日本映画のムラゴンブログ

  • コーヒーが冷めないうちに

    コーヒーが冷めないうちに 塚原亜由子監督 ファンタジーである。 原作の小説がどうなってるのか知らないが 映画はのっけから 「その席に座ると望んだ過去に戻れる」 という設定がきちんと発表される。 言ってみればこれは 流れてきた桃から生まれた桃太郎は鬼退治に行きます と教えてくれているようなもので 悪人が出てきても印籠のおかげでうまくいく水戸黄門と同じく 話しの絶対設定からはみ出ずに いかに物語を修飾

  • 空飛ぶタイヤ

    空飛ぶタイヤ 本木克英監督 2018 池井戸潤の書く話は、一定のパターンを経て とりあえずのハッピーエンドで幕となるものが多い。 映画となった本作もその流れを堂々進むのだが 2時間ほどのにするために 登場する人間像を 「分かりやすい出来事」に絞って作ってあり 本来ならば相当に入り組んだ物語が 非常にわかりやすくなっている。 たとえば岸辺一徳のみが 善意まったくなしの完全な悪役を引き受けており 会社

  • 不能犯

    不能犯  白石晃士監督 2017年 これさ、原作が漫画なのね。 映画では 人を死に向かわせる力を持ってる主役が松坂桃李 それを追う刑事が沢尻エリカなんだけどね 調べてみると漫画の主人公を追いかける刑事は男なのだそうだわ。 なにゆえ刑事を男から女にしたのか知らないが うっとうしかったわ、腰まである長い髪を 結わえることもなく刑事でございとやってるのが。 そうそう女の髪! でてくる主だった女がみんな、

  • どうしようもない恋の唄

    どうしようもない恋の唄   西海謙一郎監督 2018年 ええと~これは「この官能文庫がすごい2010」で 大賞をもらった小説の映画化なのだそうだ。 そもそもそういう小説のイベント、審査があるなんて知らなかったのだが とにかくそういうものの大賞なのだそうだよ、 多分官能文庫系の出版数は小説の全体数から見ると 相当な数だろうと思うので そのなかの大賞となると、きっとファン層も厚いだけでなく 内容もそれ

  • クワイエットルームにようこそ

    クワイエットルームにようこそ  松尾スズキ原作・監督 2007年 松尾スズキの書く話はわりと好きだ。 そこそこ狂っているけれども中心はなかなかにシリアスで 笑わせられつつ仕舞いには考え込まされてしまう感じで。 しかし、いったい彼はどうしてこういう話を書くに至ったのだろうか、 って今回も原作を読まずに映画を見ているわけだが めでたいことに原作者が監督をしているわけなので 主題が変わろうと雰囲気が変わ

  • 彼女がその名を知らない鳥たち

    彼女がその名を知らない鳥たち  白石和彌監督 2017年 女王が何人いるのか知らないが イヤミスの女王と称されている沼田まほかる原作の映画である。 イヤミスでもなんでもいいのだが この翻訳調の題名はいったいなんなのだろう。 この題名に魅力を感じて、私は何の知識もなく本作を見てしまった。 翻訳調の妙な味わいの日本語には 不思議な引力がある。 ところで映画のエンディング近くに飛ぶ鳥たちが 主人公である

  • しゃぼん玉

    しゃぼん玉   東伸児監督  2017年 私これ、原作を読んだはずなのよ。 乃南アサが原作の「しゃぼん玉」、確か読んだのよ、 読んだはずなのに、ほぼ100パーセント覚えていなかった、 いや、映画見ながら「ふんふん、これ、よくある物語だよね~」 とか思っていたのだけれど それって原作読んだからでもあるのじゃなかろうか。 ええとね、生きる目的を持たずに ふわふわしゃぼん玉みたいに頼りなく流されて生きて

  • 勝手にふるえてろ

    勝手にふるえてろ  大九明子監督  2017年 こじらせ女子って言うのは、 30前くらいの、結婚に夢を持ちすぎて夢破れ続けて ひねくれたものの見方しか出来なくなった女かと思っていたのだけれど この映画の主人公はまだ20代なかばで こじらせるには少々早い。 少々早いけれど、こじらせ方はハンパなかった。 原作小説を読んでいるわけではないので 主人公が本当にあんな感じに描かれているのかわからないが 主人

  • セトウツミ

    セトウツミ  大森立嗣監督  2016年 原作の漫画「セトウツミ」は根強い人気を持つそうだが ジャンプ派の私はチャンピオンに縁がなく 残念ながらこの漫画を読んでいない。 なので映画化された本作が始めての「セトウツミ」となる。 そして感じた。 「これ、すきだわぁ!」 映画化されたから良かったのか 出演者が良かったのか 原作そのものが良いから良かったのか そんなことは知りようがないので、とりあえず 「

