「人間には、欲がありますから。」というようなことばを、会話の途中に、挟まずには居られない人は、往々にして、欲まみれな人間である場合が、ほとんどである。 ○ 「流れというものがありますから。」と、そのある流れから、自由であるような口振りで、喋る人は、どっぷりとその流れの中に、浸かっているものである。 ... 続きをみる
きれぎれ草のムラゴンブログ
-
-
ドストエフスキーには、芸術しかなかった。言わば、そこまで人間として追い詰められていた。トルストイは、芸術以上のものを欲した。人間として、ドストエフスキーより遙かに格が、上だったこともある。 ○ 芸術以上のものとは、宗教であり、思想であった。 ○ 東京裁判 正義に名を借りて、人間はどれだけ不正なことを... 続きをみる
-
人間は、生きているだけでは足りなくて、何よりも、生きているという実感を欲しがって止まない、不思議な生き物である ○ 生きているという実感 これは、さまざまな形をとるもので、時には、悪徳にさえなる ○ 生きがいが、見つかった人は幸運である ○ 大概は、生きがいというものが見つからなくて、生きているとい... 続きをみる
-
壊すのは容易い、作るのは真に難しい。 ○ 面白いというのは、人間が分かるということである。 ○ すぐれた人は、色々な人を見分けられる目を持っている。これは、その人の心が豊かである証拠である。 ○ 人間は、人が思うほど、底の深いものではない。ほんの僅かな、善意らしきものが垣間見えたというだけで、ガラリ... 続きをみる
-
エッセイ きれぎれ草 100 <似非宗教、精神性、大谷翔平>
人間は、人間以上の存在にも、また、人間より遙かに下のものにも、成り得る、マカ不思議な生き物である。 ○ 共産主義思想とは、科学的思考とやらを標榜し、革命をご本尊とする似非宗教に他ならない。 ○ この似非宗教の厄介なところは、日本に入って来ると、言わば、日本風に意訳され、革命的テロは、善だとしたことで... 続きをみる
-
笑いは跡を残さない 悲しみは後からやって来る ○ 悲しみを詠んだ歌は記憶に値するが、 笑いに興じた歌は、そもそも、記憶に残らない ○ 笑いを好む現代の風潮 後に、何も残さない時代かも知れない ○ モリエールの諸作品は、芸術として認められているが、 落語が、芸術にならないのは、また、何故だろうか ○ ... 続きをみる
-
政治不信 自分自身も信じられないような人間が、どうして、政治ならびに政治家を信じることができようか。 ○ 人間不信 人は信じない方が、自分には都合が良いと思っている人間が、現代いかに多いことか。不信とは、思想に結びついてるのではなく、単なる、ご都合主義である。 ○ 「わたしは、現代の子、不信と懐疑の... 続きをみる
-
「人間は信じるものじゃない」と言う人、概ね、不徹底な功利主義者に過ぎない。 ○ 人を信じて裏切られたから、人を信じなくなったという人は、多いものであるが、西洋でよく見られる、人間嫌いというところまで行く人は、日本では、ほとんどいないし、社会的に、よく見かけるようなタイプにもならない。 ○ 日本民族は... 続きをみる
-
ウクライナ大統領 世界を巻き込む必要がどこにあるか ○ フランシスコ・ローマ法王 「焼き場に立つ少年」の写真 いったい、この人は、この写真を持ち出して、何が、言いたかったのだろうか。はっきりと感じられるのは、少年の持つ確固とした精神の力強さである。 おそらくは、死んだ弟の亡骸を背負い、泣きもせずに、... 続きをみる
-
戦国時代 敵ではあるが悪ではない ○ 第2次世界大戦 敵は悪 ○ 欧米人は、何かと言うと、敵を悪魔扱いにする
-
-
日本ならではの宗教家、芸術家を挙げれば、やはり、良寛さんであろう ○ 子供と遊ぶ良寛さん、海外では、こうした宗教家も芸術家も聞いたためしがない ○ 良寛さんの逸話には、どれも、強く明滅する光がある ○ わたしがもっとも憧れる人である
-
セザンヌの絵は、遠近法に従えば、単に歪んだ画面に過ぎないのに、不思議な空気感を持った、奥行きがある。 ○ 支点とは、その人自身でなければならない。ある原理、理論を支点とすべきではない。
-
ピカソの絵は、けっして画面の奥には向かわない。表面にこだわり抜いた画家。いや、ピカソの絵には、表裏の区別がないと言って良いのであろう。 ○ ルオー、精神の分厚い奥行き、時に重い。
-
