代替できない「いのち」を見つける
ぽつりぽつりと読んできて、そろそろ長編とも思うが、根性なしなのでまたエッセイ集に手を出した。その巧さ?上手さ?いや美味さは疑いようがないので、安心してページを開く。こんなふうに書けたらという憧れのままに読み進め、やはり、もととなる体験の質量や心構えに恐れ入るという、予想通りの結果となった。 『キャラ... 続きをみる
ぽつりぽつりと読んできて、そろそろ長編とも思うが、根性なしなのでまたエッセイ集に手を出した。その巧さ?上手さ?いや美味さは疑いようがないので、安心してページを開く。こんなふうに書けたらという憧れのままに読み進め、やはり、もととなる体験の質量や心構えに恐れ入るという、予想通りの結果となった。 『キャラ... 続きをみる
去年まで、いわゆる「休肝日」とは少し距離を置いていた(微妙な言い回しだ)。つまり週●回とか曜日を決めてといった定期的な形はなかった。前日に飲み過ぎた時など止めるぐらいだったので、年間350日程度は飲んでいたか。ただ、一昨年、諸事情により数週間控えた時もあったが、さほど苦痛ではなくなっていた。 昨年秋... 続きをみる
6月9日(火) 地元と隣市図書館が不便な状況に陥ったので、もう一つ別の市へ足を伸ばして図書カードを作った。自動貸出機が導入されていて、非対面式は便利だが人と交わる場が減るのはやや複雑な気もする。しかし初めての棚では、新たな絵本との出逢いもあり嬉しかった。すぐ傍の道の駅ではさくらんぼ出荷で賑わっていた... 続きをみる
木曜日、午後から所属する団体の県総会があったので、朝から秋田市へ出かけた。午前中に以前から観たいと思っていたtupera tuperaの絵本原画展を観覧するためだ。読み聞かせではあまり使わないが、絵本自体はよく手に取り、発想が面白く、一昨年アイデアノート的な著書も買って読んだ。大晦日にメモしてあった... 続きをみる
こども園は4つの園が月の上旬下旬と計画化されているものだから、正直なところ選書も手あたり次第で「面白い」を基準にすると、それほど悩むことはない。ところが、先月から始まった学校での読み聞かせは、学年のバラエティが富んでいることもあるし、定期的ということもないので準備期間が空くとかえって困る。 前年度に... 続きをみる
まったく濫読、つまり手当たり次第だな。買い置きの中古本は溜まる一方。メモしたのは、絵本を借りるついでに図書館新刊棚からひょいと手に取った本。 『そういうことなんだ』(五味太郎 小学館) 1997年に刊行されたエッセイ集の新装版。「○○ということ」と題したごく短い文章が52項目ある。見方によっては「勝... 続きをみる
60歳で学校を退職するまで外国旅行する機会はなかった。だから、辞めたら動けるうちにどこかへと考えていた。足慣らし(笑)の意味で、最初の年(2016)にまずは台湾に出かけた。そして翌年、今度は少し遠くへと思った時に「目的は何?」と当たり前に思った。これぞという趣味もない夫婦の頭に浮かんだの、ビール。 ... 続きをみる
先月から今月初めまで、こども園読み聞かせでこの絵本を取り上げた。印象深い一冊だ。 「まよなかのかいじゅう」(阿部 結 徳間書店) 実は当初、「こわい本、読んで~」のリクエストに応え、「どっちがいい」と取り出したのは『ばけバケツ』(軽部武宏・小峰書店)とこの本だった。訪問した2園ではどちらも前者が選ば... 続きをみる
スーパードライが発売されたのが1987年。その後ビール市場を席巻したと言っていいだろう。業界シェア一位だったキリンが王座を分け渡したことも覚えている。いわゆるキレを売り物にしていただけに、三十代初めの自分には最初は合ったのだと思う。各社も「ドライ」の名を冠したビールを盛んに出し始めた。 その数年前か... 続きをみる
「酷評」が話題になっている映画「箱の中の羊」を観た。「月に一度はスクリーンで映画鑑賞」をボケ防止の一環として考えている身としては、脳への刺激を求めて足を運んだわけだが、うーん、難しかったなあ。今まで是枝監督が描いてきた「家族」を扱った作品の中では、解釈しにくい。くっきり入ってこないのだ。 「遠くない... 続きをみる
何の違和感もなく「とりあえずビール」は頭にある。若い世代に通用しなくなってから久しいので、世間的にはもう死語なのか。親しい間柄の酒席や宴会の場での最初の一杯を指すが、広くとらえると飲酒習慣そのものを表すと言ってよくないか。学生時代はまだビールは苦く感じ、好んで手を伸ばそうとはしなかった。 帰郷し教職... 続きをみる