  • TOO YOUNG TO DIE! 若くして死ぬ

    TOO YOUNG TO DIE! 若くして死ぬ     宮藤官九郎監督 2016年 これの感想を書かなくちゃと思ったら 夏休みの課題図書の読書感想文を なんとかひねり出さねばならなかった子供の頃を思い出した。 もちろんこの映画は課題図書みたいに 「なにか教えたがっている」気配なんかみじんもなく 「ここから何か感じろ!」的な押し付けがましさもない。 ただ「ここは面白いだろ!」という同意を求められる

  • デンデラ

    デンデラ  天願大介監督  2011年 ちょっとばかり興味があったので 観てみたのだが、ううむ・・・・・ 原作は佐藤友哉、1980年生まれの作家さんの小説らしい。 1980年ということはこの作家さん今現在で39歳 この原作を書いた頃は今から10年前だからね その年齢の男が姥捨て山に捨てられたバア様たちの ことを書いているわけで そりゃああなた、この映画ものすごくまじめに作ってあるけれども 絶対にパ

  • 最低。

    最低。   瀬々敬久監督  2017年 AVに出る女性たちの物語。 原作もちゃんとあって、こちらをきちんと読めばたぶん この作品のテーマがよく分かるのだろうけれど 私はこの映画を見ただけでこの感想を書く。 まず、それぞれがいろいろな事情や理由から AVに出演することになる。 一人目、しっかりとした美人系人妻だけど 子供を持ちたがらない夫がいて それに対する苛立ちや、怒り、悲しみなど 複雑な思いに駆

  • 白ゆき姫殺人事件

    白ゆき姫殺人事件    中村義洋監督  2014年 原作は湊かなえで 冤罪は週刊誌上で行われたことになっているが 映画では上手にtwitterを使っていて まずはtwitterで盛り上がり、それをテレビが取り上げて 冤罪が作られていった形にしてある。 つい最近、あおり運転絡みの事件で まったく無関係な女性のことを「犯人の連れ」だと断定して 実名をさらしたり写真をあげたりしたtwitter民がいたば

  • 蚤とり侍

    蚤とり侍    鶴橋康夫監督   2018年 これ、もしもテレビで放送できるとしたら 間違いなく大幅カットされるだろう。 カットされない幸運は深夜枠か、あるいはBSか有料チャンネルか。 なにしろ長いんだわ、絡みシーンがやたらめったら長い。 でもってやたらに動き回るから つながったままと言う設定の演技が ほぼほぼ無理になっているのはご愛嬌。 あんなにゴロゴロ動き回って抜けないはずがない、 犬猫じゃな

  • 家に帰ると妻が必ず死んだふりをしています

    家に帰ると妻が必ず死んだふりをしています   李闘志男監督  2018年 ええと~ ヤフー知恵袋への質問から出発して映画にもなってしまった このお話、当のコスプレイヤーの奥様は いったいどんな気分だったろうね。 コスプレ死をして夫を迎える奥さん役が榮倉奈々、 それに一生懸命付き合う夫が安田顕 であるが、この映画 いつもニコニコかわいい榮倉奈々と 真面目な三枚目をやらせると断然光る安田顕が演じたから

  • 空気人形

    空気人形  是枝裕和監督   2009年 型番遅れの安物ラブドールが心を持ってしまうお話。 と言うので、時間つぶし気分でながら見していたのだけども 富士純子さんとか、意外にメジャーな俳優さんたちが ちょこちょこと出てきててた。 なんだ監督がメジャークラスだったのね。 映画の始まりはなかなかいい感じで ふむふむと見ていたのだけれど 中だるみあってちょっと退屈になったかな。 ファンタジーだから理屈が通

  • 花宵道中

    花宵道中  豊島圭介監督  東映 2014年 これって小説だったそうだけど、 小説のほうはちゃんとしてるんだろうね、もちろん。 遊女や吉原に関するリアルって 私、テレビや映画の時代劇で描かれたことしか知らないので 本当のところはどうだったんだろうって思う。 宮尾登美子が女衒だった自分の父親の絡みで 娼館の内幕を描いたときには これは相当リアルに近いのだろうと勝手に思っていたのだが 江戸時代の吉原と

  • 【映画 決定版!】おすすめ映画ブログ記事一覧 見た映画のレビューたくさん有♪♪

    映画鑑賞する前にぜひ僕・村内伸弘が心込めて書き上げた映画レビューブログ集をご覧ください。そして映画を観てください。 映画の楽しみ方 - 「さびしんぼう」 富田靖子 映画はすばらしい! 映画はうつくしい!! ▼見た映画 大林宣彦監督作品 青春映画「青春デンデケデケデケ」 1960年代後半の香川県観音寺市の物語 映画「私は、マリア・カラス」- 私の中から湧き出る音楽を聴いて欲しいの。 まぶしい映画「坂