思い出を語るとき、人は、すぐれた話し手でなければならない ○ 下手に語られた思い出とは、文章にもならなかった言葉の寄せ集めである ○ 強い個性は、個性によって見出される ○ 仏法という不思議な法 律法という掟
-
人は、酒に酔うように、理に酔うものである。そうして、さらにいけないのは、理に酔う人は、酔っている自覚がないことである。(旧統一教会の「統一原理」という言葉、これは、特に女性が酔い易い、家庭に関する理念である。) ○ 原理家は、怒りっぽいものであるが、わたしは、怒っている人の側にも、酔っている人の側に... 続きをみる
- # きれぎれ草
-
自殺者の心理は、どの年代の誰であっても、計り知れないものである。 ○ 生徒の自殺=学校でのいじめ これは、今のマスコミがはびこらせた、怠慢取材が生んだ、単純極まる図式である。 ○ ロシアのプーチン大統領の弁。「核戦争に勝者はない。」現在の状況にあって、この言は貴重である。
-
すぐ行動するのではなく、落ち着いて、よく物事を見、知恵を絞ること ○ 現在は、行動優先の時代だから、直ぐ、行動と言いたがる人が多いが、誤魔化されないほうが良い。 ○ 急がば回れという言葉がある。これは、単なるパラドクスではなく、実際の真実なのである。 ○ 将棋でも、一見、緩手に見える手が、じつは、と... 続きをみる
-
日本人との上手な付き合い、政治と宗教の話には、深入りしないこと ○ 日本人は、一見、温和に見えて、中身はどうして、芯の強い人が多い、これは、慶賀な事で、そう易々と、一方的な主張には靡かない ○ 参院選が近づいているが、わたしのところには、選挙について、あれこれ言って来るような人は、一人もいない、わた... 続きをみる
-
意味は、微に入り細を穿ち、これでもかと、相手が音をあげそうになるまで、尚、しぶとく、さらに念入りに、要するに、人が生きている限り、いや、たとえ、亡くなっていようとも、その人を少しでも、必要としている限り、大胆に、また、慎重この上なく、そうして、際限を知らず、問われなければならない。 ○ 意味の大敵は... 続きをみる
-
兼好は、自分の生きた時代を、「空言多き世の中なり」と嘆いた。 ○ 現在のアメリカのトランプを見ていると、フェイクとは、空虚な空言ではなく、実質を持った虚言だということに、気付く。 ○ ヒトラーを持ち出すまでもなかろう。世人は、大嘘に弱いものである。 ○ 人心とは、中世の日本も、現在の人々も、まったく... 続きをみる
-
-
菊の不思議 天皇家の紋章であるにも関わらず、菊はご先祖や仏事のときに手向けられる花と決まっていて、慶事や祝い事の時には、忌み嫌われる花である。防虫効果も持っていることから、不要な者を寄せ付けない暗示があるのは分かるが、なんとも、不思議な現象である。 ○ 花言葉 花ことばというのは、そのほとんどが、西... 続きをみる
-
ロシアには、対独戦勝記念日があるが、日本には、対露戦勝記念日などは、ない。負けた国への敬意を忘れない国だからである。 ○ 不透明な時代 おぞましい武力を持つ国家と膨大な量のSNSとメディア情報、どちらがどうと言うのではない。 どちらも、現代においては、恐らくは最も、互いに拮抗する勢力となっていること... 続きをみる
-
明治そして昭和 明治生まれの正宗白鳥という作家は、内村鑑三の「偶然に生まれた国を愛するに足らず。」という言葉に出会い、快哉を叫んだという。 私事で恐縮だが、昭和生まれのわたしは、福沢諭吉の「福翁自伝」の中にある「日本は大事な国だぞ。」という、福沢が日本の役人を叱咤した言葉に、深い感銘を受けた者である... 続きをみる
-
ローマ帝国の失敗 パンとサーカスを、与えて置けば良しとした、 人間を見限った人間観 ○ ほとんどの理論、理屈はその現象についての後付けの論である
-
経験則 仏滅の日の雨は遠慮なし 大安の日の雨は遠慮がち、ときに止んで、日が差す ※引っ越しのアルバイトを、若いときにしていまして、婚礼などがあると、祝儀袋が出たりします。 それで、配送の仕事に主に携わっている人に聞くと、いつもいつもそうではないが、ほぼ、婚礼の時などは、六曜の吉日を選ぶので、雨に降ら... 続きをみる
-
日本 革命の好きな国民性 革命も結構だが、社会革命というような、大仰なものではなくて まずは、自己革命をやって欲しいものである ○ 英語圏の人々は、自分の発音の良さを、鼻に掛け過ぎている。 ○ 紛争の絶えぬ世界 ウクライナ情勢だけではない ミャンマー内戦