この世に一種類の酒しか残らないと言われたら…ビールだろうなあ。以前は日本酒も好きだったが、結局毎日のように口にするのは、新ジャンルも含め泡系となる。一年中美味いがやはりこれからの季節に相応しい。ビールが傍にあった暮らしは結構長いし、書き散らそうかとふと思い立つ。まずは昨夜のテーブルから… あれは去年... 続きをみる
昨日の朝、PCソフトや関連グッズを買っている馴染みのサイトで、2000円分購入したら2000円のポイントバックがあるセールの案内が届き、心が動いた。目をつけてあるソフトがあったが、これだけでは金額が足りずもう一品安いものでも…と探したら、あっという間に一時間ほどが過ぎ、慌てて予定した用事に向かう。 ... 続きをみる
巨人の阿部監督逮捕の一報を知ったのは、火曜朝だった。そこでちらっと見た「児相から警察へ」という語から連想したのは「児相だから、これが初めてじゃないかも…」。ところがすぐに報道で、被害者の娘が「生成AIに訊いて」となり「えーーっ」と…。そんな流れなのか。しかし何故逮捕なの…ともやもやする。 たくさんの... 続きをみる
最近の読了本をメモしておく。いかにも読んでいるふうだが、実際は古本をつい買ってみたり、図書館の新刊に目が向いたりして、未読本ばかり溜まり続けている。このままではいかんと、今月中に本棚整理だけはしようと決めた。 『青青といく』(永井紗耶子 角川書店) 『木挽町のあだ討ち』が面白かったし、同じ江戸モノだ... 続きをみる
先週、今週と5年生への読みきかせが計画されたので、かねてから紹介したいと考えていた一冊が思い浮かんだ。社会科で日本の産業を学習する学年であり、なかでも農業、稲作そして米と連想が働く。田植えや稲刈り作業などを体験する学校もあるだろう。短いけれど、独独の画風と力強い言葉は、きっと印象に残る。 『た』(田... 続きをみる
大相撲も「興行」なのだから、やはり今場所は初っ端からマズいだろっという思いがあった。何しろ「役者」が揃ってない。休場力士のいない場所は少なくないが、今回は、一人出てきた横綱が初日で早くも消え、大関も結局二人が休場、さらには人気力士が続々と姿を消す…これでは、観ている者として不満一杯だ。 残った力士の... 続きをみる
5月20日(水) 今日は亡父の命日で、お昼に実家に立ち寄ってから、年度初の小学校読み聞かせに向かう。一年生から三年生までは全員がこども園からの顔馴染。「懐かしい声だ」の一言がとても嬉しい。いいスタートをきれた。帰宅して三時過ぎから孫男児二人が揃う。段ボール箱を使っての制作活動を横目に、混戦の大相撲中... 続きをみる
『どこ吹く風』(佐藤正午 岩波書店) 図書館の新刊棚にあったので、またいつもの調子だろうなと思いつつも手にとった。寝床で読み出したらやはり案の定で、独特の冗長感があふれ出る文章が続く。ああと感じるのだがそのうちに身体が、いや脳が慣れるというのか、だらだらと読み進んでいるのだ。自分と同齢の作家のエッセ... 続きをみる
年度最初の小学校読み聞かせは、一年生から三年生までが相手となった。選書のバランスに配慮が必要になる。まずキューライス作『あばれネコ』、次は新一年生向けの『てんてんきょうだい』(山田慶太・田口麻由)とした。これらはどの学年でも楽しめる。最後の一冊として取り上げたのが、この『だれのせい?』である。 ダビ... 続きをみる
5月16日(土) 今年の5月は本当にいい天気が続く。そして日中の気温も徐々に上がっている。暦では6月に使うはずだが、初夏と呼んでもいい陽気だ。明日は、わらび座へ行くと決めチケット予約した。今週初めから続いた読み聞かせは一段落。しかし次週に備え、昨日借りてきた絵本をもとに下読み、PPT作成の作業をした... 続きをみる
『老後がめんどくさい』(勢古浩爾 草思社) 「定年後~」「老人~」等の本を発刊している著者が、こんなタイトルで書くのはどこか滑稽な気もするが、その混沌さを含め概ね共感する。ベストセラーとして売れている「和田秀樹本」の批評?批判?と言えそうな一冊。雰囲気として「うっせえわ」( Ado)の老人版とも思え... 続きをみる
土曜夕方、ネットニュースサイトを開いてみたら、こんな記事があり目を留めた。 天気はそんなに悪くないようだし、本当に観ることができるかもしれないと、夕食後、7時19分になったときに二階へ上がり、窓を開ける。南東方面は低い位置に雲が残っているが徐々に暗くなり、星は一つ二つ確認できるようになった。 もう3... 続きをみる
