• エッセイ 理性という島の大建築

    現代では、理性という島に近現代科学の大建築が建っている。ほとんど、世界を制覇する勢力だが、理性の島の周りには未だに茫漠とした霧堤が広がっている。霧堤とは、わたしの比喩ではなく、カントがその著書の中で、言っていた比喩である。 この建造物をバベルの塔に過ぎないというのは、見やすい理だが、現代のわれわれは、例外なくその住人であることを忘れてはなるまい。 ランボーは科学を新興貴族と呼んだ。この詩人の直観を

  • エッセイ きれぎれ草 3

    歎異抄 たましいの奥底に墨で大書されたような文言。 これはどんな人間のたましいにも応ずる。 善人だろうが悪人だろうが。 「たとへ、法然上人にすかされまいらせて、念仏して地獄に堕ちたりとも」 「すかされ」という俗語が、肉体的に痛切と言っていいくらいの血の匂いがする。 なんという奥深さだろうか。 親鸞の手振りや口調まで伝わってくるようだ。 親鸞にはもう一つ美しい言葉がある。 「弥陀の本願はひとへに親鸞

  • 人物画「ランボー」鉛筆画

    一般的に、あまり顔と名が知られた人ではありませんが、 フランス象徴派に区分けされている詩人、「アルチュール・ランボー」の若い頃の写真からの模写です。ランボーには写真がわずかしか残っていません。 わたしの敬愛する小林秀雄の影響もあり、学生時代、目まいのするような難解な,、けれどもところどころ強く輝く詩に、圧倒されるようにして心酔したものでした。 わずか、20才で世界の頂点に達する詩を書き上げ、そのま

  • ランボー「地獄の季節」 集英社文庫 <空前絶後の男>

    二十歳という若さで、世界の頂点に立つ詩を書きあげ、その自ら書いた詩をなげうって、アデンの砂漠へ旅立ち、37歳で死んだフランスの詩人ランボーの作品です。ランボオは誰のためにも詩を書きませんでした。そのために、書かれた詩は非常に難解ですが、生命そのもののようなギラギラする鮮烈なイマージュは、めまいのするような強烈な輝きがあります。空前絶後の男です。