階

     二かいから落ちた最期のにぎやかさ   ガラガラどしん  二階から落ちて最期を迎えるのは大変な騒動の中で息を引き取ることになる。静かに湿っぽく息を引き取るのとは大違い。大変だよね。  二階から小便せぬでかどがあり    ごもっとも  吉原の遊女の部屋は二階にあるのでトイレも当然二階にあった。したがって二階で小便をして初めて一人前になると。角も取れて一人前の社会人となる。江戸の男社会の身勝手な常識に

  • 江戸川柳 色は匂へ  「は」の2 馬鹿亭主

     薪水の労をたすける馬鹿亭主  薪水(しんすい)の労=飯炊きや水汲み  今では当たり前の男の家事労働であるが、江戸時代では馬鹿呼ばわりされた。買い物のお供などしようものなら馬鹿亭主、駄目亭主と言われた時代である。 どこへでもくっついて出る馬鹿亭主   そんな雰囲気が残っている地方も                    ある。 あいつだに帰る気ならと馬鹿亭主    惚れています。 もう以後はさせや

  • 江戸川柳 色は匂へ  「い」の2 医 者

      もりあてた医者はほどなく痛み入り    もりあてる=まぐれ当たりのこと  薬の調合がまぐれ当たりで治癒した時は、感謝され礼を貰うときは痛み入るだろう。なんて思ってしまう。  よい後家が出来ると咄す医者仲間   よほどの美人だろう。ありそう。  仲人にかけては至極名医也      本職そっちのけ。まあいいか。  上手にも下手にも村の一人医者    しょうがねえ、いないよりいいよ。

  • 5・7・5アラカルト 川柳23  

     もう眠いどんな川でも渡ります   八木蛙生  ばぁちゃんが健在の時によく言っていた。 「あん馬鹿たれが、嘘八百ばかりで万に一つも本当の事がねえ。」 そのばぁちゃんは、仲人口で100組ほどの縁談をまとめた。  同じ嘘八百でも人を幸福に導くものは嘘も方便で笑って済ませる。国民の生活を苦しめる嘘八百には断固として戦わなければならない。 「生まれた土地は荒れ放題、今の世の中右も左も真っ暗闇じゃござんせん

  • 5・7・5アラカルト  川柳22

     海に生き抜いて墓みな海へ向き   渡部銀雨  学校を出て初めて赴任したところが漁師町であった。  坂のある街の斜面の上の方にこの街の墓地がある。墓はみんな海に向かって、街並みを見下ろすように海を眺めるように立っている。  夕暮れになると墓に明かりがともり、だんだんと町が暗闇の中に浮かんで、やがて消えていく。  海に生きた男たちや彼らを支えた家族たちの物語が語り継がれていく。そんな漁師町で6年間を

  • 江戸川柳 色は匂へ  「す」 摺 鉢(すりばち)

     すりばちを借りて亭主のあらを言ひ  江戸の朝は摺鉢で味噌をすることから始まる。味噌汁をつくるにも味噌和えをつくるにも江戸の庶民にとってすりこ木とすり鉢は欠くことのできない調理具である。  朝帰りの亭主との一戦にとばっちりを受けたすり鉢は壊れてしまう。隣にすり鉢を借りに行くと隣の女房も経験者、かっかしている隣の女房に男とはそんなもんだと慰める。  負けてゐなさいと摺鉢かしてやり  すりこ木とすり鉢

  • 江戸川柳 色は匂へ  「せ」 関 所(せきしょ)

     関所前女をなぶりなぶり行き 関所=箱根、今切、碓氷、栗橋のような要衝で通行人を取り締まる役所。 なぶる=からかい、ひやかす、ばかにする 「入鉄砲に出女」を警戒していた当時は、特に女性に対する身体検査は厳しかった。関所に近づくと連れの男が「なぶりなぶり」歩き始める。まさかと思いながら女は不安の表情でいっぱいになる。  実際には不審な女がいれば関所婆がいて本格的に取り調べることになる。  御妾は箱根

  • 江戸川柳 色は匂へ  「も」 申し子(もうしご)

       申し子は夢ばかりでも出来ぬなり     申し子=神仏に願って授かった子。 「ばかな。」神や仏が夢枕に立ったからといってそれだけではないよねえ。江戸っ子の健全な庶民感覚。だから、聖母マリアの処女懐胎も江戸っ子は「ばかな。」の一言で終わる。    申し子は出居衆の顔にいきうつし    (出居=寄留者、実はこれの仕業)    申子の跡で年々申さぬ子    (神に願っての後は癖がついたのかなあ。続々

  • 江戸川柳 色は匂へ  「ひ」膝 枕(ひざまくら)

      ひざまくらあながち寝入る気ではなし  べつに寝るために膝枕をするわけではない。好きな女の膝を枕にするだけで男と女のいい雰囲気だ。なんとも。   かげぼしの一つかくれるひざまくら  女の影だけが残るドラマを見るような風景。想像が広がる。  膝が肘になると雰囲気ががらりと変わる。   ひじをまげ枕として乳をほうばらせ  赤子の横に寝そべって添え乳する母親。いざというときはいつでも起きられる態勢で横