三年前の夏、本当に久しぶりに時代小説を読んでああ面白かったと思ったのは『木挽町のあだ討ち』だった。やはり直木賞、山本周五郎賞のW受賞作にハズレはない。いつか映像化されるかと思っていたら、案の定今春に封切られた。ただ秋田市の映画館まではと二の足を踏んでいたら、連休後に大曲で公開された。 その初日初回、... 続きをみる
齢を増すにつれて寒さがつのる…小学生男児の孫たちの半袖姿を見ていると、ほんとに眩しく感じる。下着の類はもちろんだし、寝具であってもほとんど一月二月と変わらないものを使っていて(日によって調整はしているが)、一体いつになったら春物、夏物で過ごせるのだろうと、ここ一ヶ月で何度か頭を巡らした。 朝の気温は... 続きをみる
今期もNHK朝ドラも何とはなしに観ている。古くから病人(疫病に関わるのだろう)の世話は、下層に虐げられた者たちへ圧しつけられてきた歴史を今さらながら想い、頷いてしまった。看護婦養成学校で出てきた「observe」の訳語としての「観察」に唸る。頻繫に使用する語だからこそ、垢塗れにしてはいけない。 「観... 続きをみる
『父ではありませんが 第三者として考える』(武田砂鉄 集英社) 著者の本は書棚に多く並んでいる。対象は政治から日常事まで何気なく過ごす景色に埋め込まれた風潮や思想を明快に分析してみせるライターだ。この著で取り上げられたのは、この国の家族観、親子観?と言っていいかもしれない。正直、自分の保守的な考えが... 続きをみる
4月1日の日記を見返したら、喉の痛みで通院したら診察を断られたことが記されていた。そんな年度初めの月は、例年より早い開花もありやや落ち着かない気分だった。それでも4つのこども園読み聞かせは無事にスタート。新しい子たちは小さく幼く見えて戸惑うほどだったが、それでも楽しそうに聴いてくれた。 なかでも『は... 続きをみる
写真集『雪国はなったらし風土記』(無明舎出版刊) 隣市図書館の移転に伴うリサイクル資料として置かれてあった一冊を持ち帰って読んだ。以前にも見たことがあるような…。昭和20年代後半から30年代初期が主な撮影時期である。バラエティに富んでいる構成とは言えないが、そこから立ち昇るのは土と汗の臭い、邪気のな... 続きをみる
『橋の上で』(湯本香樹実・文 酒井駒子・絵 河出書房新社) 専門サイトには「日本絵本賞受賞作品」「大人も楽しめる絵本」と案内されている。絵本賞は納得できるにしても、「大人も~」という表現に思わず引っかかる。「子ども」の多くが楽しめるかと言えば、文章が紡ぐ心の機微や場面の象徴性など難しい気がする。もち... 続きをみる
金曜日は今月最後の読み聞かせで、山間部にあるこども園へ。 桜が見頃な場所があるはずだと期待を持って車を走らせた。 峠のてっぺんからは、真っ白な鳥海山がこの時期ならではの色白な顔を見せる。 やはり例年より早く「山笑ふ」の時節が近づき、山桜はほのかに存在を示している。 高瀬川添いの枝垂れ桜は、やや過ぎた... 続きをみる
『飛び立つ季節 旅のつばくろ』(沢木耕太郎 新潮社) ここに収められているエッセイは、単発で旅関係の冊子で目にしている。特に「秋田」への旅の記述が印象的で憶えている。言うまでもなく稀代のライター。文体そのもの魅力に強く惹かれるが、何より徹底した取材を重ねた経験による緻密な洞察力が下地にある。「旅」を... 続きをみる
三月上旬に読み出したこの長編小説、最終第三部を読了した。一部が約17年間、二部は約7年、そして三部はほぼ40年間なので、どうしてもダイジェスト的に感じるのはやむを得ないか。しかし、昭和後半は自分も生きた期間であり、程度は異なるとはいえ同時代感も持ちつつ、改めて出来事の意味を考えさせられた。 「普天を... 続きをみる
先週木曜放送のケンミンショーで取り上げられた秋田弁は、実に正確な紹介、説明をしていた。時々、登場するこのコーナーでは、つい一言申したくなっていたが、今回は実に良かった。取り上げられた語は「きゃどぽんぽんじぃ」。横手を中心としたピンポイント使用とされ、番組サイトでは以下のようにまとめられている。 過去... 続きをみる
土曜日朝、買い物へ向かう道すがら、校区の小学校前を通る。ここもグラウンドに沿って桜が植えられている。 五十数年前の植樹だと言い切れるのは、当時にそこに通っていたからである。 少し散り始めていたが、いい色をして咲き揃っていた。 スポ少の野球練習が始まったらしく、快活な声が響く。 桜には、躍動的な子ども... 続きをみる
