• 「ポケットに名言を」寺山修司 角川文庫

    一時代前に、一世を風靡した小さな名言集です。撰者のかんがえとしては、こうした簡便な本から、引用された文章を読んで、当の本を読んだ気になるのは、どうかとは思いますが。この本から、さらに孫引きされた言葉が、一人歩きしている感がありますので、一言しておきたいと思います。この本には、寺山の意訳がかなりあります。「文化の仕掛人」として、マンガの登場人物の葬式を真面目に執り行ったという経歴が示す通り、日本文化

  • 「折々のうた」大岡信 岩波新書

    著者のライフワークです。朝日新聞の第一面にコラムとして、長年月に渡って一時的な中断はありながらも、毎朝掲載されました。海外、特にヨーロッパでは、日本には大新聞の一面に文芸批評が載っているとして、驚きの目で見られました。日本の短詩型の文学によく合致した小さなスペースに収まる文芸批評です。俳句や短歌などの作品を取り上げ、それに著者の短評を加えるのですが、著者自らが、その短評の字数を決めるという手法で、