  • 64( ロクヨン) 前編、後編

    64ロクヨン前編後編   横山秀夫原作 瀬々敬久監督  2014 映画の方である。 原作は確か前編の公開当時に読み終え 行方不明のままの娘のことがどうにも気にかかる なんとも言えない読後感を抱いたことを覚えている。 ええと、まず主人公役、佐藤浩市が渋い二枚目で 「お父さんにそっくりな自分の顔がいや」 と泣き叫ぶ娘という設定に無理がある。 佐藤浩市に似ていたら かなりなセクシーフェイスになっているは

  • キャタピラー

    キャタピラー   若松孝二監督  2010年 「キャタピラー」と言うと虫系ポケモンを思い出し、 そこからすぐに連想されて、ああ江戸川乱歩の「芋虫」か と気がついた。 しかしながら、本作は「キャタピラー」であって 「芋虫」ではない。 戦争で手足と声等を失い 妻に世話を受けている元日本兵という設定は「芋虫」であるが 乱歩の「性とグロと悲しみ」の外に 「戦争」と「戦争による精神破壊(戦争神経症)」 「戦

  • 妻よ薔薇のように家族はつらいよⅢ

    妻よ薔薇のように家族はつらいよⅢ   監督山田洋次 2018年 相変わらず山田洋次作品は見ていてイラっとする。 寅さんにしても、この家族はつらいよシリーズにしても 主要登場人物が非常に得手勝手な理屈をこねたり、 やたらに説教食らわせてきたりするが 実は涙もろい悪意のない 人のよい人間だというところに話は必ず落ちる。 正直に言って 「馬鹿野郎、家族はそんなに簡単じゃねぇや」 と言い捨ててやりたくなる

  • 蛇のひと

    蛇のひと      森淳一監督  wowow製作 2010年 他人様の好みと自分の趣味とが これほど違う作品も珍しいかもしれないな。 amazon での評価は5つ星中4つ星、 しかも66人の評価の平均がそれだもんね。 私は良くて星3つ。 あのさ、西島秀俊カッコいいし 永作博美相変わらずかわいいし 今旬の人田中圭も出てるけど だからと言って評価は上げられないなぁ。 何が嫌って西島秀俊の関西弁だよ、

  • 翔んで埼玉

    翔んで埼玉    武内英樹監督  魔夜峰央原作 2019年東映 いつも行く映画館は1番から9番までのスクリーンがあって もちろんその順にスクリーンが小さくなり 座席も少なくなる。 なんといってもここは埼玉なので 1番スクリーンにかかるのはドラえもんや妖怪ウォッチなどで スターウォーズでさえも良くて2番からはじまるのが常であった。 ところが今朝行ってみると、 1番シアターにかかっていたのは「翔んで埼

  • チチを撮りに

    チチを撮りに     中野量太監督  クロックワークス  2013年 全部で70分しかない映画なので 2時間ドラマといい勝負かもしれない、 誰でも見られる良心的なドラマ。 20歳の姉はキャバ嬢で 17歳の妹はしょっちゅう学校をサボって川原で昼寝をする。 その二人の母親のところに別れた夫の田舎から電話があり 入院中の元夫に会いに来てくれないかという・・・・ 浮気されて別れたがゆえに母親は娘たち二人の

  • 369のメトシエラ

    369のメトシエラ    小林克人、小林健二監督  アー、三銃士の1巻目をようやく読み終わって なにか心が潤う映画はないかと思って ミニシアター系で評価の高い作品を探してたどり着いたのが これだったのだけど、 結果、失敗した。 369と言う数字も メトシェラというノアの長寿命爺さんの名前も この映画にはほんと、飾りみたいなものだった。 見る人によっては、この作品それなりに心惹かれるのかもしれないが

  • BLEACH

    BLEACH       佐藤信介監督 2018年 少年ジャンプの愛読者だった十数年間は、 いまどきやたらに実写映画化される漫画が掲載されていた時期と なんだかほぼ一致している。 調子づいての実写化連発はなんといっても「るろうに剣心」3部作が 大当たりしたせいだろう。 ジャンプ愛読者だった私は実写化されたほとんどの映画を いつの間にか全部見ている。 「るろ剣」はもちろん劇場に行って 原作漫画を知ら

  • カメラを止めるな

    カメラを止めるな 上田慎一郎監督 ENBUゼミナール製作 去年やたらと騒がれていて、そんなに面白いのかと話題になっていたけど 自分じゃあ借りる気もなく放置していたものの 家人が借りてきたのでそれじゃあと見てみた。 しかも96分だしね。 開始三十分ちょっと、劇中劇が終了するのだが これを劇中劇と知らずに見ていて、本編だとばかり思っていたから 「なんでこんな映画が流行ったんだ」 「ちっともおもしろくな

  • 理想の妹

    寅さんの出発を見送るさくら。 「お兄ちゃん、もういっちゃうの?」 切ない空気が感じられます。