愛車のタイヤ交換は、先月末に車検があったし体調も悪かったので、知り合いの整備工場に任せた。しかし家人が乗る軽乗用車の方は自分でやろうと決めていた。ここ数年書いているように、一つの体力バロメーターと捉えているからだ。ただ花粉飛散が酷いので、手をつけられずにいた。木曜夕刻やっと腰を上げる。 予報では夕方... 続きをみる
隣市では、消防署のある通りで桜吹雪が舞っていた。 所用を澄ませ、お昼までの時間が少しあったので、帰宅前に30分ほど毎年ポイントとしているアルカディア公園へ寄ってみた。 今日は、雲の具合がいい。 花びらの数は昨日と同様少し物足りなく感じたが、桜を撮るには「天候」「空具合」が非常に大きな要素だ。 隣接す... 続きをみる
かつての勤務地である三輪、特にグラウンドの桜は町の中では屈指と言っていい。 こども園の読み聞かせを終えて、足を運んだ。 しかし、今年は…やはり…少し花芽が少ない気がして、こんもり具合が今ひとつのような気がする。 それでも、ぐっと近寄っての一枚。青空に映えていた。 公認(今はどうなっているのか)の陸上... 続きをみる
「桜日記」…こんなタイトルでアップし始めたのは2022年からである。 年によってばらつきはあるが、主として4月半ばから下旬までの期間。5月まで続けた年もある。 五年間、初日だけピックアップしてみる。 こう見ていくと、今年が取り立てて早い開花ではないことがわかる。 去年はちょっと範囲を広げたが、私の記... 続きをみる
先日の友人たちとの会食時、ふと高校時代にコピーした井上陽水の歌を思い出した。「人生が二度あれば」…出だしを口ずさみ思わず驚愕(笑)する。♪父は今年2月で65、顔の皺はふえて…♪ 確かに半世紀前の曲だけれど、題名にある願いは「子が親を観て感じること」だろう。それはやり直し不可の宣告と同様だ。 今年の歯... 続きをみる
今週からのこども園読み聞かせは、4冊のラインナップを考えた。最初と最後は、いわゆるツカミとシメで短めの楽しい絵本を入れる。メインになる2つとして選んだのはまず紙芝居。「名作おとぎばなし」を取り上げる。今だと、こういう機会でないと、話に触れるのは少ないはずだ。自分でも忘れている場面があった。 「はなさ... 続きをみる
来週・再来週と子ども園での読み聞かせが続くので、選書に悩む一週間となった。今年は桜の早い開花となって、来週は見頃を迎えるだろう。めったにその時期と一致することはないし(小学校はいずれも五月開始なので無理だし)、今回はぜひ取り上げてみるべきだと決めて、題名などをヒントにいくつか借りてきた。 『さくらの... 続きをみる
『終わった人』(内館牧子 講談社) 「終わった人」という名づけは秀逸だなあと、今さらながらに思う。約10年前に発刊されたこの小説は、題名のインパクトで何かわかった気になっていたのだが未読だった。今回、朗読劇としての秋田公演を知り図書館から借りて読んだ。設定は身がつまされる(笑)し、作者ならではの軽快... 続きをみる
友がみなわれよりえらく見ゆる日よ花を買ひ来て妻としたしむ (石川啄木「一握の砂」より) 「友がみな我よりえらく見える日は」(上原 隆 幻冬舎) 書名に惹かれて手を伸ばし、それが小説なのかノンフィクションなのかあまり考えず読み出したら、少し引き込まれるような感覚があった。冒頭の「友よ」は事故で失明した... 続きをみる
様々な見解、批判はあったが、ごく平凡な高齢者の一人としてNetflixのキャンペーンに乗り登録したのが3月2日。もちろん、お目当てはWBC中継であった。結果は残念ながら、あれがJapanの限界であったことも確かだろう。メンタルよりフィジカルで決した勝負と思われたし、今後どう進むかも見どころだ。 と、... 続きをみる
平和とは、バラ色の世界ではなく、忍耐や妥協といった不愉快な努力を続けていく世界なのだ。 週刊文春の「文春図書館推薦」という短いコーナーに記されていた一文。未読だが、丹羽宇一郎氏の話題本『Z世代は戦後初めて銃をとる世代になるかもしれない』がされていた。おそらく引用ではないだろうが、丹羽氏の精神に近いか... 続きをみる
『普天を我が手に』第二部 (奥田英朗 講談社) 第二部の主人公たちは第一部で中心となった者の息子、娘である。この四人は1926年末つまりわずか一週間しかなかった昭和元年生まれという共通項を持つ。多感な時期となった15歳からの、それぞれの7年間を描く。それは昭和17年から敗戦を挟んで23年までであり、... 続きをみる
