• 5・7・5アラカルト 川柳14

     スポーツをギャンブルにして国貧し   樋川すみ枝  競輪、競馬、競艇とスポーツ三大ギャンブルから、パチンコ、野球賭博とギャンブル依存症で職を失い、家庭崩壊を招いた日本人が50万人にのぼるこの時期にいよいよ真打登場で「カジノ法案」が衆院予算委員会を通過した。  公営でギャンブルを公認していくことの問題点を深く考えていかないと国を潰すことになりかねない。  収益の一部を依存症対策に充てるということで

  • つぶやき56  575と性格傾向

     たまに時間つぶしに575と性格傾向について考えることがある。 1 赤い椿白い椿と落ちにけり      河東壁梧桐 2 子には子の悲しみがある虫の墓     一  車 3 山寺の石のきざはしおりくれば   椿こぼれぬ右の左に         落合直文  黒板に書いて、あなたの好きな作品を一つだけ選んでください。  俳句や短歌を選んだ人はどちらかというと「花鳥風月」を好み天地自然に関心が向きやすく、

  • 江戸川柳色は匂へ  「つ」 通

     やぼにしてゐる事だよと通なやつ 通=遊びや生活において垢抜けして洗練されていること  先輩の一人にとても通ぶって後輩の面倒を見る男がいた。昼間のお勤めは粋なスーツで、夜の宴席では和服に雪駄という格好で、会を取り仕切り後輩の面倒をよく見た。  いくら通ぶっても通からははるかにかけ離れていた。男気があって自分の金を気前よく使って、きれいにさっぱりと遊ぶのではなく。  あとの見返りを計算して、労働組合

  • 5・7・5アラカルト  川柳13 

     小用の妻へ肩貸す夜半かな   右近 志秋  誰もが一度は通る道。  健やかなるときも病めるときも変わらぬ誠実な態度で淡々と生き抜いた友を思い出す。  彼は親の反対を押し切って一回り上の彼女と結婚をした。彼が50代後半から彼女、妻が認知症を患い彼が60歳で定年退職をしたとき、妻は72歳で車いすの生活に入った。  彼は底抜けに明るく大らかに、青年時代のままの気分で妻の介護をやり抜いた。あっぱれ。  

  • 江戸川柳色は匂へ  「そ」  添乳(そえち)

     添乳してついせんたくが夢になり  電気洗濯機のない時代の主婦の生活の様子が想像できる。昭和の20年代の主婦は大変であった。炊事、洗濯、掃除に子育てと夕時には1日の疲れがどっと出て睡眠不足になってしまう。  洗濯機、電気釜、掃除機が出そろって家庭における主婦の仕事が激変した。  男でも簡単にできる家事が多くなって男性の家事への参加が増えてきた。男女共同参画の時代背景が整った。  主婦でなければでき

  • 5・7・5アラカルト  川柳12

          寿と書いて人それぞれの旅つづく  石原 伯峯                  季節の花300より  結婚、出産、年頭の祝辞、そして、喜寿、傘寿、米寿、卒寿、天寿と寿を背負って人生の旅は続く。若い時には奥の細道を芭蕉の足跡をたどって旅をしたいと思っていた。  傘寿を過ぎてはもうそれは無理だろう。せめて自分の住んでいる路地の細道を巡ってみるか。  みんな元気でいてほしいよな。

  • 江戸川柳色は匂へ  「れ」 蓮根

         れんこんはこゝらを折れと生まれ付                季節の花300より  れんこんのくびれた節々をここらを折れと見たところが人間の目の面白さである。蓮根のようにここらを折れと素直にやさしく生きている人々の集団は極楽のようなコミュニティーであろう。  母親は子どもに対して「ここらを折れ」と言わんばかりのくびれを見せて生きている。子どもはうまくくびれを見つけて折っていく。    

  • 江戸川柳 色は匂へ 「た」 大名

     大名の過去は野に付し山にふし 大名=将軍に直参の一万石以上の武士 野に伏し=野伏というと山に潜む盗賊の意  一番に蜂須賀小六のことを思い出した。講談や太閤記に出てくる小六は野盗の親分とされているが、単なる創作であるらしい。  しかし、このような創作が出てくる背景には江戸庶民の思いが隠されているのではなかろうか。  今でこそ、大名として何不自由のない生活をしているが過去は何をしていたのか分かったも

  • 江戸川柳 色は匂へ 「よ」 欲

     のぼっても峠をしらぬ欲の道  実感、いいねえ。人の欲望は際限がない。物欲、金銭欲に取りつかれると溜め込めば貯めこむほどためたくなるそうだ。  出世欲に取りつかれると「長」と名の付く職を登り始める。  色欲、食欲、名誉欲と数え上げればきりがない。しかし、よく考えてみると欲望があるから生きていく力が湧くのであって、問題は欲望をうまくコントロールできる心の習慣を身につけることである。  大欲は無欲に似

  • 5・7・5アラカルト 川柳 11

     味噌汁の匂い十歩の庭に風   村田 鯛坊(周魚)  一般庶民の生活は努力をしても味噌汁の匂いが十分に届く範囲内で生活をしている。  部屋数だけでも数え切れない。人の気配もない、まして味噌汁の匂いなど全くしない、庭だけで数百坪のある生活をしている人達には理解不能な世界である。  歩け歩けといつも言われるので勤めて歩くことにしている。買い物に出ても車を駐車場においてそのあたりを一回りして来る。  強