  • 侮れない のどごし生と スモークタン

    コロコロはコンビニよりもスーパーが好きである。しかし、コンビニでしか買えない商品は、やはりコンビニに足を運ぶしかない。 コンビニでしか買えない商品?例えばこれ! セブンイレブンで買えるスモークタン68g(^o^) 日本ハムファクトリーが製造する、知る人ぞ知るおつまみ界のレジェンド!! これが絶妙にこれと合う(#^.^#) 麒麟麦酒株式会社が世に送り出した、麦芽を使用しない発泡性醸造酒!なんとホップ

  • 頭痛薬 飲むのやめたら 頭痛なし

    大昔…コロコロが二十歳なる少し前の頃からだったろうか…。 原因不明の偏頭痛に毎日襲われるようになった。激痛ではなかったが痛みを感じない日はなかった記憶がある。 気がつけば毎日毎日当たり前のように頭痛薬を飲むようになっていた。 頭痛薬の種類は何でもよく、痛みが和らぐ事だけを願い、手当たり次第に頭痛薬を飲んだ。 バファリン、イヴ、ナロンエース、ノーシン、セデス、ロキソニン…もっとあったかな…。 頭痛薬

  • 江戸川柳 色は匂へ  「し」 蜆(しじみ)

     東下りまではつねの蜆なり  東下り=在原業平の東国への旅をさす。  本所業平橋のあたりは蜆の名産地で、業平蜆という。業平が来る前まではただの名前のない蜆であった。  それ迄は只の寺なり泉岳寺  (了 解)  美男美女蜆と紅に名を残し  (いいな、いいな)  業平蜆と小町紅、名をのこすのは日本だけではない。世界中で人の名前の付いた建造物や食べ物や衣服などがある。いずこも同じか。

  • 江戸川柳 色は匂へ  「み」見 合(みあい)

     後生願ひのふりをして見合ふ也 後生願ひ=来世の安楽を願い仏を信心すること。 11月末の本願寺の御講には娘や息子を連れて参詣者が多い。  初めて赴任した土地では、小高い山の登り口に禅宗のお寺があり、町民の大多数が信徒である。山の南側斜面いっぱいに墓が立ち並び海を眺めている景色は流石漁師町であると感心した。  お盆には山の斜面いっぱいに灯がともされ夕暮れ時になると墓参りの人で路があふれた。  学校を

  • 江戸川柳 色は匂へ  「め」 目

     先ず目と目それから手と手口と口  このコミュニケーションが抜け落ちた現代は男女関係がうまくいかない。スマホでいくらやり取りしても、体温が伝わらない。  気があれば目も口ほどに物を言ひ  には、遠く及ばない。  先ず、いはずかたらず我心目で知らせ  コミュニケーションの初めは目から。そして手と手、口と口。 江戸の生き方を学び、恋の基礎基本を見直そう。

  • 江戸川柳 色は匂へ  「ゆ」夕涼(ゆうすずみ)

     かんざしで星の名をきく夕涼  夕方になっても暑さがのこる夏の夜。門口に縁台をだして夕涼み。 若い娘、いや若くなくてもよい。かんざしで星を指しながら、牽牛はどれ、織姫はどれ、などと・・・風流だねえ。今は星を眺める暇もない。いやだねえ。  星がふりますと雨戸をたてゝゐる             に・く・い・ふうりゅうだねえ。

  • 江戸川柳 色は匂へ  「き」 生息子(きむすこ)

     生息子は連れに目ききをして貰ひ  生娘というのは聞いたことがあるが生息子という言葉は初めて知った。  何はともあれ初めての経験というのは、水先案内人がいる。  近くの先輩がその役目を果たす。江戸の世の生息子の最初の体験は、格子の中に並ぶ遊女を選ぶことであるが、初めてだから目がくらんで選ぶことができない。そこで先輩が選んでくれる。  これから、生息子がドラ息子へと成長していく母親泣かせである。  

  • 江戸川柳 色は匂へ  「さ」 酒

     忍ぶれど色に出にけり盗み酒  色に出る隠し事は困ったものだ。要注意。  土蜘蛛の身ぶりでなめるこぼれ酒  こぼれた酒を土ぐものように肘を張ってなめるのは、いやだねえ。  酒と女はにくくないかたき役  男にとって酒と女は立身出世の躓きになりやすい。敵役。 でも、でも・・・  世の中は色と酒とがかたきなり どふぞ敵にめぐりあいたい(太田蜀山人)  「立身出世が何でえ、こちとら男だい。」  「おっしゃ

  • 江戸川柳 色は匂へ  「あ」 相 傘(あいがさ)

     相傘を淋しく通す京の町  相傘=相合傘、男女がひとつの傘をさすこと。  京都の町では、相合傘で通っても冷やかしたりしない。男女の仲については大人である。江戸では、相合傘が通れば、必ず冷やかしたものらしい。  相合傘の当人にとっては、どうであろう。ひやかされた方が、張り合いがあるのではなかろうか。それとも静かに大人の対応をしてもらった方がよいのであろうか。    京の相合傘と江戸の相合傘の二人連れ

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