今日で2025年度のこども園訪問が終了した。図書館勤務時から始めて4年継続したことになる。今年度は4つの園、月一回の計画、計48回を全てやり切ることが出来た。完走した気分である。感染症警戒で二度ほど計画変更もありながら、融通をつけて延期できる。その点が学校と違い、準備する者としては有難い。 毎月のラ... 続きをみる
先月中旬の地元紙「首都圏発」に載っていた名前には見覚えがあった。もう十数年も経つのに、当時六年生だった彼女の横顔は不思議なほどくっきり浮かび上がってきた。 記事には、学生時代の仲間と共に劇団をつくり、旗揚げ公演に臨む一人の女性が紹介されていた。 「あっ、あの子だ」と確信めいた気持ちを抱いた訳は、朧気... 続きをみる
振り返ってみれば首都圏へ向かうのは2018年以来だった。関西や名古屋周辺はコロナ禍後に旅行したが、東京にはご無沙汰していた。情報として街並の進化や外国人旅行者等の多さについて認識はしていても、実際に目にすると、やはり驚き考えさせられることは多い。それはこの国の一種の歪さとでも言おうか。 いや、それは... 続きをみる
先週土曜日、ある絵本朗読イベントを観に行った。グループ内研修はあるが、それ以外に、他の方々が読み、語る姿を見ることがあまりないので、こうした機会は大事にしたい。新聞掲載されたように、地域活性化という観点でこうした文化振興は貴重だ。企画実行に大いに敬意を表しつつ、自らの気づきをメモする。 初めに主催者... 続きをみる
『普天を我が手に』第一部(奥田英朗 講談社) 広辞苑によると普天とは「天があまねく地上をおおうかぎりの所。天下」とある。同義反復の語として「普天率土(ふてんそっと)」がある。率土とは「地の続く限り。国のはて」である。大正15年年末を起点としたこの長編物語の第一部(約600ページ)を読了した。昭和16... 続きをみる
こども園読み聞かせは一つは終了したが、残り3園が下旬なので、今は充電期間として気になっている絵本などを読んでいる。評判の高い2冊を読んだ。 『ふたつの島』(イエルク・シュタイナー文 イエルク・ミュラー絵 大島かおり 訳 ほるぷ出版 ) 海に浮かぶ大きな島と小さな島。隣り合うふたつの島に暮らす人たちは... 続きをみる
野球中継を最後まで観ることがめっきり少なくなった。プロ野球ではほとんどなく、高校野球も地元が出場しなければ、試合そのものもあまり観ない。しかし今回のWBCは、せっかくNetflixも入ったし4試合全部を見届けた。下馬評通りの部分が多かったが、ずいぶんと「勝ち方」に差があったと単純に思った。 球場(の... 続きをみる
何か書こうと決めている日の一つである3月11日。平凡な日常を綴っておくのもいいだろうが…と思いつつ、前年までのブログを眺めてみた。今から10年前、つまり退職間近の2016年3月12日にアップした駄文が目に留まった。 10回目の卒業式式辞の文章を、結構長くだらだらしているが「読んでみたら、案外いい」と... 続きをみる
ここ数年で最もハマったコミックは『BLUE GIANT』(石塚真一 小学館)で、その経緯は4年前にここで書いていた。 スピンオフ的な小説があると知ってはいたが、手は伸ばさずにいた。ところがなんの拍子か(最近、中古本買いのペースが上がってきて、そのはずみなのか)、注文してしまった。届いてしばらく書棚に... 続きをみる
父親が40歳で亡くなっているので、10歳ごとの節目はなんとなく「ああ親父より●十年も生きたんだなあ」と思ってしまう。今年で30年となった。また教員退職から10年経ったというやや感慨めいた気持ちもわく。全くの部外者とも言えないのだが、最近とみに頭に浮かぶことは、『学校という病』という語だ(笑)。 その... 続きをみる
『老子と少年』(南 直哉 新潮文庫) わずか120ページほどの文庫本だが、実に深いと感じさせられた一冊。書名通りに「老師」と「少年」の対話によって進んでいく。それは「問い」と「答え」という形に見えても、実は限りなく問いが繰り返されただけと言ってもいいかもしれない。例えば、次のように語った第二夜の老師... 続きをみる
先月、繰り返し読んだ『ゆきのしたのなまえ』の中に、印象的なというかそれが主題にもつながると思う一節がある。 こころにとってかけがえのないものに、いつもなまえがあるとはかぎらないのさ。 そう語る祖父は、実は大切な「名前」を知っていて、それを「そっとひみつにしておくのさ」という形で物語は締めくくられる。... 続きをみる
2月、少し大袈裟だがジェットコースターのようだった。大きなイベントやアクシデントがあったわけではない。ただ振り返ってみると、選挙や冬季五輪の社会的な出来事に考えさせられたし、計画し待っていた事が出来なくなり落胆もした。しかしいい絵本との出会いという嬉しさもあった。そして後半、体調を崩し… 読み聞かせ... 続きをみる