-
センチメンタリズム 人間よりも犬猫を大事にしたがる。 ○ また、純粋さが好きな人は、得てして、自分が純粋であることを言い立てるか、人にそう言って貰いたいか、もしくは、「人が、死にそうか、死んでいるというのに詩を書くようなことは、私には出来ない」というようなセンチメンタルな言葉を、好むものである。 ○... 続きをみる
-
ことばの定義について、やかましく言い立てる人がいる。その人は、言葉を大事にしているわけではなく、単に論争好きな性格であるに過ぎないものである。 ○ 例えば、私心がない人という言い方があるが、これは比喩なので、厳密に言えば、本当に、まったく私心がない人というのなら、それこそ食べることも出来なくて、餓死... 続きをみる
-
女 責任は、こちらではなく、そちらにある。 男 責任は、こちらにあるのは、分かっているが、どうか曖昧にして欲しい。
-
西郷隆盛 偉大な人ほど、傍らから見ると滑稽であるようだ。 ○ この人は、史実に拠る限り、およそ外見上の威厳というものを、まるで持たなかった人で、上野公園の有名な銅像などは、全くのうその皮である。 ○ 西郷という人格には、正面から挑もうとすると、此方が砕けてしまう。 歴史上の破格の業績と、様々に相矛盾... 続きをみる
-
-
威張る人 「私は君方とは、まるで違う。」 独りよがりな人 「私の悲しい気持ちは、誰にも分かりはしない。」 わがままな人 「私の喜びを、あなた方も喜ぶべきだ。」 分かっていない人 「私の知らないことは、何もない。」 失礼な人 「君の顔は、偏差値でいくとOO点くらいだね。」
-
ベートーヴェン 後期のカルテット これほど永遠ということばを、実質あるものとして、感じさせる音楽は他にない ○ 驚くべきことに、この音楽には始まりもなければ、終わりもない ○ 音楽が鳴っているところで、沈黙し、音楽が沈黙するところで、鳴っている ○ わたしは、この音楽は東洋的とばかり思っていたのだが... 続きをみる
-
男の脳はたいがいYes 女の脳はほとんどNo ○ 大きな事を言いたがる小さな人 小さな事で満足する大きな人
-
道 昔、日本の道は世界有数の悪路だった ○ 今でこそ、それなりに道として整備されてきたが、日本は、昔、馬車ではなく牛車だった もし、馬車にしようとしたら、すぐに転倒してしまったであろう ○ 道はアップダウンが多く、細く、でこぼこしていて、雨が降るとすぐぬかるんで、立ち往生する ○ 逆説的ではあるが、... 続きをみる
-
古今集の歌に、暦とずれた季節のおもしろさを詠んだ和歌がある。人為的に作られた暦は、季節と、必ずしも一致しないのが通例で、そこにおかしみを見ようとするのだが、なんとも、軽い趣向ではある。 ○ そうして、また、そうではなくて、暦通りの季節の変化を、望んで止まないいくらかの人がいるが、ある強張った心の偏向... 続きをみる
-
失恋 世界が閉じる衝撃 ただ これはごくごく当たり前な日常茶飯事の一つ ○ 実業家 現代の実業家の話を聞いていると、この人は実業家と言うより、極め付けの詩人だなと、よく思うことがある。 スティーブ・ジョブズ 本田宗一郎 ○ 批評とは行き止まりの詩である
-
批評を批評する愚かさ ○ ただ、小林秀雄については、問題ない。この人は批評家というより、詩人である。 ○ 小林については、ある抜き難い誤解がある。論が跳ぶという誤解である。よく読んでほしい。小林の論考は、すばやく話柄を変えるので、論が跳ぶのではない。理に穴が空いているような、浅はかな文章で、批評家と... 続きをみる
-
ウクライナ情勢 世界はいつもキナ臭い ○ 儒教経典で、五経とは言うが、もう一つ「楽経」という経典があった事が、知られている。この楽経を合わせて六経と言うこともある。楽経とは、音楽によって、民を教化しようとした、とても不思議な経典である。この楽経が見つかれば、世紀の発見になるかも知れぬ。けれども、解読... 続きをみる
-
絵を見るより、絵の前で語る人の方が多い。また、音楽を聴くより、音楽をバックに語る人の方が多い ○ 絵を見て、黙る人は少ない。音楽を聴いて黙する人も稀である。詩を読んで黙る人はもっと少ない。
-
どれほど写りの良い鏡であろうと、自分で鏡を覗き過ぎる人は、その姿が歪まざるを得ない。 ○ 宮本武蔵に次のような言葉がある。敵合い如何に遠ざかりたるとも、近くに見る目。敵合い如何に近寄りたるとも、遠くに見る目。如何様なるとも、うらやかに見る目、これ第一也と。 ○ 目そのものになる修練を積む事、世の中が... 続きをみる