  • 5・7・5アラカルト 川柳 10

     血圧にかまっておれぬ腹の虫   山本一途  腹を立てると体に良くないということは分かっていてもついつい腹を立ててしまった時があった。仕事を離れて古希を過ぎたころから腹を立てることが少なくなった。  歳を取って怒りっぽくなっていく人とそうでない人との二つのタイプがあるようで、私は後者のタイプのようである。  なるべくなら腹を立てずに円満に穏やかに暮らしていきたいのだが、何かと腹の立つことが多い。

  • 江戸川柳 色は匂へ 「か」 かかさま(母様)

     かかさまがしかると娘初手は言ひ  初めてのナンパの時は、お母さんに叱られるからとういういしくお断りした娘も2度3度といい男から口説かれるとかか様の歯止めもきかなくなる。かか様の目を盗んで積極的にいい男に近づいていこうとする。  これは娘だけのことではない。  かかさんと言ふ内むす子まだ食える  これがかかさんからお袋と呼ぶようになるともう食えない息子になっている。大人になっていく入り口でこれを通

  • 5・7・5アラカルト  川柳 9

     勉強をしろと子に吹く秋の風   村田 周魚  昔のことだけど、夏休みが終わりに近づくと宿題をどうにかしなければと大慌てしたものだ。今はどうなんだろう。夏休みの宿題があるのかな。  塾に行く子どもが多くなって、やるだけのことはチャンチャンとやって悠々自適に夏休みを満喫しているのだろうか。どうにも手の付けられない宿題を前に登校拒否の心境になっている子どもはもう居ないのかな。  勉強は年齢に応じた内容

  • 江戸川柳 色は匂へ 「わ」 笑い

     腹の立つ時はわらいに念を入れ  江戸の人も笑いの効用を知っていたのだ。笑いたくて笑うのではなく意識的に笑うことによって腹の虫がおさまる。  現代はその効用を科学的に研究している。吉本興業の協力を得て「笑い」の前後の血液検査をしたところ、キラー細胞ががん細胞を破壊攻撃して、がんに対する抵抗力を高め、免疫力も改善することを突き止めた。  どうしても笑えない時は、表情だけで笑顔を続けるだけで「笑い」の

  • 5・7・5アラカルト 川柳 8

      子を叱り過ぎてもしやと思う日も   野口卯之助  虫の居所が悪かったのだろうか、少しきつく叱ってしまったと反省する経験を親であれば一度や二度は持っている。  今のように子どもの自殺や事件の話題が多くなると、子どもが遊びから帰ってくるまでいろいろと気をもんで過ごす。  元気のいい声で子どもが帰ってくるとホットしながら、なんだようと。それが親子の間柄である。  ある程度「叱られ方」の免疫をつけてお

  • 江戸川柳 色は匂へ 「お・を」 鸚鵡

     引っこした先も隣にあふむが居  いつの時代も変わらずどこにでも放送局や新聞記者がいる。これが地域社会のコミュニケーションの原点でこの井戸端会議から居酒屋やカフエ、地方議会へと発展してきたわけである。  今一度、井戸端会議を見直す価値があると思う。  井戸端へ人の噂を汲みに行  江戸時代、長屋の女房の楽しみの一つであった。  流石に現代は井戸のない社会になったので、スマホ片手に集まりやすい場所を意

  • 江戸川柳 色は匂へ 「る」 留守居

     踊り子に踊れと留守居むりを言い  留守居は各藩の渉外担当者の俗称で正式には御城使いなどと言って幕府や他藩との折衝をする役なので宴会が多い。  宴会で踊り子に接する機会が多い留守居役。  踊り子とは名ばかりで踊ることが出来ない踊り子がほとんどであった。田舎から出てきたばかりの新任留守居役は事情に詳しくないので踊れと言ってしまう。  そのうちに踊り子の正体を理解でき田舎サムライは軟化していく。今も昔

  • 5・7・5アラカルト 川柳 7

     入社試験から正直になり切れず    清水米花  昨日まで茶髪で変な服装で闊歩していた自分が、今日の採用試験に髪を黒くし紺のスーツでまじめな顔をして試験を受けている。  聞くところによるとよほど優秀な者以外は試験を受ける前から当落が決まっているとか。昔、そんな時代があった。  自分が合格したらしたで、何か割り切れないものを胸の奥に落とし込むことになる。さてはオヤジ動いたな。不信感が人生のスタートに

  • 江戸川柳 色は匂へ 「ぬ」 糠味噌

     ぬか味噌をきたながらぬは二度め也  新婚さんはいつの世もぬか味噌の匂いになれるまでに時間がかかるものである。それを嫌がらずにてきぱきとこなすところを見ると初婚ではないなということ。  江戸時代では初婚であろうと二度目であろうと三度目であろうと女は堂々としていた。江戸では女性の絶対数が極端に少なかった。  だから女は引っ張りだこですぐに結婚相手が見つかった。歳の差なんか問題ではなかった。  大奥は

  • 5・7・5アラカルト 川柳6

     叩いたら叩き返せと祖母達者   山崎 初栄  かくしゃくとした明治生まれのおばあちゃんは気風が良かった。喧嘩は1対1でするのが当たり前の時代である。1対1で対等に堂々と戦うことが当時の価値観であった。  ところがある時期から集団によるいじめや暴力沙汰に変わってきた。  口喧嘩に始まり殴り合いになり、仲裁が入って仲直りをしてまた元の友達付き合いにかえっていく。喧嘩した後、友情が増していい友達関係な

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