「いつかたこぶねになる日」(小津夜景 新潮文庫) 著者は北海道生まれで、現在南フランスのニースに住んでいる俳人。句集による受賞歴もあり、また漢詩を独特の感性で「翻訳」したことで注目されているらしい。誰かは失念したが、ある作家の書いた文章にその個性的な名前が挙げられていたので気になった。検索してみたら... 続きをみる
『定年後の日本人は世界一の楽園を生きる』(佐藤 優 飛鳥新社) 話題の新書を読んでみた。定年退職をして10年間近の自分が手にする訳は現在の状態への不満だろうか、と心をよぎる。そんなことを切実に考えているわけではなく、まずは書名の面白さに惹かれた。「世界一の楽園」という箇所だ。確かに著者の語る通り、医... 続きをみる
娘が仕事があるとのことで朝から孫が来ている日曜日。自室で何かやっているといつも邪魔されるので、ここは居間でマラソン中継でも観るかとTVをつけた。大阪マラソン、注目度の高い若手も出るようだ。スタートの瞬間は見逃したが、序盤でやたらと目立つランナーがいる。体中に磁気テープを貼り付けた彼だ。 実業団駅伝も... 続きをみる
『高橋源一郎の飛ぶ教室 ~はじまりのことば』(岩波新書 2022) 2022/12/11「世界がひとつになりませんように」と題されてミュージシャンの峯田和伸の言葉が紹介されている。「ネットってさ、最初のころはすごい楽しみで(略)ワクワクしたんだけど、今はそんなにワクワクしない。広がると思ったのに、ど... 続きをみる
ヨシタケシンスケの対談集、翻訳家の岸本佐知子の回で挙がっていた絵本『エリック』に興味を持った。中古書だと比較的安価だったので注文してみた。届いたらこれがまあ、なんと小っちゃなサイズで120mm×150mmという文庫版よりも少し大きいぐらいだ。しかしこのストーリーにはぴったりフィットする。 この物語は... 続きをみる
先週土曜日にNHKEテレで放送されたETV特集『過疎のトンネルの先には』を見た。山梨県にある日本で一番人口が少ない早川町を取り上げていた。約790人という数に驚き自分の処はまだまだと思いつつ、この町の抱える問題は、全国にある数多の過疎地域を悩ます持病であることは間違いないと感じた。 番組案内にある「... 続きをみる
暦に「旧正月」と記されている。毎年の感覚としてこの頃から「降った雪は消える」だけとなり、屋根の雪下ろしの心配はなくなる。あと一、二回の荒天はあろうが、春は近しだ。それにしても感染症は相変わらずで、昨日も訪問予定の学校から中止連絡が入り、さらに明後日予定の学校も休校という知らせがあった。 これほど感染... 続きをみる
2月2週目はのんびり過ごした。雪の状態もかなり落ち着いてきている。前週に少し排雪して良かった。好天気が続くと怖いのが花粉であり、対策を始めなければならない。火曜日の病院診察時にお願いして薬を処方してもらった。これから2カ月ばかり服用せねばなるまい。予報で飛散量は昨年の6倍だと聞いた。 時差がありライ... 続きをみる
『物語のあるところ』(吉田篤弘 ちくまプリマー新書) 未熟なまま老いた頭脳に優しいので、この新書は時折手にする。400号全ての装丁デザインを手掛けている吉田篤弘が、記念?として「物語論」「小説論」を記したのがこの著とされている。といっても堅苦しくなく、私にとっては馴染みの「月舟町界隈」の方々が登場し... 続きをみる
『もりあがれ!タイダーン』(ヨシタケシンスケ 白泉社) 書名や表紙絵、章ごとの振り返りなどある程度予想される構成もあった。しかし、表紙見開きにあるオープニングやエンディングの歌詞(曲は本当にあるのか!?)の掲載、そこにある独特の自己開示など、ヨシタケではならのテイストがぷんぷんする。対談相手もバラエ... 続きをみる
小学校2年生の孫の音読カードに、『スーホの白い馬』が登場した。このとても有名な物語はずいぶんと長く教科書に載っている。自分が担任として2年生を受け持っていた頃にも当然あったが、通信などでの記録は残っていない。読書教材的な扱いだったか。しかし唯一、鮮明な記憶として忘れられない思い出がある。 それは、校... 続きをみる
昨夜から報道されている選挙結果を確かめて、心沈みがちな推定○千万人の皆様。 いろいろな思考回復術、気分転換はあろうと思いますが、ここは「歌」でどうでしょうか。 カラオケに行き発散するには雪で道路状況も悪く、お手軽にyoutubeで…と、思い浮かんだ曲を三つばかり紹介します。 我が窮状 沢田研二『我が... 続きをみる