-
-
阿呆とは、自分を阿呆と認めたがらない人間のことである。 ○ 人間を、バカか賢いかでしか、見たがらない人に出会ったことがある。その人間観の貧寒さは、さて置くとしても、その人は、自分がバカと呼ばれることを、極度に恐れていたものである。 ○ 阿呆は阿呆で、パーフェクトであるし、利口は利口でパーフェクトなも... 続きをみる
-
人は未来などを見て行動するのではない。現実のことそのものに当たって行動するのである。 ○ 自壊 詩は壊されたのではない。自らが現代の器たらんとして、自らを壊したのである。 ランボー ○ 日本人的な直感で思う。労働について語り、労働の意義を感じさせないような文章は、読むに堪えない。
-
確かな人の確かなことばを聞く、これ以上ためになることはちょっと他にない ○ クラシック音楽の名演は普段聞く音源もクラシックである
-
理念先行型社会 欧州を、代表とかんがえて良いと思うのだが、EUなどでも明らかなように、理念がそれぞれの国家を先導している社会と言える ○ イギリスという現実主義的な国が、EUを離脱したことは、当然なことのように思える ○ 日本人は、ある意味で真面目な国民だが、悪乗りをする国民性も、持っているので、N... 続きをみる
-
日本の自然はうつくしい ○ 重層的でありながら繊細 その上に強靱 そうして何よりも調和的 全体は、細部のため、細部は全体のために しかも、まったく作為を感じさせない ○ まるで、モーツァルトの音楽のようである
-
今でこそ、そうではないが、一昔前は、日本人のことを、エコノミックアニマルだの猿真似だのと、欧米人から、さんざん罵られてきたものである。日本人は、礼儀正しいところを持っているので、新しく台頭して来た、韓国や中国を、そのように罵倒することはないが。欧米人も日本人で飽きたのか、そうした罵倒は両国には控えて... 続きをみる
-
小説は善意のウソ ○ 人間はギリギリが好きな生き物 ○ 音楽 剥き出しの芸術 今は、録音技術が発達しているから、そんなに感じないが。音楽は、そこに、演奏家が居なければ、とても成立し得ない芸術であった。これほど、時空を共にする、いわば運命共同体のような芸術は、他に、演劇があるのみである。
-
ことばの意味 こう言う人が、いたものである。「バカ」と言われるなら良いが、「あほ」と言われたら、切れると。 ちょうど、この二つのことばが反対な人も、わたしは知っているが。 ○ 言葉は、確かに普遍性が高い。だが、誰にでも同じように、その意味が的確に通じることばというものは、(特に、高次の言葉となるとそ... 続きをみる
-
歴史は、人類の巨大な恨みに似ているという言い方があるが、今日の日本人ほど、先の大戦のことを、心底から、憎んでいる国民もいないだろう。 ○ イタリアでは、ムッソリーニの孫娘が選挙に出馬するということで、ニュースになったそうである。もし、ヒトラーに子供が居たらと思うと、ぞっとする。 ○ 韓国国民は、政治... 続きをみる
-
国民皆保険の日本が、社会主義国ではないという不思議。だが、こうした政治用語は、単なる言葉に過ぎないと見て、差し支えない。何せ、北朝鮮という国は、名目上、民主主義国家に違いないから。 ○ ゴルトベルグ変奏曲 眠りのための音楽。ただ、グールドのアリアの孤独なつめたさ
-
-
仏教やキリスト教などで描かれる、天国や地獄の有様は、じつにバラエティーに富んだものであるが、コーランに描かれた、天国と地獄の図(特に、カントはその官能的な天国の在り方に、拒否反応を示しているが)は、とてもシンプルで、およそ、この二つの世界のエッセンスを尽くしているように、見えるものである。 ○ 秋は... 続きをみる
-
人間は悪夢を見たいとさえ願う、動物である。 ○ 経済学は、時代というものに強く制約される学問である。「見えざる神の手」は、時代に依って、否定されるべき言葉である。 ○ 人間は、いつの時代でも、神を必要とする。人間自身が、神でないからである。
-
マルクス 金に真理を見た男 ただ 要するに、金に拘ったのに過ぎないが。 ○ 「資本論」の中の言葉 「蒸気機関や電信の現在、神を信じないのは軽い罪。」 神への不信を、それでも、罪としたのはマルクスが西洋人であるせいだろうか。 ○ 経済学とは、要するに、ご覧の通りという学問ではなかろうか。 ○ どのよう... 続きをみる