朝の目覚めに読んだのはヨシタケシンスケの『タイダーン』という対談本。今日の新聞には「こどもの本 総選挙」という記事が載っていて、上位が鈴木のりたけ、ヨシタケ、柴田ケイコというラインナップだった。この人気作家らの鼎談が、これまた朝7時からTV放送されていた。なんとなく長閑な日曜日の朝だ。 さて、ちょう... 続きをみる
新潮社の『波』を購読していた頃に、ちょうど同名連載ページがあり、毎月目を通していた。歌や句は覚えていないが、「お題」を出す方が多彩でまたそれぞれにユニークな語を提示していたことは印象深い。歌人、俳人として当代きっての二人が作品をつくり、エッセイも添えていて、なかなか洒落た内容だった。 『短歌
火曜日に読み聞かせを予定していたこども園から、前日に電話連絡をいただいた。「あれっ、インフルエンザかな」と頭をよぎる。しかしそうではなく…「豆まきをするのですが、鬼に泣く子が多く出そうで、その後では…」との延期依頼だ。そんな状況でこそ挑戦(笑)してみたかったが、無理強いをせず変更した。 今回は節分・... 続きをみる
『じゃないほうの歌い方』(佐々木愛 文藝春秋) 書名は、いわば一つの「顔」だ。特徴を感じるのは「じゃないほう」という語であり、自分にない感性があるのだろう。カラオケ店が舞台として出てくる短編集であることは書評で知っていた。連作とは言えないが、結びつく設定も入っている。昨年秋に読んだ二作と同様に、共感... 続きをみる
何を思い浮かべたかと言えば「♪折れたタバコの吸い殻でぇ、貴方の嘘が~♪」という昭和の流行歌だったりするものだから、つくづくそうした世間、つまり表面的な言葉遣いに留まっている社会に染まってきた人生だ。「世の中には嘘が満ちあふれている」と簡単に言ってしまうが、では「嘘」とは何だと考えもしない。 広辞苑に... 続きをみる
来月前半のこども園での読み聞かせが、ちょうど節分と立春にあたる3日と4日なので、これはちょうど良いと思い、豆まきの絵本や紙芝居を借りてきた。検索をして手頃な5冊を選んだのだが、正直あまりピンとくる本がない。園ではきっと豆まきもするだろうし、あまりに変化球(笑)を見せるのもはしたない。 学校に勤めてい... 続きをみる
年が改まり一月もあと三日。なんだか慌ただしい心持ちになっている。これはやはり、選挙のせいかなと思う。唐突な議会解散や時季的なことと共に、自分の来し方とこの国の政治情勢がなんだか重なって見えてきて落ち着かないのかもしれない。私はいわゆる「55年体制」といわれる昭和30年の、翌年3月に生まれた。 自民党... 続きをみる
この季節に読みたい、語りたいのは、ありきたりながら「冬」「雪」がテーマや背景の話である。今までもいくつか取り上げてきたが、まだアレはやっていなかったなと頭に浮かんだのが「雪女」。検索してみると結構ある。今回図書館から借りてきて読んでみたのが、次の三つだ。どれを選ぼうか、ふさわしいのか。 「ゆきおんな... 続きをみる
愛読誌『ちゃぶ台』の4号(2018)を開いて平川克美氏の文章を読んでいたら、「人類の時間」と「貨幣経済の時間」という表現があった。二つのスパンの差は明確である。個人の人生つまり「生物体としての時間」の軸を、どちらに置くのかと問いかけていた。ぼんやり考える頭に、先日観たあるテレビ番組が甦ってきた。 「... 続きをみる
1月17日(土) 今週は月曜の「郷土かるた大会」に協力しただけで、外の用事がなくじっくりと大相撲中継を観ることが出来た。安泰だった序盤に予想したように、やはり波乱の初場所になることが見えてきた。さて痛感したのは、自分がいかに「てぇぼけ」(不器用)かということ。下の孫にせがまれ折紙のカエル作りで四苦八... 続きをみる
眠りにつく前はコミック読みがほとんどで、繰り返し手持ちを読んでいる。町の図書館には、自分で寄贈した漫画もあるのだが、結構冊数が揃っているので、先日、棚を覗いて下の三冊を借りてきた。雑誌や週刊誌連載で目にしたり、印象深い絵本を描いたりする作家で、作風は知っているしストレスなく読めると思った。 『僕の姉... 続きをみる
『新・戦争のつくりかた』(マガジンハウス) 書名の「新」が肝であり、10年前に発刊された「戦争のつくりかた」で語られていたことが、次々にこの国で起こった(制度化された)と確認できる。ある程度関心を持って見つめてきたことが、資料として示されていた。「戦争」とは何を示すかと自問すれば、この著で言葉として... 続きをみる