-
甘い言葉には用心 ○ 文学者が持っているのは、言葉である。政治家が持っているのも、ことばである。 ○ 文学者は、ことばのみで完結するが、政治家は、言葉だけで、という訳にはいかない。どうしても、人間としての器量や実力が、問われる世界にいる。与党であるなら、尚更のことである。 ○ 文学であってさえも、甘... 続きをみる
-
ドストエフスキーは、読者がおよそどの位の時間で、自分の小説を読むのかを、勘定に入れ、その上で、時間感覚を自分流にねじ曲げて書くという、離れ業をやってのけている。 ○ 武士道は他の思想<これは外来種であっても良い>の、いわば急所となる本質的な部分を、取り入れながら、発展していくという極く稀な思想である... 続きをみる
-
欧米思想、また、その周辺の思想の中で、わたしがもっとも分からないと思うのは、この「裁き」の思想である。 ○ 何故また、人間は死んだ後でさえ、裁かれる必要があるのだろうか。 ○ 人間が、それほど罪深い存在だとするのは、キリスト教を中心とする、聖書を拠り所とする人々に共通する考えに、他ならない。 ○ 「... 続きをみる
-
若気の至りは、まだ可愛げがあるが、年寄りの冷や水は、単なる嫌味である。 ○ 年を取っても、その年の分だけの考え方を持っている人は少ない。「まだまだ、若いもんには、負けん。」これでは、若い者と同じレールの上に乗っているだけである。 ○ 「人間は、成熟がすべてである。」とは、シェイクスピアが劇中人物に、... 続きをみる
-
人間は、自分の得意なところで、失敗するもので、 苦手なことでは、なかなか失敗しないものである。 苦手なことには、勢い、慎重になるから。 ○ 2020東京オリンピックは、やはり、開催して良かったであろう。 少なくとも、日本にとっては。
-
人が、こよなく憎むのは、人である ○ 人が、こよなく愛するのも、人である ○ たとえ、それがものであろうと動物であろうと、それらは、ものや動物のかたちをした人間に他ならない ○ そうした、こよなく憎まれ、こよなく愛される人間というものを、われわれは追求すべきで、学問のほとんどは、それに費やされるべき... 続きをみる
-
よく、聞かれることであるが、人間は、ナチュラルなものかそれとも、反自然的なものかという問いがある。 ○ 多くの人は、反自然的なものだということに賛成するもののようであるが。だが、これは命題の立て方が、いけないのだろうと思う。 ○ 人間は、自然なものでもなく、反自然なものでもない。 ○ 人間は、荻生徂... 続きをみる
-
-
多くの古典は、生とは何かと問わない その前に、どう生きるかということに焦点を当てる ○ 多くの古典は、死とは何かと問わない 死を得るには、どうしたら良いかと問うているものである
-
世界史を見ると暗然たる気持ちになる ○ 日本史を見ると何かしら明るい気持ちにさせられる ○ なにゆえ、メシア一人をああも、輝かせる必要があるのだろうか
-
旧約聖書はあら削り ○ 新約聖書は行き過ぎ ○ コーランは中道を目指す ○ わたしの読み方 コーランは旧新聖書よりももっと、論語に似ている。 その信仰のあり方を除いては。
-
詩はことばを従え ことばは形を従え 形は自然に従い 自然はこころと出会い アートを作る ○ 今ここにいるという充実 他の何ものにも替えがたい ○ 過去は思い出すもの 現在は行動するもの 未来は希望するもの ただ 大概の人はこれらをごっちゃにしてしまう
-
野生の哲学 都市生活の直中で、顧みられる自分 ○ 裸心の人 ○ あらゆる意味で、否定される人生であろうが、尚、生きる意志を捨てない
-
世界観というもの 世界観などということは、突破しなければならないというのが、わたしの持論である。われわれは、ものに至るべきで、世界観の中に閉じ籠もっているべきではないと思っている。 ○ 日本は、じつに国技の多い国である。相撲協会が、国技は、自分のところだけという顔をしているが、これは、ただのポーズで... 続きをみる
-
独断的地域点描 関西 笑いと人情の大阪 澄ました京都 オシャレな神戸 ○ 愛知県 朴訥な三河 浮薄な尾張 地場産業の瀬戸 新興地域の豊田 ○ 首都圏 東京 ザ・シティ 埼玉 ア・タウン 神奈川 ザ・タウン 千葉 ア・シティ ○ 将棋や囲碁等に、正解などない。あるのは、最善手のみである。
-
公私ということが、あまり言われなくなった。ある百貨店王が言った言葉がある。 デパートは公共財たれ。 ○ 実業家たちは、ことばの人ではないから、残されたことばはじつに、少ない。 ある原油調達の達人が言ったことば、油人たれ。と。 ○ やはり、公共というものが、言外に含まれている。 ○ そもそも、自分など... 続きをみる
-
人は酒に酔うように、理に酔うものである。そうして、理に酔った者の始末に悪いのは、酒に酔った者より、酔っている自覚がないことである。 ○ 現在、盛んに理念なるものが叫ばれている。その叫んでいる人の顔を、よく見てみれば良い。なんと、険しい表情をして、力み返っていることか。 ○ 理の酔いから、覚める最上の... 続きをみる
-
二十世紀を一言にしてみる 国家が実験場と化した時代 ○ 短歌 5首 理念のみ先行したるオリンピックことばばかりで人居らざりき 祭典を成功せしむ実労はことばにあらず人に拠るのみ 理念をや成就せしむと思い込み浅はかなるは言葉なりけり 理念ちう金ピカ言葉追いかけて何処に向かうやオリンピック オリンピック紛... 続きをみる
-
-
時代の問い わたしとは何か ○ 悲しみという美しさ ○ 人間には何ができて、何ができないか
-
現代科学は物質的な絶対性はあると、証明したかに見える では、心的な絶対性はないと、なぜ、言い切れるのだろうか ○ 広々とした空虚 わたしはそこにどんな夢を紡ごうか
-
徒然草は明るい ○ この明るさは、兼好の人柄に拠るというようなものではないようである また、仏者の悟り済ました心境というものでもない ○ 岩波文庫版では、「あやしうこそものぐるほしけれ」<序段>の現代語訳として、「妙に馬鹿馬鹿しい気持ちになるものだ」とある わたしは、ここに貴重な無邪気さを見る者であ... 続きをみる
-
ロマンチストだと言われて怒る人 ○ リアリストだと言われて喜ぶ人 ○ どちらも言葉に過ぎないということを 知っている人 ○ 三島由紀夫はロマンチストであったか、それとも、リアリストであったか これが、空漠たる問いであることを知るのは、大事なことである
-
女性の胸の良さは、大きさではなく、その佇まいにある。 ○ 性という仄暗さ ○ かつて、わたしは、性を闇と表現していたが、今、改めて思い返すと、男女の間に見事な橋が懸かっているとき、そこから、ほのかな光が差しているのが感じ取ることができる。 ○ 性は闇とは、未成年か不倫というものについて、言うべき事柄... 続きをみる
-
人生をある観念で単純化するのは容易い。例えば、「金はすべて」「世界は共産化すべき」「世界の民主化」 そうした人々は、金に酔い。理に酔うたのである。 ○ 生活の諸問題は、金でほとんど解決する。その通りである。その代わり、人生の諸問題は、まるで手付かずのままである。 ○ 生活に困窮している人々の多くは、... 続きをみる
-
性 性を弄ぶというような、お盛んな人がいるが 逆であろう そういう人は、性に弄ばされているだけである エロスを軽んずる人の行き着く先は 人間不信である ○ 人生 人生を軽んずる人もまた 人生に弄ばされている人と言っていいのだろう ○ 人生が勝負だとすれば ゴッホは人生の勝者であろうか敗者であろうか ... 続きをみる
-
われわれが言葉をなおざりに使っているのは、普段何気なく使っている言葉を取り上げてみても、分かる 自覚、反省、平常心 これらは、その一つでも、本当の意味で身に付いたのなら、それだけでも、非常な影響を周囲に与えざるを得ないものである われわれは、如何に言葉だけの世界に生きているかの証拠でもある ○ 言葉... 続きをみる
-
においに敏感な人は、往々にして、自分の放つにおいには気が付かないものである ○ 何気ない会話の折り、言葉の針で、一度は相手を刺さないと気が済まない人 悪い性格 ○ 宗教を生理的に嫌いだという人は、多くの場合、宗教的な素質を多量に持っているものである 絶対に対する強い憧れがあるから ○ 欧米の悪しき習... 続きをみる
-
欧米 女を理解できない文化 日本 女を理解した文化 ○ 始末に悪いもの 女のおしゃべり ○ 善人の愚痴 ○ 悪女の惚気 ○ 性格の悪い善人 ○ 酔狂な禅僧
-
-