正月の読み聞かせは、先週2つの園からスタートをきった。準備したラインナップで行った。『たまごから生まれたウマ』という創作昔話も神妙に聴いてくれた。 来週から残り2つの園を訪問するが、もう一つ「午年」をアピールしたい気持ちがわいてきた。借りてきた絵本を見直してみる。手元にあるのは次の5冊である。 『く... 続きをみる
どんな意義付け、理由付けをしても、「政局」という自分たちの都合で選挙を行うことに変わりない。まして2月?雪国のことなんか考えてもいない。雪祭りを予定している地域も多いはずだ。天候の関係で外出をおっくうがる人もいるから投票率は下がるか…とすれば有利なのは…そういう読みもあるのだろうな… 選挙は欠かさず... 続きをみる
大相撲初場所が始まった。二日目現在、横綱・大関が安泰のスタートを切っている。場所の予想は非常に難しいが、このまま上位だけでは決まらない気がする。実力と調子の波がぶつかり重なり、せめぎ合うような場面がくるのが毎度のことだし、それを期待している。一年始まりの場所が今年を占うことも確かだろう。 『大相撲 ... 続きをみる
地元紙に載っていた写真家小松由佳さんのエッセイが目に留まった。この一コマは学校教育いやこの国の社会が抱える問題点として象徴的ではないかと考えさせられた。校内持久走大会に意気込んで参加したお子さんが、レース途中に転倒し職員に抱えられ戻った。その子が涙の後に語ったショックだった訳は… 「追い抜かれたこと... 続きをみる
数日前から天気予報は週明けの大雪警戒を告げている。今朝は天気もよいし、この後の予定も考えると、車庫に積もった雪は少し降ろしておいた方がいいかなと思った。着替えをし腰にサポーターを巻く。長靴を持ち、金属ショベル、雪かき用スコップ、小さめのスノーダンプを揃えて、2階の窓から屋根へ向かう。 思えば、去冬は... 続きをみる
「小田嶋隆のコラムの切り口」(ミシマ社) 現在読みかけ中が数冊あるが、今年の読了はこれが最初となった。数年前から何冊か手にしたが、引き込まれる視点、構成に感心させられる。「天才コラムニスト」の名にふさわしく、本当に巧い!強い!笑える!気づかされることも多い。第一章「枠組みの勝利」の扉のことばでもう、... 続きをみる
【等閑視】 目にした記憶はあるが、どんな意味だったか使い方をするのか、ぱっと浮かんでこなかった。「いい加減に扱うこと。おろそかにすること」と広辞苑には記されている。そうかあ。いくら本やネット記事などで文章にふれても、等閑視していれば身に付かないのは道理である。見事に指摘された気はする。では、何を…。... 続きをみる
年末に届いた『ちゃぶ台』14号(ミシマ社)を少しずつ読んでいる。再び、年一回という刊行に戻った本号特集テーマは「お金、闇夜で元気にまわる」というものだ。この文言を読めば、まず「闇夜」って何だろうと思う。その点について、表紙裏に編集長の三島氏による、次のような説明が記されている。 闇夜は「ちいさな経済... 続きをみる
来週火曜からさっそく読み聞かせが始まるので、声は出しておかなければ…と手にしたのは初読みにしようと年末から決めていた一冊である。 ある意味ドラマチックな展開である。子どもたちはどんな受け止め方をするのだろう。金→銀→石→鳥?(飛んでいってしまう)という流れが、民話として根付くにはもちろん教訓がある。... 続きをみる
年頭に、毎年決めている今年の一字を「質(七)」にした。それに沿って七つの観点で振り返ってみたい。 仙北市前市長の門脇さんには到底及ばないが「誰も褒めてくれなかったけど、私は良い仕事をした(と思う)」私のグッジョブ大賞を挙げるとすれば、絵本の読み聞かせの継続に尽きる。そのおかげで園児との交流も増え、い... 続きをみる
「生命的世界」との一体感…それは、例えばどのような場を指しているのか。里山に近い者ならば、四季の移り変わりの中で存分に感じ得たのかもしれない。そうした体験とは多少違うが、自分にもそんな感覚はないものなのか。目を凝らして微かな記憶をたどってみると、いくつかの場面が浮かび上がってくるようだ。 1965年... 続きをみる
1965年、世相や社会的な出来事について覚えはない。ネット上の「町の歴史」には、その年はわずか三行しか記載されていない。ただこの一行に目を惹かれた。(1月)ブルドーザーによる町道の除雪を試験的に実施。バス路線の県道除雪からいよいよ生活路線まで機械化が始まる。これは、象徴的な出来事ではないか。 昭和4... 続きをみる