本を百冊読み給え みんなどうかしていると思うだろう 本を千冊読み給え そういう考えもあるかと思うだろう 本を一万冊読み給え 自分というものに出会うことだろう ○ 実験音楽 音楽は実験ではない ○ およそ政治家で、嘘をついて口が曲がったのは、田中角栄くらいである これは貴重なことである
-
男は想像して嘘をつく 女は隠れて嘘をつく
-
ピカソは本質を掴むのはうまいが、それを壊して表現しようとする ○ ピカソは模倣をすれば、誤る ○ これは、行き止まりの芸術である
-
民主主義とは理念ではなく、一つの政治形態として、留まるべきである。 ○ すべてが平等 この理念は言わば宗教であって、政治理念であるべきではない。 ○ 宗教がそうなり易いものであるように、絶対的な原理とすることは、避けるべきである。 ○ 日本の民主主義と欧米の民主主義とでは、雲泥の相違がある。 ○ 同... 続きをみる
-
雨の日の思い、どうしても湿りがち。 けれども、情趣はある。 ○ 男と女の心の綾 真剣になればなるほどすれ違う
-
三島由紀夫はわたしの苦手な作家の一人であるが、三島事件については、確実に言えることがひとつあると考えている。 三島事件は考えるものではなく、感じるものだと。 そうしてその異様な感覚からは、日本人であるならば、誰も逃れられぬものだと。
-
正確とは徳であろうか。 ○ 儒教思想では、正は八徳の中に数えられていない。 ○ 正確は、義や知から派生する性質と考えられると見て良い。 ○ 正は非常に大きな数を表す数詞の一つである。 ○ つまり、計算の中で活躍する言葉と見て良い。 ○ 計算は、どこまで行っても計算であって、ものそのものには決して、到... 続きをみる
-
不平家 不平家とは、周囲と折り合いの付かない人のことではなく、自分自身と折り合いの付かない人のことである。 ○ 世の中を数字として抽象する統計値に対しては、人々はあんなに従順なのに、何故、抽象絵画や抽象芸術に対しては、あんなにも不平を漏らすのだろうか。偏に科学という権威によるものだろうか。
-
人は自分の世界観に従って、世界を見るものである。では、世界とは、本当のところ、どのようなものであるか、それを知っている人間など誰もいない。 ○ 「現実を見よ」とか「現実を直視せよ」とか、よく言われることばであるが、人が見ているのは、そのほとんどが数字である。売り上げ、赤字黒字、統計値、健診結果、偏差... 続きをみる
-
女は子どもを残す 男はことばを残す ○ 中秋やいずこへ消えし知識人浅くて軽い今のインテリ
-
-
センセーショナルな感情は、俗耳に入り易く、世間に受け入れられやすい。その代わり、たちまち消え失せてしまうものである。 ○ わざとらしい感情は誰でも見抜く。 ○ 自然な感情は、その自然さにおいて力がある。 ○ 真実の感情は尊い。 ○ 美しく偉大な感情は一番見抜き難い。もっとも寡黙な感情だからである。
-
きれぎれの思いのままに年は暮れ 名前は誰だか、調べればすぐ分かるのだが、ずいぶん前に「きれぎれ」という小説を書いて、芥川賞をとった作家がおられる。わたしは根が無精だから、調べずに書いているのだが。 こう書いてきたというもの、ある文芸同人誌に属していた20年前ほどのとき、わたしは「きれぎれ草」という題... 続きをみる
-
永遠は取り付くしまのない、のっぺらぼうのようなものであってはいけない。例えば、それは肌に染み込んでくるような、海に沈む太陽でなければならない。 〇 おそらくは数学の上での最上の遊戯である将棋 〇 言葉は死なねばならない 意識の尖頂から軽やかに身を投げねばならない そうであればこそ 詩人の心は健やかで... 続きをみる
-
銅版に描かれた猫の絵 呪いをかけられたように厳かに 不可能な一歩を踏み出そうとする 〇 きよらかな秋の午後 駅前の鳩の群れは深呼吸をはじめた 〇 遠い国から手紙が来た 海の匂いがした 〇 表現 ここには一切がある しかも一切が失われている 〇 無限の可能性の中の中心点を 常に保持し続けること ハムレ... 続きをみる
-
幸福な人間は、自分が幸福である理由を深く尋ねようとはしないものだが、不幸な人間は、自分がどのように不幸であるかを良く知っているものである。その人は、そこからその人自身の独特な人生観を作り上げる。 〇 精神にとって肉体を侮蔑することほど易しいことはない。難しいのは肉体の声を正確に聴き取る繊細な耳を持つ... 続きをみる
-
金というもの 金は現代、いつどんなときであっても数字である。そうして数字は魔術と非常に親近性が高いものである。それにしても、こんなに生臭い人間臭い数字はちょっと他には見当たらない。 また、金の魔術的な性格、例えば、1ドルが360円だったり、100円だったり、1億マルクだったりすることを思い合わせてみ... 続きをみる
-
ユング<イメージの心理学> ユングの自伝を読んでいると、ユングが人生を決定するような強烈なイメージに襲われるときは、それは、襲われるという言い方に相応しいものだが。 それを自分のうちに引き受けるのに逡巡する何日間やときには何週間かがあって、そのときには、ユングは鬱に近い状態に陥るのだが、そのイメージ... 続きをみる
-
歴史があるということは われわれがまさしく生きているという、そのことに他ならない。 〇 シルクロードからもたらされた夥しい異邦の文化を、無際限に取り込んで、消化してきた日本は、その地図上の形態からも人間の胃を思わせる。世界の胃。そのたくましい消化力は、いずれ、西洋文化やイスラム文化さえ自己のものとし... 続きをみる
-
武は儒教の洗練を受けてその人格形成力を増したと言っていいが、武は侍という言葉が示す通り、君に仕えるのがその本分である。従って、その人格は表立って主張されることを嫌う。 君に仕えるという現実の仕事の意味合いに、儒教は強固な足場を提供したのだが、その中で、作り上げられた人格は少しも分かり易くはならなかっ... 続きをみる
-
美しく貴重な感情には、礼儀の衣が欠かせない。 〇 形式は、法則というよりも礼儀に近い。 〇 俳句の五七五形式、季語は礼儀そのものと言える。 〇 読書は、レコード針とレコード盤の関係に似ている。 早く読み過ぎても、遅く読み過ぎても何も分からない。 〇 自然は人間に放心を許したが、社会というものは人間を... 続きをみる
-
#
読了
-
読了「パリの空の下で、息子とぼくの3000日」
-
『アンドロイドは電気羊の夢を見るか?』フィリップ・K・ディック 感想
-
【絶望】明川哲也/なやむ前のどんぶり君 読了【挫折】
-
【テレジン】ドリアン助川/湾岸線に陽が昇る 読了【収容所】
-
『エッフェル塔の潜水夫』ピエール=アンリ・カミ 感想
-
【読書メモ】湊かなえ『落日』(ハルキ文庫)
-
本・透明な夜の香り
-
『現代日本の開化』夏目漱石 感想
-
『夜想曲集』カズオ・イシグロ 感想
-
2023年読み初め📚
-
【読書メモ】 伊坂幸太郎『アイネクライネナハトムジーク』(幻冬舎文庫)
-
『じゃじゃ馬ならし』ウィリアム・シェイクスピア 感想
-
『ロミオとジュリエット』ウィリアム・シェイクスピア 感想
-
『ヴェニスの商人』ウィリアム・シェイクスピア 感想
-
『二人の貴公子』ウィリアム・シェイクスピア 感想
-
-
#
単行本
-
【honto発売日:2022/12/20】池澤春菜 |SFのSは、ステキのS+ (12/21日発売)
-
【honto発売日:2022/12/20】劉慈欣|三体0【ゼロ】 球状閃電(12/21日発売)
-
【honto発売日:2022/12/15】12月新刊の乙女の本棚(12/16日発売)
-
【honto発売日:2022/12/08】12月新刊の青山 美智子|ユア・プレゼント(12/9日発売)
-
地方は漫画の入荷が遅い!でもアニメイトオンラインショップなら発売日当日にゲットできる!
-
【honto発売日:2022/11/29】神永 学 |心霊探偵八雲 INITIAL FILE 幽霊の定理(11/30日発売)
-
【honto発売日:2022/11/28】額賀 澪|タスキメシ−五輪−(11/29日発売)
-
【honto発売日:2022/11/25】このライトノベルがすごい! 2023(11/26日発売)
-
【honto発売日:2022/11/24】田中創|小説版 刀剣乱舞無双(11/25日発売)
-
【honto発売日:2022/11/16】清水 晴木|分岐駅まほろし(11/17日発売)
-
小説、エッセイの新刊情報2022年11月【単行本その他】
-
【honto発売日:2022/11/04】一穂 ミチ|光のとこにいてね(11/7日発売)
-
【honto発売日:2022/11/01】米澤穂信|栞と嘘の季節 (11/4日発売)
-
【honto発売日:2022/10/28】阿部暁子|金環日蝕 (10/31日発売)
-
【honto発売日:2022/10/25】実石 沙枝子|きみが忘れた世界のおわり(10/26日発売)
-